本物聖女の力は無力でした ――見世物レベルの聖女のおかげで婚約破棄されました――**

魔法が存在しないと信じられていた世界に、
突如として現れた「本物の聖女」。

空中浮遊、瞬間移動、念動力――
奇跡を披露した平民の少女は、たちまち市民の熱狂を集め、
王太子はその力に目を奪われる。

その結果、
王太子の婚約者だった公爵令嬢アストリアは、
一方的に婚約を破棄されてしまった。

だが、聖女の力は――

・空中浮遊は、地上三十センチ
・瞬間移動は、秒速一メートル
・念動力は、手で持てる重さまで

派手ではあるが、実用性は乏しい。
聖女の力は、見世物レベル。

少なくとも、誰もがそう判断していた。

それでも人々は喝采し、
権威は少女を縛り、
「聖女」という立場だけが一人歩きしていく。

そんな中、婚約破棄された公爵令嬢アストリアは、
ある違和感に気づき始める。

――奇跡よりも、奪われているものがあることに。

派手な復讐はない。
怒鳴り返しもしない。
けれど静かに、確実に、
“正しさ”は明らかになっていく。

見世物にされた奇跡と、
尊厳を取り戻す少女たちの物語。


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