転生先は小説の‥…。

kei

文字の大きさ
197 / 365
第九章 王国の異変

閃いたナイスな名案ー①

しおりを挟む

…‥‥‥‥沈黙が重い。

室内に6人いるのに全員無言って、どうなの?
義兄が目を瞑って考え事を始めたから皆、黙っているのだけれど。
沈黙が落ち着かない。
ガザなんて、こうべ垂れ幕り。
あれ、首が痛くならないのかな。



ガザに関して思う事はある。気の毒だし今回は災難だったねって励ましたい。だって彼は仕事と言えど遥々王国までクレアを追いかけてきた人でしょ。

‥‥ん? 追っかけ? ん? 監視?
あっ、ストーカっぽいって思ってごめんなさい。



それより、この鬱々な感じ、打破したい。すっきり解消させたい。
う~頭捻って解決策を引っ張り出さなきゃ‥‥あっ! 
おお~ナイスな名案が閃いた!


皆さんお耳を拝借、朗報です。


「このままでは徒に時間だけが過ぎてしまいますわ。ですので行きましょう! クレア情報の不確かさは皆で確認すれば良いことです。己の目で確かめればガザの真実も判り納得できますでしょ? それに事実確認は当然のことですわね、お義兄様」
「はぁ? …ああ、迂闊にも呆けてしまった。すまないレティ。私の聞き間違いかな? 皆で見に行こうと誘われた様に聞こえたが‥…違うね?」

目は口ほどにモノを言ってますね義兄よ。
優し気な眼差しの中に『違うと言いなさい』の意志が籠っている。
何ともまあ、器用な。
でもね、今回だけは譲れない。悪いけど気付かないふりするから。


「お義兄様正解! 仮にクリスフォード様のお邸にクレアがいれば捕獲…あ、いえいえ、捕らえなくても陰から覗けば確認できますわ。それに万が一、クレアが抗っても複数人相手に精神干渉は出来ません…ですわね? まあ、例え出来たとしても、わたくしが相手ではクレアの魔力は効きませんから大丈夫ですわ。あっ、しまった。うっかり失念しておりましたが、わたくしとお義兄様、顔バレは厳禁でしたね。‥‥覆面? 仮面の方が淑女らしい?」

「‥…聞き間違いではなかったか。レティ、考えてくれてありがとう。事実確認の必要性を理解していたね。でもね、今回は相手が悪い。悪評の絶えない領主に犯罪者のクレア。君を不当な輩と会わせたくない私の気持ちは理解して欲しい。それから、考えてご覧レティ、もしクリスフォードに見つかれば嫌な気分を味わうのは君だよ。それでもいいの? 私は考えただけでも殺意が湧く‥‥かな。お願いだよレティ、私を元王子殿下殺害犯にさせないで」

「えええー?!」

聞き間違い? 聞き間違いに違いない! そうだ聞き間違いだ!

「危険性の高い場所に君を連れては行けないよ。私も気が気じゃなくて冷静さを失ってしまう。それにね、レティ、君の身分であれば指示を出せばいい。実行は仕える者が行う。それが彼等の仕事だからね。君が手を出してしまえば彼等の仕事を奪うことになる。わかるだろう‥‥レティ」

口調は穏やかだけど焦りが隠せていない。義兄にしては珍しい態度だ。
動揺しながらも俺に対する気遣いを忘れないのが義兄の良いとこだね。素直に嬉しい。
でも子供を諭すような物言いはどうかと思うよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

処理中です...