侍女は婚約が内定している俺様属性の男と縁を切りたい。

彩柚月

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14 侍女は忙しい 時々 体調不良。

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 翌日から、王宮に行くこともなくなったリリアは以前よりも気楽になっていた。表情も明るく、エリザベス様とロザリア様には、良いことあった?と聞かれるほどだ。よっぽどオスカーがストレスだったのだと自覚する。

 今朝は起きた時から少し違和感があった。頭にモヤがかかったような。食欲はあるものの、味がわからない。気のせいか、と身支度をする。

 本日、あいにくの雨。
( 寒くなるかもしれないわ。ストールを出しておきましょう  )

  いつものように、頭で予定を組みながら登城する。

 そしていつもの部屋の隅で控えていると、エリザベス様とロザリア様に気遣われた。

 「ねえリリア。顔色が悪いのではないかしら?」
 「そうでしょうか?自覚はないのですが。」
 「悪いわよ。ちょっとこちらへ、いいえ。わたくしが行くわ。」
 ロザリア様にさわられたオデコの、ひんやりしたその感触に気持ちが良かった。

 「熱があるわよリリア。」
 「今日はもうお帰りなさい。」
 
 「いえ、そういうわけには、」
 「うつしたら責任問題よ?」
 「……帰ります。今すぐ。」

 「ああ、これを持って行って。」
 渡されたのは、いつかの通信機。
 「でもこれは陛下との連絡をするための物だったのでは。」
 「大丈夫よ。連絡先を3つまで登録できるから、もう2つ頂いたの。ひとつはロザリアと、もうひとつはリリアと。私、あなた達とは、友人のつもりなの。医者に診てもらったら、状態を連絡してね。」

 「ありがとうございます。有り難く頂戴します。」

 帰りの馬車に乗っている最中、肩や腰が膝が痛くて、視界がグラグラした。これは熱があがっているのかもしれない。

 自宅の屋敷につき、玄関で迎えられ、そこから記憶がない。

 情けなくも、熱で意識を失うという失態をおかしてしまった。


 目が覚めた時には、既に夜に差し掛かる頃で、驚いた。
 「あ、連絡をすると約束したのだったわ。」
 「起きたのねリリア。あなた、感冒ですって。」

 お母様が側についていてくれたようだった。冷たい水でタオルを絞って、顔周りを拭いてくれる。
 「お母様。お手を煩わせてしまって。」
 「何を言っているの。可愛い娘の看病くらい、いくらでもするわよ。さあ何か食べられそうかしら?」
 
 お母様はメイドに言って、パンがゆを持って来させて、そして食べさせようとする。

 「じぶんで、たべられますからっ」
 「まあ、ふふ。照れちゃって。」

 「私はもう20歳になろうとしているのに、子供扱いされたら照れるに決まってます。」

 スプーンを取って自分で口に運ぼうとするも、熱のせいか、震えて上手く動かせない。仕方なくお母様に食べさせてもらう。

 「エリザベス様にはお父様が連絡を入れてくださったわ。あの道具、とても便利ね。」
 「使った、のですか?」

 「ええ。何かわからなかったからあなたの荷物として、ここに置いてあったのだけど、お父様も心配して、少し前までここに居たのよ。そして連絡のための手紙を書いていたのだけど、そしたら、あの動画がピカピカ光るので触ったら声が聞こえたの。」
 「あれは、まだ、世の中には秘密の道具だから、他の人に知られてはいけないのです。」

 「ええ。わかっているわ。そのような話をしていたから。でも今は、リリアの状態を報告するために、お父様が持って行ったわ。起きられるようになったら返すから、安心してちょうだい。」
 
 パンがゆを食べ終わって、ふんわり温まったお腹の心地よさに、一気に眠気が襲ってきた。

 「いろいろ頑張ってたもの。ちょっと疲れちゃったのね。さあ、お薬を飲んで、もうおやすみなさい。」

 言われるままに、薬を飲んで、眠りに落ちた。





 
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