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監禁! 最後の文化祭
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放課後に植物の世話が終われば、武藤様の部屋に帰宅──ではなく、旧校舎に用意した寝床で眠りにつく。
イブキ派の人たちが整えてくれていたという管理人実は武藤様の部屋よりよほど狭いが、ワンルームに一口コンロと流し台、風呂トイレ共用のバスルームに古いラジオと小上がりの畳。住む場所としてはなかなか上々であった。
「ごめんなさいなの、うさぎ達一生懸命お片付けしたのだけれど……」
「むん。元の狭さは変わらず……」
「いいよいいよぉ~。寝れる場所ありゃじゅ~ぶん!」
申し訳なさそうにするイブキ派代表二人を帰らせ、俺は新たなる拠点をムンッと見つめる。これから寒い季節になるので備え付けらしいこたつはありがたい。
「うーん、まな板を置くスペースがない」
一口コンロの隣にすぐ流し。当面は流しの上に突っ張り棒を置いてまな板を使うしかないか。
一応洗濯物を干すスペースらしい、庭に出られる裏口代わりの窓際。洗濯機一回回してギリギリくらいの物干し竿が設置してある。室内で干せと。
「ヒーターとこたつが空調か。まぁ知ってたけど……」
ラジオは実家から持ってきたものであるが、チャンネルを合わせたら名前も知らないお笑い芸人の個人番組が垂れ流されていた。音がないと寂しいしな。
WiFiは完備、こたつの隣を占領する出しっぱなしの布団。使うたびもう殺してみたいな鳴き声をあげる洗濯機はまだまだ使い倒す所存である。浴槽は足は伸ばせないが充分あるし、シャワーだけで済ませてもいいだろう。
──概ね問題ないな。一人暮らしといえばやっぱこういう感じだよ。
確認し終えた俺は洗面所──トイレ風呂についでに置いてある──で歯を磨き、顔を洗い、風呂はもう入ったので寝る準備万端で床につく。
そして返してもらったスマホ! 一番上に出てきていた名前にコール!!
『──もしもし』
「おお凄い、ワンコールで出た」
『ちょぉど暇してたんだよ、飯終わったからな』
耳元で聞こえる武藤様の声。俺は布団の中。ううーーんなかなか男心くすぐるシチュエーションである。勝手に電話した俺が悪いんだけど。
『何か用かよ』
「え? 用ってほどのものは……ああ荷造り終わったよ。一口コンロだから自炊の質落ちるなぁ」
『何も作れねぇだろそれ。カレーばっかつくんじゃねぇぞ』
「カレーはいいだろカレーは、完全栄養食だぞ! まぁ元々管理人が泊まる部屋でしかないし、住むようにはできてないんだよ。旧校舎が寮として認められたからしばらくはイブキが食堂でご飯でも作るってさー」
いわゆる寮食というやつである。料理人をよこしても良かったが、イブキ派の一年生がトラウマを負って他人を怖がったので外部の人を呼ぶのはやめたらしい。まぁイブキがうまくやるだろう。
武藤様に言った通り、用なんてものはない。ただ話したくなっただけだ。
「ほら俺たち恋人なわけじゃん? 寝落ち通話ってどんなんかなと思ってさ」
『用がねぇなら切るぞ。俺様は忙しいんだ』
「暇だって言ってただろ!」
まぁ良いけどさ。今通話してるのだっておおかた、鍋の火でもとめてきたんだろう。そうでなければわざわざ料理の話なんて出さないし、料理が終わったなんて現状を報告する義理がない。会話の繋ぎとして不自然だ。
(気ぃ使ってんだろうな)
俺の恋人らしい、に応えようとしているのだと思う。律儀というか何というか。
「ったく、料理中なら別に出なくても良いからね」
『っなんで──じゃねぇ、俺は暇だ!』
「はいはい。別にちょっと話したかっただけ。おやすみ」
別に寝落ち通話に執着はそれほどない。そんなことより寝る前に武藤様の声が聞けて良かった。何だか今日はいい夢が見れそうである。
「へへへ……」
すごいな、恋人って。
イブキ派の人たちが整えてくれていたという管理人実は武藤様の部屋よりよほど狭いが、ワンルームに一口コンロと流し台、風呂トイレ共用のバスルームに古いラジオと小上がりの畳。住む場所としてはなかなか上々であった。
「ごめんなさいなの、うさぎ達一生懸命お片付けしたのだけれど……」
「むん。元の狭さは変わらず……」
「いいよいいよぉ~。寝れる場所ありゃじゅ~ぶん!」
申し訳なさそうにするイブキ派代表二人を帰らせ、俺は新たなる拠点をムンッと見つめる。これから寒い季節になるので備え付けらしいこたつはありがたい。
「うーん、まな板を置くスペースがない」
一口コンロの隣にすぐ流し。当面は流しの上に突っ張り棒を置いてまな板を使うしかないか。
一応洗濯物を干すスペースらしい、庭に出られる裏口代わりの窓際。洗濯機一回回してギリギリくらいの物干し竿が設置してある。室内で干せと。
「ヒーターとこたつが空調か。まぁ知ってたけど……」
ラジオは実家から持ってきたものであるが、チャンネルを合わせたら名前も知らないお笑い芸人の個人番組が垂れ流されていた。音がないと寂しいしな。
WiFiは完備、こたつの隣を占領する出しっぱなしの布団。使うたびもう殺してみたいな鳴き声をあげる洗濯機はまだまだ使い倒す所存である。浴槽は足は伸ばせないが充分あるし、シャワーだけで済ませてもいいだろう。
──概ね問題ないな。一人暮らしといえばやっぱこういう感じだよ。
確認し終えた俺は洗面所──トイレ風呂についでに置いてある──で歯を磨き、顔を洗い、風呂はもう入ったので寝る準備万端で床につく。
そして返してもらったスマホ! 一番上に出てきていた名前にコール!!
『──もしもし』
「おお凄い、ワンコールで出た」
『ちょぉど暇してたんだよ、飯終わったからな』
耳元で聞こえる武藤様の声。俺は布団の中。ううーーんなかなか男心くすぐるシチュエーションである。勝手に電話した俺が悪いんだけど。
『何か用かよ』
「え? 用ってほどのものは……ああ荷造り終わったよ。一口コンロだから自炊の質落ちるなぁ」
『何も作れねぇだろそれ。カレーばっかつくんじゃねぇぞ』
「カレーはいいだろカレーは、完全栄養食だぞ! まぁ元々管理人が泊まる部屋でしかないし、住むようにはできてないんだよ。旧校舎が寮として認められたからしばらくはイブキが食堂でご飯でも作るってさー」
いわゆる寮食というやつである。料理人をよこしても良かったが、イブキ派の一年生がトラウマを負って他人を怖がったので外部の人を呼ぶのはやめたらしい。まぁイブキがうまくやるだろう。
武藤様に言った通り、用なんてものはない。ただ話したくなっただけだ。
「ほら俺たち恋人なわけじゃん? 寝落ち通話ってどんなんかなと思ってさ」
『用がねぇなら切るぞ。俺様は忙しいんだ』
「暇だって言ってただろ!」
まぁ良いけどさ。今通話してるのだっておおかた、鍋の火でもとめてきたんだろう。そうでなければわざわざ料理の話なんて出さないし、料理が終わったなんて現状を報告する義理がない。会話の繋ぎとして不自然だ。
(気ぃ使ってんだろうな)
俺の恋人らしい、に応えようとしているのだと思う。律儀というか何というか。
「ったく、料理中なら別に出なくても良いからね」
『っなんで──じゃねぇ、俺は暇だ!』
「はいはい。別にちょっと話したかっただけ。おやすみ」
別に寝落ち通話に執着はそれほどない。そんなことより寝る前に武藤様の声が聞けて良かった。何だか今日はいい夢が見れそうである。
「へへへ……」
すごいな、恋人って。
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