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密着! 夏休み旅行!
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バシャバシャと暴れ回ってみるがこいつ、しつこい! 友達と遊んだことないのか!?!? 引き際ってもんを知らんのかこの真面目くんはよォーーッッ!!
「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
「おお、だいぶ大変なことになっている」
冷静に状況を分析するな。何で目が輝いてるんだ? え? 引き際を見極めるってか、なんか好奇心に負けそうになってない大丈夫? 今温泉で裸同士なんだけど俺たち
「……人とは笑いすぎたらどうなるものなのだろうな!」
(好奇心に負けやがった──!!)
そういえば見たことないけど! むせて吐くくらいなんじゃねぇの!? やだよ俺明日から吐いたところで風呂入るの心情的に!
くそ、こいつにまともに人を笑わせた経験があればこんなことには。まぁ俺にもない。コミュ障のインキャかつ嫌われ者のガキ大将は往往にして人に好かれないのだ。
「アッ、もう! ははははっ! ひっどこ触って、うひひひ!」
「師匠はおかしな笑い方をするな」
この野郎マジで。
こしょこしょこしょとソフトタッチでくすぐってくる指に爆笑し、逃げようとして押さえつけられ、頭が回らなくなってくる。
本人としては逃げる余地を残しているつもりなのだろうが、客観的に見れば逞しい脚で馬乗りになって動きを封じ込められている状態だ。
どこに動かそうにも熱いからだがぎゅむりと押し付けられていた。
(俺じゃ押し返せん……てことを分かってないのかコイツは! 力の強さって一定じゃないんだぞ……!)
俺自身は力自慢がウリではあるが、自分が小回りの効かない図体なので押さえられると逃げられん。
普通は程々のところで容赦するのだが……真道は他人とろくにふざけ合ったことがないのだろう。俺もだった。
「ッハァ、は、はっ、マジで……やめろ……」
心臓が嫌な鳴り方をしている。身体中が熱い。頭皮はじっとりと汗をかいていて、腕にうまく力が入らない。
「? ししょ──」
だめだ、視界がぼやけて……
頭が回らない……
コンコン
『センパーイ? 卓球行きませーん?』
『クレー射撃もあるぜ兄貴!』
「!」
遠くから獅童くんの声がして、ぱちっと意識が覚める。やばい今すげ~気絶しそうになってた! こりゃのぼせてるな、まずいかもしれん。
そういえば今日あんまり水分摂ってなかった。脱水症状も引き起こしてる可能性がある。
「ッラァ離せ!!!!!」
「グエッ」
一瞬冴えた頭で的確に喉元を狙い突きを繰り出した。最初からこうすればよかったな。
「何で俺はコイツに容赦しようとしてたんだ……あ~、熱……」
「ッゲホ、ゲホ!」
「おお生きてる」
狙いようによっては本当に大変なことになるので良い子はやっちゃだめだ。えっ俺? 俺はこういう手加減慣れてるから良いの。
この治安カス学校で二年半やってきてるんだぞ。慣れもする。
あ~~頭痛い。クラクラする。身体全体に水分が足りてないって感じ。寝過ぎた時にちょっと似てる。
「……すまない、調子に乗った」
「ほんとにな……なんか動く気力もない……」
「っと」
くら、と倒れこみかけたのを真道に支えられる。その厚い胸板に感謝をしつつ、支えられながら立ち上がる。
「一旦体拭いて、濡れタオル……ああマニュアルは頭入ってるのね」
体を拭かれて浴衣を着せられる。手錠は外して、全裸で介抱されるのはどうにも申し訳ないがまぁコイツが原因なので反省してもらおう。
外気の当たる木製のビーチチェアに寝かされ、ほんのりと冷えた濡れタオルで頭や顔、足を冷やされる。あとでこれにつけ込んで髪洗ってもらおう。
『センパイ? おらんのかな……』
『疲れてるんじゃねぇか? 今日は喧嘩してこられたみたいだしな。兄貴とクレー射撃したかったぜ……』
『クレー射撃へのその執着何なの? まぁでも、田中様と遊びたいのは事実だよね。疲れてるなら、僕カタン持ってきたんだけど……』
『UNOとかではなく?』
『あとペケカ』
ペケカとカタン持ってくるセンス何?
ウグーッでもやりたい! ペケカとカタン持ってくるようなやつと遊んでみたい! あと普通に後輩と夜集まって遊ぶの青春って感じ! 青春!
「真道~~~~……」
「……俺のせいでそうなっているため非常に心苦しいのだが……」
せっせと俺の介抱をしていた真道(全裸)に視線を送ると、気まずそうにそらされた。俺が遊びたがっているのは伝わったのだろう。そう、遊びたいんだ扉を開けて来い。
「卓球もしたい」
「卓球は流石に」
「じゃあカタンでいいから」
「……譲歩されると勝てん……!」
うわコイツめちゃくちゃチョロ!!
真道は他人に負い目がある状態に陥ったことがないのだろう。俺はせっせと手渡されたスポーツドリンクをぐびぐび飲みながら慌てて浴衣を着る真道を眺める。愉快だ。
外気は涼しく体を冷やし、丈夫でしぶとい体はわりともう快方に向かっている。激しい運動は避けたほうがいいだろうけど。明日もあるしね。
「きちんと大人しくしてるんだぞ!」
「あーい」
俺のことを一体なんだと思っているのやら。
後輩たちが帰る前にと慌てて真道が玄関に向かう。人のいいやつなので、相手を待たせるのも悪いと思っているに違いない。その焦りからか浴衣がぐちゃぐちゃに着崩れていた。
くったりと背の高いビーチチェアに体を預け、外気を取り込む。熱った体が落ち着いてきて、心地いい程度になってきた。夜風が木の葉を擦り優しく頬を撫でる。
(夜風の音に、厨房で皿を洗う音、下でチェックインする客の声に遠い漣の音──と、なんか喧嘩の音……?)
喧嘩の音??
何やら玄関の方から言い争う声と物音がすることにようやく気がついた。え、なになになに。
『違う! 誤解だ!』
『じゃあ何であんたが着崩れて髪も濡れてあん人は出てこれんねん!!』
『だから体調不良だと──』
『それが怪しいんじゃボケ!』
え、なんか獅童くんがブチギレてるんだけど。そして俺は鈍感ではないので誤解の内容を察してしまった。
(あの子、俺が手出されたと思ってる……?)
ああ………………まぁでも…………“田中宗介”のイメージ的に、確かにそうなるか……?
バタバタバタ!! と何人もの男が慌てて入ってくる音。さっきの物音といい多分真道一回殴られたな、可哀想なやつである。あとで杏仁豆腐でも奢ってあげよう。
「──センパイ!!」「田中様!」「兄貴ィ!」
「呼び方の統一をしな~?」
俺は冷えたタオルを首から剥ぎ取りつつ、慌ててやってきた後輩たちを迎え入れた。
……あれっ奥の方イブキと副会長も居る。
あっいやあれ、獅童くんが引っ張ってきたんだな、イブキの浴衣の裾えげつない痕ついてるしな。
「イブキ、なんかごめん……」
「別にえいがか、そろそろ他人の言うことの一つや二つ聞くようにしちょいてくれんか?」
副会長もよくみたらメガネ以外ボロボロだった。久々に獅童くんの暴走見たな、はしゃいでんなぁ旅行で。
「この暴走具合を見て『はしゃいでる』で済ませる貴方も大概の器ですがね」
「なんでおれ今けなされたの~??」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
「おお、だいぶ大変なことになっている」
冷静に状況を分析するな。何で目が輝いてるんだ? え? 引き際を見極めるってか、なんか好奇心に負けそうになってない大丈夫? 今温泉で裸同士なんだけど俺たち
「……人とは笑いすぎたらどうなるものなのだろうな!」
(好奇心に負けやがった──!!)
そういえば見たことないけど! むせて吐くくらいなんじゃねぇの!? やだよ俺明日から吐いたところで風呂入るの心情的に!
くそ、こいつにまともに人を笑わせた経験があればこんなことには。まぁ俺にもない。コミュ障のインキャかつ嫌われ者のガキ大将は往往にして人に好かれないのだ。
「アッ、もう! ははははっ! ひっどこ触って、うひひひ!」
「師匠はおかしな笑い方をするな」
この野郎マジで。
こしょこしょこしょとソフトタッチでくすぐってくる指に爆笑し、逃げようとして押さえつけられ、頭が回らなくなってくる。
本人としては逃げる余地を残しているつもりなのだろうが、客観的に見れば逞しい脚で馬乗りになって動きを封じ込められている状態だ。
どこに動かそうにも熱いからだがぎゅむりと押し付けられていた。
(俺じゃ押し返せん……てことを分かってないのかコイツは! 力の強さって一定じゃないんだぞ……!)
俺自身は力自慢がウリではあるが、自分が小回りの効かない図体なので押さえられると逃げられん。
普通は程々のところで容赦するのだが……真道は他人とろくにふざけ合ったことがないのだろう。俺もだった。
「ッハァ、は、はっ、マジで……やめろ……」
心臓が嫌な鳴り方をしている。身体中が熱い。頭皮はじっとりと汗をかいていて、腕にうまく力が入らない。
「? ししょ──」
だめだ、視界がぼやけて……
頭が回らない……
コンコン
『センパーイ? 卓球行きませーん?』
『クレー射撃もあるぜ兄貴!』
「!」
遠くから獅童くんの声がして、ぱちっと意識が覚める。やばい今すげ~気絶しそうになってた! こりゃのぼせてるな、まずいかもしれん。
そういえば今日あんまり水分摂ってなかった。脱水症状も引き起こしてる可能性がある。
「ッラァ離せ!!!!!」
「グエッ」
一瞬冴えた頭で的確に喉元を狙い突きを繰り出した。最初からこうすればよかったな。
「何で俺はコイツに容赦しようとしてたんだ……あ~、熱……」
「ッゲホ、ゲホ!」
「おお生きてる」
狙いようによっては本当に大変なことになるので良い子はやっちゃだめだ。えっ俺? 俺はこういう手加減慣れてるから良いの。
この治安カス学校で二年半やってきてるんだぞ。慣れもする。
あ~~頭痛い。クラクラする。身体全体に水分が足りてないって感じ。寝過ぎた時にちょっと似てる。
「……すまない、調子に乗った」
「ほんとにな……なんか動く気力もない……」
「っと」
くら、と倒れこみかけたのを真道に支えられる。その厚い胸板に感謝をしつつ、支えられながら立ち上がる。
「一旦体拭いて、濡れタオル……ああマニュアルは頭入ってるのね」
体を拭かれて浴衣を着せられる。手錠は外して、全裸で介抱されるのはどうにも申し訳ないがまぁコイツが原因なので反省してもらおう。
外気の当たる木製のビーチチェアに寝かされ、ほんのりと冷えた濡れタオルで頭や顔、足を冷やされる。あとでこれにつけ込んで髪洗ってもらおう。
『センパイ? おらんのかな……』
『疲れてるんじゃねぇか? 今日は喧嘩してこられたみたいだしな。兄貴とクレー射撃したかったぜ……』
『クレー射撃へのその執着何なの? まぁでも、田中様と遊びたいのは事実だよね。疲れてるなら、僕カタン持ってきたんだけど……』
『UNOとかではなく?』
『あとペケカ』
ペケカとカタン持ってくるセンス何?
ウグーッでもやりたい! ペケカとカタン持ってくるようなやつと遊んでみたい! あと普通に後輩と夜集まって遊ぶの青春って感じ! 青春!
「真道~~~~……」
「……俺のせいでそうなっているため非常に心苦しいのだが……」
せっせと俺の介抱をしていた真道(全裸)に視線を送ると、気まずそうにそらされた。俺が遊びたがっているのは伝わったのだろう。そう、遊びたいんだ扉を開けて来い。
「卓球もしたい」
「卓球は流石に」
「じゃあカタンでいいから」
「……譲歩されると勝てん……!」
うわコイツめちゃくちゃチョロ!!
真道は他人に負い目がある状態に陥ったことがないのだろう。俺はせっせと手渡されたスポーツドリンクをぐびぐび飲みながら慌てて浴衣を着る真道を眺める。愉快だ。
外気は涼しく体を冷やし、丈夫でしぶとい体はわりともう快方に向かっている。激しい運動は避けたほうがいいだろうけど。明日もあるしね。
「きちんと大人しくしてるんだぞ!」
「あーい」
俺のことを一体なんだと思っているのやら。
後輩たちが帰る前にと慌てて真道が玄関に向かう。人のいいやつなので、相手を待たせるのも悪いと思っているに違いない。その焦りからか浴衣がぐちゃぐちゃに着崩れていた。
くったりと背の高いビーチチェアに体を預け、外気を取り込む。熱った体が落ち着いてきて、心地いい程度になってきた。夜風が木の葉を擦り優しく頬を撫でる。
(夜風の音に、厨房で皿を洗う音、下でチェックインする客の声に遠い漣の音──と、なんか喧嘩の音……?)
喧嘩の音??
何やら玄関の方から言い争う声と物音がすることにようやく気がついた。え、なになになに。
『違う! 誤解だ!』
『じゃあ何であんたが着崩れて髪も濡れてあん人は出てこれんねん!!』
『だから体調不良だと──』
『それが怪しいんじゃボケ!』
え、なんか獅童くんがブチギレてるんだけど。そして俺は鈍感ではないので誤解の内容を察してしまった。
(あの子、俺が手出されたと思ってる……?)
ああ………………まぁでも…………“田中宗介”のイメージ的に、確かにそうなるか……?
バタバタバタ!! と何人もの男が慌てて入ってくる音。さっきの物音といい多分真道一回殴られたな、可哀想なやつである。あとで杏仁豆腐でも奢ってあげよう。
「──センパイ!!」「田中様!」「兄貴ィ!」
「呼び方の統一をしな~?」
俺は冷えたタオルを首から剥ぎ取りつつ、慌ててやってきた後輩たちを迎え入れた。
……あれっ奥の方イブキと副会長も居る。
あっいやあれ、獅童くんが引っ張ってきたんだな、イブキの浴衣の裾えげつない痕ついてるしな。
「イブキ、なんかごめん……」
「別にえいがか、そろそろ他人の言うことの一つや二つ聞くようにしちょいてくれんか?」
副会長もよくみたらメガネ以外ボロボロだった。久々に獅童くんの暴走見たな、はしゃいでんなぁ旅行で。
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