勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【73話】 塔との打ち合い

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リュックサックを盾にしたオフェリアがペコを従えながら道に飛び出す。
リリアは木陰から弓を手に様子をみる。塔のスケルトン2体がオフェリア達に気がつき矢を引く。ペコは相手の精度を確かめるため、オフェリアの後ろに隠れている。さすがだ、最初をやり過ごしたら反撃に備えているのだろう。
リリアはそっと木陰から体をだして弓をつがえる。
“トスッ… トスッ…”相手の矢はオフェリアの手前2m以内に刺さった。
“ギュッ”リリアは弓を絞る。ペコが反撃をしてサッとオフェリアに隠れる。
ペコのファイアーが飛び去り、相手が狙撃に入った時にリリアは1体に弓を放つ。
「ちょっと短かったか…」
矢は塔頂の淵に当たった。距離はペコが言う程ないだろう、塔までは70m程度だろうか?
ペコとスケルトンが打ち合い、矢の1本はオフェリアのリュックに刺さった。
ペコのファイアーも外れているが、おかげでリリアには気がついていないよう。
リリアの応射は高めに外れた。調子がいまいち…
その後、地味に3応射したが、お互いに外す。相手からはオフェリアのリュックに3本届いている。
「ちょっと、リリア、腕が落ちてるじゃない!」ペコに怒られる。
「ペコだって当ててない!」と怒鳴り返したいところだが、これは自分の仕事だ。これが務まらないとリリア失格。
数回打ち合いして、二矢使ってようやく1体倒す。命中率20%、こんな命中率ではいかん。オフェリア達は移動しつつ囮になってくれている。

「ぐっ!」
ペコが声を上げてうずくまった。タイミング悪く相手の矢に当たったらしい。右肩の辺りを押さえている。
「オフェリア、射撃に入ってるなら言ってよ。リリアも何もたもたしてるの!」ペコが怒っている。
「二人とも下がって、隠れて!」
外しまくっていたら怪我人が出てしまった。
「父さん、母さん、リリアに力を!」集中しなおすリリア。
「この一発で仇とりなさいよ!」ペコは木陰で治癒されながら怒っている。
オフェリア達が隠れたことでスケルトンがリリアに狙いを付けたのがはっきりと見える。
“クリチャーごときにリリアの弓が負けるわけがない”
リリアはつがえた矢先を一度スケルトンに合わせてから、偏差に入る。
方向、距離、さっきまで散々射ている。考えすぎず、頭のイメージを体に流すかんじ…
矢を支えた指がスっ流れる。
“ここね!”
放たれた矢が一度空に舞い上がり、虹を描いて飛んでいく。イメージ通り。
相手からの矢がすぐそばの木に突き刺さった。


「ペコ、仇とったわ。ヘッドショットよ」リリアは弓を手に皆を振り返る。
「何かっこつけてるの。散々外して」ペコが笑っている。アリスは治療中。
オフェリアが相手からの矢をリリアに預ける。
「本当のリリアちゃんの矢は百発百中よ」リリアが笑う。

塔を見上げるとスケルトンをご飯と勘違いした鷲が舞い降りるとこだった。
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