309 / 894
23章 孤独な世界と絆された世界
298
しおりを挟む
5日後、シェリーは炎王に連れられ、とある場所にきていた。光の巫女と呼ばれる者達が暮らす場所だ。
そこは鳥居が連なり、どこかの有名な稲荷大社を思わせる道を通ってきた。炎王曰く、この鳥居には結界が施してあり許可がない者以外立ち入れられないようになっているらしい。
鳥居の道を通り抜けると小高い山の頂上に出た。そこには大木があり、この炎国では有名な魔樹が大きく枝を広げている。
見た目は桜の木だ。いや、見た目も何も桜の木なのだが、あちらの苗木をこの世界で植えると魔力を吸い上げ、魔力を持つ木になってしまったそうだ。だから、春にこの国では桜の薄いピンクの花が満開になるのを観ることができるの。
その奥には神社の社のような建物が存在している。しかし、炎王が向かっているのは、その建物の横にある建物に向かっていっている。
「ようこそお越しくださいました」
その建物の入口に白い着物に赤い袴を来た女性が三人並んでいた。本当に巫女装束だった。シェリーは虚ろげな視線を炎王に向ける。ここ最近どこかの誰かが番にコスプレをさせていたと聞いたばかりだった。
「今日は頼むよって、佐々木さんその目は何だ?」
「いえ、何も。別にコスプレ好きだとは思っていませんよ」
それを聞いた炎王は慌ててシェリーに近づき肩を掴んで否定する。
「違う!違うんだ!この装束は俺の趣味じゃない!カタログから選んで勝手に「初代様!」」
炎王の掴んでいた手をリオンが払い除け、カイルがシェリーを引き寄せた。
「だから、シェリーに触らないでいただけますか?」
「悪かった。だが、これは俺の趣味じゃないからな!」
そう言い切った炎王の後ろでは青い顔をしている三人の巫女たちがいる。自分たちの衣装を巫女としての装束をこの国の始祖である炎王に否定されているのだ。
その三人の巫女の様子をシェリーに視線で指摘され、振り返った炎王は慌てて取り繕う姿はこの国の始祖というより、徒人と言った方が似合いそうだ。
入り口を入るとそこは土間の先に一段上がった畳玄関だった。天井近くには魔除けだろうか槍が掲げられ、その奥には畳の間が広がっている。
シェリーはその間取りに懐かしそうに目を細めた。田舎の祖母の家を思い出すと。
そして、畳廊下を渡り、街が見渡せる一室通された。その部屋の奥に畳の上で頭を伏している銀髪の人物がいた。
「ようこそ、おいでくださいました。初代様」
「ああ、ハヅキ。今日は客を連れてきた。佐々·····いや、シェリーさんだ」
炎王が頭を下げている女性にシェリーを紹介した。しかし、シェリーとしては炎王にシェリーとして呼ばれることにムズ痒さを感じる。
「はい、聞いております。お初にお目にかかります。巫女長を勤めておりますハヅキと申します」
誰に聞いているのかそれは先日シェリーの邪魔をした女神ルーチェにだろう。シェリーも目の前の人物に習い、畳の上に正座をして手を膝の前に揃え、頭を下げる。
「シェリー・カークスと申します。この度はお時間をいただきましてありがとうございます」
そして、シェリーは顔を上げ、同じ様に顔を上げた巫女長といった女性と目が合う。銀髪にどこかで見たことのある琥珀色の目だ。その女性の後ろには黒い毛皮を纏っていた。いや、呼吸をしているように上下に動いている。
シェリーはその黒い毛皮を凝視する。どうも最近見たことあるモノに視える。
斜め前にいる炎王に視線を向けた。何ていうものを作ったのだ。
「炎王」
炎王に呼びかける声がいつもより低い声になってしまった。
「なんてモノを作ったのですか?」
「ん?何の事だ?」
シェリーは黒い毛皮を指す。
「あれ、魔導生物ですよね」
「よく、知っているな」
そう言って炎王はニヤリと笑った。その声に答えてか黒い毛皮が動いた。2メルほどの大きさはあろうかという黒い猫の姿をしたモノだった。
「ええ、最近屋敷に住み着きましたから、あれ、自我を持った生物ですよね」
「そうだ。アリスに言われて作ったものだ。今じゃ守護獣なんて言われている」
炎王のその答えにシェリーはため息を吐く。
「アリスですか」
「そうだ」
「それは仕方がないですね」
シェリーは再び視線を前に向ける。守護獣そう言われる程、巨大な魔力を纏った魔導生物だ。家に住み着いたモノと比べると····いや、オリバーが作ったあの四つ目の猫と比べるのは間違っている。こちらは炎王と共に千年生きた魔導生物なのだ。
そして、その前にいる銀髪の女性に目を向ける。巫女長という女性。この女性が何か特別なのかと言われればそうではない。普通の人族だ。女神ルーチェの加護を持っているかと言われれば持っていない。
何が特別なのかとシェリーは首を傾げてしまった。
そこは鳥居が連なり、どこかの有名な稲荷大社を思わせる道を通ってきた。炎王曰く、この鳥居には結界が施してあり許可がない者以外立ち入れられないようになっているらしい。
鳥居の道を通り抜けると小高い山の頂上に出た。そこには大木があり、この炎国では有名な魔樹が大きく枝を広げている。
見た目は桜の木だ。いや、見た目も何も桜の木なのだが、あちらの苗木をこの世界で植えると魔力を吸い上げ、魔力を持つ木になってしまったそうだ。だから、春にこの国では桜の薄いピンクの花が満開になるのを観ることができるの。
その奥には神社の社のような建物が存在している。しかし、炎王が向かっているのは、その建物の横にある建物に向かっていっている。
「ようこそお越しくださいました」
その建物の入口に白い着物に赤い袴を来た女性が三人並んでいた。本当に巫女装束だった。シェリーは虚ろげな視線を炎王に向ける。ここ最近どこかの誰かが番にコスプレをさせていたと聞いたばかりだった。
「今日は頼むよって、佐々木さんその目は何だ?」
「いえ、何も。別にコスプレ好きだとは思っていませんよ」
それを聞いた炎王は慌ててシェリーに近づき肩を掴んで否定する。
「違う!違うんだ!この装束は俺の趣味じゃない!カタログから選んで勝手に「初代様!」」
炎王の掴んでいた手をリオンが払い除け、カイルがシェリーを引き寄せた。
「だから、シェリーに触らないでいただけますか?」
「悪かった。だが、これは俺の趣味じゃないからな!」
そう言い切った炎王の後ろでは青い顔をしている三人の巫女たちがいる。自分たちの衣装を巫女としての装束をこの国の始祖である炎王に否定されているのだ。
その三人の巫女の様子をシェリーに視線で指摘され、振り返った炎王は慌てて取り繕う姿はこの国の始祖というより、徒人と言った方が似合いそうだ。
入り口を入るとそこは土間の先に一段上がった畳玄関だった。天井近くには魔除けだろうか槍が掲げられ、その奥には畳の間が広がっている。
シェリーはその間取りに懐かしそうに目を細めた。田舎の祖母の家を思い出すと。
そして、畳廊下を渡り、街が見渡せる一室通された。その部屋の奥に畳の上で頭を伏している銀髪の人物がいた。
「ようこそ、おいでくださいました。初代様」
「ああ、ハヅキ。今日は客を連れてきた。佐々·····いや、シェリーさんだ」
炎王が頭を下げている女性にシェリーを紹介した。しかし、シェリーとしては炎王にシェリーとして呼ばれることにムズ痒さを感じる。
「はい、聞いております。お初にお目にかかります。巫女長を勤めておりますハヅキと申します」
誰に聞いているのかそれは先日シェリーの邪魔をした女神ルーチェにだろう。シェリーも目の前の人物に習い、畳の上に正座をして手を膝の前に揃え、頭を下げる。
「シェリー・カークスと申します。この度はお時間をいただきましてありがとうございます」
そして、シェリーは顔を上げ、同じ様に顔を上げた巫女長といった女性と目が合う。銀髪にどこかで見たことのある琥珀色の目だ。その女性の後ろには黒い毛皮を纏っていた。いや、呼吸をしているように上下に動いている。
シェリーはその黒い毛皮を凝視する。どうも最近見たことあるモノに視える。
斜め前にいる炎王に視線を向けた。何ていうものを作ったのだ。
「炎王」
炎王に呼びかける声がいつもより低い声になってしまった。
「なんてモノを作ったのですか?」
「ん?何の事だ?」
シェリーは黒い毛皮を指す。
「あれ、魔導生物ですよね」
「よく、知っているな」
そう言って炎王はニヤリと笑った。その声に答えてか黒い毛皮が動いた。2メルほどの大きさはあろうかという黒い猫の姿をしたモノだった。
「ええ、最近屋敷に住み着きましたから、あれ、自我を持った生物ですよね」
「そうだ。アリスに言われて作ったものだ。今じゃ守護獣なんて言われている」
炎王のその答えにシェリーはため息を吐く。
「アリスですか」
「そうだ」
「それは仕方がないですね」
シェリーは再び視線を前に向ける。守護獣そう言われる程、巨大な魔力を纏った魔導生物だ。家に住み着いたモノと比べると····いや、オリバーが作ったあの四つ目の猫と比べるのは間違っている。こちらは炎王と共に千年生きた魔導生物なのだ。
そして、その前にいる銀髪の女性に目を向ける。巫女長という女性。この女性が何か特別なのかと言われればそうではない。普通の人族だ。女神ルーチェの加護を持っているかと言われれば持っていない。
何が特別なのかとシェリーは首を傾げてしまった。
3
あなたにおすすめの小説
二百年の眠り姫は、五人の薔薇騎士と龍に溺愛される
七海美桜
恋愛
旧タイトル:五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
【完結】母になります。
たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。
この子、わたしの子供なの?
旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら?
ふふっ、でも、可愛いわよね?
わたしとお友達にならない?
事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。
ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ!
だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる