神守の少女、二度目の人生は好きに生きます〜因縁相手は勝手に自滅〜

雪水砂糖

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39 災難(姫花夫視点)

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 隣国での商売を終えて戻ると、副代表があわてて駆け寄ってきた。
 書類上の妻・姫花が神守に暴力を働き、娘とともに憲兵に拘束された。連絡が取れなかったため沼安家に預けられ、戻り次第迎えに来てほしいと催促がきているという。

 さらに商会の売上は激減し、神守からの注文も途絶えていた。極めつけは鷹野家からの抗議文である。
 内容は――娘の花蓮が、鷹野家の令嬢に向かって、身につけていた花紋の装飾品を「雑草だ」と嘲ったというものだった。

 あり得ない。辺境に生きる者にとって、鷹野家を敵に回すなど致命的だ。売上減少の原因は明らかだった。

 お詫びのため、まず長年良い関係を築いてきた谷口家を訪ねると、さらに耳を疑う事実を告げられた。
 ――姫花は領主夫人の茶会で谷口夫人に暴言を吐き、挙げ句「うちの商会からは売らない」と口走った。しまいには神守の婦人に暴力を振るおうとし、取り押さえられたのだという。

「あなたの人となりは知っているから言う。あれとは早く縁を切りなさい。切らぬ限り神守からの注文は戻らない」
 当主はそう忠告してくれた。

 王都で上位神守の怒りを買ったことは承知していたが、辺境では無関係と高を括っていた。まさか、自分の知らぬ間に茶会へ出席し、このような醜態をさらしていたとは。

 婚姻歴さえ残れば十分だ。爆弾を抱えて商売を潰すわけにはいかない。
 即座に離縁を決意し、沼安家へ荷を送り返すとともに離縁を申し入れる。応じなければ、今回と今後の損害を請求するつもりだ。
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