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第121話 新築します
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ラッシュバードは現在卵を温めていますので、ひとまず私だけが候補地に向かうことにしました。
候補地は街の入口から近い場所にありました。少し奥まってはいますけれど、十分な広さがあります。
でも、ここって、王都側の入口ですよね。
「余裕のある土地となれば、壁際の奥に入った場所が中心となります。王都に近い方ですと、ラッシュバードに慣れた方も多いですから、こちらの方がいいと考えました」
「なるほど。アマリス様が飼っていらっしゃいますものね。それはその方がいいかもしれませんね」
お城や魔法学園でラッシュバードを飼われていることは、知る人ぞ知ることになりましたからね。それでなくてもラッシュバードの鳴き声は意外と聞こえます。なるほど、本当によく考えて下さいますね。
近くには王都に近い側の門を守る兵士たちの詰所もあります。冒険者を雇わずともいい感じの治安が維持できそうですが、念には念を入れておいた方がいいでしょうね。
そうそう、こちらの門は私やギルバート、キサラさんがよく使っているゲートでもあります。よく知っている場所ですね。
となれば、私の判断はひとつです。
「ここに決めました。えっと預金からの取り扱いでよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですね。広さがありますから値段が少々張りますが、レチェさんの預金なら余裕です」
というわけでして、土地の権利書を発行して頂くために、契約書類にサインをします。
雇用契約書とは違って、この書類にはギルドのカードに記載された名前でサインをしなければなりません。なので、「レチェ」ではなく「レイチェル・ウィルソン」とサインをします。これは食堂のある土地の時も同じでした。
雇用契約書は個人間の取り決めですから通称でもどうにかなるんですよね。ですが、土地の権利書はいきません。それゆえに本名での記載となるのです。
サインを終えますと、正式にこの土地が私のものとなりました。
「どうなさいますか?」
正式に私の土地となったタイミングで、ミサエラさんに尋ねられてしまいます。私はくるりとミサエラさんを見て、にこりと笑います。
「ラ・ギア・ルド!」
私が魔法を使いますと、農園に建てたような小屋が一瞬で建ってしまいます。
「中に置く家具を注文したいですね。できれば、ティルさんたち親子と護衛の冒険者の方が住めますように、そうですね、五人分でしょうか」
あまりにも一瞬で建ってしまった小屋に驚くミサエラさんに、私はにこやかな笑顔を向けながら注文を出します。
「そ、そうですか。正確に必要なものが決まりましたら、商業ギルドまでお越し下さい。そこで注文をお受けいたします。よろしいでしょうか」
私はミサエラさんの提案にこくりと頷いておきます。なにせまずは形を作っておきたいですからね。
一足先にミサエラさんは商業ギルドに向かいまして、私は続けてラッシュバードの小屋を作ります。将来的には二百羽ほどでしょうかね。それ以上になると管理が厳しくなりますから、そのくらいをめどとした鳥小屋を建設します。
ただ、鳥小屋を建てたい辺りは凸凹しています。多少傾斜があってもいいでしょうが、できれば寝床は平らにしておきたいですね。
「タ・ギア・プレ!」
自由に遊ばせる場所はそのままに、寝床と想定する場所はきれいにまったいらになります。
「タ・ギア・ルド!」
続けてもうひとつ魔法を使えば、一瞬で小屋ができ上がりです。
ああ、なんて魔法って便利なんでしょうかね。大工さんが何日で建てるような規模のものが、一瞬でできてしまうんですから。
もちろん、自分の土地だということを示す囲いも忘れませんよ。
こんなものでしょうと満足した私は、小屋の中を見て必要な家具をメモしていきます。
そうそう、小屋の防犯のために用心棒として雇う冒険者ですけれど、やっぱり知っている方の方がいいですよね。となれば、食堂の開業の時に来てくださったあのお二人がよろしいでしょうか。
私はどんどんとラッシュバードの引っ越し先の環境を整える計画をまとめていきます。なんだか楽しくなってきましたね。
ひと通り決まったところで、私は家具の注文のために商業ギルドに向かいました。
さあ、どのようになるでしょうかね。
翌日はスターを連れて農園を訪れました。様子を見ることと同時に、新しい鳥小屋の寝わらを準備するためですね。
ノームのおかげで、こちらの従業員たちが食べる分は、ほぼ毎日のように実っていますからね。
「レチェ様。本日はどのようなご用件ですか?」
「鳥小屋の拡張をすることになりましたので、新しい土地を購入しました。そこに設置した鳥小屋に敷くわらの調達ですね」
「了解しました。わらでしたらこちらにございますので、お好きなだけお持ちください」
対応してくれたキサラさんの案内で、私は大量のわらを確保します。食材を運んでいる魔法かばんを使って、わらを運搬します。
翌日お返しする約束をしまして、私はわらを持って街へと戻っていきました。
わらを持って帰りますと、いよいよスターに鳥小屋のお披露目になります。
気に入ってくれるでしょうか。私はちょっと緊張してきたようでした。
候補地は街の入口から近い場所にありました。少し奥まってはいますけれど、十分な広さがあります。
でも、ここって、王都側の入口ですよね。
「余裕のある土地となれば、壁際の奥に入った場所が中心となります。王都に近い方ですと、ラッシュバードに慣れた方も多いですから、こちらの方がいいと考えました」
「なるほど。アマリス様が飼っていらっしゃいますものね。それはその方がいいかもしれませんね」
お城や魔法学園でラッシュバードを飼われていることは、知る人ぞ知ることになりましたからね。それでなくてもラッシュバードの鳴き声は意外と聞こえます。なるほど、本当によく考えて下さいますね。
近くには王都に近い側の門を守る兵士たちの詰所もあります。冒険者を雇わずともいい感じの治安が維持できそうですが、念には念を入れておいた方がいいでしょうね。
そうそう、こちらの門は私やギルバート、キサラさんがよく使っているゲートでもあります。よく知っている場所ですね。
となれば、私の判断はひとつです。
「ここに決めました。えっと預金からの取り扱いでよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫ですね。広さがありますから値段が少々張りますが、レチェさんの預金なら余裕です」
というわけでして、土地の権利書を発行して頂くために、契約書類にサインをします。
雇用契約書とは違って、この書類にはギルドのカードに記載された名前でサインをしなければなりません。なので、「レチェ」ではなく「レイチェル・ウィルソン」とサインをします。これは食堂のある土地の時も同じでした。
雇用契約書は個人間の取り決めですから通称でもどうにかなるんですよね。ですが、土地の権利書はいきません。それゆえに本名での記載となるのです。
サインを終えますと、正式にこの土地が私のものとなりました。
「どうなさいますか?」
正式に私の土地となったタイミングで、ミサエラさんに尋ねられてしまいます。私はくるりとミサエラさんを見て、にこりと笑います。
「ラ・ギア・ルド!」
私が魔法を使いますと、農園に建てたような小屋が一瞬で建ってしまいます。
「中に置く家具を注文したいですね。できれば、ティルさんたち親子と護衛の冒険者の方が住めますように、そうですね、五人分でしょうか」
あまりにも一瞬で建ってしまった小屋に驚くミサエラさんに、私はにこやかな笑顔を向けながら注文を出します。
「そ、そうですか。正確に必要なものが決まりましたら、商業ギルドまでお越し下さい。そこで注文をお受けいたします。よろしいでしょうか」
私はミサエラさんの提案にこくりと頷いておきます。なにせまずは形を作っておきたいですからね。
一足先にミサエラさんは商業ギルドに向かいまして、私は続けてラッシュバードの小屋を作ります。将来的には二百羽ほどでしょうかね。それ以上になると管理が厳しくなりますから、そのくらいをめどとした鳥小屋を建設します。
ただ、鳥小屋を建てたい辺りは凸凹しています。多少傾斜があってもいいでしょうが、できれば寝床は平らにしておきたいですね。
「タ・ギア・プレ!」
自由に遊ばせる場所はそのままに、寝床と想定する場所はきれいにまったいらになります。
「タ・ギア・ルド!」
続けてもうひとつ魔法を使えば、一瞬で小屋ができ上がりです。
ああ、なんて魔法って便利なんでしょうかね。大工さんが何日で建てるような規模のものが、一瞬でできてしまうんですから。
もちろん、自分の土地だということを示す囲いも忘れませんよ。
こんなものでしょうと満足した私は、小屋の中を見て必要な家具をメモしていきます。
そうそう、小屋の防犯のために用心棒として雇う冒険者ですけれど、やっぱり知っている方の方がいいですよね。となれば、食堂の開業の時に来てくださったあのお二人がよろしいでしょうか。
私はどんどんとラッシュバードの引っ越し先の環境を整える計画をまとめていきます。なんだか楽しくなってきましたね。
ひと通り決まったところで、私は家具の注文のために商業ギルドに向かいました。
さあ、どのようになるでしょうかね。
翌日はスターを連れて農園を訪れました。様子を見ることと同時に、新しい鳥小屋の寝わらを準備するためですね。
ノームのおかげで、こちらの従業員たちが食べる分は、ほぼ毎日のように実っていますからね。
「レチェ様。本日はどのようなご用件ですか?」
「鳥小屋の拡張をすることになりましたので、新しい土地を購入しました。そこに設置した鳥小屋に敷くわらの調達ですね」
「了解しました。わらでしたらこちらにございますので、お好きなだけお持ちください」
対応してくれたキサラさんの案内で、私は大量のわらを確保します。食材を運んでいる魔法かばんを使って、わらを運搬します。
翌日お返しする約束をしまして、私はわらを持って街へと戻っていきました。
わらを持って帰りますと、いよいよスターに鳥小屋のお披露目になります。
気に入ってくれるでしょうか。私はちょっと緊張してきたようでした。
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