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17章 不確定な未来と不穏な未来の予兆
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シェリーは炎王の悲鳴を聞きながら、魔石を取り出し、魔力を込めながら床に落とした。
「『転移。』」
シェリーのその言葉と同時にシェリーとカイルと炎王はギラン共和国から姿を消した。
シェリーたちが姿を現したのは壁一面に地図が描かれた部屋だった。そう、オーウィルディアがシェリーとコンタクトを取ったラースを管理する部屋である。
「シェリーミディア様。お待ちしておりました。」
そう言ってきたのは、魔道具越しにシェリーと話しをしていた、この部屋の管理者の男性である。金髪に青い目。人族によく見られる色合いだが、右側の顔一面に赤い蔦が絡まったような痣が見られた。赤い痣。このことから、この男性もラースの一族の血が入っていることがわかる。
「クルバさん。オーウィルディア様はどちらに?」
シェリーにクルバと呼ばれた男性は壁一面に描かれた地図の一点を指しながら
「こちらになります。」
ラース公国の東側を指している。そこにはピンク色の光が強く光っていた。確かに地図上には複数の光る点があるのだが、この一点のみ光輝いている。どうやら、魔眼を使用しているのだろう。
「私達をその場所に送ってください。できますよね。」
一度、オーウィルディアがシェリーのところに空間を割って出現したように、シェリーがオーウィルディアのところに行くことも可能なはずだ。
「私達?」
その言葉でクレバはシェリー以外にも人が居ることに気がついたようで、その人物を見て、目を見開いた。
「竜人と龍人が共にいる・・・。」
うわ事のように呟いた。それはそうだろう。この大陸には竜人は皆無と言っていいほど居ない。それに輪をかけて存在しないのが龍人だ。その二人がこの場に揃っている。はっきり言ってありえないことだった。
「で、送ってくれるのですか?」
「え?ええ。送ります。あちらの台の上に乗って下さい。」
クレバが指した台というのは、ただの石の台と言っていいものだった。だが、この石自体に膨大な魔力が含まれていることから、特殊な石だということがわかる。
その石の上にシェリーとカイルとカイルに掴まれた炎王が立った。その間も炎王は『俺関係無いよな。』と言い続けている。
「それではご武運を」
その言葉と共にシェリーたちは闇に包まれ、闇が晴れたと思ったら、巨大な拳が頭上から降ってきた。その拳を3人は避け、距離を取る。
「シェリーちゃん!遅い!ってなんで炎王様までいるのぉ?」
甲冑を着込み、大きな槍を携えたオーウィルディアがいた。
そして、目の前には以前倒したタイプの次元の悪魔がいる。6~7メルはあろう黒い体、太く振り回せばその辺りの木々など簡単になぎ倒せそうな黒い手足。血管の様に全体に這う赤い線がはしり、あるべき場所に頭部がない。力タイプの頭がない黒い巨人だ。
「戦力増加です。」
シェリーはそう言いつつ、巨体を持つ次元の悪魔の手首を斬り落とした。あのときは、傷を付けることさえできなかった次元の悪魔に対し、今回は手首を斬り落とすことができたことにシェリーは笑った。
「ふふふ、やっと対抗できる手段を得られた。」
「シェリーちゃん喜んでいるところ悪いけど、最悪なお知らせよ。」
「魔眼持ちがいるのですね。」
「あら?知っていたの?」
「とある情報筋から」
「そう、ならあたしは何も言わないわ。一人で悪魔を任せているヤツがいるから、あたしはそっちの手伝いに行くわ。」
オーウィルディアが離れたところで爆音が響いているほうに向かおうとしたところで、シェリーはオーウィルディアを引き止め
「少し待ってください。『聖女の慈愛』。これで脇腹の傷、よくなったでしょう。」
オーウィルディアは丸一日の戦闘で流石に無傷とは行かなかった。右側の横腹がえぐれていたのだ。その状況でよく戦っていたものだと関心するが、戦乱の中では当たり前のことだったのかも知れない。
「ありがとう。はぁ。昔はこんなザコに傷なんて負わなかったのに歳は取りたくないわね。」
そう言いながら、オーウィルディアは駆けていった。ザコ。確かに完全体の次元の悪魔に比べればザコだ。ザコを斬ることできたぐらいで喜んではいけなかった。これからもっと厳しくなる戦いに備えなければならないとシェリーは気を引き締める。
「で、俺はこいつを倒せば帰っていいのか?」
炎王が刀を構えながらシェリーに聞いてきた。
「3体です。そのうち1体が魔眼持ちです。」
「魔眼持ち・・・その情報はどこからだ。嘘だったじゃ許さないぞ。」
「アリスと言えばいいですか?」
「アリス!アリスならその情報は信用できるな!」
そう言いながら炎王は頭の無い巨体の腕を斬り落とした。
「だから、二人は仲が良すぎないか?」
カイルは八つ当たりのように巨体の胴体を縦に半分に斬った。
「恐っ!」
炎王がカイルの行動に身震いしているその時、突如として怒りの感情に支配された。これは外的な圧力。シェリーはその要因を探そうと視線を巡られていると、殺気を横から感じ体を反らす。
そこにはシェリーに大剣を振り下ろしたカイルがいた。
「『転移。』」
シェリーのその言葉と同時にシェリーとカイルと炎王はギラン共和国から姿を消した。
シェリーたちが姿を現したのは壁一面に地図が描かれた部屋だった。そう、オーウィルディアがシェリーとコンタクトを取ったラースを管理する部屋である。
「シェリーミディア様。お待ちしておりました。」
そう言ってきたのは、魔道具越しにシェリーと話しをしていた、この部屋の管理者の男性である。金髪に青い目。人族によく見られる色合いだが、右側の顔一面に赤い蔦が絡まったような痣が見られた。赤い痣。このことから、この男性もラースの一族の血が入っていることがわかる。
「クルバさん。オーウィルディア様はどちらに?」
シェリーにクルバと呼ばれた男性は壁一面に描かれた地図の一点を指しながら
「こちらになります。」
ラース公国の東側を指している。そこにはピンク色の光が強く光っていた。確かに地図上には複数の光る点があるのだが、この一点のみ光輝いている。どうやら、魔眼を使用しているのだろう。
「私達をその場所に送ってください。できますよね。」
一度、オーウィルディアがシェリーのところに空間を割って出現したように、シェリーがオーウィルディアのところに行くことも可能なはずだ。
「私達?」
その言葉でクレバはシェリー以外にも人が居ることに気がついたようで、その人物を見て、目を見開いた。
「竜人と龍人が共にいる・・・。」
うわ事のように呟いた。それはそうだろう。この大陸には竜人は皆無と言っていいほど居ない。それに輪をかけて存在しないのが龍人だ。その二人がこの場に揃っている。はっきり言ってありえないことだった。
「で、送ってくれるのですか?」
「え?ええ。送ります。あちらの台の上に乗って下さい。」
クレバが指した台というのは、ただの石の台と言っていいものだった。だが、この石自体に膨大な魔力が含まれていることから、特殊な石だということがわかる。
その石の上にシェリーとカイルとカイルに掴まれた炎王が立った。その間も炎王は『俺関係無いよな。』と言い続けている。
「それではご武運を」
その言葉と共にシェリーたちは闇に包まれ、闇が晴れたと思ったら、巨大な拳が頭上から降ってきた。その拳を3人は避け、距離を取る。
「シェリーちゃん!遅い!ってなんで炎王様までいるのぉ?」
甲冑を着込み、大きな槍を携えたオーウィルディアがいた。
そして、目の前には以前倒したタイプの次元の悪魔がいる。6~7メルはあろう黒い体、太く振り回せばその辺りの木々など簡単になぎ倒せそうな黒い手足。血管の様に全体に這う赤い線がはしり、あるべき場所に頭部がない。力タイプの頭がない黒い巨人だ。
「戦力増加です。」
シェリーはそう言いつつ、巨体を持つ次元の悪魔の手首を斬り落とした。あのときは、傷を付けることさえできなかった次元の悪魔に対し、今回は手首を斬り落とすことができたことにシェリーは笑った。
「ふふふ、やっと対抗できる手段を得られた。」
「シェリーちゃん喜んでいるところ悪いけど、最悪なお知らせよ。」
「魔眼持ちがいるのですね。」
「あら?知っていたの?」
「とある情報筋から」
「そう、ならあたしは何も言わないわ。一人で悪魔を任せているヤツがいるから、あたしはそっちの手伝いに行くわ。」
オーウィルディアが離れたところで爆音が響いているほうに向かおうとしたところで、シェリーはオーウィルディアを引き止め
「少し待ってください。『聖女の慈愛』。これで脇腹の傷、よくなったでしょう。」
オーウィルディアは丸一日の戦闘で流石に無傷とは行かなかった。右側の横腹がえぐれていたのだ。その状況でよく戦っていたものだと関心するが、戦乱の中では当たり前のことだったのかも知れない。
「ありがとう。はぁ。昔はこんなザコに傷なんて負わなかったのに歳は取りたくないわね。」
そう言いながら、オーウィルディアは駆けていった。ザコ。確かに完全体の次元の悪魔に比べればザコだ。ザコを斬ることできたぐらいで喜んではいけなかった。これからもっと厳しくなる戦いに備えなければならないとシェリーは気を引き締める。
「で、俺はこいつを倒せば帰っていいのか?」
炎王が刀を構えながらシェリーに聞いてきた。
「3体です。そのうち1体が魔眼持ちです。」
「魔眼持ち・・・その情報はどこからだ。嘘だったじゃ許さないぞ。」
「アリスと言えばいいですか?」
「アリス!アリスならその情報は信用できるな!」
そう言いながら炎王は頭の無い巨体の腕を斬り落とした。
「だから、二人は仲が良すぎないか?」
カイルは八つ当たりのように巨体の胴体を縦に半分に斬った。
「恐っ!」
炎王がカイルの行動に身震いしているその時、突如として怒りの感情に支配された。これは外的な圧力。シェリーはその要因を探そうと視線を巡られていると、殺気を横から感じ体を反らす。
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