目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

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呪夢ー⑩ 続き

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 「王子様はわたくしの義妹が好きなのですか」
 
 何度目かのループで単刀直入に王子様に聞いた。ちょっとジレジレ展開に角度を変えようとアレンジぶっこんでみた。
 
 決して、飽きたからではないよ?

 「な、馬鹿は休み休み言え! 其方の妹ではないか、何を言うかと思えば! はぁ、ははあ~ん、さては私の気を惹こうと「してません」…あ、そう」

 あっ、つい即答しちゃった。

 王子様はしょんぼりへなって情けない顔で縋る様な目で見てくる。

 えっ? 


 「コホン、え~王子様はわたくしの事がお好きじゃありませんよね?」
 「うっ、あ、え~、う‥‥‥‥‥‥そんなことは無いぞぉ」

 
 はっ? 声、小っちゃ、何て?


 「わたくし達の婚約を、王子様が気が乗らないのでしたら解消しませんか? 二人で親に頼めば、もしかしたら聞いてくれるかも知れません」

 いい話だと提案したんだけど、王子様、驚愕って顔でこっちを見てる。
 えっ、何その顔

 ‥…どうしてそんな悲しそうな顔するかな?

 
 「‥…い、嫌だ! 解消などしない!」
 「えー!? 何でよー、義妹と婚約したらいいでしょ?! チェンジ、チェンジで!」
 「ば、馬鹿者! 絶対解消しないからな!」
 「えーどうしてよ!」


 パンパン

 「はぁ~い。お二人さん、熱くならないの~ はいはい、お茶飲んで冷静に」

 くーちゃん、ナイスアシスト。



 「あ、すみません、ちょっと熱くなり過ぎちゃいましたね‥‥はぁ」
 「‥‥む、いや…‥」

 「「‥‥‥‥‥」」

 ちょー気不味いんですけど?!

 
 「あ、其方は私が嫌いなのか‥…だから婚約を解消したいのか」
 
 しょんぼり元気のない王子様、これは意外だったね。嬉々として受け入れて義妹とくっつくかと思ったのに。

 「違います。王子様を嫌ってなどいません。王子様がわたくしといるより義妹と一緒の方が良いのかと、気を利かせただけです」
 「そ、そうか! 気を利かせただけ‥…そうかそうか」

 

 嬉しそうに笑うなんて‥…
 男心は良く判らない。

 


 



 学園生活は比較的穏やかで(義妹と取り巻きが煩いのを除外して)王子様と良好な関係を築き上げた。

 あ~報われる努力って、素晴らしい!!



 おっと、王子様がお出ましだ。

 「フローレンスよ、何処に行くのだ」
 「はい、勉強をしに図書館へ行こうかと」
 「そうか、私も同行しても良いか? 実は授業で判らない箇所があってな、出来れば教えて貰えないだろうか」
 「わたくしで判ればですが。ご一緒出来て嬉しいです」
 「おお、そうか‥‥私も‥‥だ」


 うわ~い、青春だ~。

 

 学園内に蔓延していたフローレンスの悪評も鳴りを潜め、嫌がらせも減った。完全に王子の影響だ。彼が主導したわけではないだろうが、お節介な輩が気を回したのか。でも、そこに王子の意向はなく誰かの思惑に私達は踊らされた。王子もフローレンスも義妹も取り巻きも、みんな幼すぎたのだ、禄でもない大人に好い様に使われた結果だった‥‥と評したくーちゃんの眼差しは憂いていた。


 (くーちゃんも謎多き人物だよね)
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