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Dead End ユ キ・サクラ (15)

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時は満ちた!…お月様は欠けているっというか、隠れちゃっているんだけれど…ね!待ちに待った新月の夜!!前回の様に呆けたりしないよ!
くぅぅっと、背中を丸めて両肘がくっ付きそうなくらい近づけ、その場で足踏みをしてしまうくらい心が弾ける!!

下準備ってほどじゃないけれど、考えはまとめれた!って思いたい!
私ってさー、誰かに説明しながらの方が新しい発想とか?思考が整理されることがあるからさー、机に向かって一人で悶々と考えるとさー色々と見逃しとかありそうなきがする!
だけれど!それはそれ!考えて、見直して、再度、長考しても、出てこないっていう現段階だったらさ、問題なくない?
直ぐにでも湧き上がる疑問こそが優先度が高いって事でしょ?考えても考えても出てこないってことは重要じゃないでしょ?なら、問題なし!!

自分の考えに同意する様にうんうんっと、頷き、そっと心臓に手を当てると鼓動が速くなっているのが凄くわかる…

速くなる心臓が心地いいと感じる日がくるなんて、想像だにしたことが無かった。
高鳴る胸を、感情を!抑えつけるなんて野暮なことはしない!!鏡に映った私の顔は微笑どころか新しいおもちゃを貰った子供のように溢れんばかりの笑み!!

この鼓動を、衝動を!抑えつけるなんて愚か!全力で…全力でぶつかりにいくよ!!全ての未知を既知にする!!
それだけでも私の知的好奇心が満たされるのを願って邁進できるってもんだよね!!恋心だけじゃないってもんよ!!

すぅはぁっと、幾度となく深呼吸をして、深呼吸を繰り返して!ある程度は、落ち着かせれたような気がする!
流石に、ね?このペースでありとあらゆる湧き上がる感情が高まり続けるとさ、出会った瞬間に息切れしそうじゃん?頭が真っ白になりかねないからね!!
テンションコントロール、適度な緊張感を保ちつつッてね!

無粋な鎧などは着ない!鎖帷子も着ない!だって、この装備を固めないっていうのが、大事なんだよ!私から彼が敵でないと、信じていると!軽装で行くことによって此方は敵意が無いと相手に伝わるってもんでしょ?
歩み寄るためにも、その一歩から勇気を出すってのは大事大事!重たくて準備するのが面倒だからじゃないよ?

お気に入りの服をきて、鏡の前で胸を張って鼻からふん!っと息を吐きだす

…なんてね、かっこつけてみたけれどさ、ぶっちゃけると、術者同士の戦いは機動力がモノを言うと私は考えているんだよね!立ち止まって詠唱なんてしてらんない!
如何に敵を封殺できるかが胆なんだから!敵に手順を踏ませない!必勝パターンをやらせない!いかに相手のリズムを崩すかが大事ってね!
そんな事を、新月の夜までにどうやって、強者である術者である新月の夜に現れる彼と、万が一敵対したと考えた時に、どうやって戦い抜くのか幾度となくシミュレーションはしてきてある!数多くのパターン…幾度となくパターンを考えては、考察し、幾度となく脳内で訓練してきた!

不測の事態はある程度、計算済み!持ちうる知識をフル活用フル動員して闘う準備も怠っていない!

…ただ、彼が術者タイプじゃなくて、生粋な騎士タイプだったら幾度となく繰り返し演算してきたシミュレーションは無意味だったりするんだけどね!
先入観っと言うか、私の索敵術式にどでかい穴を開けれるような人物が術者タイプではない、って部分を認めたくないだけなのかもしれない。

っま、相手が騎士で在ろうと、その時はその時!敵の方が一枚上手だってだ~け!
後手に回ろうが対人戦に置いて私に勝てる存在はいない!断言できるね!騎士対策だって完璧なんだから!
ふんふんっと鼻息を荒くしながら、猛烈に高まる感情を楽しみに感じ、ドアを開き、広場へと向かって早歩きで歩いていく。

因みに、まだ索敵術式に大きな穴が開いてたりはしていない、新月の夜なのだから、彼が来るのは当然だと、決めつけて行動する。
彼が広場にやってくるのだと信じて!彼を出迎える為に!彼よりも先に!広場に向かう!!

広場に向かって歩いていく最中、幸いにも誰ともすれ違うことは無かった、僥倖僥倖!夜に何処に行くのか質問されて足止めをくらうっというか、無駄と言うと失礼になっちゃうけれど、下らない質問、そんなのを知ってどうするのって感じ!そういった類の無駄に時間を消費することがないってのが!もうね!運が味方してくれている気がする。

それにね、もう少し時間が流れると、皆も眠りにつく時間になるから、そんな夜中に外を出歩く可能性は減るからね!
完全にこの時間に起きていないってわけじゃないんだけどね、今の時間に起きてる人の殆どが、お酒好きな人達になる。
そして、その人たちが行きつく先は夜中っと言うか下手すると朝方まで開けてくれるというお酒が美味しいお店!っとなると、決まってる。
女将のとこで飲み食いしてることが多い。一応、食事だけでいいのなら、この街で働く人が趣味でやってるお店がたま~に、不定期で開いてたりするんだよね。

まぁ、そんなわけで、この時間までお酒を飲んでいる人達は程よくお酒が回ってきているから酔っぱらって上機嫌!ってわけ。
此処から更に1時間か、2時間程、経つと、お酒がまわってまわって、もう満足っというか、眠たくなった人が帰ってくることが多いんだよね。
人の流れを把握するために、こういった情報はしっかりと把握しているのさ!ってなわけで、運が良く、丁度この時間ってさ、人が外に出て何かしているってことは確実に減るんだよね!

きっと、柳という人物もそれらを計算して外に出ているのだと思う、つまり、人の流れをしっかりと何かしらの方法で調べて、最も安全に尚且つ誰かに見られることなく広場に向かっているはず、ってことはだよ?相手は用意周到で、人の意志を推し量ることが出来る狡猾な人物であるって、可能性が出てくるってわけじゃん?

こういう少ない情報から相手の事を考察し見抜くってのが対人戦では重要なファクターだからね!
ってなわけで、柳ってのは馬鹿にできない、油断ならない相手ってこと!

対人戦に置いて、っていうか、戦術眼?戦略眼かな?まぁ、どっちも同じか。
私の人生において最も、私を打ち負かした戦略眼の持ち主である先生を除いて、対抗心を燃やされるなんてね、私の心を焚きつけてくる存在に、正直なところワクワクが止まらない!!

…っま、今の私だったら?先生なんて余裕で!おちゃのこさいさいで!圧倒圧勝大勝利してみせるけど?
幼き頃の私じゃない、いろんな経験を経た今だからこそ、師を越えれるってものさ。

滾るときってのは、いろんな思考が渦巻き溢れ、脳を活性化させてくれる。
そんな事を考え、今の状況を楽しいと感じながら滾る気持ちを抑えきれず、鼻息を荒くしながら広場に到着すると同時に、事前に考えた策を確認する様に、幾度となく脳内で計算していく。

想像し、瞑想し、エミュレートし、シミュレートしてきた状況を目視で確認していく。

自分が設計した公園っというか、広場だからこそ、何処に何があるのか、目を瞑っていても把握できる。
それだけじゃない、体の感覚っというか、距離感を刻み込む為に、時間がある時にこの公園に訪れた。
何歩歩くと、ベンチから隣のベンチに届くのか、この広場にあるすべての物が置かれている環境を把握するために、体に感覚として刻み込む為に距離感も体感でしっかりと記憶している。

人の感覚ってのはバカにできない!王都にいる数々の職人さん、その殆どがメジャーとか使わないのに、綺麗に寸分違わず木材などを加工してくれる。
彼らが出来るのなら私だって出来るはずだよね?ってことで、運動も兼ねてしっかりと戦場になるかもしれない、この場所は把握しきったってわーけ!

広場の真ん中で大きく鼻から息を吸うと、広場独特の土と草木の匂いを鼻腔が感じ取りながら火照った体には心地よいひんやりとした空気が肺に満たされていく。
んふーっと、肺から鼻、その先に向かって息を吐きだす…目を閉じて、同じようにもう一度呼吸を繰り返し、くりかえし、くりかえす…


そんな事をしながら相手を待っている、待っているのだが…こない?


前回、敵が…じゃないじゃない、彼は敵じゃない。
柳と名乗る人物が現れた時間は何時だったかな?困ったことに、寝起きの際に調べていなかったから、残念なことに出現自国を覚えていない。
けれど、体感と言うか、何というか、たぶん、大体この時間じゃないの?彼だって秘密裏に行動して要るっぽいから誰かに見られるのは避けようとしているはずだから、皆が寝静まる時間に行動しているのだと推測しているんだよね。

ただねー、困ったことに、私ってさ、基本的に特に用事が無い場合は早寝、遅起きだから、普段なら寝ている時間なんだよね、今って。
今ってのは、お酒が大好きな人はまだまだ女将のお店で飲んだくれている時間で、多くの人が明日に備えて睡眠をとる時間なんだけどなぁ…
体感時間ではもう、前回彼が現れたであろう、時間に差し掛かってきていると思うんだけどなぁ…おかしい、彼がやってくる足音がしない…世間はとってもと~~っても、静か…

立って待っているのも疲れたのでベンチにポスンと腰を掛ける。
何で来ないのだろうかと、ベンチに座りながら空を見上げる、見えないはずのお月様を見るように…
ん?気のせいかな?うっすらとさ、ちょ~~~っとだけ、僅かに…見えてる?見えてるような気がするんだけど?ほっそい三日月が!?っていうか、ここ迄、細いと繊月っていうんだっけ!?…ってことは、今日はダメかな?完全な新月じゃないとダメってことなのかな?っとなると、明日かな?

私の視力が人よりも良いだけだから、見えてるだけだと思いたいけれど、来ないってことは、そういうことだよね?
うーん、そっかぁ…完全なる新月じゃないとダメってこと?細かいなぁ…来てくれたっていいじゃん。

約束した日を間違えたのは此方の落ち度なのに、待ちぼうけさせられてしまったような感覚に寂しさと…小さな苛立ちが心の中をわーわーっと徐々に声を大きくさせながら駆け巡り始める。

…むぅ、なら、次の日、次の日!明日だね!
ふんだ、この程度の無駄足くらいで、私の心は苛立ったりしないんだから!ね!!

無意識に、つま先で地面を幾度か蹴り上げ、ふんふんっと鼻息を荒くしながら部屋に向かって歩いていく。
部屋に帰ってから汗を流す為にシャワーを軽く浴びてから、ベッドに飛び込む、下着姿どころか全裸でベッドに飛びつき眠りにつこうとする。

予定していたものが全て狂ってしまった苛立ちからか、はたまた…
もういい!っという心の叫びが大きくなりすぎて、何事においてもめんどくさくなってしまった…その結果、普段なら絶対にしない暴挙に出る。自分でもわかっている、良くない癖、悪い癖だと、ねぇ…

でも、興奮が長続きした影響もあってか今だに体が火照ってるような感じがする。
この火照った体からすると、程よくひんやりとしたベッドの感触が、心地よく感じ、少し病みつきになりそうな気がした。

熱を帯びている様な心と肢体が徐々に冷えていく心地よい感覚に引っ張られ、目を閉じると、整うような感覚が心地よく、ゆっくりとゆっくりと深い眠りへと誘われていく…


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