【完結】番である私の旦那様

桜もふ

文字の大きさ
24 / 96

忌子と言われたので家出します

しおりを挟む
 門の所で兵士?  門番?   に何かを喚いているので、近くで見たいし聞きたいと思う野次馬心が出てしまい、門の近くで聞き耳をたてていた。

「ここを開けろ!
 うちの可愛い愛娘を見れば殿下も必ず好きになるはずだ!!」


(この行動がきっかけで私はフェンと一緒に、一時地球へ帰ってしまう事になるのも誰も知らない)


 そっと建物の陰から見ると。

 ………!!
 うわぁ、本当に可愛い。
 可愛すぎて『オールも好きになるかも』と思ってしまう私。
 女の子は私より背は高く『胸は勝った!』胸は関係ないよね。
 髪は腰まである金髪のサラサラヘアーで、薄い水色の瞳。
 おまけに美女だ。

「一目だけでもお会いしとうございます!
 お願いします。
 わたくしを入れて下さいまし!」
「私の可愛い娘の頼みを聞いてやって下さい!
 こんなに娘がお願いしているんだぞ!
 一目会うくらい良いだろ!」

 あぁ、これぞまさにDQNだよね。
 私が居た所では、だけど。
 でも、門番さんが凄く困ってる。
 あと少しなどと思いながら、ソロ~ッと移動した時に『ガササッ!』ヤバッ!
 引き返そうとしたが遅かった!

「オイ!
 そこの不吉な髪色のメイド!
 今すぐ殿下をお呼びしろ!
 聞こえないのか!!」

 私は怒鳴られるのに慣れてなく、恐怖心とイジメられていた記憶が蘇り、小刻みに震えながら放心状態になっている。
 門番さんは「口を慎め!!」と言ってくれたけれど、男性の娘が話しかけて来た。

「そこのメイド!  礼儀がなっていませんこと。
 こちらへいらして下さらないかしら?
 早くおし!!」

 可愛い顔が般若のようになっており、私の態度にイラついたのか金切り声で私に怒鳴った。
 ビクリッ!  として恐る恐る近づくと。

「不吉な色の髪に目だな!」

 父親が鼻息を鳴らし、汚物を見るような目で睨んでいる。
 娘の方はもっと酷く、私の心を砕く勢いの最低な暴言だ。

「まあ! 不吉で汚い色の髪に瞳だこと!
 こっちを見ないで下さらないかしら?
 と言いましたわよね?
 穢らわしい!!
 穢れた者が居て良い場所ではないのよ、!!
 のようなお前は、この屋敷から出て行きなさい!!
 さっさとおしっ!!」

 何の権利があってそんな事を言うの?


 バタバタッ!!
 走る音がし、後ろを振り向いた。


 門番は、騎士団とオールに知らせに行ったみたいだから大丈夫だよね?
 きっと助けてくれるよね?


 キイイィィッ!


 門の音がしたと思った瞬間、私は外へと引っ張られて横向きに転んだ!
 その瞬間フェンが怒り、元の大きさへと戻ったフェン。

「……!!  正体を表したな、このめが!!
 だ!
 から現れためが、してやる!!」
「………!!
 魔物……魔族よ……。
 は出て行け!
 !!」

 娘は腰を抜かしへたり込みながら叫んでいる。
 父親はフェンの事を化け物と叫び、私の事は悪魔や魔族、死神と言われガタガタと震え泣いてしまった私を、フェンが背に乗せ森へと走り去った!

 フェンにしがみつきながら泣きじゃくる私は、フェンと遠くに行きたいと思ってしまった。
 地球へ帰りたいとも思ってしまった。
 頑張ると決めたのに、昔の記憶が蘇り、心が砕けかけていた。
 私は日本で見た漫画を思い出し『黒髪黒目』異世界では忌子だったよね。

 でも、さっき言われた言葉が頭を木霊する『穢らわしい・化け物・悪魔・魔族・死神』森のフェンが住処にしていた寝ぐらで号泣した。

「うううぅぅっ!……ヒック……ゔううぅぅぅっ! ……」

 その頃、お城では大騒ぎになっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。 前世では犬の獣人だった私。 私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。 そんな時、とある出来事で命を落とした私。 彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。

処理中です...