勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【73.5話】 寺院に到着

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リリアが塔頂の狙撃手を排除した後、一同は砦を調べた。
建物内部等各ドアはしっかりと施錠してあるようだった。砦のゲートが開いていたのが不思議だが、とりあえず通行人への脅威が排除出来れば良いだろう。
安全の確認をしたリリア達は廃寺院に向かう。


「わお!到着、これね、素晴らしいじゃない」
リリアが目を輝かす。挿し絵にあった通り、扇状に広がる滝をバックに廃寺院が建っている。天気が曇っているが、滝、森、水面、石造りの建物が素晴らしい。
特に森の中を続く曲がった小道を歩き、木々を抜けた場所に廃寺院を標す石碑とともに視界が開けると、目の前にパノラマのように広がる滝と寺院を目にする瞬間はトレッキング全ての苦労が吹き飛ぶ瞬間。

「とりあえず、寺院の内部見学しよう」
滝も見たいし、周囲の関連建物も見たいが、やはりメインの寺院から見学したい。
リリアが提案すると、オフェリアを筆頭に全員ポジションに着く。
まるで、立てこもり犯と対峙しているよう。
「何してんの?」リリアが聞くと全員に
「あなた、遺跡だからって安全だとでも思ってるの?早くオフェリアをバックアップしなさいよ」と怒られた。凄いプロ意識。
内部はトカゲやらウロウロしているが特に変わったことはなし。
壁画や天井画、柱、マーブル質の儀式台等がある以外は案外ガランとしている。
装飾品は盗まれたりしたが、国で保管したり、ミュージアムに展示されているそうだ。
礼拝堂には天窓があり、かつては差し込む日光をミラーで反射させ、シー石、エム石、ワイ石と呼ばれる色の付いたクリスタルに反射させた光を中央のケイ石に当てると、黒いケイ石が白く輝く仕組みがあったらしい。現在台座だけが残る。石は行方不明。
トレジャーハンターの間では発見できれば、国が高価買い取との有名石。
「かってに持ってちゃうだなんてねぇ」リリアが呟く。
「冒険者は発見した物、全部無断で持ってちゃうわよ」と事も無げにペコに言われた。
「………確かに…」
考えてみれば、大抵の物語で冒険者は発見した物を洗いざらい頂戴しては二束三文で売り払っている。結構考えさせられる行為だ。
寺院見学を終えると、滝、周辺の森を散策。リリア達は誰もいないので寺院内にテントを張って二泊ほどノンビリした。
「しばらく人が寄り付いてないせいで、恵が豊ねぇ」
リリアが鹿を仕留め、山菜を採取して、朝昼晩、豪華なジビエ料理だった。

絶景とジビエを楽しんだリリア一行は下山して、旅ルートに復帰する。
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