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Episode8 聖遺物を求めて
第40話 合流
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”キンカンキン………キンカンキン………”
剣と剣が激しくぶつかり合う音が、そこかしこから木霊している。
「陛下!!」
背中に複数の矢を負った兵士が、自ら剣を振るいながら陣頭指揮を取る国王の元へと駆け寄る。
”キン………ザシュ…”
「ぐはっ…」
”バタン”
国王が振りかざした剣の攻撃で、公国軍の兵の一人が絶命する。
「おお、そなたは右翼隊の伝令兵だな。そなたがここに来た、ということは…」
「恐れながら申し上げます。右翼隊は公国軍の襲撃で、ほぼ壊滅しました…」
「左翼隊の様子は?」
「左翼隊は善戦している様子でしたが、それも時間の問題かと…」
「本体後方に位置するワイギヤ教軍はどうしておる?」
「物見遊山の如く、その場に停滞しており、戦いに参加する気配はございません」
「相分かった。本陣幕舎で手当を受けるが良い」
「御意にございます」
”タッタッタッ…”
伝令兵が頭(こうべ)を垂れながら、その場を後にする。
「(…ここで踏ん張れなければ、後に残るは本陣しかない………背水の陣で臨むのは得策ではないが、やむを得ないか…)」
国王が遠望すると、確かに左翼軍は善戦しているようだったが、右翼軍を打ち破った公国軍が左翼軍の後方に集結しつつあるのが分かった。
「(…それとも、本隊を割って左翼軍に回すか…いや、本隊は公国軍と拮抗(きっこう)している。これを割るのは得策ではない…やはり、背水の陣となっても、一旦本陣まで引き下がり、体制を整えるか………)」
国王が本陣までの後退を考えた、その時だった。
”ヒュンヒュンヒュンヒュン………”
”ズサズサズサズサズサ…”
国王率いる本隊と戦っている公国軍の本隊に、無数の矢が浴びせられたのだ。
「ぐはっ!」
「うぐぅぅ…」
矢嵐は数分間にも及び、およそ半数の公国兵が失われたようだった。
そして、矢嵐が止み、公国軍が後退しようとしたその時…
「「「「オオオオオオオーーーーーーー!!!!!」」」」
雄たけびと共にターパの旗印を掲げた軍が、矢嵐を生き抜いた公国軍に突撃し、周囲を取り囲んだ。
そして次の瞬間、国王がいの一番に耳にしたかった声が、戦場に轟いた。
「勇敢なる公国軍の兵士たちよ!私はターパの…いや、ザパート連合公国盟主のアンティムである!!」
「アンティム…様!?」
「アンティム様は、ランデス様に盟主の座を譲ったのでは!?」
取り囲まれた兵士たちに、動揺の声が広がる。
「ランデスから何を聞いているかは知らぬが、私は突如ランデスに幽閉され、公国の指揮権を剥奪されたのだ!だが、私は今ここに舞い戻った!!セレスタ王国との戦いは、ランデスとワイギヤ教の将軍が引き起こした、全く意味のない戦いなのだ!生き残った心ある公国兵は、今すぐ投降せよ!!」
「ランデス様が、クーデターを起こしたということなのか!?」
「ワイギヤ教は、公国にとって敵ではないか…」
「現に、アンティム様が戻られたのだ………それに、抵抗したところで、ターパ軍の兵にやられるだけだ…」
アンティムの言葉に、取り囲まれた公国軍の兵士たちは戦意を失ったようで、全員がその場に得物を投げ捨てた。
それを確認したアンティムが、国王の元へと馬を走らせる。
アンティムの姿を確認した国王もまた、彼女の元へと馬を走らせた。
「陛下!!」
「アンティム!!!誠にアンティムなのだな!!!」
「はい!陛下も、よくぞご無事で…」
互いに馬を降りた二人は、その場で抱擁した。
「アルモ殿とその仲間たちが、そなたを解放したのだな」
「ええ。そして、アルモ殿の魔法で、私とターパ軍が駆けつけたという訳でございます」
「アルモ殿らには、これで大きな借りができたな…」
「陛下…まだその話をする時ではございませぬ………私の軍が打ち倒した本隊にランデスがいるなら、こう容易く敗れることはなかったでしょう」
「そうだな…ランデスは、恐らく打ち破られた右翼軍の相手をしていた隊の指揮をしていたに違いない。そしてその軍は、今は左翼軍の後方に陣取ったはずだ」
「投降した公国軍の本隊は、元々は私の指揮下にあった兵士たちです。ターパ軍に吸収すれば、大きな戦力となるでしょう!!」
「本当ならば、我が妃として城で私の帰りを待つ立場であるはずなのだが…この戦いが終わるまで、私に力を貸してくれるか!?」
「何をおっしゃいます陛下!私の身も心も、陛下のものでございます!例え戦であったとしても、陛下の元を離れるつもりはありませんわ!!」
「アンティム………ありがとう。だが、無理だけはしないでくれ!!」
「分かっていますわ!それに、あれを!!」
アンティムが手で示した方向に国王が目をやると、そこには見知った人物たちがこちらに向かって手を振っていた。
「おお!!あれはシュー殿にサリット殿、それにレイス殿とリーサ殿まで…」
「私の護衛は、アルモ殿の仲間の皆さんがして下さっています。ですから、安心して下さいまし」
「彼の者らがアンティムの護衛ならば安心だ…だが、本当に無理だけはしないでくれるな。そなたの居ない世界など、私には意味を持たぬのだ。そのことを、今回そなたがランデスに捕えられたことで、身をもって知ったのだから、な…」
「陛下………」
国王とアンティムの視線が重なり合い、次の瞬間には、互いの唇が互いの体温を確かめ合っていた。
短い抱擁の時は、アンティムによって国王に終わりを告げた。
「陛下!!」
「そうだな!アンティムは急ぎ公国軍を吸収し、ターパ軍を再編してくれ!私も本隊を整え、一緒に左翼軍の応援に行くとしよう!!」
「御意!!」
数分後、アンティムは投降した公国軍を吸収すると、速やかにターパ軍を再編した。
そして国王も、その間に本隊の再編を終えると、ほぼ同数となったターパ軍と共に左翼軍に応援に向かったのだった。
剣と剣が激しくぶつかり合う音が、そこかしこから木霊している。
「陛下!!」
背中に複数の矢を負った兵士が、自ら剣を振るいながら陣頭指揮を取る国王の元へと駆け寄る。
”キン………ザシュ…”
「ぐはっ…」
”バタン”
国王が振りかざした剣の攻撃で、公国軍の兵の一人が絶命する。
「おお、そなたは右翼隊の伝令兵だな。そなたがここに来た、ということは…」
「恐れながら申し上げます。右翼隊は公国軍の襲撃で、ほぼ壊滅しました…」
「左翼隊の様子は?」
「左翼隊は善戦している様子でしたが、それも時間の問題かと…」
「本体後方に位置するワイギヤ教軍はどうしておる?」
「物見遊山の如く、その場に停滞しており、戦いに参加する気配はございません」
「相分かった。本陣幕舎で手当を受けるが良い」
「御意にございます」
”タッタッタッ…”
伝令兵が頭(こうべ)を垂れながら、その場を後にする。
「(…ここで踏ん張れなければ、後に残るは本陣しかない………背水の陣で臨むのは得策ではないが、やむを得ないか…)」
国王が遠望すると、確かに左翼軍は善戦しているようだったが、右翼軍を打ち破った公国軍が左翼軍の後方に集結しつつあるのが分かった。
「(…それとも、本隊を割って左翼軍に回すか…いや、本隊は公国軍と拮抗(きっこう)している。これを割るのは得策ではない…やはり、背水の陣となっても、一旦本陣まで引き下がり、体制を整えるか………)」
国王が本陣までの後退を考えた、その時だった。
”ヒュンヒュンヒュンヒュン………”
”ズサズサズサズサズサ…”
国王率いる本隊と戦っている公国軍の本隊に、無数の矢が浴びせられたのだ。
「ぐはっ!」
「うぐぅぅ…」
矢嵐は数分間にも及び、およそ半数の公国兵が失われたようだった。
そして、矢嵐が止み、公国軍が後退しようとしたその時…
「「「「オオオオオオオーーーーーーー!!!!!」」」」
雄たけびと共にターパの旗印を掲げた軍が、矢嵐を生き抜いた公国軍に突撃し、周囲を取り囲んだ。
そして次の瞬間、国王がいの一番に耳にしたかった声が、戦場に轟いた。
「勇敢なる公国軍の兵士たちよ!私はターパの…いや、ザパート連合公国盟主のアンティムである!!」
「アンティム…様!?」
「アンティム様は、ランデス様に盟主の座を譲ったのでは!?」
取り囲まれた兵士たちに、動揺の声が広がる。
「ランデスから何を聞いているかは知らぬが、私は突如ランデスに幽閉され、公国の指揮権を剥奪されたのだ!だが、私は今ここに舞い戻った!!セレスタ王国との戦いは、ランデスとワイギヤ教の将軍が引き起こした、全く意味のない戦いなのだ!生き残った心ある公国兵は、今すぐ投降せよ!!」
「ランデス様が、クーデターを起こしたということなのか!?」
「ワイギヤ教は、公国にとって敵ではないか…」
「現に、アンティム様が戻られたのだ………それに、抵抗したところで、ターパ軍の兵にやられるだけだ…」
アンティムの言葉に、取り囲まれた公国軍の兵士たちは戦意を失ったようで、全員がその場に得物を投げ捨てた。
それを確認したアンティムが、国王の元へと馬を走らせる。
アンティムの姿を確認した国王もまた、彼女の元へと馬を走らせた。
「陛下!!」
「アンティム!!!誠にアンティムなのだな!!!」
「はい!陛下も、よくぞご無事で…」
互いに馬を降りた二人は、その場で抱擁した。
「アルモ殿とその仲間たちが、そなたを解放したのだな」
「ええ。そして、アルモ殿の魔法で、私とターパ軍が駆けつけたという訳でございます」
「アルモ殿らには、これで大きな借りができたな…」
「陛下…まだその話をする時ではございませぬ………私の軍が打ち倒した本隊にランデスがいるなら、こう容易く敗れることはなかったでしょう」
「そうだな…ランデスは、恐らく打ち破られた右翼軍の相手をしていた隊の指揮をしていたに違いない。そしてその軍は、今は左翼軍の後方に陣取ったはずだ」
「投降した公国軍の本隊は、元々は私の指揮下にあった兵士たちです。ターパ軍に吸収すれば、大きな戦力となるでしょう!!」
「本当ならば、我が妃として城で私の帰りを待つ立場であるはずなのだが…この戦いが終わるまで、私に力を貸してくれるか!?」
「何をおっしゃいます陛下!私の身も心も、陛下のものでございます!例え戦であったとしても、陛下の元を離れるつもりはありませんわ!!」
「アンティム………ありがとう。だが、無理だけはしないでくれ!!」
「分かっていますわ!それに、あれを!!」
アンティムが手で示した方向に国王が目をやると、そこには見知った人物たちがこちらに向かって手を振っていた。
「おお!!あれはシュー殿にサリット殿、それにレイス殿とリーサ殿まで…」
「私の護衛は、アルモ殿の仲間の皆さんがして下さっています。ですから、安心して下さいまし」
「彼の者らがアンティムの護衛ならば安心だ…だが、本当に無理だけはしないでくれるな。そなたの居ない世界など、私には意味を持たぬのだ。そのことを、今回そなたがランデスに捕えられたことで、身をもって知ったのだから、な…」
「陛下………」
国王とアンティムの視線が重なり合い、次の瞬間には、互いの唇が互いの体温を確かめ合っていた。
短い抱擁の時は、アンティムによって国王に終わりを告げた。
「陛下!!」
「そうだな!アンティムは急ぎ公国軍を吸収し、ターパ軍を再編してくれ!私も本隊を整え、一緒に左翼軍の応援に行くとしよう!!」
「御意!!」
数分後、アンティムは投降した公国軍を吸収すると、速やかにターパ軍を再編した。
そして国王も、その間に本隊の再編を終えると、ほぼ同数となったターパ軍と共に左翼軍に応援に向かったのだった。
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