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監禁! 最後の文化祭
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「あれ~!! そーちんじゃんっ! 横の人なにちょ~イケメーン!」
「こんにちは、花音さん。何してるんですか」
「これで働いてる以外ある~?? いぶっち全然回れてなかったし、ここアネラの出店だからウチがやったげてんの」
「いぶっち……なんか仲良くないですか」
「お? 嫉妬か~??」
嫉妬ではないけども。思っていたより手際のいい花音さんがにやにやと笑うので、はぁーっとため息をつく。この人はまったく、そういうからかい方が好きなのだから。
「あのね花音さん。俺は良いですけど、男は狼って言うんですよ。あまりそういうからかい方をするものでは」
「てかバチイケメンじゃんオニーサンなになに友達ー? そーちんイケメンの友達多すぎなんだけど!」
「聞いてないし」
俺も一応イケメンなんですけど??
まぁでも、俺と並べて武藤様にいくのはわかる。というか誰と並べても武藤様に行っちゃうよな、世界一かっこいいし可愛いんだもん。三年間オタクやってた人間をあまり舐めるなよ。
「は? 俺様の名前も知らねえのかよ」
「俺様!? 今時~ッ!?」
花音さんが笑い始めてしまった。快活な明るい声は俺たちの心も明るくさせてくれるのだが、時と場合による。
確かに俺様って言われたら何と思わんでもないが、多分世の中で俺様って一人称できる人数少ないからな。
「花音さんもう! 偉い人ですから!」
「えぐマジで? 御曹司とかだったりする?」
「だったら何か悪いのかよ」
「ひゃーーーッッ!!!!!!!!!」
爆笑し始めてしまった。しばらく笑った後、息も絶え絶えに本当にいるんだとか言ってる。居るよ。何だと思ってるんだこの高校を。
「まぁうちも一人称わたくしのお姉様とか居るし普通に子猫ちゃんもいっからな」
「人のこと言えないじゃないですか!」
「だからわろてんでしょ。うち以外にそういうのあったんだーと思った」
それはそう。俺も本当にそんなことあるんだと思ったしな。お姉様と子猫ちゃん……何だっけ、シスターフッド? かなにか? まぁそういうのもあるんだな。
俺と花音さんが何をわかり合っているのか知らない武藤様は、話においていかれているからかめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をしていた。眉根を寄せてぎゅっとこっちを睨んできている。綺麗な顔に睨まれると怖いからやめてほしいなぁ。
「あっはは! オニーサンごめんね、はい眉間ほぐして~ウチ手届かないからそーちんお願い~」
「俺がですか??」
「いぶっちにはやってんじゃーん」
「やっ……てたっけ」
やってたような気がする。多分イブキがなんかに怒ったときにやったのか? え忘れた、多分ノリでやった。俺はこういう変なノリをするので嫌われるのだ。死にたい。
「あのですね花音さん、この人はそういう触れ合いを許容してくれるような人ではなくて」
むんずと手を掴まれる。花音さんは注文票を見ながら何やら作っているから、もちろんこの人ではない。先程手に焼きついて離れない温度が沁みてきていた。
「……ほら」
「ひょえ」
すり、と掌を頬に擦り付けられた。少しだけカサついた頬と熱い温度に溶けそうになる。猫の子が甘えるように擦り寄って、琥珀糖のような金色が俺を見上げる。
ほぐせと、俺に。触ってよしと。何なの俺のこと好きなの??
「あいつにはやったんだろ……しねぇの」
「なっ、そ、あ、それ、わ、」
「……」
ムッとしている、やってほしいのか。このまま放置するとご機嫌も悪くなるし、いやでも、俺の手が震えている。こんなんじゃ満足なマッサージができない。
「え、そーちん真っ赤なんだが。かわい~なにカレピなん?」
「……ぐぅ……!」
「……まじ?」
花音さんの信じられないような顔が視界の端に入る。さっと体温が引く心地がした。そうだ、彼女はこの高校に慣れてないのだ。男が好きだなんて本来は異常で、嫌厭すべきことで。
パッと武藤様の手を振り払う。俺は良いけど、この人が誤解されてはたまらない。
「ッ! あのこれはちが、」
「ちょ~いいじゃーん! ちゃんと触りなほらべっとりと!! ちゅーもしちゃえ!!」
「オワーーーッ思ったよりノリノリ!!」
なんてことはないらしい。
女子特有の恋バナ大はしゃぎノリで押し切られそうになる。いやキスはダメだろキスは!!
「やめてくださいセクハラですよ、訴えます!」
「おう、法廷で会おう」
「俺のキスに対する代償がデカすぎる……! そして残念ながら法廷には俺もいます!」
なぜなら今俺がキスをしようと武藤様に訴えられるからである。逆に豚箱に閉じ込められるだけで済むなら運がいいかもしれん。
ああもう、萌さんはいないのか、いやいるわフードコートの影の方にいる。
絶対これ花音さんに認知されずに見守りに来てるだろ。心配なら普通に隣で見守ればいいのに。ああ首振ってるわ居場所教えんなって言ってるんだ。
「あのね花音さん、この人は──」
「ッチ」
鋭い舌打ち。
視界がぶれて、頬を掴まれる。たまたま視界に入れていた萌さんが目を見開くのが見える。
気がつけば、目の前に伏せた長いまつ毛があった。
「こんにちは、花音さん。何してるんですか」
「これで働いてる以外ある~?? いぶっち全然回れてなかったし、ここアネラの出店だからウチがやったげてんの」
「いぶっち……なんか仲良くないですか」
「お? 嫉妬か~??」
嫉妬ではないけども。思っていたより手際のいい花音さんがにやにやと笑うので、はぁーっとため息をつく。この人はまったく、そういうからかい方が好きなのだから。
「あのね花音さん。俺は良いですけど、男は狼って言うんですよ。あまりそういうからかい方をするものでは」
「てかバチイケメンじゃんオニーサンなになに友達ー? そーちんイケメンの友達多すぎなんだけど!」
「聞いてないし」
俺も一応イケメンなんですけど??
まぁでも、俺と並べて武藤様にいくのはわかる。というか誰と並べても武藤様に行っちゃうよな、世界一かっこいいし可愛いんだもん。三年間オタクやってた人間をあまり舐めるなよ。
「は? 俺様の名前も知らねえのかよ」
「俺様!? 今時~ッ!?」
花音さんが笑い始めてしまった。快活な明るい声は俺たちの心も明るくさせてくれるのだが、時と場合による。
確かに俺様って言われたら何と思わんでもないが、多分世の中で俺様って一人称できる人数少ないからな。
「花音さんもう! 偉い人ですから!」
「えぐマジで? 御曹司とかだったりする?」
「だったら何か悪いのかよ」
「ひゃーーーッッ!!!!!!!!!」
爆笑し始めてしまった。しばらく笑った後、息も絶え絶えに本当にいるんだとか言ってる。居るよ。何だと思ってるんだこの高校を。
「まぁうちも一人称わたくしのお姉様とか居るし普通に子猫ちゃんもいっからな」
「人のこと言えないじゃないですか!」
「だからわろてんでしょ。うち以外にそういうのあったんだーと思った」
それはそう。俺も本当にそんなことあるんだと思ったしな。お姉様と子猫ちゃん……何だっけ、シスターフッド? かなにか? まぁそういうのもあるんだな。
俺と花音さんが何をわかり合っているのか知らない武藤様は、話においていかれているからかめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をしていた。眉根を寄せてぎゅっとこっちを睨んできている。綺麗な顔に睨まれると怖いからやめてほしいなぁ。
「あっはは! オニーサンごめんね、はい眉間ほぐして~ウチ手届かないからそーちんお願い~」
「俺がですか??」
「いぶっちにはやってんじゃーん」
「やっ……てたっけ」
やってたような気がする。多分イブキがなんかに怒ったときにやったのか? え忘れた、多分ノリでやった。俺はこういう変なノリをするので嫌われるのだ。死にたい。
「あのですね花音さん、この人はそういう触れ合いを許容してくれるような人ではなくて」
むんずと手を掴まれる。花音さんは注文票を見ながら何やら作っているから、もちろんこの人ではない。先程手に焼きついて離れない温度が沁みてきていた。
「……ほら」
「ひょえ」
すり、と掌を頬に擦り付けられた。少しだけカサついた頬と熱い温度に溶けそうになる。猫の子が甘えるように擦り寄って、琥珀糖のような金色が俺を見上げる。
ほぐせと、俺に。触ってよしと。何なの俺のこと好きなの??
「あいつにはやったんだろ……しねぇの」
「なっ、そ、あ、それ、わ、」
「……」
ムッとしている、やってほしいのか。このまま放置するとご機嫌も悪くなるし、いやでも、俺の手が震えている。こんなんじゃ満足なマッサージができない。
「え、そーちん真っ赤なんだが。かわい~なにカレピなん?」
「……ぐぅ……!」
「……まじ?」
花音さんの信じられないような顔が視界の端に入る。さっと体温が引く心地がした。そうだ、彼女はこの高校に慣れてないのだ。男が好きだなんて本来は異常で、嫌厭すべきことで。
パッと武藤様の手を振り払う。俺は良いけど、この人が誤解されてはたまらない。
「ッ! あのこれはちが、」
「ちょ~いいじゃーん! ちゃんと触りなほらべっとりと!! ちゅーもしちゃえ!!」
「オワーーーッ思ったよりノリノリ!!」
なんてことはないらしい。
女子特有の恋バナ大はしゃぎノリで押し切られそうになる。いやキスはダメだろキスは!!
「やめてくださいセクハラですよ、訴えます!」
「おう、法廷で会おう」
「俺のキスに対する代償がデカすぎる……! そして残念ながら法廷には俺もいます!」
なぜなら今俺がキスをしようと武藤様に訴えられるからである。逆に豚箱に閉じ込められるだけで済むなら運がいいかもしれん。
ああもう、萌さんはいないのか、いやいるわフードコートの影の方にいる。
絶対これ花音さんに認知されずに見守りに来てるだろ。心配なら普通に隣で見守ればいいのに。ああ首振ってるわ居場所教えんなって言ってるんだ。
「あのね花音さん、この人は──」
「ッチ」
鋭い舌打ち。
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