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26章 建国祭
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しおりを挟む「クロードさん。喚び出したのに使い物にならないではないですか」
シェリーは肝心なところで役に立っていないクロードに文句を言う。使えない古代装置に関しても稼働してもシェリーにとって意味がないものであり、一番聞きたかった第0師団の詰め所の場所も、結局カギとなる魔力の記憶装置のようなものがなければ、そもそも入れない。
その管理をしていたのが、第0師団ではなく、第3師団という時点で微妙なのではないのだろうか。
「ああ゛?そっちが勝手に喚び出しておいて、その言いぐさはないよな」
「状況は刻々と変化していっています。再び次元の悪魔が、そして完全体の悪魔が人々を蹂躙していくことになるでしょう」
シェリーは再び討伐戦当時と同じ状況に陥るのも時間の問題だと言葉にする。
「クロードさんはどこまで、悪魔と呼ばれるものに関して情報を得ていたのですか?それとも、何も情報を得ることは無かったですか?」
シェリーは当時は現役を引退していたとしても、その権力は維持していたであろうクロードに尋ねる。第0師団を立ち上げるぐらいなのだから、何事にも情報というものが大事だとはクロードもわかっているはずだ。ならば、悪魔と呼ばれるものの正体を突き止めていたのかと、確認をした。
その言葉にクロードはただでさえ目つきの悪い目が段々とすわってきた。
「その情報を知ってどうするんだ?」
クロードの言葉に何かしらをクロードは掴んでいるとシェリーは感じる。
「私もおおよその事はわかっていますが、真の敵の意図が全くわからないのが現状です」
「ふん!あいつらの思考が理解できたらここまで苦労はしてこなかった。恐らく、神々は知っているだろうが、俺に教えてくれることはなかった。ただ、戦いの中で感じたことは、あいつらは世界を憎んでいるんだろうなということだ」
世界を憎んでいる。そうクロードは言葉にした。悪魔と呼ばれる者たちが、その悪魔と呼ばれるものを作り出したものたちが、そして、魔王という存在を作り出したものたちが、世界を憎んでいると。
「いや、白き神に絶望したのか?」
クロードは天井しかない上を見上げる。そして、一言呟いた。
「で、そこで何をしているんだ?」
まるでそこに誰かが居るように問いかけたのだ。だが、天井に誰かが居るわけではない。当然のことながら、常時展開しているシェリーのマップ機能にはここにいる者たち以外の反応はない。
「なぁに、死人がいるとなれば、気になって見に来るものじゃろ?」
突然知らない人物の声が聞こえてきた。ただ、声のみでその姿を確認できない。シェリーのスキルも全く感知していない。
シェリーはこのスキルをかい潜る存在がいるとは、信じられないでいた。これは白き神から与えられたスキル創造の力だ。そのスキルに感知しない存在など居ないはずだ。
「イスラ。お前が姿を見せないから、殺気が酷い」
クロードがウザそうに眉間にシワを寄せて、顔をしかめている。その殺気を放っているのは、勿論シェリーのツガイたちだ。不審人物がこの場に侵入しているとなれば、排除するためである。
「ふん。これぐらいが分からぬとはなぁ」
「イスラ。普通はシュピンネ族の存在は感知できないぞ」
呆れたように言うクロードの隣に漆黒の髪に柘榴のような赤い瞳を持った見た目は人族にしか見えない杖を持った老人が座っていた。
黒髪に赤い瞳。クロードの頭に三角の耳が無ければ、祖父と孫という関係にも見えなくもない。それほど二人の色は似通っていた。
そして、クロードが言ったシュピンネ族。この言葉にシェリーは納得する。
イスラ・ヴィエントはヴィリス国の者だ。
モルテ国の国民と同じぐらい厄介な種族でもある。
「で、なぜお前だけ若返っているのだ?おかしくないかのぅ」
「俺は死人にすぎない。死人に老いはないからな。それにしても、軍に戻る気になったんだな」
「そんなもの、死んだはずの者の力を感じれば、何かあるのだろうと、堂々と探りを入れていたにすぎぬ」
堂々と探りを入れるとはおかしな言葉がだ。イスラという者の存在を感知できなければ、堂々とはいえないのではないのだろうか。
「しかし、ちょいと軍を離れていた間に、腰抜けばかりになっているのぅ。帝国が怪しい動きをしているというのに、これでは後手後手に回ってしまうぞ」
「ああ、それで先日、若王のケツを叩いてやった」
「それで、わしが引っ張り出されてきたんじゃな」
長年の友であったであろう。クロードとイスラが仲よさそうに言葉を交わしているものの、しかめっ面のクロードと、外見上機嫌が悪そうに見えるイスラはどう見ても悪の親玉の風防であった。
ここは悪の組織の本拠地だったのかと錯覚してしまうほど、二人の人相は悪かったのだ。
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