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しおりを挟む「それが本音か?」
しまった、という顔をしているオスカーに、サイラーが言う。
「そうだと思ったよ。本当は全部、理解しているんだろう?このままだと家を放り出されて、自分は何をして良いかわからないから、だからリリアの家に転がり込めば、今まで通り、上手くいけば今までよりも楽な生活ができるから。」
「ちがっ……だって、おれ、ボクはっ!」
「違わない。道はたくさん選べたのに、努力すれば歩く道は見つかったかもしれないのに。お前は自らその選択肢を捨てて、楽に引っ張ってくれるロープを掴むことを選んだんだ。普通で心の弱い演技で家族の同情を引いて、自分で探すことができない振りをして、ぬるま湯を探させたんだ!」
「違う違う違う!」
「リリアを飴と鞭で自分に依存させて、自分の世話をする奴隷のようにしようとしたけど、でも、飴を使う場面がみつからなかった。焦って失敗した。前段階の準備の時間が足りなかった上に、リリアがお前を無視するほうを選んだから。だから、おかしくなった振りをして煙に巻いて、このままゲイル家で面倒を見てもらおうと思ったんだろう!?」
「違うっ!リリア!お前も何とか言え!俺と建てている離れで住むと言うんだ!そうしたらずっと優しくしてやる!」
「嫌です。あなたと住むなんて嫌すぎます。」
「言うことを聞け!だからお前は可愛げがないと言うんだ!」
伯爵が青ざめた様相で、オスカーに向かって
「オスカー……。そうなのか?優しくて心の弱いお前は、嘘だったのか?」
「違います!信じてください!だってほら!こんなにボクは涙を流しています!どうか、リリアにボクを受け入れるように言ってください!」
「受け入れませんわ。絶対に。」
「やめろサイラー。」
横にいたサイラー様がいつのまにか前に出て、オスカーに近づいている。伯爵とテイラがサイラーに言うが、オスカーを抑えているので、阻止できない。
「暴力はダメだ。」
「殴らなければ気が済みません。」
「なっ……!サイラー兄上、何をしようとしているんですか?父上、テイラ兄上!助けてください!リリア!何してる、兄上を止めろ!」
「黙れ!リリアは私の婚約者だ!名前を呼ぶことも侮辱することも許さん!」
そして、殴るのかと思われたが、——胸ぐらを掴んで持ち上げ気味に上を向かせると、
「覚悟しろよ。お前はおかしくない。全てを理解した上で、おかしい振りをする愚かな選択をしたんだ。例えリリアに無礼を働いて失敗したとしても、心を入れ替えてやり直せば、道はあったんだ。だがお前は、家族全員を騙した。この後に及んでもリリアを侮辱した。父上が許しても私は許さない。狂ったお前を放逐まできないからな。お望み通り飼ってやるよ。山の中にな。小さな小屋があるんだ。毎週、最低限の物資だけは届けてやる。ひとりで、永遠に閉じこもってろ。」
手を離してオスカーを椅子に放り投げると、伯爵とテイラに向かって、
「反対はしませんよね?」
と、言った。
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