転生先は小説の‥…。

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第一章 攻略対象一人目 正しい第一王子の取り扱い方

婚姻無効ー③

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(あ~みんな、好きだねぇ、醜聞。他人事だもんね)

ならば彼等の期待に答えなければ‥‥。今日を台無しにしたせめてもの償いだ。

意を決したレティエルは不敵な笑みを湛えながら王子達を見据えた。落ち着いた静かな声でゆっくりと口を開ける。

「王子‥‥。いえ、マリエラ様。何を仰っているのですか? 言い掛かりも程々になさいまし。みっともないですわ。それに王子と結婚ですか? ふっ。貴女如きが出来るわけないでしょう。そんなことも分からないのですか? 困った方ね。フフフ。もう少しこの国の貴族社会のことお勉強なさったら? 殿方を追い回すお暇があるのならねぇ。それに妄言ばかりでは貴女のご両親がさぞ困ることになるでしょうねぇ。クスクス」

暗に、言い掛かりをつけるなら男爵家もろとも制裁するぞ!と言ってみたが、わかったか?


王子の手を払い除けてマリエラが真っ赤な顔で声を荒げる。

「はぁ!ふざけないでよ! 私を尻軽みたいに言わないでよ! あんたこそ、男に逃げられてんじゃん! はっ! さすが悪役令嬢ね!」

「あら嫌だわ。相変わらず頭の働きが鈍い方ねぇ。別に逃げられてなどいませんわよ。不誠実で不義理なお方とのご縁など。不要でございますわ。フフフ。そのお方には高額な慰謝料と賠償金の支払い義務が生じるのですけれどね。個人資産から捻出できるかしら?」


「レ、レティエル! なっなんだと「ちょっと! どういうことよそれ! 王子が慰謝料なんて払う義務はないわよ! 馬鹿なこと言わないでよ!」

王子が何か言おうとしたがそれをマリエラが遮る。


「ああ、ゴメンナサイね。クリスフォード王子とご結婚できる方法がございましたわ。わたくしとしたことがうっかりしていました。フフフ」

「ふん! やっぱり悔しいんでしょっ!私は王子と結婚していずれ王妃になるのよ。だってヒロインだもん!」

マリエラ、ドヤ顔。

(‥‥えぇ~。凄いなこの女。ヒロインって自分で言うか? アホか‥‥いや痛いわ。痛い子だった。こいつ放っておいても自滅しそうだな。それより王子、これどうするんだ? お前やばいぞ)

「まぁ‥‥。不敬も恐れぬ発言。恐ろしいわ。皆様お聞きになりましたわよね? よろしいですか? お聞きになりましたね。」

大事なことです。二度言いました。

「あ、あのマリエラ様。得意顔のところ非常に言い難いのですが‥‥。今のクリスフォード王子とのご結婚を望まれるのでしたら、王子が王籍を除籍されて臣下に下られてからになりますのよ? それはご存じで?」

レティエル、可愛そうな子を見る目でシレッと言ってのける。王子が王太子候補から外れたことを匂わせながら。

「はああ? なに言っていんのよ! 負け惜しみ? そんなわけないでしょ! 私、ヒロインよ。私が王妃にならなくてどうするのよ! あんたがなるっての? はっ! 悪役令嬢が無理でしょ! あんたは断罪ルートよ!」

マリエラは怒りでちょっとヒス気味だ。


横にいる王子の顔は‥‥顔面蒼白だ。この王子でも自分が追い詰められていくのがわかったようだ。
しかも愛するマリエラの手で。


(王子…ざまあねえな。プププ。レティエルを蔑ろにするからだぞ。お得意様と思って大事にすればよかったのによ。残念だな。‥‥さてっと)


レティエルは自分の取り巻き達に目配せをする。

心得ましたと言わんばかりに頷き返して用意していた書類を素早く且つ静かに周りの貴族達へ配り始めた。

貴族達も暗黙の了解だ。誰も一言も漏らすことなく手にした書類を流し読む。
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