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5章 魔人の初源
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この時代は今より移動することが困難で 、己のツガイに会うことは今より無かった。なので、ツガイに対する知識は乏しく、今ほどツガイ主義ではなかったのだ。
なので、ツガイというのはお互いが伴侶として認識している者たちというのが周りからの反応だ。だから、引き離しても問題がないと思われていたのだ。
そして、幼馴染みの番の方は聖女と引き離され牢に繋がれた。ただ彼は聖剣の名をもつ聖人だったため、繋がれた足が腐っても腕が腐っても生きていた。
マリートゥヴァ王太子妃はすでに王太子と正妃として婚姻をしていたが、聖女を迎え入れるため側妃に降格となり、聖女と己の夫であり番の結婚式に出席することになった。
そして、聖女と王太子の結婚式で事件がおきたのだ。その時にはもう聖女は番と離され心と体を闇に囚われていた。
番の彼に会わせて欲しいと言って、連れてこられたのが、結婚式を挙げる教会の祭壇前。そこで目にしたのが首だけのになった聖女の番。ラフテリアは絶望し魔人化した。
これが、聖女ラフテリアが魔人ラフテリアになった経緯だ。
ではなぜ、マリートゥヴァ王太子妃も魔人化することになったかといえば、聖女と王太子の結婚式に出席していたマリートゥヴァ王太子妃は見てしまったのだ。己の番が首だけとなり、狂ってしまった聖女が王太子である自分の番の首を切り落とし、祭壇に掲げる様を
マリートゥヴァ王太子妃はその後塞ぎ込み、実家に戻され、別宅で静養をしていたとき、番の弟で今では王太子になった第二王子が静養中のマリートゥヴァをたずねてきた。
その時、第二王子が言ったのだ。聖女を兄である王太子の正妃に迎え入れるように、そして、マリートゥヴァを己の正妃にするように進言したのだと、すべては第二王子がマリートゥヴァを手にいれるための計画だと。
マリートゥヴァは怒り狂った。なにも知らない聖女を番から引き離し、いいように使おうとした王家に。
自分を手に入れるためだけに 、マリートゥヴァの番である王太子を利用し、死に追いやった第二王子に。
そして、すべてに絶望したマリートゥヴァ王太子妃は魔人マリートゥヴァとなり、カウサ神教国が滅ぶきっかけとなった。
この事はツガイには手を出してはいけないという教訓になった事件だ。
「というわけで、ツガイとは面倒な生き物だという話でした。」
「「「違う。」」」
三人から否定をされた。
「確かに最初の魔人はカウサ神教国のマリートゥヴァ王太子妃と古い書籍にはあるが、そうなった経緯は何一つ書かれていなかった。今はない国のことだから残っていないのかと思えば、王家の醜聞になるから、書かれていなかったのか。」
黒髪の大公閣下は顎を撫でながら納得したようだ。
「詳しくお知りになりたいのであれば、あちらでラフテリア様とマリートゥヴァ様、御本人に確認してください。」
「そうか、あちらの大陸にはいらっしゃるのか。」
「ただし、初源の魔人であるラフテリア様は話が噛み合わないことがよくあります。ですので、ロビン様を仲介してお話をすることをお勧めします。」
「君は普通に話していたように聞こえたが?」
「あれは言いたいこと、自分の要望をラフテリア様が言っていただけですので、子供に言い聞かせるようにお帰りを願い。ラフテリア様の深層にある願いを引き合いにだし、お帰りを願いました。」
「ああ。」
大公閣下は遠い目をして(良く分からないけど)納得したようだ。
「そろそろ、彼方の大陸に向かう準備をしてもらっていいですか?」
「準備?ああそれは出来ている。この番の手記があれば何もいらないから、あとは好きなように処分してくれ。」
「あ、あの」
グレイが椅子から立ち上がり、何かを言おうと口を開けるが諦めて元の席につく。
「言いたいことがあるなら言いたまえ」
これが最後になるだろうからと
「母上に伝言はありますか。」
「ああ、あれか。特にはないな。」
「では、父上の後を継ぐのは兄上でよろしいですか。」
「あれはない。ラースの瞳も持たずラースの血も入っていない、あれには継がせる事はない。だから、何もあれには教えておらん。継がせるのはビアンカの子でディアの名をもつ誰かだ。前から、ビアンカと家令には伝えてある。」
グレイは驚きの目で父親を見ている。
「私からもよろしいですか。」
とスーウェンが発言する。
「ああ。」
「なぜ、姉上は死んだのですか。」
その瞬間 、大公閣下の雰囲気が変わった。おぞましい程の力の本流がこの部屋に満ち溢れ、空間を支配していく。シェリーが叫ぶ
「転移を」
大公閣下のその姿はこの大陸から消えた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
短編『聖女は魔に転じて世界を狂わす』で初代聖女視点の話がありますので、興味がある読者様はそちらもどうぞ。
なので、ツガイというのはお互いが伴侶として認識している者たちというのが周りからの反応だ。だから、引き離しても問題がないと思われていたのだ。
そして、幼馴染みの番の方は聖女と引き離され牢に繋がれた。ただ彼は聖剣の名をもつ聖人だったため、繋がれた足が腐っても腕が腐っても生きていた。
マリートゥヴァ王太子妃はすでに王太子と正妃として婚姻をしていたが、聖女を迎え入れるため側妃に降格となり、聖女と己の夫であり番の結婚式に出席することになった。
そして、聖女と王太子の結婚式で事件がおきたのだ。その時にはもう聖女は番と離され心と体を闇に囚われていた。
番の彼に会わせて欲しいと言って、連れてこられたのが、結婚式を挙げる教会の祭壇前。そこで目にしたのが首だけのになった聖女の番。ラフテリアは絶望し魔人化した。
これが、聖女ラフテリアが魔人ラフテリアになった経緯だ。
ではなぜ、マリートゥヴァ王太子妃も魔人化することになったかといえば、聖女と王太子の結婚式に出席していたマリートゥヴァ王太子妃は見てしまったのだ。己の番が首だけとなり、狂ってしまった聖女が王太子である自分の番の首を切り落とし、祭壇に掲げる様を
マリートゥヴァ王太子妃はその後塞ぎ込み、実家に戻され、別宅で静養をしていたとき、番の弟で今では王太子になった第二王子が静養中のマリートゥヴァをたずねてきた。
その時、第二王子が言ったのだ。聖女を兄である王太子の正妃に迎え入れるように、そして、マリートゥヴァを己の正妃にするように進言したのだと、すべては第二王子がマリートゥヴァを手にいれるための計画だと。
マリートゥヴァは怒り狂った。なにも知らない聖女を番から引き離し、いいように使おうとした王家に。
自分を手に入れるためだけに 、マリートゥヴァの番である王太子を利用し、死に追いやった第二王子に。
そして、すべてに絶望したマリートゥヴァ王太子妃は魔人マリートゥヴァとなり、カウサ神教国が滅ぶきっかけとなった。
この事はツガイには手を出してはいけないという教訓になった事件だ。
「というわけで、ツガイとは面倒な生き物だという話でした。」
「「「違う。」」」
三人から否定をされた。
「確かに最初の魔人はカウサ神教国のマリートゥヴァ王太子妃と古い書籍にはあるが、そうなった経緯は何一つ書かれていなかった。今はない国のことだから残っていないのかと思えば、王家の醜聞になるから、書かれていなかったのか。」
黒髪の大公閣下は顎を撫でながら納得したようだ。
「詳しくお知りになりたいのであれば、あちらでラフテリア様とマリートゥヴァ様、御本人に確認してください。」
「そうか、あちらの大陸にはいらっしゃるのか。」
「ただし、初源の魔人であるラフテリア様は話が噛み合わないことがよくあります。ですので、ロビン様を仲介してお話をすることをお勧めします。」
「君は普通に話していたように聞こえたが?」
「あれは言いたいこと、自分の要望をラフテリア様が言っていただけですので、子供に言い聞かせるようにお帰りを願い。ラフテリア様の深層にある願いを引き合いにだし、お帰りを願いました。」
「ああ。」
大公閣下は遠い目をして(良く分からないけど)納得したようだ。
「そろそろ、彼方の大陸に向かう準備をしてもらっていいですか?」
「準備?ああそれは出来ている。この番の手記があれば何もいらないから、あとは好きなように処分してくれ。」
「あ、あの」
グレイが椅子から立ち上がり、何かを言おうと口を開けるが諦めて元の席につく。
「言いたいことがあるなら言いたまえ」
これが最後になるだろうからと
「母上に伝言はありますか。」
「ああ、あれか。特にはないな。」
「では、父上の後を継ぐのは兄上でよろしいですか。」
「あれはない。ラースの瞳も持たずラースの血も入っていない、あれには継がせる事はない。だから、何もあれには教えておらん。継がせるのはビアンカの子でディアの名をもつ誰かだ。前から、ビアンカと家令には伝えてある。」
グレイは驚きの目で父親を見ている。
「私からもよろしいですか。」
とスーウェンが発言する。
「ああ。」
「なぜ、姉上は死んだのですか。」
その瞬間 、大公閣下の雰囲気が変わった。おぞましい程の力の本流がこの部屋に満ち溢れ、空間を支配していく。シェリーが叫ぶ
「転移を」
大公閣下のその姿はこの大陸から消えた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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