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憂鬱な転生【カノンの場合】
35.どちらが夢で
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カチリ、と慎重に鍵を落とした。
それは私がつけた侵入者を防ぐには随分と頼りない、フックを引っ掻けるだけの簡素なものだ。
お母さんは私が子供の頃から、いつも勝手に部屋に入ってこようとする。それを防ごうときちんとした鍵を扉につけようとした時は、何故かひどく叱責された。
だからこれは鍵というよりも、僅かな時間稼ぎと、意思表示のためのものだった。……脆いけれど。
そうして廊下に足音がないことを確認すると、私は知らず知らず詰めていた息を吐き出した。いま、ここに踏み込まれる気配はなさそうなことに、一先ず安堵する。
そして私は、ベッドの隙間に置いたゲーム機を取り出すと、そのままベッドに寝転がった。
「えっと、どこからだっけな……」
あまりゲームの経験もなく、臆病な私はとにかくセーブデータを作らないと気が済まなくて。その結果、ゲームを始める時はいつもどのデータから始めるのだったかわからなくなってしまう。
(あ、あった。これこれ。うーんとパラメーターどうだったかなぁ。城野院いけるかなぁ)
昨日ちらっとだけ見た攻略サイトによると、城野院が好きなのは香立てで、基礎パラメーターが150以上は必要なはずで……。
そんなことを思いだしていると、すっかり聞きなれたオープニングテーマが流れ出した。ヴァイオリンの美しい調べに、自然とその音をなぞろうと指先が反応してしまう。
習いに行かせてもらっていたのなんて、もうずいぶんと昔の話なのに、未だにヴァイオリンの音を聴くと心が沸き立つのを感じる。
(未練がましいなぁ……)
でも音楽は好きだし、このゲームに出会えてよかったと思う。あの日衝動に任せて買って本当に良かった。
今は……あぁ、そうだちょうど城野院のイベントに差し掛かったところだ。このイベントはカノンの教養パラメーターのレベルが一定以上で、生徒会に所属している時にだけ起こると攻略サイトに書いてあったっけ。
それはカノンが一人で生徒会室にいる、放課後の事だった。過激なファン達に追われる城野院が、突然大きな音をたてて生徒会室に逃げ込んできた。
「匿って!」
扉の影に隠れて、至近距離で顔を合わせた二人が扉の向こうを注視するスチルから、物語は始まる。
『城野院さま~!』『手紙だけでも受け取ってくださいー!』
バタバタバタバタ……
「……行ったかな?」
「多分……、行ったんじゃないでしょうか。先輩って……、前から思ってましたけど、すごい人気ですね」
「ふふ、彼女たちは手近な人物に理想を投影して暇つぶししたいだけだよ。匿ってくれて、ありがとう」
「いえ……」
城野院先輩のそんな台詞は意外だった。
もっと女子達に囲まれることをステータスとして、楽しんでいるひとかと思っていたのに、随分と冷静な物言いだ。でも理想を投影というのは、たしかにそうかもしれない。
まともに話したこともないひとをあんな風に熱心に追えるというのは、何らかのフィルターがかかっていないと無理だろう。
「もう少ししたら出ていくから。仕事中ごめんね」そう言いながら、髪をかきあげる城野院先輩の顔は笑っているけれど、どこか――。
『また、いつでも来てくださいね』
『辛くないんですか?』
迷った末、私は彼に聞いてみたくなった。
「あの、辛く、ないですか?」
「――ん?」
「勝手に理想を押し付けられて、そんな理想のキャラクターを演じているのって、辛くないんですか?」
私の発した言葉に、二人の間の空気がピシッと固まったような気がした。主に、悪い意味で。
「うーん……。それが昔から当たり前だったから、特には考えたことない、かなぁ。ふふ、君には僕が辛そうに見える?」
そう言う城野院先輩は口元だけは笑っていて、いつもの様子だけどやっぱり……。
「……見えます」
「ふぅん、君はそう思うんだね。――でも僕のことを、勝手に可哀そうがらないでくれる? そっちの方が迷惑だ」
――あ、
私を見下ろす先輩の冷たい視線に、出過ぎた真似をしてしまったことを悟る。
冷気が吹きすさびそうなほどに、冷たい視線。間違ってしまった。間違ってしまったのだ。
どうしよう、どうしよう、リセットボタンを押せばいいだけなのに。温度をなくして固まってしまった指先はそれもできないまま、私はじっと画面を見つめることしかできない――……。
◇◇◇◇◇
「うーーん……っ」
身体を屈ませ腕を前にぐっと伸ばして、固まった筋肉を伸ばした。
一瞬は筋肉がほぐせたような気はするけれど、すぐにまた倦怠感が襲ってきて、カノンはあくびをかみ殺した。
昨日の夜、ゲームの夢を見た。
汗だくで目覚めた軋むような鼓動を刻むこの身体は、カノンなのか、それとも……。
まるで宇宙に放り出されたかのように、自分の存在がひどく不安定に思えてならなかった。
今存在しているこの世界は、夢なのか現実なのかがわからなくて、怖くてそれ以降眠りにつくことができなくなってしまったのだ。
そうしてぼんやりと教壇を見つめていると、ポンと肩を叩かれた。
「カノンちゃん、どうしたの? 寝不足?」
「うーん……、ちょっと夢見が悪くて……」
カノンがそう答えると、凛子は大げさに「夢見!? 霊とか!?」とおどけて見せた。そして一通りカノンの周りをお祓いするような何かを払いのけるような仕草をした後に、隣に腰かけて「何か心配事?」と耳打ちしてきた。
何故いきなり耳打ちしてくるのか、その凛子の様子に、カノンは思わず噴き出した。
「ははっ、凛子ちゃん何それ。心配ごとばっかりだよぉ、私。心配じゃないことの方がないくらい」
「えーカノンちゃんがそうなのぉ? カノンちゃんはこの学園の中心みたいな子なのに」
「ふふ、何それ」
その有り得ない例えに、カノンは思わず息を吐いた。
あんな風に突然告白してしまって、城野院と付き合いを始めてからいつの間にか2か月が経とうとしている。季節は日ごとに寒さが増し、冬の訪れを間近に感じるようになってきた。
お互い忙しい中、なんとか付き合いは順調だと思う。
だが好きだと自覚して運よく付き合うことができたのはいいけれど、とにかくカノンは自分に自信が持てないでいた。
城野院のことを知れば知るほど、彼の優しさに触れる程に、この愚かな自分を知られてしまうのが怖くて、これ以上が踏み込めない。
「カノンちゃんは何が心配なのかなぁ? 私が見てる分には、順調そのものじゃん。城野院先輩もカノンちゃんへの親密度は100%MAXって感じだよ?」
「マックスってそんな……、そんなことないよ」
「……自分ではわからないもんだよねぇ~」
呆れたようにいう凛子に、何も返せなくなってしまった。
そこで予鈴がなり、凛子は席に戻っていった。次の授業は古典だが、教師が遅れているらしく、まだ教壇には誰も現れない。
城野院は本当によくしてくれているのだ。カノンの気持ちを尊重してくれるし、忙しい合間を縫って休日に会う時も極めて紳士的だった。一緒に音楽の話をしたり、練習をしたり、少しだけ手を繋いだり。
ただ最近は卒業に向けて忙しくなっているらしく、登校する日も減ってきていた。
「……」
本音を言えば、もう少し、もう少しだけ、一緒に過ごしたい。深く、彼を知りたい。
彼を知りたいし、自分を知ってもらいたいと思う。だがそれを望むことは、とても恐ろしいことのように思えた。
誰かに触れるということは、触れられるということで。
何かを覗くということは、その何かに自らの姿を暴かれることで。
直視を避けて、蓋をしている感情と向き合うことは、カノンにとっては未だ恐ろしいことだった。
『ふぅん、君はそう思うんだね』
――私が怖いのは……。
嫌われることなんだろうか、それともこのまま、彼の内側に触れることなく、このまま自分がここではない世界に消えて行ってしまうことなのだろうか。
シャープペンシルで書いた『城野院』の字をぐるぐると囲いながら、カノンは心を決めようとしていた。
それは私がつけた侵入者を防ぐには随分と頼りない、フックを引っ掻けるだけの簡素なものだ。
お母さんは私が子供の頃から、いつも勝手に部屋に入ってこようとする。それを防ごうときちんとした鍵を扉につけようとした時は、何故かひどく叱責された。
だからこれは鍵というよりも、僅かな時間稼ぎと、意思表示のためのものだった。……脆いけれど。
そうして廊下に足音がないことを確認すると、私は知らず知らず詰めていた息を吐き出した。いま、ここに踏み込まれる気配はなさそうなことに、一先ず安堵する。
そして私は、ベッドの隙間に置いたゲーム機を取り出すと、そのままベッドに寝転がった。
「えっと、どこからだっけな……」
あまりゲームの経験もなく、臆病な私はとにかくセーブデータを作らないと気が済まなくて。その結果、ゲームを始める時はいつもどのデータから始めるのだったかわからなくなってしまう。
(あ、あった。これこれ。うーんとパラメーターどうだったかなぁ。城野院いけるかなぁ)
昨日ちらっとだけ見た攻略サイトによると、城野院が好きなのは香立てで、基礎パラメーターが150以上は必要なはずで……。
そんなことを思いだしていると、すっかり聞きなれたオープニングテーマが流れ出した。ヴァイオリンの美しい調べに、自然とその音をなぞろうと指先が反応してしまう。
習いに行かせてもらっていたのなんて、もうずいぶんと昔の話なのに、未だにヴァイオリンの音を聴くと心が沸き立つのを感じる。
(未練がましいなぁ……)
でも音楽は好きだし、このゲームに出会えてよかったと思う。あの日衝動に任せて買って本当に良かった。
今は……あぁ、そうだちょうど城野院のイベントに差し掛かったところだ。このイベントはカノンの教養パラメーターのレベルが一定以上で、生徒会に所属している時にだけ起こると攻略サイトに書いてあったっけ。
それはカノンが一人で生徒会室にいる、放課後の事だった。過激なファン達に追われる城野院が、突然大きな音をたてて生徒会室に逃げ込んできた。
「匿って!」
扉の影に隠れて、至近距離で顔を合わせた二人が扉の向こうを注視するスチルから、物語は始まる。
『城野院さま~!』『手紙だけでも受け取ってくださいー!』
バタバタバタバタ……
「……行ったかな?」
「多分……、行ったんじゃないでしょうか。先輩って……、前から思ってましたけど、すごい人気ですね」
「ふふ、彼女たちは手近な人物に理想を投影して暇つぶししたいだけだよ。匿ってくれて、ありがとう」
「いえ……」
城野院先輩のそんな台詞は意外だった。
もっと女子達に囲まれることをステータスとして、楽しんでいるひとかと思っていたのに、随分と冷静な物言いだ。でも理想を投影というのは、たしかにそうかもしれない。
まともに話したこともないひとをあんな風に熱心に追えるというのは、何らかのフィルターがかかっていないと無理だろう。
「もう少ししたら出ていくから。仕事中ごめんね」そう言いながら、髪をかきあげる城野院先輩の顔は笑っているけれど、どこか――。
『また、いつでも来てくださいね』
『辛くないんですか?』
迷った末、私は彼に聞いてみたくなった。
「あの、辛く、ないですか?」
「――ん?」
「勝手に理想を押し付けられて、そんな理想のキャラクターを演じているのって、辛くないんですか?」
私の発した言葉に、二人の間の空気がピシッと固まったような気がした。主に、悪い意味で。
「うーん……。それが昔から当たり前だったから、特には考えたことない、かなぁ。ふふ、君には僕が辛そうに見える?」
そう言う城野院先輩は口元だけは笑っていて、いつもの様子だけどやっぱり……。
「……見えます」
「ふぅん、君はそう思うんだね。――でも僕のことを、勝手に可哀そうがらないでくれる? そっちの方が迷惑だ」
――あ、
私を見下ろす先輩の冷たい視線に、出過ぎた真似をしてしまったことを悟る。
冷気が吹きすさびそうなほどに、冷たい視線。間違ってしまった。間違ってしまったのだ。
どうしよう、どうしよう、リセットボタンを押せばいいだけなのに。温度をなくして固まってしまった指先はそれもできないまま、私はじっと画面を見つめることしかできない――……。
◇◇◇◇◇
「うーーん……っ」
身体を屈ませ腕を前にぐっと伸ばして、固まった筋肉を伸ばした。
一瞬は筋肉がほぐせたような気はするけれど、すぐにまた倦怠感が襲ってきて、カノンはあくびをかみ殺した。
昨日の夜、ゲームの夢を見た。
汗だくで目覚めた軋むような鼓動を刻むこの身体は、カノンなのか、それとも……。
まるで宇宙に放り出されたかのように、自分の存在がひどく不安定に思えてならなかった。
今存在しているこの世界は、夢なのか現実なのかがわからなくて、怖くてそれ以降眠りにつくことができなくなってしまったのだ。
そうしてぼんやりと教壇を見つめていると、ポンと肩を叩かれた。
「カノンちゃん、どうしたの? 寝不足?」
「うーん……、ちょっと夢見が悪くて……」
カノンがそう答えると、凛子は大げさに「夢見!? 霊とか!?」とおどけて見せた。そして一通りカノンの周りをお祓いするような何かを払いのけるような仕草をした後に、隣に腰かけて「何か心配事?」と耳打ちしてきた。
何故いきなり耳打ちしてくるのか、その凛子の様子に、カノンは思わず噴き出した。
「ははっ、凛子ちゃん何それ。心配ごとばっかりだよぉ、私。心配じゃないことの方がないくらい」
「えーカノンちゃんがそうなのぉ? カノンちゃんはこの学園の中心みたいな子なのに」
「ふふ、何それ」
その有り得ない例えに、カノンは思わず息を吐いた。
あんな風に突然告白してしまって、城野院と付き合いを始めてからいつの間にか2か月が経とうとしている。季節は日ごとに寒さが増し、冬の訪れを間近に感じるようになってきた。
お互い忙しい中、なんとか付き合いは順調だと思う。
だが好きだと自覚して運よく付き合うことができたのはいいけれど、とにかくカノンは自分に自信が持てないでいた。
城野院のことを知れば知るほど、彼の優しさに触れる程に、この愚かな自分を知られてしまうのが怖くて、これ以上が踏み込めない。
「カノンちゃんは何が心配なのかなぁ? 私が見てる分には、順調そのものじゃん。城野院先輩もカノンちゃんへの親密度は100%MAXって感じだよ?」
「マックスってそんな……、そんなことないよ」
「……自分ではわからないもんだよねぇ~」
呆れたようにいう凛子に、何も返せなくなってしまった。
そこで予鈴がなり、凛子は席に戻っていった。次の授業は古典だが、教師が遅れているらしく、まだ教壇には誰も現れない。
城野院は本当によくしてくれているのだ。カノンの気持ちを尊重してくれるし、忙しい合間を縫って休日に会う時も極めて紳士的だった。一緒に音楽の話をしたり、練習をしたり、少しだけ手を繋いだり。
ただ最近は卒業に向けて忙しくなっているらしく、登校する日も減ってきていた。
「……」
本音を言えば、もう少し、もう少しだけ、一緒に過ごしたい。深く、彼を知りたい。
彼を知りたいし、自分を知ってもらいたいと思う。だがそれを望むことは、とても恐ろしいことのように思えた。
誰かに触れるということは、触れられるということで。
何かを覗くということは、その何かに自らの姿を暴かれることで。
直視を避けて、蓋をしている感情と向き合うことは、カノンにとっては未だ恐ろしいことだった。
『ふぅん、君はそう思うんだね』
――私が怖いのは……。
嫌われることなんだろうか、それともこのまま、彼の内側に触れることなく、このまま自分がここではない世界に消えて行ってしまうことなのだろうか。
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