番とは呪いだと思いませんか―聖女だからと言ってツガイが五人も必要なのでしょうか―

白雲八鈴

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15章 コルバートの魔女

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「それは効力が分からないものを妹で試せと言うことですか?」

 スーウェンのその言葉にクストが反応したが、マリアが魔道具を発動させた為に言葉を発する前に悲鳴へを変わった。

「そ、そうですよね。私は薬なんて専門ではありませんし、効果がないかもしれませんし。」

 検証をしていない薬の効果の証明はできないし、一度薬という名の呪いが込められた青い薬を作ったユーフィアである。
 魔道具を作らせば文句がない物を作り上げるが、薬は専門外である。だからこそ、ここまで歪んだ赤い病と青の薬を作ってしまったと言っていいのだが。

「はぁ。ユーフィアさん、薬は問題はありません。ただの嫌がらせです。スーウェンさん、二度目の発症後は時間が余りないですよ。いいのですか?」

 シェリーは真理の目で確認していた為、薬の効力はあると認識していたが、炎国から帰ってきた次の日の朝から訪ねて来られたので嫌がらせをしていたのだ。

 そして、赤の病で一度眠りにつき、青の薬で再び眠りにつけばその後に残された時間は少ないと言うシェリーの言葉にスーウェンは慌てて身長程の杖を取り出し。

「時間がないのですか!」

 そう言ってスーウェンは薬をシェリーから受け取り、転移してこの場から消えた。

「薬の件はあれを量産出来るようにしてください。必要があれば国王に話を持って行きます。」

 そして、シェリーはユーフィアの前に一つの魔道具を置いた。見た目は黒い箱でしかない。問題は箱の内側に刻まれた陣だ。

「最近、マルス帝国に行く機会がありまして、あちらこちらにこの様な物が置かれていたのです。例えばホテルや奴隷が売買されている会場や金貸業者のところにです。中を見てください。」

 シェリーはユーフィアに箱の中を見るように言う。その言葉にユーフィアは従い、箱を手に取り箱を分解した。それは6つの四角い面が平坦に広がり、一つ一つの面に違う陣が刻まれていた。
 それを見たユーフィアは目を見開き驚きの表情となった。

「こ、これは盗聴と監視機能、それを記録をして送信。相手の魔力を記憶して追跡!」

 ユーフィアが魔道具に施された陣を読み解いた。それは監視機能と言っていい魔道具だった。それが各所に点在していたとシェリーは言っている。まるで国中の人々の行動を監視しているようだ。

「それが日本語で記されている。」

 ユーフィアが魔道具に使用している言語と同じだった。

「それ、質が悪い魔道具ですよね。ユーフィアさんの残された記述か何かを元にして作られたようですが、所々かな文字が混じっています。ユーフィアさんの作られる陣はいつの時代の人かっていうぐらい堅苦しい文字を使っていますよね。kgなんて単位漢字で書きませんよ。」

「悪かったわね。大学は古文専攻だったの。文学が好きだったのよ。それに陣には書き込む文字数が決まっていて、それを超えると質が悪くなってしまうの。だから、なるべく漢字を使用しているのだけど。この魔道具はどれぐらい効力があるのかしら?」

「実質、盗聴と監視機能を記録しているのみですね。それも魔石の消費が激しいようで、一日持てばいいほどでしょう。」

「それで、シェリーさんはコレを私に見せて何が言いたいのでしょうか。」

 ユーフィアはこの歪な魔道具をわざわざ見せた理由を聞いた。

「これの制作者はハルナ アキオ。この世界の者ではない人物です。そして、世界に選ばれた者ではない人物です。」

 謎の生命体が言っていた名前の中にその様な名前は無かった。では、なぜハルナ アキオと言う人物がこの世界に存在するのかと言えば

「勇者を召喚した魔術を用いたのでしょうね。」

「勇者召喚?え?なぜ?」

「貴女が逃げたからでしょ?マルス帝国から。サウザール公爵から。師団長さん、うるさいです。」

 先程から己の番を問い詰めているシェリーに対してクストは威嚇をしていたのだ。

「これは私の予測で確証はないのですが、5年前グローリア国を訪ねた時のことです。
 あそこは殆どが壊滅状態にあり、王都ラディウスに近づくほど被害が酷い状態です。そこでマルス帝国の兵を多く見かけました。
 まるで何かを探してるかのように瓦礫を掘り返してしたのです。
 勇者の痕跡を探していたのか、召喚の魔術を探していたのか、魔女の遺物を探していたのかはわかりませんが、見つけてしまったのでしょうね。
 勇者が使っていた文字と貴女が陣に刻み込んでいる文字が同じことに。」

「それが、なぜ勇者召喚につながるのでしょう。」

「いつもながら、魔道具作成以外には興味が持てないのですね。師団長さんいい加減にしませんと私が電撃を食らわしますよ。これはユーフィアさんがしなければならないことです。」

 唸り続けているクストに次は自分が電撃を食らわして黙らすぞと脅す。しかし、シェリーの電撃は生死の境の旅をすることになるだろう。


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