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第1話
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「君との関係も今日限りで終わりにさせてもらう、婚約は破棄だ。理由はもちろんわかっているね?」
わざわざ屋敷にまでやってきて婚約者であるブムゥ様が、唐突に来られてそんなことを言い放ちました。
唐突でおもわず身が固まる。あまりに不躾じゃない?
ただ、どこかで納得がいかないでもなかったのです。
「理由はなんでしょうか?」
「聞きたいかい? そうかそうか聞きたいか。では聞かせてあげよう」
非常に偉そうにむかつく態度を取るも、これが最後と自分に言い聞かせて言葉を待ちました。
その大層なお偉い口から今か今かと飛び出したその言葉。
「ぼくはね。君の事を愛してはいたんだよ? それは本当だ。ただね、はっきり言ってマンネリ化してしまった感が否めないんだよね。ぼくもさ、将来を有望しされた公爵家の跡取りなんだ、女性ひとりで満足していい器じゃない。分かる? 英雄色を好むって言うしね、最初はピープルの妾の仔なんて物珍しさがあってよかったんだどね」
は? 長々となんてつまんない説明をするのか、自分に酔った様が苛立たせる。
私も、好きであなたと婚約した訳ではありません。亡き母の為、父の為、本妻の為に心を砕いたわけで。
それでも、最初から嫌いだったわけじゃない、それが物珍しさからだったとしてもピープルの血を引いた私と婚約してくれたのだから、思う所はあったんです。
好き放題言った彼の顔はそれはもうスッキリとしていてさらにむかついてしまう。
「ピープルの娘に同情できる優しい男性だという評判を手に入れたのは良かった、おかげでいろんな女の子を知る事ができたからね。やっぱりマンネリはいけないよ。でも、君には他の女性を追いかけさせてくれる度量はないし。あ、でも浮気はぼくだめなタイプだからさ。だって、男と女じゃ浮気の重みがどうしても違う。男の浮気は甲斐性で歓迎ものだけど。ぼく、女性に裏切られるは許せないんだなぁ」
スッキリした顔してるくせに、さらに無茶苦茶に論じてくる。
「ま、君もさ。これから周りの目が気になるようになるだろう。評判の貴族に袖にされた哀れなピープルの仔なんだから。あ、そうそう」
「まだ何か?」
「その口の聞き方も今は流して上げるさ。なんせ今は充実している。入っておいで」
「?」
にやにやといやらしい笑いを浮かべる彼は誰かを呼びつけました。
ここうちの屋敷なんだけど、なんで勝手に人を呼ぶのよ。
扉が開く。そこから飛び出してきたその女性は、ただ訪問して来た人間にしてはいやに着飾っていました。
この屋敷はいつから催し物を行っていたのか、びっくり。私聞いてない。
「お久しぶりですね、コルニー様」
「……?」
誰だっけ、ええっと……?
ああ、確か学園時代の下級生。
一時期何故かやたら私に突っかかっきたあの女の子だ。
最近見かけないからすっかり忘れていましたわ。
「久しぶりね、バリア」
「アリアです」
そうだったのか。
しかし、よく見ると確かになかなかの可愛らしさです。どことなく落ちていたような雰囲気も感じなくもないし、私より大人な感じがする。背だって高いですし。
あれ? 前見た時は私より小さかったような。成長期だからかしら。
ちょっと隣に並んで見る。
「何をなさっているんですか?」
「いや、ちょっと気になって……。貴女まさか!」
「きゃ!」
足元の見えないアリアのスカートを少し捲って見てみると。あ、やっぱり。
「厚底だ」
「なんですか貴女急に!?」
「ごめんなさい。ごめんなさいついでに、女の子は小さい方が好まれる殿方は多いらしいわよ。私はごめんだけど。あ、これはごめんついでってわけじゃなくて……」
「もう、結構です!! 大きなお世話という言葉をお知りにならないのですか?」
「まあ、そこまでにしたまえ。紹介するよ、この子が新しいぼくの婚約者さ。
どうだい可愛いだろう? 羨ましいかい? だろうねえ!!」
「……そういう事ですので、以後よろしくお願いしますわ」
ふん、と言いたげな態度で改めて居を正す彼女。
その彼女の腰に手を回し、まるで、誰も手に入れる事の出来ない高価な品物を貧乏人に見せびらかす嫌味な貴族みたい。……あ、そのものか。
なんて清々しい人々でしょうか。自分たちが正しくてしょうがないようです。
「お気になさらず。既にこのことは両家で話し合って決まっておりますので、あしからず」
「そういう事さ、ふふん。でも今更遅いよ。君は僕に捨てられたんだ、これは決定なんだ。もうどうにもならないのさ。悔しいかい? だろうねえ!!」
「はあ……」
何故、私が負けたみたいな雰囲気を出してくるのかほとほと不思議ですけれど。
え、何? 二人の期待に応えて嘆けばいいのこれ? やだぁ。
そう、私に思うところはありません。
元婚約者が今更どこのお嬢様とお懇ろになられたとしても、最早何の未練も感じる事が出来ないのです。完全に幻滅しましたので。
「ふふ、それとね。君にとっても重大なそんな事をぼくは伝えなくてはならないんだ。ああ、なんて悲しみ背負っているんだぼくは!!」
「お泣きにならないで、そのようなお役目はわたくしが背負いますわ!」
「君は…っ! なんて清らかな心の持ち主なんだバリア!!」
「アリアです」
つまんない舞台だなあ。いや、この無駄な百面相は一つの芸のとして見れるかもしれない。
磨けばお金が取れるのでは? お金は持ってるから別にいいのか、納得。
表情を変えるのに飽きたのか、二人はそれから話の続きを始めました。
「赤の他人のわたくしの口からお聞きになりたくはないとは存じますが」
「もう終わりにして欲しいのだけれど」
「お喜びを、これで終わりですわ。そう、あなたの人生もね。ふふふふ」
「早く、早く」
「急かさないで下さいまし! ブムゥ様との婚約が終わり、
その責任を取ってコルニー様から家名を取り上げるとの事です」
「誰が?」
「あなたのお父様が」
「誰に?」
「あなたにです。……そう言っているでしょう!」
はえー。私、追い出されるの。ええ……。
アリアは口調だけ悲しそうに話しながら、器用な事に笑みを浮かべていました。
芸達者だなあ。
「しかし、まさかしかし! このような仕打ち受けるようになるなど、当事者ではありますが同情に悲しみを持ってしまいますわ!!」
「ああ、なんて哀れなんだコルニー! いくらピープルの血を引くとはいえ、実の娘にそのような事をなさるとは……。君のこれからを思うと僕も思わず身震いしてしまうよ!」
これまだ続くの? そんなに楽しいのかな? 楽しいんだろうな。
どうせ誰も内心喜んでるくらいなんだから、無駄に時間を使うのやめてよ。それとも私の時間を買い取ってくれるとでも言うのだろうか?
それでも、二人にとってはきっと今日が門出と言ってもいいのでしょう。
私も悲しい、生まれてこの方、この家で過ごしてきたのですから。なんの感慨も無いなど、どうして言えましょう。
「ああ、ええ……。二人のお気持ちもありがたく受け取らせて頂きますわ。さあ、このような事にお時間を取らせるわけには参りません。お帰りはあちら」
「そうかい? ま、君はそう言うのであれば元婚約者のよしみで最後の願いを聞いてあげようじゃないか、ははははははは!」
「それでは、わたくしも失礼とさせて頂きますわ。ほほほほほほ!」
私は精一杯のおもてなしとして、最後にある振る舞いをお見舞いして差し上げました。
それはお二人が扉の外へ出ようとした直後の事。
「フンッ!!」
「があ!」
「きゃああ!」
開いていた扉を思いっきり締めて差し上げた私は、扉の向こうから聞こえて来たお二人の悲鳴を聞いて、満足気に微笑みました。
がっはっは! ざまぁ!
「さて、それでは身支度を整えなくては。さらば我が生家」
わざわざ屋敷にまでやってきて婚約者であるブムゥ様が、唐突に来られてそんなことを言い放ちました。
唐突でおもわず身が固まる。あまりに不躾じゃない?
ただ、どこかで納得がいかないでもなかったのです。
「理由はなんでしょうか?」
「聞きたいかい? そうかそうか聞きたいか。では聞かせてあげよう」
非常に偉そうにむかつく態度を取るも、これが最後と自分に言い聞かせて言葉を待ちました。
その大層なお偉い口から今か今かと飛び出したその言葉。
「ぼくはね。君の事を愛してはいたんだよ? それは本当だ。ただね、はっきり言ってマンネリ化してしまった感が否めないんだよね。ぼくもさ、将来を有望しされた公爵家の跡取りなんだ、女性ひとりで満足していい器じゃない。分かる? 英雄色を好むって言うしね、最初はピープルの妾の仔なんて物珍しさがあってよかったんだどね」
は? 長々となんてつまんない説明をするのか、自分に酔った様が苛立たせる。
私も、好きであなたと婚約した訳ではありません。亡き母の為、父の為、本妻の為に心を砕いたわけで。
それでも、最初から嫌いだったわけじゃない、それが物珍しさからだったとしてもピープルの血を引いた私と婚約してくれたのだから、思う所はあったんです。
好き放題言った彼の顔はそれはもうスッキリとしていてさらにむかついてしまう。
「ピープルの娘に同情できる優しい男性だという評判を手に入れたのは良かった、おかげでいろんな女の子を知る事ができたからね。やっぱりマンネリはいけないよ。でも、君には他の女性を追いかけさせてくれる度量はないし。あ、でも浮気はぼくだめなタイプだからさ。だって、男と女じゃ浮気の重みがどうしても違う。男の浮気は甲斐性で歓迎ものだけど。ぼく、女性に裏切られるは許せないんだなぁ」
スッキリした顔してるくせに、さらに無茶苦茶に論じてくる。
「ま、君もさ。これから周りの目が気になるようになるだろう。評判の貴族に袖にされた哀れなピープルの仔なんだから。あ、そうそう」
「まだ何か?」
「その口の聞き方も今は流して上げるさ。なんせ今は充実している。入っておいで」
「?」
にやにやといやらしい笑いを浮かべる彼は誰かを呼びつけました。
ここうちの屋敷なんだけど、なんで勝手に人を呼ぶのよ。
扉が開く。そこから飛び出してきたその女性は、ただ訪問して来た人間にしてはいやに着飾っていました。
この屋敷はいつから催し物を行っていたのか、びっくり。私聞いてない。
「お久しぶりですね、コルニー様」
「……?」
誰だっけ、ええっと……?
ああ、確か学園時代の下級生。
一時期何故かやたら私に突っかかっきたあの女の子だ。
最近見かけないからすっかり忘れていましたわ。
「久しぶりね、バリア」
「アリアです」
そうだったのか。
しかし、よく見ると確かになかなかの可愛らしさです。どことなく落ちていたような雰囲気も感じなくもないし、私より大人な感じがする。背だって高いですし。
あれ? 前見た時は私より小さかったような。成長期だからかしら。
ちょっと隣に並んで見る。
「何をなさっているんですか?」
「いや、ちょっと気になって……。貴女まさか!」
「きゃ!」
足元の見えないアリアのスカートを少し捲って見てみると。あ、やっぱり。
「厚底だ」
「なんですか貴女急に!?」
「ごめんなさい。ごめんなさいついでに、女の子は小さい方が好まれる殿方は多いらしいわよ。私はごめんだけど。あ、これはごめんついでってわけじゃなくて……」
「もう、結構です!! 大きなお世話という言葉をお知りにならないのですか?」
「まあ、そこまでにしたまえ。紹介するよ、この子が新しいぼくの婚約者さ。
どうだい可愛いだろう? 羨ましいかい? だろうねえ!!」
「……そういう事ですので、以後よろしくお願いしますわ」
ふん、と言いたげな態度で改めて居を正す彼女。
その彼女の腰に手を回し、まるで、誰も手に入れる事の出来ない高価な品物を貧乏人に見せびらかす嫌味な貴族みたい。……あ、そのものか。
なんて清々しい人々でしょうか。自分たちが正しくてしょうがないようです。
「お気になさらず。既にこのことは両家で話し合って決まっておりますので、あしからず」
「そういう事さ、ふふん。でも今更遅いよ。君は僕に捨てられたんだ、これは決定なんだ。もうどうにもならないのさ。悔しいかい? だろうねえ!!」
「はあ……」
何故、私が負けたみたいな雰囲気を出してくるのかほとほと不思議ですけれど。
え、何? 二人の期待に応えて嘆けばいいのこれ? やだぁ。
そう、私に思うところはありません。
元婚約者が今更どこのお嬢様とお懇ろになられたとしても、最早何の未練も感じる事が出来ないのです。完全に幻滅しましたので。
「ふふ、それとね。君にとっても重大なそんな事をぼくは伝えなくてはならないんだ。ああ、なんて悲しみ背負っているんだぼくは!!」
「お泣きにならないで、そのようなお役目はわたくしが背負いますわ!」
「君は…っ! なんて清らかな心の持ち主なんだバリア!!」
「アリアです」
つまんない舞台だなあ。いや、この無駄な百面相は一つの芸のとして見れるかもしれない。
磨けばお金が取れるのでは? お金は持ってるから別にいいのか、納得。
表情を変えるのに飽きたのか、二人はそれから話の続きを始めました。
「赤の他人のわたくしの口からお聞きになりたくはないとは存じますが」
「もう終わりにして欲しいのだけれど」
「お喜びを、これで終わりですわ。そう、あなたの人生もね。ふふふふ」
「早く、早く」
「急かさないで下さいまし! ブムゥ様との婚約が終わり、
その責任を取ってコルニー様から家名を取り上げるとの事です」
「誰が?」
「あなたのお父様が」
「誰に?」
「あなたにです。……そう言っているでしょう!」
はえー。私、追い出されるの。ええ……。
アリアは口調だけ悲しそうに話しながら、器用な事に笑みを浮かべていました。
芸達者だなあ。
「しかし、まさかしかし! このような仕打ち受けるようになるなど、当事者ではありますが同情に悲しみを持ってしまいますわ!!」
「ああ、なんて哀れなんだコルニー! いくらピープルの血を引くとはいえ、実の娘にそのような事をなさるとは……。君のこれからを思うと僕も思わず身震いしてしまうよ!」
これまだ続くの? そんなに楽しいのかな? 楽しいんだろうな。
どうせ誰も内心喜んでるくらいなんだから、無駄に時間を使うのやめてよ。それとも私の時間を買い取ってくれるとでも言うのだろうか?
それでも、二人にとってはきっと今日が門出と言ってもいいのでしょう。
私も悲しい、生まれてこの方、この家で過ごしてきたのですから。なんの感慨も無いなど、どうして言えましょう。
「ああ、ええ……。二人のお気持ちもありがたく受け取らせて頂きますわ。さあ、このような事にお時間を取らせるわけには参りません。お帰りはあちら」
「そうかい? ま、君はそう言うのであれば元婚約者のよしみで最後の願いを聞いてあげようじゃないか、ははははははは!」
「それでは、わたくしも失礼とさせて頂きますわ。ほほほほほほ!」
私は精一杯のおもてなしとして、最後にある振る舞いをお見舞いして差し上げました。
それはお二人が扉の外へ出ようとした直後の事。
「フンッ!!」
「があ!」
「きゃああ!」
開いていた扉を思いっきり締めて差し上げた私は、扉の向こうから聞こえて来たお二人の悲鳴を聞いて、満足気に微笑みました。
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