神守の少女、二度目の人生は好きに生きます〜因縁相手は勝手に自滅〜

雪水砂糖

文字の大きさ
14 / 96

13 母の実家(花蓮視点)

しおりを挟む
 いったい、何がどうなっているのよ!

 離縁を宣告されてからお母様は、まるで魂を抜かれたみたいに放心してしまい、何を聞いても答えてくれなかった。
「七日以内」と言っていたはずなのに、翌日には元お父様が手配した使用人たちが屋敷へ押しかけ、荷物を次々と運び出していった。私とお母様も、その荷物と一緒に、お母様の実家、沼安家へと向かうことになった。

 深く息をつく。憂鬱だ。
 あの家はすでに代替わりして叔父一家が中心となっている。しかも、私たち親子は昔からあの一家に疎まれていた。私としては、家格が上の者として会うたびに指導してあげていただけなのに。

 到着してすぐ、玄関先ではお祖父様と叔父様が怒りに満ちた顔で待ち構えていた。

「この馬鹿が!台無しにしおって。どこの馬の骨ともわからん男と子どもを作り、水無瀬家の皆様を騙していたなど、恥知らずにもほどがある。ありがたいことに、我が沼安家には一切お咎めはなかったが……お前たちには早々に縁組をして出ていってもらう。それまで問題を起こすな。起こしたら即刻追い出す。どこへでも行って野垂れ死ね!」

「うちは姉さんも知っての通り、別邸なんてないし、余っている部屋も客室もありません。物置部屋を大急ぎで空けましたから、しばらくそこで暮らしてください。最低限の衣食住は保証します。とにかくもう問題を起こさないでください」

 言いたいことだけ言い放つと、執事が私を物置部屋へ案内した。お母様はまだ別室で話があるらしい。
 部屋はまあまあ広かったが、持ち込んだ荷物が多すぎて、床の三分の二以上がすでに埋まってしまっている。これでは必要な服を取り出すことすら難しい。

 歓迎されるとは思っていなかったけど……まさかここまで酷い扱いを受けるなんて。
 そもそも、私は悪くないのに。

 私が生まれたとき、神気量がそこそこ多かったから、「もし水無瀬家に子どもが生まれなければ、養女になれるかもしれない」と誰かが言っていたらしい。けれど、その翌年、私とは比べものにならないほどの神気を宿した瑞葉が生まれ、その後に同じく神気に恵まれた光矢も生まれ、誰一人そんなことを口にしなくなった。
 あの二人さえいなければ……私は水無瀬家の娘になれたかもしれないのに。

 ……そういえば、父親が違ったのだったわね。最初から無理な話だったのかもしれないわ。

 浅井家は水無瀬家の親戚とはいえ、たかだか中小位の家格。もしかしたら、本当のお父様は上位のお家の跡取りで、愛し合っていたのに結婚を反対されたのかもしれないわ。
 私という子どもがいることがわかったら、私だけでも引き取ってもらえるかもしれない。

 まずは、本当のお父様のことを、お母様から聞き出さなきゃ。

 つらつらと考えていたら、お母様が戻ってきた。

 私がいるのに気がつくと、

「花蓮、一ヶ月後に辺境の商人に嫁ぐことになったわ」

 と言ってきた。

 えっ?辺境?

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

復讐は、冷やして食すのが一番美味い

Yuito_Maru
ファンタジー
3度目の人生を生きるピオニー・レノドン。 1度目の人生は、愛した幼馴染と家族に裏切られ、無垢で無力のまま命を落とした。 2度目は、剣を磨き、王太子の婚約者となるも、1度目より惨めに死んでいった。 3度目は、微笑の裏で傭兵団を率い、冷たく復讐の刃を研ぐ。 狙うは、レノドン伯爵家、そして王家や腐った貴族たち。 「復讐とは、怒りを凍らせて成就する歪んだ喜びだ」――ピオニーは今、その意味を体現する。 ----- 外部サイトでも掲載を行っております

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
商人であった父が、お金で貴族の身分を手に入れた。私というコマを、貴族と結婚させることによって。 でもそれは酷い結婚生活の始まりでしかなかった。悪態をつく姑。私を妻と扱わない夫。夫には離れに囲った愛人がおり、その愛人を溺愛していたため、私たちは白い結婚だった。 結婚して三年。私は流行り病である『バラ病』にかかってしまう。治療費は金貨たった一枚。しかし夫も父も私のためにお金を出すことはなかった。その価値すら、もう私にはないというように。分かっていたはずの現実が、雨と共に冷たく突き刺さる。すべてを悲観した私は橋から身を投げたが、気づくと結婚する前に戻っていた。 健康な体。そして同じ病で死んでしまった仲間もいる。一度死んだ私は、すべてを彼らから取り戻すために動き出すことを決めた。もう二度と、私の人生を他の人間になど奪われないために。 父の元を離れ計画を実行するために再び仮初の結婚を行うと、なぜか彼の愛人に接近されたり、前の人生で関わってこなかった人たちが私の周りに集まり出す。 白い結婚も毒でしかない父も、全て切り捨てた先にあるものは――

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

私の風呂敷は青いあいつのよりもちょっとだけいい

しろこねこ
ファンタジー
前世を思い出した15歳のリリィが風呂敷を発見する。その風呂敷は前世の記憶にある青いロボットのもつホニャララ風呂敷のようで、それよりもちょっとだけ高性能なやつだった。風呂敷を手にしたリリィが自由を手にする。

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

処理中です...