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監禁! 最後の文化祭
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ひとまずは、動揺──次に否定。
「っ、……何の事でしょう? まさかその手紙の主が私だとでも勘違いを? ふ、妄想もここまでくると笑えますね」
「ごめんごめん、そう緊張しないでよ」
「緊張……ッ、なにを!」
「うまく笑えてないよぉ~」
園芸委員会ブースの前で言い争っているものだから、ブースの奥から後輩が怯えたようにこちらを見ている。よく見たら俺島田くんじゃないか。推しと大物が喧嘩してるとこを見せて申し訳ない、困らせている。
が、俺としてもメガネをかっちゃかっちゃさせている副会長相手に引くわけにはいかない。
「最初に違和感を覚えたのは、最初にこの手紙を見せた時だな。特定して手紙を送った、って言ったよな? 何で俺が、個人情報を出してないって断定した? 植物の取り扱い説明書を書いただけなら、こういう文化祭で配布した程度も考えられるだろ」
ばし、と口元を押さえる副会長に苦笑が漏れる。何で分かりやすいんだ。武藤様と同じで、ちょっと細かく観察してやれば動揺も困惑もよく見える。
「次は二回目の手紙。俺は朝早くから教室に行くわけだが、そこでアンタと会ったんだ。副会長。やけに手紙に否定的だったからな、それに真面目なあんたにしても早すぎる」
「……ふ、何を。あれはいつも通り早朝に用事があったからです。別に貴方に会いに来たわけじゃ……」
「俺に会いに来たのかとも聞いてないし、いつも通りって言うにしてはよく覚えてんだな」
言葉を止める副会長。最初に言い当てられて動揺しているのか、瞳をよく見ると瞳孔が開いている。自分は嘘をついていますと言う態度の、これ以上なく分かりやすい例だ。
そう、副会長がこの手紙を出した張本人。二枚目の手紙をもらった数日前から、俺はその確信を深めていた。
なぜならその手紙からは、桔梗の香りがしたから。
「俺の大ファンが俺に送る手紙に、桔梗の香りを振りかける──桔梗は俺が一年のとき一度だけ描いた花だ。偶然なわけがないだろ」
「……気付いていたのですか」
「ウン。最近だけどな、手紙に香りつけるって文化知ってさ~。だから同学年にファンが居るんじゃないのかって思って、怪しいのが副会長だったんだよな」
俺のファンは基本的に自分の名を名乗る。認知してほしいからだ。
俺は俗に言う推しという概念に当てはめられることが少なく、肉体関係を持っている(という噂がある)からかどうにか関わろうとされる事が多い。
その中で自分を秘めた手紙は珍しいし、何より手紙の主が認知されたら嫌いになるタイプのファンには到底思えなかった。ので、何か名前を秘めざるを得ない理由があるのかと思っていたのだが。
「ま、あとは手紙の主を副会長に当てはめて考えれば一番整合性があっただけなんだけど。どう?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
えっ、違う????
無言の圧が重すぎる。心臓が汗をかいている気分になった。
えっと、と声を上げかけて──崩れ落ちる副会長にひっくり返った。比喩だけど。奥のワッッとデカめの声を上げた。
「──田中様ッ……!!」
「たなっ、何!?!?」
「ご明察です、私こそが田中宗介ファンクラブ一桁No.……コードネームは宗ちゃん大好き太郎……ッ!」
「コードネームダサッ一桁ナンバー!?!? もうそろ卒業だってのに唐突にキャラ立ちしないでくれる!?!?」
そんなに面白いならもっと前もっていってほしい。副会長はハラハラと涙をこぼしているし。鉄面皮はどうした。島田くんが誤解しているのか恐ろしいものを見る顔をしている。違う。違うから。何もかもが違う!!
「っ、……何の事でしょう? まさかその手紙の主が私だとでも勘違いを? ふ、妄想もここまでくると笑えますね」
「ごめんごめん、そう緊張しないでよ」
「緊張……ッ、なにを!」
「うまく笑えてないよぉ~」
園芸委員会ブースの前で言い争っているものだから、ブースの奥から後輩が怯えたようにこちらを見ている。よく見たら俺島田くんじゃないか。推しと大物が喧嘩してるとこを見せて申し訳ない、困らせている。
が、俺としてもメガネをかっちゃかっちゃさせている副会長相手に引くわけにはいかない。
「最初に違和感を覚えたのは、最初にこの手紙を見せた時だな。特定して手紙を送った、って言ったよな? 何で俺が、個人情報を出してないって断定した? 植物の取り扱い説明書を書いただけなら、こういう文化祭で配布した程度も考えられるだろ」
ばし、と口元を押さえる副会長に苦笑が漏れる。何で分かりやすいんだ。武藤様と同じで、ちょっと細かく観察してやれば動揺も困惑もよく見える。
「次は二回目の手紙。俺は朝早くから教室に行くわけだが、そこでアンタと会ったんだ。副会長。やけに手紙に否定的だったからな、それに真面目なあんたにしても早すぎる」
「……ふ、何を。あれはいつも通り早朝に用事があったからです。別に貴方に会いに来たわけじゃ……」
「俺に会いに来たのかとも聞いてないし、いつも通りって言うにしてはよく覚えてんだな」
言葉を止める副会長。最初に言い当てられて動揺しているのか、瞳をよく見ると瞳孔が開いている。自分は嘘をついていますと言う態度の、これ以上なく分かりやすい例だ。
そう、副会長がこの手紙を出した張本人。二枚目の手紙をもらった数日前から、俺はその確信を深めていた。
なぜならその手紙からは、桔梗の香りがしたから。
「俺の大ファンが俺に送る手紙に、桔梗の香りを振りかける──桔梗は俺が一年のとき一度だけ描いた花だ。偶然なわけがないだろ」
「……気付いていたのですか」
「ウン。最近だけどな、手紙に香りつけるって文化知ってさ~。だから同学年にファンが居るんじゃないのかって思って、怪しいのが副会長だったんだよな」
俺のファンは基本的に自分の名を名乗る。認知してほしいからだ。
俺は俗に言う推しという概念に当てはめられることが少なく、肉体関係を持っている(という噂がある)からかどうにか関わろうとされる事が多い。
その中で自分を秘めた手紙は珍しいし、何より手紙の主が認知されたら嫌いになるタイプのファンには到底思えなかった。ので、何か名前を秘めざるを得ない理由があるのかと思っていたのだが。
「ま、あとは手紙の主を副会長に当てはめて考えれば一番整合性があっただけなんだけど。どう?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
えっ、違う????
無言の圧が重すぎる。心臓が汗をかいている気分になった。
えっと、と声を上げかけて──崩れ落ちる副会長にひっくり返った。比喩だけど。奥のワッッとデカめの声を上げた。
「──田中様ッ……!!」
「たなっ、何!?!?」
「ご明察です、私こそが田中宗介ファンクラブ一桁No.……コードネームは宗ちゃん大好き太郎……ッ!」
「コードネームダサッ一桁ナンバー!?!? もうそろ卒業だってのに唐突にキャラ立ちしないでくれる!?!?」
そんなに面白いならもっと前もっていってほしい。副会長はハラハラと涙をこぼしているし。鉄面皮はどうした。島田くんが誤解しているのか恐ろしいものを見る顔をしている。違う。違うから。何もかもが違う!!
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