70 / 83
教えたくない
しおりを挟む
部屋へ戻ろうと、邸の廊下を歩いていて足が止まる。
__恥ずかしい。
自分の顔があげられないでいた。リクハルド様は、シリル様を思ってルミエル様の言いなりになっていたのに、私がやったことは自分の怒りだけだった。
しかも、ルミエル様をやっつけてスッキリしてしまった。自分の性格に呆れてしまう。
暴れるだけ暴れて、リクハルド様の言葉で我に返った。そんなリクハルド様と一緒に寝られなくて、逃げるようにシリル様のところへと行った。
リクハルド様が、私を迎えに来ないなど当たり前だ。
自己嫌悪に陥っていると、いつの間にかウィルオール殿下がやって来ていた。
「キーラ嬢。どうした?」
「ウィルオール殿下。な、なんでもありませんわ」
慌てて潤んだ目尻を拭いた。
「少し暇すぎたか?」
「そ、そうですわね」
「では、気晴らしに少し出かけないか?」
「謹慎が解けましたか?」
「解けるわけないだろう。だが、身代わりが来たから、夜会でも行かないか?」
「身代わり?」
「クリストフが来たじゃないか?」
「まさか、クリス様に頼んだのですか?」
「快諾してくれたよ」
ニコニコするウィルオール殿下だけど、絶対に快諾はしてないと思う。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。シリルの護衛もクリストフなら適任だ。安心していこう」
「確かに、クリス様なら安心です。でも、私、ドレスを持って来てないのです」
「ドレスぐらいすぐに準備しよう」
そうして、ウィルオール殿下と密かに夜会へと出発した。
◇
__クリストフが別荘に行く前。
また、キーラがいなくなった。今度は一体どこに!?
「リクハルド様……奥様はいつお戻りに?」
それは俺が聞きたい。キーラに逃げられて探し回っているのに、彼女がどこにもいなくて、途方にくれていた。
マクシミリアン伯爵家では、ケヴィンがキーラを恋しそうに聞いてくる。
「何度も家出をされて、マクシミリアン伯爵家がお嫌なのでしょうか? 私たちがなにか至らないのでは……それとも、リクハルド様が……」
「その憐れんだ顔はやめろ!」
「失礼しました」
ジッと不審者を見るような。それでいて憐れんだ表情で俺を見るケヴィンに力いっぱい言った。
「とにかく、ウィルオール殿下もいない。陛下のところに行ってくるから、キーラが帰れば、邸から出さないようにしろ」
「どうやってですか?」
「部屋にでも閉じ込めておけばいいだろ」
「それは犯罪なのでは!?」
「許可する」
「奥様は、もう帰ってこない気がしてきました」
深く落ち込んだケヴィンを置いて陛下のところに来れば、陛下は怒っていた。
「何の用だ?」
「いえ、ウィルオール殿下の行き先をお教え願いたくて参りました」
陛下に挨拶をしてウィルオール殿下のことを尋ねれば、陛下が眉間のシワをよせて睨みつけている。
「ウィルは謹慎だ」
陛下はウィルオール殿下のことを「ウィル」と呼んでいた。
「その謹慎場所を知りたいのです」
ウィルオール殿下が謹慎になったことは聞いている。問題は、女性とともに謹慎場所へと出発したことだ。しかも、シリルを連れて。シリルと一緒なら、共にした女性はキーラで間違いない。
しかも、謹慎場所は誰にも教えてないせいで、居場所がわからないでいた。
「また、悪さをするつもりか? 悪ガキどもめ。ウィルはしばらく謹慎だ。ついでに貴様も謹慎しておけ」
「そんな人聞きの悪い。俺は、ウィルオール殿下のお供をしたと思われる婚約者の居所が知りたいだけです」
「婚約者?」
「ええ、おそらくウィルオール殿下とご一緒したのかと……」
怪訝な表情で陛下が見る。子供の時から、ウィルオール殿下と過ごしていたせいか、陛下は容赦がない。
「……教えん」
「……それはどういう意味で?」
「そのままだ。お前には教えたくない」
ツンとした陛下に苛立って、ヒョオッと自分から冷気が流れてくる。
「誰も教えてくれないのですよ」
「当たり前だ。謹慎場所は秘匿にさせている」
「なぜですか?」
「すぐにウィル目当てに貴族が行くからだ。それでは、謹慎の意味がない」
「ウィルオール殿下の謹慎には興味ありません。ですが、婚約者をさがしているのです」
「それこそなぜだ? お前が婚約者を気にするタイプか?」
「今度こそ結婚しようかと」
ますます怪訝な表情で陛下が睨んでくる。
「教えてくださいますか?」
「やはり教えたくないの」
「……っち」
思わず、舌打ちしてしまっていた。陛下はますます青筋を立てて怒ってしまう。
「絶対に教えん!」
「そこをなんとかお願いします!」
そうして、陛下と押し問答が続いていた。
__恥ずかしい。
自分の顔があげられないでいた。リクハルド様は、シリル様を思ってルミエル様の言いなりになっていたのに、私がやったことは自分の怒りだけだった。
しかも、ルミエル様をやっつけてスッキリしてしまった。自分の性格に呆れてしまう。
暴れるだけ暴れて、リクハルド様の言葉で我に返った。そんなリクハルド様と一緒に寝られなくて、逃げるようにシリル様のところへと行った。
リクハルド様が、私を迎えに来ないなど当たり前だ。
自己嫌悪に陥っていると、いつの間にかウィルオール殿下がやって来ていた。
「キーラ嬢。どうした?」
「ウィルオール殿下。な、なんでもありませんわ」
慌てて潤んだ目尻を拭いた。
「少し暇すぎたか?」
「そ、そうですわね」
「では、気晴らしに少し出かけないか?」
「謹慎が解けましたか?」
「解けるわけないだろう。だが、身代わりが来たから、夜会でも行かないか?」
「身代わり?」
「クリストフが来たじゃないか?」
「まさか、クリス様に頼んだのですか?」
「快諾してくれたよ」
ニコニコするウィルオール殿下だけど、絶対に快諾はしてないと思う。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。シリルの護衛もクリストフなら適任だ。安心していこう」
「確かに、クリス様なら安心です。でも、私、ドレスを持って来てないのです」
「ドレスぐらいすぐに準備しよう」
そうして、ウィルオール殿下と密かに夜会へと出発した。
◇
__クリストフが別荘に行く前。
また、キーラがいなくなった。今度は一体どこに!?
「リクハルド様……奥様はいつお戻りに?」
それは俺が聞きたい。キーラに逃げられて探し回っているのに、彼女がどこにもいなくて、途方にくれていた。
マクシミリアン伯爵家では、ケヴィンがキーラを恋しそうに聞いてくる。
「何度も家出をされて、マクシミリアン伯爵家がお嫌なのでしょうか? 私たちがなにか至らないのでは……それとも、リクハルド様が……」
「その憐れんだ顔はやめろ!」
「失礼しました」
ジッと不審者を見るような。それでいて憐れんだ表情で俺を見るケヴィンに力いっぱい言った。
「とにかく、ウィルオール殿下もいない。陛下のところに行ってくるから、キーラが帰れば、邸から出さないようにしろ」
「どうやってですか?」
「部屋にでも閉じ込めておけばいいだろ」
「それは犯罪なのでは!?」
「許可する」
「奥様は、もう帰ってこない気がしてきました」
深く落ち込んだケヴィンを置いて陛下のところに来れば、陛下は怒っていた。
「何の用だ?」
「いえ、ウィルオール殿下の行き先をお教え願いたくて参りました」
陛下に挨拶をしてウィルオール殿下のことを尋ねれば、陛下が眉間のシワをよせて睨みつけている。
「ウィルは謹慎だ」
陛下はウィルオール殿下のことを「ウィル」と呼んでいた。
「その謹慎場所を知りたいのです」
ウィルオール殿下が謹慎になったことは聞いている。問題は、女性とともに謹慎場所へと出発したことだ。しかも、シリルを連れて。シリルと一緒なら、共にした女性はキーラで間違いない。
しかも、謹慎場所は誰にも教えてないせいで、居場所がわからないでいた。
「また、悪さをするつもりか? 悪ガキどもめ。ウィルはしばらく謹慎だ。ついでに貴様も謹慎しておけ」
「そんな人聞きの悪い。俺は、ウィルオール殿下のお供をしたと思われる婚約者の居所が知りたいだけです」
「婚約者?」
「ええ、おそらくウィルオール殿下とご一緒したのかと……」
怪訝な表情で陛下が見る。子供の時から、ウィルオール殿下と過ごしていたせいか、陛下は容赦がない。
「……教えん」
「……それはどういう意味で?」
「そのままだ。お前には教えたくない」
ツンとした陛下に苛立って、ヒョオッと自分から冷気が流れてくる。
「誰も教えてくれないのですよ」
「当たり前だ。謹慎場所は秘匿にさせている」
「なぜですか?」
「すぐにウィル目当てに貴族が行くからだ。それでは、謹慎の意味がない」
「ウィルオール殿下の謹慎には興味ありません。ですが、婚約者をさがしているのです」
「それこそなぜだ? お前が婚約者を気にするタイプか?」
「今度こそ結婚しようかと」
ますます怪訝な表情で陛下が睨んでくる。
「教えてくださいますか?」
「やはり教えたくないの」
「……っち」
思わず、舌打ちしてしまっていた。陛下はますます青筋を立てて怒ってしまう。
「絶対に教えん!」
「そこをなんとかお願いします!」
そうして、陛下と押し問答が続いていた。
444
あなたにおすすめの小説
嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。
しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い!
声が出せないくらいの激痛。
この痛み、覚えがある…!
「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」
やっぱり!
忘れてたけど、お産の痛みだ!
だけどどうして…?
私はもう子供が産めないからだだったのに…。
そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと!
指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。
どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。
なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。
本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど!
※視点がちょくちょく変わります。
ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。
エールを送って下さりありがとうございました!
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~
八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。
しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。
それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。
幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。
それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。
そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。
婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。
彼女の計画、それは自らが代理母となること。
だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。
こうして始まったフローラの代理母としての生活。
しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。
さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。
ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。
※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります
※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
わんこな旦那様の胃袋を掴んだら、溺愛が止まらなくなりました。
楠ノ木雫
恋愛
若くして亡くなった日本人の主人公は、とある島の王女李・翠蘭《リ・スイラン》として転生した。第二の人生ではちゃんと結婚し、おばあちゃんになるまで生きる事を目標にしたが、父である国王陛下が縁談話が来ては娘に相応しくないと断り続け、気が付けば19歳まで独身となってしまった。
婚期を逃がしてしまう事を恐れた主人公は、他国から来ていた縁談話を成立させ嫁ぐ事に成功した。島のしきたりにより、初対面は結婚式となっているはずが、何故か以前おにぎりをあげた使節団の護衛が新郎として待ち受けていた!?
そして、嫁ぐ先の料理はあまりにも口に合わず、新郎の恋人まで現れる始末。
主人公は、嫁ぎ先で平和で充実した結婚生活を手に入れる事を決意する。
※他のサイトにも投稿しています。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。 ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!
【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します
大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。
「私あなたみたいな男性好みじゃないの」
「僕から逃げられると思っているの?」
そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。
すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。
これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない!
「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」
嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。
私は命を守るため。
彼は偽物の妻を得るため。
お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。
「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」
アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。
転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!?
ハッピーエンド保証します。
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる