【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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フォーリン学園

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 馬車で学園へ向かっている間、オールが隣で片方の手で私の肩を抱き、もう片方の手で私の手を握ってくれていた。
 暖かい手、安心する。
 私には味方が居るんだと思うだけで安堵した。
 顔を上げるとユージンが微笑んでくれ。

「ユア様、大丈夫ですから安心して下さい」
「ユージン、ありがとう」
「ユア様、私の事は『ジン』と呼びすてでお願いします」

 ニッコリ顔なのに目が、目が笑ってない!
 これは従うしかない!

「うん、宜しくね。
 ジン!」
 ジンは満足した顔で「それで結構」の一言と微笑みで終わった。


 話している間に学園へ着いていた。
 オールが先に馬車から降り。

「ユア、手を」

 コレって女の子の憧れの「お嬢様、お手を」と言う美味しいシチュエーション!
 きゃーーっ!   漫画やゲームで言ったらイベント発生だよ!
 JK(女子高生)の私には勿体ないくらいだよ。

 それにオールとジンは超が付くイケメンだし。
 学園では嫉妬や嫌がらせにネチネチ嫌味を言われたり、されたりの嵐なんだろうなと考えながら歩みを進める事にした。
 オールの手を取り馬車から降りた。

「……!」
「………。」

 ほらねっ! 早速視線が凄いし、突き刺さるよ。


 学園長室まで、オールと手を繋いで歩いていると、殺気のある視線や羨む視線、奇異の視線まであり、多くの視線に晒されている状態だった。

 学園長室へ入る前に、ふと横を向くと青い瞳の可愛い女の子と目が合い、嫌な顔はされず微笑まれた事が嬉しかった。

 コンコンコン!

「学園長、失礼します!」
 皆さんと一緒に入り、私は学園長の前でバランスを崩さない綺麗なカーテシーをし、学園長に挨拶をした。

「お初にお目にかかります。
 わたくしは、ユア・バールナと申します。
 本日からの学園生活を宜しくお願い致します」

 背筋をピンッと綺麗に伸ばし笑顔で学園長を見ていた。

「挨拶をありがとうございます。
 姿勢を楽にして下さい」
 私はゆっくりと姿勢を戻し、後ろへと下がった。
「お綺麗なカーテシーをありがとうございます。
 学園では様々な科目もあり選択が出来ます。
 ご希望はありますか?」

 科目は、基礎的な『読み書き学』は必須なので学園へ通う子は皆が初めに勉強する事になっている。
 基礎である読み書きが終われば、勉学は選択制で選べれるシステムになっている。

 今あるのは、『魔術・物理攻撃・後方補助魔法』は兵士や騎士、魔術師になりたい人向け『治癒魔法・生産』は治癒魔法やポーション系の職種に就きたい人向け『礼儀作法・政務』は貴族の子息令嬢が選択をする科目、最後に『家事』は……んっ?   最後の家事って、簡単じゃない?

「あの、最後にある家事って簡単すぎではないですか?
 高いお金を出して学ぶ事ってあるんですか?」
「家事は庶民用でして庶民からしたら、かなりの難易度があるのです」

 この家事は庶民用であり、庶民には難しい部類に入るの⁉︎
 本気で言ってるの?

 私にとっては超簡単すぎなんですけど!
 私が先生なら、簡単すぎるから無料で教えてあげたい。

 んん~っ?
「わたくしは何を選択したら良いのか分からないんです。
 オール達と相談したいのですが?
 宜しいでしょうか?」

 私は学園長に問うた、皆さんは一つだけの選択をするらしい。

「はい、ご相談して下さい」
「ありがとうございます!」と笑顔で返事をした後、相談する事にした。
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