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【58話】 地鎮式掃討作戦
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ルーダリア王国から北に上がったカリオカ村までリリアとオフェリアは来た。
10車両以上のキャラバンは途中の村で一泊したものの、リリアの予想通り何の心配もなくこの村まで来た。大きなギルドのキャラバンは新人が食事を作るらしく、村のキャンプサイトでは朝晩食事付きだった。その代わりリリア達、護衛はグループ分けされ、夜通し当直制で荷物の見張り。
ちなみにリアルゴールドの規模だと車両・荷物安全管理という部門があって、護衛も自ギルドメンバーで運用しているらしい。
リリア達はこのカリオカでキャラバンを離れ、北の国境を目指す。
カリオカ村はルーダリア国に登録されている村。
西の国境との武力衝突により、北のボッドフォートも武力での圧力を強めているようで、北にも西にも向かえるルート上のこの村は派兵達の通過点になっている。
そのため、村の外は軍のテントが並び連隊旗が競うようになびいている。投石機等の大型兵器が並び、兵士達も大勢、村より大きい規模だ。士気も規律も高く今は治安も悪くなさそうだ。
“西に派兵されたハシェックは元気かしら?”リリアは連隊旗が流れるのを見ながら思う。
キャラバンを離れたリリア達は冒険者の酒場に付属された宿を取った。
キャラバンで寝食すればタダだが、それだと当直に入れられる、今日は自由になりたい気分。
酒場は夕方にも関わらず、兵士、旅人、商人達で大賑わい。もう少し遅かったら宿も埋まっていたかもしれない。
オフェリアは空いたテーブルを探すが、リリアがさっさと
「席無いからここ女二人座るね」とニコニコしながら兵士達が騒いでいるテーブルに割り込むと
「オフェリア、ここ、ここ」と席をポンポン叩いている。
「おおぉぉ!いいねぇ。お姉ちゃんここに座るからには食い逃げは許されないぜ」と兵士達が歓迎する。
結局、リリア達は最初の発泡酒一杯とおつまみ以外はご馳走になった。チャッカリしている。
気取らないリリアは素で話が面白いし、支援担当をしていたオフェリアも場を持たせる事には慣れている。二人共チヤホヤされて盛り上がっている。
「ね、オフェリア。この仕事引き受けようよ」
トイレから戻って来たリリアがジョブペーパーを持ってテーブルに戻って来た。
立ったついでにジョブボードを見てきたらしい。
「地鎮式のための山掃除?」オフェリアが紙をのぞく。
「えっと… 鉱石と岩の需要が高まったため… 山の石切り場作業を再開します… シャーマンによる地鎮式のため… 周辺の魔物を掃討… 山中の全ての祠に… 魔物除けの魔法石を交換… 結界を… そのため祠まで掃討するメンバーを急募… 経験者、冒険者、バフダン岩処理資格者優遇… 明日から開始じゃない」
「ね、編制メンバー募集中みたいよ。やろうよ、お給料良いし」リリアはすっかりやる気。
「いいけど、バフダン岩でしょ… 危険じゃない?私経験無いし」慎重なオフェリア。
「大丈夫よ!あたし、一回だけだけど体験した。あたしの弓一発で二匹バーンっと弾いてやった」リリアは言い切る。
「いいわ。村のシェリフ、自警団も参加するなら良い経験ね。やろうか」
オフェリアが同意するとリリアはいそいそとカウンターに席を立っていった。
これで明日から数日間はこの村で仕事だ。
「あたし達はそろそろ」
リリア達が席を立つ。今日はわりと早い時間から飲みだした。リリアもオフェリアもお酒に強いというわけではない。長く付き合っているようで、リリアはおしゃべり間を持たせている感が多い。
「まだ早いぜ」「結局は食い逃げか」「夜這いしていいか?」様々な忌憚のない意見が飛び交う。
「このテーブルから俺達一人づつ選んで遊ぼうぜ」と兵士が言い出した。
「だって、あたし達相部屋してるのよ」リリアが答える。
「いいじゃないか、ベッドは別だろ?内容は一緒だ、問題ないだろ。何だったらお互い二度美味しい思いもできる」兵士が平然と言う。
「オフェリア、あなたリーダーでしょ。どう思う?」リリア。
「っちょ!!何言ってるのよ、ダメに決まってるでしょ」オフェリアは驚く。
「そうよね。皆聞いた?リーダーの権限は絶対よ。ごめんなさいね」リリアは断る。
「リリア、さっきのは本気だったの?」部屋に戻ったオフェリアが聞く。どこまで冗談か本音か分からない。
「何が?… あぁ、あの兵士の言う事も一理あるかなぁ…と」リリアはサバサバと答える。理解不能なところがある。
「それより、葡萄酒とスライスジャガの揚げ物買ってきたの。寝る前に二人でちょっとおしゃべりして寝ましょう。これが旅の醍醐味よね」とリリアはご機嫌な様子でとっとと下着姿に着替えている。
「いいわね、でも明日早いからね。それより宿で寝る時下着なの?… 全裸も結構ある?…」
リリアは凄いマイペース。
着替えて窓際の小さなテーブルに座ると、揚げジャガでお酒をやりだす二人。
「いいわね、こういうのも」オフェリア。
「勇者の子孫に乾杯よ」リリア。
リリアが立てつけの悪い窓をガタガタと開けると、涼しい風が入ってきた。爽やかで涼しい。ランプの炎が揺れている。
「お塩貰って来る?」
「ちょうどいいんじゃない」
10車両以上のキャラバンは途中の村で一泊したものの、リリアの予想通り何の心配もなくこの村まで来た。大きなギルドのキャラバンは新人が食事を作るらしく、村のキャンプサイトでは朝晩食事付きだった。その代わりリリア達、護衛はグループ分けされ、夜通し当直制で荷物の見張り。
ちなみにリアルゴールドの規模だと車両・荷物安全管理という部門があって、護衛も自ギルドメンバーで運用しているらしい。
リリア達はこのカリオカでキャラバンを離れ、北の国境を目指す。
カリオカ村はルーダリア国に登録されている村。
西の国境との武力衝突により、北のボッドフォートも武力での圧力を強めているようで、北にも西にも向かえるルート上のこの村は派兵達の通過点になっている。
そのため、村の外は軍のテントが並び連隊旗が競うようになびいている。投石機等の大型兵器が並び、兵士達も大勢、村より大きい規模だ。士気も規律も高く今は治安も悪くなさそうだ。
“西に派兵されたハシェックは元気かしら?”リリアは連隊旗が流れるのを見ながら思う。
キャラバンを離れたリリア達は冒険者の酒場に付属された宿を取った。
キャラバンで寝食すればタダだが、それだと当直に入れられる、今日は自由になりたい気分。
酒場は夕方にも関わらず、兵士、旅人、商人達で大賑わい。もう少し遅かったら宿も埋まっていたかもしれない。
オフェリアは空いたテーブルを探すが、リリアがさっさと
「席無いからここ女二人座るね」とニコニコしながら兵士達が騒いでいるテーブルに割り込むと
「オフェリア、ここ、ここ」と席をポンポン叩いている。
「おおぉぉ!いいねぇ。お姉ちゃんここに座るからには食い逃げは許されないぜ」と兵士達が歓迎する。
結局、リリア達は最初の発泡酒一杯とおつまみ以外はご馳走になった。チャッカリしている。
気取らないリリアは素で話が面白いし、支援担当をしていたオフェリアも場を持たせる事には慣れている。二人共チヤホヤされて盛り上がっている。
「ね、オフェリア。この仕事引き受けようよ」
トイレから戻って来たリリアがジョブペーパーを持ってテーブルに戻って来た。
立ったついでにジョブボードを見てきたらしい。
「地鎮式のための山掃除?」オフェリアが紙をのぞく。
「えっと… 鉱石と岩の需要が高まったため… 山の石切り場作業を再開します… シャーマンによる地鎮式のため… 周辺の魔物を掃討… 山中の全ての祠に… 魔物除けの魔法石を交換… 結界を… そのため祠まで掃討するメンバーを急募… 経験者、冒険者、バフダン岩処理資格者優遇… 明日から開始じゃない」
「ね、編制メンバー募集中みたいよ。やろうよ、お給料良いし」リリアはすっかりやる気。
「いいけど、バフダン岩でしょ… 危険じゃない?私経験無いし」慎重なオフェリア。
「大丈夫よ!あたし、一回だけだけど体験した。あたしの弓一発で二匹バーンっと弾いてやった」リリアは言い切る。
「いいわ。村のシェリフ、自警団も参加するなら良い経験ね。やろうか」
オフェリアが同意するとリリアはいそいそとカウンターに席を立っていった。
これで明日から数日間はこの村で仕事だ。
「あたし達はそろそろ」
リリア達が席を立つ。今日はわりと早い時間から飲みだした。リリアもオフェリアもお酒に強いというわけではない。長く付き合っているようで、リリアはおしゃべり間を持たせている感が多い。
「まだ早いぜ」「結局は食い逃げか」「夜這いしていいか?」様々な忌憚のない意見が飛び交う。
「このテーブルから俺達一人づつ選んで遊ぼうぜ」と兵士が言い出した。
「だって、あたし達相部屋してるのよ」リリアが答える。
「いいじゃないか、ベッドは別だろ?内容は一緒だ、問題ないだろ。何だったらお互い二度美味しい思いもできる」兵士が平然と言う。
「オフェリア、あなたリーダーでしょ。どう思う?」リリア。
「っちょ!!何言ってるのよ、ダメに決まってるでしょ」オフェリアは驚く。
「そうよね。皆聞いた?リーダーの権限は絶対よ。ごめんなさいね」リリアは断る。
「リリア、さっきのは本気だったの?」部屋に戻ったオフェリアが聞く。どこまで冗談か本音か分からない。
「何が?… あぁ、あの兵士の言う事も一理あるかなぁ…と」リリアはサバサバと答える。理解不能なところがある。
「それより、葡萄酒とスライスジャガの揚げ物買ってきたの。寝る前に二人でちょっとおしゃべりして寝ましょう。これが旅の醍醐味よね」とリリアはご機嫌な様子でとっとと下着姿に着替えている。
「いいわね、でも明日早いからね。それより宿で寝る時下着なの?… 全裸も結構ある?…」
リリアは凄いマイペース。
着替えて窓際の小さなテーブルに座ると、揚げジャガでお酒をやりだす二人。
「いいわね、こういうのも」オフェリア。
「勇者の子孫に乾杯よ」リリア。
リリアが立てつけの悪い窓をガタガタと開けると、涼しい風が入ってきた。爽やかで涼しい。ランプの炎が揺れている。
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