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【リクエスト3】
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※他の投稿サイトにて記念リクエスト募集し、抽選したものです。
リクエスト内容
[七海 照史メインのお話]
です。
ごゆるりとお楽しみください。
僕の弟はとても可愛い。
それは兄だからそう見える、なんて当然の事ではなく中には甘いものを秘めた上で可愛いと僕は感じている。
僕はお母さんに再婚する事で弟が出来る事、再婚したらすぐに海外へ行かないと行けないことを伝えられていた。
そして、僕には日本で新しい弟を支えて欲しい事。
普通ならありえない事だ、とは僕自身も思う。
当時はまだ小学生、近くに親戚がいるわけでもない。
だからお母さんもお父さんも、僕が一緒に行きたいと言うのであればすぐにその手続きをするつもりだったと言う。
しかし、僕はここにいる事を選んだ。
それは何故と聞かれたらそんな事は覚えていない。
だってもう何年も前の事だもの。
覚えてるのはとても大きな不安。
日本にいる、なんて言いながら新しい弟の事や僕がしっかりしないといけないこと。
全てが不安で仕方なかった。
そんな中…
「ねぇ、僕父さんと住んでた時からご飯作ったり洗濯したりしてたから僕も家事手伝うよ」
凄く小さな手で、猫のように好奇心に塗れた瞳で僕の服をちょんちょんと引っ張る新しい弟。
ゴミ出しも、風呂掃除も、お部屋の掃除も手伝うと言ったその小さな小さな、守るべき存在。
その存在を認めた瞬間、僕の中には唯兎という何よりも大事な…大きな存在が生まれた。
この優しい子を、僕は守るんだ。
そう、僕の中で確立された存在となった。
「兄さん」
そう笑って、僕の隣で料理をする唯兎。
登下校で僕の隣を歩く唯兎。
お風呂の後僕に髪を委ねる唯兎。
1日の中でそんな唯兎を見るのが、僕の楽しみとなっていた。
勿論、唯兎が何か不安を抱えてる事も気付いていた…。
しかしそれは無理矢理聞いていいものではない、そう僕の中で答えが出ていたからこそ僕はどんな時も唯兎を見守ろうと決められていたんだ。
唯兎の周りにはいつも2人の友達がいる。
大原くんと桜野くんだ。
唯兎が話すのも主に2人との出来事。
僕が高校に入ってからは登下校を共に出来なくなったことから2人に圧をかけ……あ、いや…。
お願いをして唯兎と一緒にいてくれるようにしてもらった。
僕が迎えに行ける時はそれまで唯兎と一緒にいてもらう。
僕が迎えに行けない時は家まで送り届けてもらう。
唯兎は警戒心が高い癖に油断しすぎるところがある。
一度魅了されたら抜け出せない、そんな魅力があるのに自己評価があまりにも低い。
それに気付いていた2人は僕のお願いに二つ返事で了承してくれた。
…そんな2人と仲良く下校して来た事を伝えられたら少し、いや結構モヤっとするんだけど。
はぁ、と少し大きめな溜息を吐き出すと前の席に座っていたクラスメイトの葛城が僕の方に振り返る。
「おい、お前が溜息付くと吐き出した負のオーラが俺に掛かるだろ」
「知らない、避けなよ」
「はぁーん?俺が不幸になってもいいってかぁ?」
「はいはい、そーだね」
ギャーギャーと煩くなり始めた葛城を放置してスマホを確認する。
今日は迎えに行けそうかな、そう判断して唯兎に迎えに行くから学校で待っててと連絡を入れる。
それを横目で見ていた葛城が頬杖をつきながらげんなりした様子でいた。
「…まぁーた弟くんか?」
「そう」
「弟なんてそんなに可愛いもんかね?俺の弟なんて憎らしくて憎らしくて」
「唯兎は可愛いよ、何よりも大事」
兄の鏡だな、と返して来た葛城にでしょ?なんて冗談まじりに返せば唯兎から返信が届いてすぐに確認する。
唯兎[わかった、気をつけて来てね]
そんなシンプルな文章に優しさが含まれていて心が温かくなるのを感じる。
自然と緩む頬に僕を見ていた葛城がふーん、とニヤニヤし始めたのに気付く。
一つ息を吐いて顔を引き締めると大原くんと桜野くんにも今日は迎えに行く旨を送る。
2人には唯兎と一緒に居てもらおう、と連絡するのだ。
勿論2人にも予定はある。
その時は仕方ないから教えてね、とは伝えてあるが2人も唯兎のナイトですからと快く受け入れてくれていた。
凄く優秀で、素敵なナイトだ。
「でもさ、少し過保護だなとは自分で思わんの?」
「…思わない」
「男の子だし、構いすぎると逆に嫌われね?」
「………」
それは僕自身も懸念しているところではあった。
唯兎も中学生だ、思春期真っ只中であり普通なら反抗期を迎えていてもおかしくない。
反抗期を迎えた結果、その矛先が僕に向かわないなんて確信は持てないわけだ。
僕自身、家のことや唯兎のことに夢中になってしまって反抗期なんて迎える余裕なかったから反抗期の気持ちがイマイチわからない。
だからこそ、唯兎に反抗期が来て「兄さんなんてだいっきらい!」なんて言われたら…。
そう考えただけで吐きそうだ。
「…ごめんて、そんな泣きそうになる程ダメージ負うとは思わなかった」
「………うん」
「そんな暗い顔すんなって、周りが心配してるぞ」
葛城に言われて目だけで周りを見てみると、チラチラと僕を見ている子が数人。
ふぅ、と軽く溜息を吐くと唯兎のLINEを見返す。
ここは男子高だ。
女子はいないだろうから、僕に惚れて唯兎に危害を加えるような奴は出ないだろうとここを選んだ。
しかし、性別は関係なかったようだ。
男でも女でも顔で判断して好意を向けてくる人は多く存在するのだと、高校に来てから初めて知った。
好意を向けて来てもいいけど…唯兎に危害さえ加えなければ…。
全ては唯兎基準だ、というのは自分でも理解している。
しかし、もう僕の人生はそれで成り立ってしまっているのだ。
優しい唯兎からのLINEを見返してふ、と笑顔を漏らすと丁度よくお昼終了のチャイムが鳴って僕達は次の授業の為お弁当をしまってノートや教科書を取り出した。
•
•
•
•
•
「無理です」
「毎度のことだが、もう少し迷ってくれないか?」
「いや、無理です」
放課後、僕の足を止めたのは先生。
テニス部の顧問で毎日のように僕を勧誘しようと声をかけてくる。
聖心高校は部活参加は自由だが、新入生は最低でも3つの部活に体験する決まりになっている。
つまり、それさえやってしまえばあとは自由なのだ。
僕がここに決めた理由にもそれが含まれている。
部活なんてやっていて唯兎の迎えが出来なくなるなんてそんなの許されるわけがない。
いや、両親が許しても僕が許さない。
学生のうちは学校で出来ることを優先するべきだ?
僕の最優先は唯兎だ、それは揺るがない。
「なので、無理です」
「何がなのでなのかわからないが…とりあえず今日は俺もこれから会議だ…。また声かけるから少しは悩んでくれ」
「はぁ…お疲れ様です」
肩を落としながら去っていく先生を見送っていると後ろから俺の肩を抱いてくる奴がいた、葛城だ。
馴れ馴れしい奴は嫌いだけど、コイツは何かと使いがいい。
なんせコイツの顔がいい分、僕がアプローチをしても無駄だとわかった奴らがコイツに流れる。
つまりは諦めが良くなるのだ。
変に付き纏われることがなくなる分コイツとは学校内でくらい仲良くしておこうと思ったう。
とはいえ、ベタベタされるのは好かない。
抱かれた肩を捩って葛城の腕から逃れると軽めに睨んでおく。
「まーたテニス部断ったのか?」
「部活なんて入ったら唯兎の迎えに支障が出る」
「…弟くんって中学生だよな?1人でも帰れんじゃね?」
コイツは毎回僕に正論をぶつけてくる。
そんなことは僕だってわかっている。
唯兎だって大原くんや桜野くんと一緒に帰ったり、寄り道だってしたいだろう。
でも、どうしても僕の脳裏に焼き付いて離れないあの光景。
小学生の時の、誘拐未遂。
あの時、僕が一緒にいれば。
僕がもっと早く唯兎のクラスに行っていれば。
後悔してもし足りない、ずっと僕に付き纏う罪。
唯兎はあの事件の事を責めない。
気にしていない。
それでも僕は…ダメなんだ、唯兎を1人に出来ない。したくない。
「…そんな思い詰めたような顔、する程の事があったのか?」
「…………」
「言いたくないならいいけどさぁ、少しは自分の時間も設けないと…そのうち潰れんぞ」
僕の背中をポンッと叩くと、迎えいくんだろと見送ってくれる。
それに対して何かを返す余裕もないまま僕も歩き始めた。
潰れる、なんてそんな事はない。
…とは自分自身でもわからない事なのだろう。
お父さんにも言われる事だ、少しは休むようにと。
唯兎の事を守ってくれるのは有り難いけど僕の事も心配している、と。
優しい両親に、優しい弟。
僕は本当に幸せだ。
それだけで、僕はまだまだ動けるし頑張れる。
軽く両手で頬を叩いて気合いを入れると僕は駅までの道をなるべく早く歩いた。
•
•
•
•
•
学校の前に着くと、僕を見てキャーキャーと声を上げる女子達が遠目から様子を眺めてくる。
その子達は僕の目的が唯兎である事を知ってるだろう、遠くから眺めてる子達の口からたまに【弟】という単語が聞こえてくる。
ああいう子達は平気で唯兎を貶す。
僕が大事にしている、と知っていても自分を見てもらえない理由として唯兎を使う。
…正直、あんな性格ブスはどんなに頑張っても僕は嫌だけどね。
校門付近で唯兎を待っていると、パタパタと走り寄る音がした。
その可愛らしい足音に口が緩むのを感じながら振り返ると、その音の主はやはり唯兎であった。
「兄さん、ごめん遅くなって」
「大丈夫だよ、そんなに急いで来て転んだら大変。待つのは嫌じゃないからゆっくり来なさい」
走った事で跳ねていた髪を手櫛で直してあげると、少し恥ずかしそうにお礼を言う…可愛い。
唯兎を堪能していると後ろから様子を見ていた唯兎の騎士2人がいたのを思い出す。
「大原くんも桜野くんも、唯兎といてくれてありがとう。今度うちに遊びにおいでね」
「ありがとうございます」
「うっす!ありがとうございます!」
隣の唯兎も見ると、キラキラと輝いた目で僕を見ていた。可愛い。
きっと大原くんと桜野くんと遊びたい頃合いだったのだろう、僕はフッと笑って唯兎の頭を優しく撫でる。
「いつ遊ぶか、3人で相談しておきなね」
「~っ!うん!」
嬉しそうに笑う唯兎を見ると僕も嬉しくなる。可愛い。
可愛い可愛い笑顔を守るためにもこの2人にはうちに遊びに来て貰わないとね、ケーキとか買っておこうかな。
「2人はケーキ、食べられる?」
「俺はなんでも食えるっす!」
「ぁ、…はい、大丈夫です」
2人ともケーキは大丈夫なのか、唯兎も甘いのは好きだし3人とも同じケーキ買っておこうかな。
遊ぶ時のケーキについて考えていると、隣からツンツンと可愛らしく服を引っ張られた。可愛い。
「兄さん、大原は生クリーム苦手だからそれ以外がいい」
「あ、そうなの?じゃあタルト系なら食べられる?」
「…はい、食べられます。ありがとうございます」
大原くんはバツが悪そうに目を逸らしながらペコっと頭を下げる。
やったなー、なんて僕の横から可愛らしく大原くんに声をかける唯兎はどこか満足気でとても可愛い。
そろそろ帰らないと、と唯兎に声をかけるとコクンと頷いて2人に手を振って僕の横を歩き始める。
2人からもまた明日、と声が掛けられて嬉しそうに笑う唯兎はなんて可愛いのだろう。
僕はカバンを抱え直すと唯兎と夕飯の話をしながら家まで歩いた。
「兄さん、今日は俺が夕飯作るから先に風呂入っちゃって」
「手伝うよ?」
「いいよ、煮物なんてそんな手がかかるものでもないし」
煮物に使うであろう食材を用意していく唯兎に早く入っちゃって、と言われればそれに従うしかなく僕は先にお風呂でゆっくりさせてもらうことにした。
本当は唯兎が頑張って夕飯を作ってる姿を見ていたいという欲がある、にしても唯兎に早く入っちゃって、と可愛く言われたら従うしかない。
先程と同じ言葉を繰り返したがもう一度言っておこう。
早く入っちゃって、と可愛く言われたら従うしかないのだ。
ちゃぷん、と湯船に浸かれば身体がリラックスし疲れが取れる。
正直お風呂に入るって、入るまでは嫌だな面倒だなと思うこともあるけど入ってしまえば気持ちよくて蕩けてしまいそうだ。
「…はぁ」
肩まで湯に入り、一つ溜め息を吐く。
唯兎は今ご飯を作ってくれているんだな。
今は何を切ってるのかな。
それとも味付けしてるのかな。
今日学校はどうだったのかな。
どんな話をしたのかな。
僕の事も考えてくれていたかな。
風呂に入りながら唯兎の事を考えているのはとても幸せな時間である。
毎日お風呂に入り、その時間で唯兎の事を考える。それだけでのぼせそうなくらい時間が過ぎていくのだ。
実際、前に一度のぼせてしまった事があり唯兎にかなり心配をかけてしまったのでもうそんな失敗はしない。
僕は勢いよく湯船から上がるとさっさと身体や頭を拭いて髪を乾かす。
…正直髪を乾かすのが一番めんどくさいと僕は感じてる。
ただ僕がしっかりやってるところを見せないと唯兎に言えないじゃない?
ダメだよ、唯兎が濡れた髪をそのままにしてたらすぐ風邪ひいちゃう。
唯兎が風邪をひかない為にも僕がしっかりしてるところを見せないと。
僕は気合いを入れて髪を乾かしていった。
「兄さん、今煮込んでるから火だけ見てて貰っていい?俺も風呂入ってくる」
「わかった、しっかり肩まで浸かるんだよ」
「はぁーい」
パタパタと可愛らしくスリッパを鳴らしながら階段を上がる唯兎を見送ると、唯兎が作った煮物をチラ見しにキッチンに向かう。
唯兎の作る煮物は絶品なんだ、味がとにかく優しい。
今日唯兎が煮物を作ってくれているのも実は僕がおねだりしたからなんだ。
僕が煮物食べたいな、と一言言うだけで唯兎が『任せて』なんて可愛く言うんだ。
僕の好物は唯兎が作る煮物、これに限る。
唯兎は何か勘違いして僕の好物は煮物だと思ってるようだけど僕の好物は『唯兎の作る煮物』であり野良の煮物は別に好物でもなんでもない。
火を確認しながら鍋の中を覗いてみると唯兎が切った具材たちがいい色に染まっていた。
もう少し煮込めばすごく美味しい煮物が出来るだろう、と僕はお夕飯が楽しみだともう一品追加としてサラダを作り始めた。
•
•
•
•
•
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした、控え目に言っても最高に美味しかった」
「あはは、なら良かった」
僕の包み隠さない言葉に唯兎はどこか恥ずかしそうに笑う、可愛い。
食後には僕が唯兎にホットミルクを入れ、寝る前のひと時をリビングで過ごしていると映画情報が終わってお笑いの番組が始まる。
映画の情報が見終わった瞬間から少し目が虚ろになってきている唯兎に声をかけた。
「唯兎、眠いなら部屋行こうか」
「んー…ん…」
「目を擦ったらダメだよ、傷付いちゃう」
あー、可愛い。
絶対眠いはずなのに完全に開かなくなった目をぱちぱちさせて起きてるアピールしてるの可愛すぎる。
まだテレビが見たいのか目はテレビを捉えているものの、段々と瞼が蓋をしていく。可愛い。
「ゆーいーと、お部屋行こ」
「…ぁぃ」
あー…可愛い。
眠過ぎて舌足らずになってる唯兎は可愛く返事をしながらコクン、と頷く。可愛い。
ふらっとしながら立ち上がった唯兎を支えて部屋まで連れていくと布団に入りながら眠たげな目を僕に向けてお礼を言う唯兎。
もう保護しないといけない可愛さだと思う、本当に。
そんな邪な僕の心を隠しながら優しく唯兎に微笑みかけ、おやすみと頭を撫でる。
するとフッと唯兎の力が完全に抜け眠りについた事を悟る。可愛い。
くー…と寝息を立て始めた唯兎に緩む頬を押さえながら部屋から出ると自分の部屋に向けて足を運ぶ。
僕もそろそろ眠らないと、明日も唯兎より早く起きて朝ご飯用意してあげるんだ。
なんて、今回は唯兎の可愛さを見せてあげたけどどうだったかな?
こんな無防備なあの子を見せるのは嫌だったけど、記念だから仕方ないよね。
でもこれが最後だから。
君たちも、唯兎が愛おしいよね?
なら、わかるよね?
唯兎のために何をするべきか。
リクエスト内容
[七海 照史メインのお話]
です。
ごゆるりとお楽しみください。
僕の弟はとても可愛い。
それは兄だからそう見える、なんて当然の事ではなく中には甘いものを秘めた上で可愛いと僕は感じている。
僕はお母さんに再婚する事で弟が出来る事、再婚したらすぐに海外へ行かないと行けないことを伝えられていた。
そして、僕には日本で新しい弟を支えて欲しい事。
普通ならありえない事だ、とは僕自身も思う。
当時はまだ小学生、近くに親戚がいるわけでもない。
だからお母さんもお父さんも、僕が一緒に行きたいと言うのであればすぐにその手続きをするつもりだったと言う。
しかし、僕はここにいる事を選んだ。
それは何故と聞かれたらそんな事は覚えていない。
だってもう何年も前の事だもの。
覚えてるのはとても大きな不安。
日本にいる、なんて言いながら新しい弟の事や僕がしっかりしないといけないこと。
全てが不安で仕方なかった。
そんな中…
「ねぇ、僕父さんと住んでた時からご飯作ったり洗濯したりしてたから僕も家事手伝うよ」
凄く小さな手で、猫のように好奇心に塗れた瞳で僕の服をちょんちょんと引っ張る新しい弟。
ゴミ出しも、風呂掃除も、お部屋の掃除も手伝うと言ったその小さな小さな、守るべき存在。
その存在を認めた瞬間、僕の中には唯兎という何よりも大事な…大きな存在が生まれた。
この優しい子を、僕は守るんだ。
そう、僕の中で確立された存在となった。
「兄さん」
そう笑って、僕の隣で料理をする唯兎。
登下校で僕の隣を歩く唯兎。
お風呂の後僕に髪を委ねる唯兎。
1日の中でそんな唯兎を見るのが、僕の楽しみとなっていた。
勿論、唯兎が何か不安を抱えてる事も気付いていた…。
しかしそれは無理矢理聞いていいものではない、そう僕の中で答えが出ていたからこそ僕はどんな時も唯兎を見守ろうと決められていたんだ。
唯兎の周りにはいつも2人の友達がいる。
大原くんと桜野くんだ。
唯兎が話すのも主に2人との出来事。
僕が高校に入ってからは登下校を共に出来なくなったことから2人に圧をかけ……あ、いや…。
お願いをして唯兎と一緒にいてくれるようにしてもらった。
僕が迎えに行ける時はそれまで唯兎と一緒にいてもらう。
僕が迎えに行けない時は家まで送り届けてもらう。
唯兎は警戒心が高い癖に油断しすぎるところがある。
一度魅了されたら抜け出せない、そんな魅力があるのに自己評価があまりにも低い。
それに気付いていた2人は僕のお願いに二つ返事で了承してくれた。
…そんな2人と仲良く下校して来た事を伝えられたら少し、いや結構モヤっとするんだけど。
はぁ、と少し大きめな溜息を吐き出すと前の席に座っていたクラスメイトの葛城が僕の方に振り返る。
「おい、お前が溜息付くと吐き出した負のオーラが俺に掛かるだろ」
「知らない、避けなよ」
「はぁーん?俺が不幸になってもいいってかぁ?」
「はいはい、そーだね」
ギャーギャーと煩くなり始めた葛城を放置してスマホを確認する。
今日は迎えに行けそうかな、そう判断して唯兎に迎えに行くから学校で待っててと連絡を入れる。
それを横目で見ていた葛城が頬杖をつきながらげんなりした様子でいた。
「…まぁーた弟くんか?」
「そう」
「弟なんてそんなに可愛いもんかね?俺の弟なんて憎らしくて憎らしくて」
「唯兎は可愛いよ、何よりも大事」
兄の鏡だな、と返して来た葛城にでしょ?なんて冗談まじりに返せば唯兎から返信が届いてすぐに確認する。
唯兎[わかった、気をつけて来てね]
そんなシンプルな文章に優しさが含まれていて心が温かくなるのを感じる。
自然と緩む頬に僕を見ていた葛城がふーん、とニヤニヤし始めたのに気付く。
一つ息を吐いて顔を引き締めると大原くんと桜野くんにも今日は迎えに行く旨を送る。
2人には唯兎と一緒に居てもらおう、と連絡するのだ。
勿論2人にも予定はある。
その時は仕方ないから教えてね、とは伝えてあるが2人も唯兎のナイトですからと快く受け入れてくれていた。
凄く優秀で、素敵なナイトだ。
「でもさ、少し過保護だなとは自分で思わんの?」
「…思わない」
「男の子だし、構いすぎると逆に嫌われね?」
「………」
それは僕自身も懸念しているところではあった。
唯兎も中学生だ、思春期真っ只中であり普通なら反抗期を迎えていてもおかしくない。
反抗期を迎えた結果、その矛先が僕に向かわないなんて確信は持てないわけだ。
僕自身、家のことや唯兎のことに夢中になってしまって反抗期なんて迎える余裕なかったから反抗期の気持ちがイマイチわからない。
だからこそ、唯兎に反抗期が来て「兄さんなんてだいっきらい!」なんて言われたら…。
そう考えただけで吐きそうだ。
「…ごめんて、そんな泣きそうになる程ダメージ負うとは思わなかった」
「………うん」
「そんな暗い顔すんなって、周りが心配してるぞ」
葛城に言われて目だけで周りを見てみると、チラチラと僕を見ている子が数人。
ふぅ、と軽く溜息を吐くと唯兎のLINEを見返す。
ここは男子高だ。
女子はいないだろうから、僕に惚れて唯兎に危害を加えるような奴は出ないだろうとここを選んだ。
しかし、性別は関係なかったようだ。
男でも女でも顔で判断して好意を向けてくる人は多く存在するのだと、高校に来てから初めて知った。
好意を向けて来てもいいけど…唯兎に危害さえ加えなければ…。
全ては唯兎基準だ、というのは自分でも理解している。
しかし、もう僕の人生はそれで成り立ってしまっているのだ。
優しい唯兎からのLINEを見返してふ、と笑顔を漏らすと丁度よくお昼終了のチャイムが鳴って僕達は次の授業の為お弁当をしまってノートや教科書を取り出した。
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「無理です」
「毎度のことだが、もう少し迷ってくれないか?」
「いや、無理です」
放課後、僕の足を止めたのは先生。
テニス部の顧問で毎日のように僕を勧誘しようと声をかけてくる。
聖心高校は部活参加は自由だが、新入生は最低でも3つの部活に体験する決まりになっている。
つまり、それさえやってしまえばあとは自由なのだ。
僕がここに決めた理由にもそれが含まれている。
部活なんてやっていて唯兎の迎えが出来なくなるなんてそんなの許されるわけがない。
いや、両親が許しても僕が許さない。
学生のうちは学校で出来ることを優先するべきだ?
僕の最優先は唯兎だ、それは揺るがない。
「なので、無理です」
「何がなのでなのかわからないが…とりあえず今日は俺もこれから会議だ…。また声かけるから少しは悩んでくれ」
「はぁ…お疲れ様です」
肩を落としながら去っていく先生を見送っていると後ろから俺の肩を抱いてくる奴がいた、葛城だ。
馴れ馴れしい奴は嫌いだけど、コイツは何かと使いがいい。
なんせコイツの顔がいい分、僕がアプローチをしても無駄だとわかった奴らがコイツに流れる。
つまりは諦めが良くなるのだ。
変に付き纏われることがなくなる分コイツとは学校内でくらい仲良くしておこうと思ったう。
とはいえ、ベタベタされるのは好かない。
抱かれた肩を捩って葛城の腕から逃れると軽めに睨んでおく。
「まーたテニス部断ったのか?」
「部活なんて入ったら唯兎の迎えに支障が出る」
「…弟くんって中学生だよな?1人でも帰れんじゃね?」
コイツは毎回僕に正論をぶつけてくる。
そんなことは僕だってわかっている。
唯兎だって大原くんや桜野くんと一緒に帰ったり、寄り道だってしたいだろう。
でも、どうしても僕の脳裏に焼き付いて離れないあの光景。
小学生の時の、誘拐未遂。
あの時、僕が一緒にいれば。
僕がもっと早く唯兎のクラスに行っていれば。
後悔してもし足りない、ずっと僕に付き纏う罪。
唯兎はあの事件の事を責めない。
気にしていない。
それでも僕は…ダメなんだ、唯兎を1人に出来ない。したくない。
「…そんな思い詰めたような顔、する程の事があったのか?」
「…………」
「言いたくないならいいけどさぁ、少しは自分の時間も設けないと…そのうち潰れんぞ」
僕の背中をポンッと叩くと、迎えいくんだろと見送ってくれる。
それに対して何かを返す余裕もないまま僕も歩き始めた。
潰れる、なんてそんな事はない。
…とは自分自身でもわからない事なのだろう。
お父さんにも言われる事だ、少しは休むようにと。
唯兎の事を守ってくれるのは有り難いけど僕の事も心配している、と。
優しい両親に、優しい弟。
僕は本当に幸せだ。
それだけで、僕はまだまだ動けるし頑張れる。
軽く両手で頬を叩いて気合いを入れると僕は駅までの道をなるべく早く歩いた。
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学校の前に着くと、僕を見てキャーキャーと声を上げる女子達が遠目から様子を眺めてくる。
その子達は僕の目的が唯兎である事を知ってるだろう、遠くから眺めてる子達の口からたまに【弟】という単語が聞こえてくる。
ああいう子達は平気で唯兎を貶す。
僕が大事にしている、と知っていても自分を見てもらえない理由として唯兎を使う。
…正直、あんな性格ブスはどんなに頑張っても僕は嫌だけどね。
校門付近で唯兎を待っていると、パタパタと走り寄る音がした。
その可愛らしい足音に口が緩むのを感じながら振り返ると、その音の主はやはり唯兎であった。
「兄さん、ごめん遅くなって」
「大丈夫だよ、そんなに急いで来て転んだら大変。待つのは嫌じゃないからゆっくり来なさい」
走った事で跳ねていた髪を手櫛で直してあげると、少し恥ずかしそうにお礼を言う…可愛い。
唯兎を堪能していると後ろから様子を見ていた唯兎の騎士2人がいたのを思い出す。
「大原くんも桜野くんも、唯兎といてくれてありがとう。今度うちに遊びにおいでね」
「ありがとうございます」
「うっす!ありがとうございます!」
隣の唯兎も見ると、キラキラと輝いた目で僕を見ていた。可愛い。
きっと大原くんと桜野くんと遊びたい頃合いだったのだろう、僕はフッと笑って唯兎の頭を優しく撫でる。
「いつ遊ぶか、3人で相談しておきなね」
「~っ!うん!」
嬉しそうに笑う唯兎を見ると僕も嬉しくなる。可愛い。
可愛い可愛い笑顔を守るためにもこの2人にはうちに遊びに来て貰わないとね、ケーキとか買っておこうかな。
「2人はケーキ、食べられる?」
「俺はなんでも食えるっす!」
「ぁ、…はい、大丈夫です」
2人ともケーキは大丈夫なのか、唯兎も甘いのは好きだし3人とも同じケーキ買っておこうかな。
遊ぶ時のケーキについて考えていると、隣からツンツンと可愛らしく服を引っ張られた。可愛い。
「兄さん、大原は生クリーム苦手だからそれ以外がいい」
「あ、そうなの?じゃあタルト系なら食べられる?」
「…はい、食べられます。ありがとうございます」
大原くんはバツが悪そうに目を逸らしながらペコっと頭を下げる。
やったなー、なんて僕の横から可愛らしく大原くんに声をかける唯兎はどこか満足気でとても可愛い。
そろそろ帰らないと、と唯兎に声をかけるとコクンと頷いて2人に手を振って僕の横を歩き始める。
2人からもまた明日、と声が掛けられて嬉しそうに笑う唯兎はなんて可愛いのだろう。
僕はカバンを抱え直すと唯兎と夕飯の話をしながら家まで歩いた。
「兄さん、今日は俺が夕飯作るから先に風呂入っちゃって」
「手伝うよ?」
「いいよ、煮物なんてそんな手がかかるものでもないし」
煮物に使うであろう食材を用意していく唯兎に早く入っちゃって、と言われればそれに従うしかなく僕は先にお風呂でゆっくりさせてもらうことにした。
本当は唯兎が頑張って夕飯を作ってる姿を見ていたいという欲がある、にしても唯兎に早く入っちゃって、と可愛く言われたら従うしかない。
先程と同じ言葉を繰り返したがもう一度言っておこう。
早く入っちゃって、と可愛く言われたら従うしかないのだ。
ちゃぷん、と湯船に浸かれば身体がリラックスし疲れが取れる。
正直お風呂に入るって、入るまでは嫌だな面倒だなと思うこともあるけど入ってしまえば気持ちよくて蕩けてしまいそうだ。
「…はぁ」
肩まで湯に入り、一つ溜め息を吐く。
唯兎は今ご飯を作ってくれているんだな。
今は何を切ってるのかな。
それとも味付けしてるのかな。
今日学校はどうだったのかな。
どんな話をしたのかな。
僕の事も考えてくれていたかな。
風呂に入りながら唯兎の事を考えているのはとても幸せな時間である。
毎日お風呂に入り、その時間で唯兎の事を考える。それだけでのぼせそうなくらい時間が過ぎていくのだ。
実際、前に一度のぼせてしまった事があり唯兎にかなり心配をかけてしまったのでもうそんな失敗はしない。
僕は勢いよく湯船から上がるとさっさと身体や頭を拭いて髪を乾かす。
…正直髪を乾かすのが一番めんどくさいと僕は感じてる。
ただ僕がしっかりやってるところを見せないと唯兎に言えないじゃない?
ダメだよ、唯兎が濡れた髪をそのままにしてたらすぐ風邪ひいちゃう。
唯兎が風邪をひかない為にも僕がしっかりしてるところを見せないと。
僕は気合いを入れて髪を乾かしていった。
「兄さん、今煮込んでるから火だけ見てて貰っていい?俺も風呂入ってくる」
「わかった、しっかり肩まで浸かるんだよ」
「はぁーい」
パタパタと可愛らしくスリッパを鳴らしながら階段を上がる唯兎を見送ると、唯兎が作った煮物をチラ見しにキッチンに向かう。
唯兎の作る煮物は絶品なんだ、味がとにかく優しい。
今日唯兎が煮物を作ってくれているのも実は僕がおねだりしたからなんだ。
僕が煮物食べたいな、と一言言うだけで唯兎が『任せて』なんて可愛く言うんだ。
僕の好物は唯兎が作る煮物、これに限る。
唯兎は何か勘違いして僕の好物は煮物だと思ってるようだけど僕の好物は『唯兎の作る煮物』であり野良の煮物は別に好物でもなんでもない。
火を確認しながら鍋の中を覗いてみると唯兎が切った具材たちがいい色に染まっていた。
もう少し煮込めばすごく美味しい煮物が出来るだろう、と僕はお夕飯が楽しみだともう一品追加としてサラダを作り始めた。
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「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした、控え目に言っても最高に美味しかった」
「あはは、なら良かった」
僕の包み隠さない言葉に唯兎はどこか恥ずかしそうに笑う、可愛い。
食後には僕が唯兎にホットミルクを入れ、寝る前のひと時をリビングで過ごしていると映画情報が終わってお笑いの番組が始まる。
映画の情報が見終わった瞬間から少し目が虚ろになってきている唯兎に声をかけた。
「唯兎、眠いなら部屋行こうか」
「んー…ん…」
「目を擦ったらダメだよ、傷付いちゃう」
あー、可愛い。
絶対眠いはずなのに完全に開かなくなった目をぱちぱちさせて起きてるアピールしてるの可愛すぎる。
まだテレビが見たいのか目はテレビを捉えているものの、段々と瞼が蓋をしていく。可愛い。
「ゆーいーと、お部屋行こ」
「…ぁぃ」
あー…可愛い。
眠過ぎて舌足らずになってる唯兎は可愛く返事をしながらコクン、と頷く。可愛い。
ふらっとしながら立ち上がった唯兎を支えて部屋まで連れていくと布団に入りながら眠たげな目を僕に向けてお礼を言う唯兎。
もう保護しないといけない可愛さだと思う、本当に。
そんな邪な僕の心を隠しながら優しく唯兎に微笑みかけ、おやすみと頭を撫でる。
するとフッと唯兎の力が完全に抜け眠りについた事を悟る。可愛い。
くー…と寝息を立て始めた唯兎に緩む頬を押さえながら部屋から出ると自分の部屋に向けて足を運ぶ。
僕もそろそろ眠らないと、明日も唯兎より早く起きて朝ご飯用意してあげるんだ。
なんて、今回は唯兎の可愛さを見せてあげたけどどうだったかな?
こんな無防備なあの子を見せるのは嫌だったけど、記念だから仕方ないよね。
でもこれが最後だから。
君たちも、唯兎が愛おしいよね?
なら、わかるよね?
唯兎のために何をするべきか。
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