勇者の血を継ぐ者

エコマスク

文字の大きさ
425 / 519

【213.5話】 リリアは不満のふを表明 ※ちょっと前のルーダリア城下街収穫祭の時の話し※

しおりを挟む
「キャシィ、ちょっとリリアちゃんには不満があるのよ、不満のふを表明よ」リリアがキャシィに不満のふを表明している。
ここはリリアに用意された控室。大きくは無いが良い造りをしていて家具も良い物が揃っている。
キャシィはリアルゴールドのリリア担当女性。いかにも仕事が出来そうな、神経質そうな容姿の女性。
リリア達はルーダリア城下街で行われるリアルゴールド主催の収穫祭イベントに招待されてやってきていた。
招待メンバーは収穫祭でリリアモデルの販売キャンペーンを務めるリリア、それにリリアがリアルゴールドに頼んで一緒に招待してもらった、コトロ、ネーコ、ラビ、オフェリア、ペコとアリス。
「ルーダリア王宮のおひざ元でやるイベントね?リリアには両親はいなけど是非一緒に招待して欲しい友人がいるの!お願い!一緒に呼ばれて良い?」リリアがリアルゴールドの偉い人に頼んだのだ。
リリアモデルの販促のため四大都市でイベント開催するリアルゴールド、既にルーダ港、パウロ・コート、ルーダ・コートの街ではイベントを行った。
今年最大にして最後の祭典、ルーダリア城下街での収穫祭に合わせたイベントでお呼ばれついでに親しい仲間をリリアは招待した。
「そうか、勇者殿は孤児でおられたか。あぁ、担当の者に伝えておく、是非お仲間をお呼びなさい」
偉い人は髭をなでながらニコニコと了承してくれた。自分の金ではない、予算はある、小娘の友人が何人か増えた所で何の問題無いといった感じ。
それで、リリアはコトロ達を呼んだ。
オフェリア、ペコ、アリスも休暇を貰って現地集合。コトロもバーを休業してネーコ、ラビを伴ってやってきた。

リリアの部屋が忘れられていないように事前確認も行った。
今回は忘れ去られていなかったようだ。
「よかったぁ!リリアもちょっとは空気を脱出してきたのね」リリアは安堵と共に笑顔を見せる。
「そんなに心配だったのですか?今年最後のイベントにしてようやくちゃんと部屋が準備されるようになったのですか?喜んでいる場合ではないと思いますよ…」コトロが苦笑いする。
「だって、リアルゴールド主催だけど王室側からも出席者をだす合同開催みたいな規模でしょ?並みいるビッグネームの中リリアの部屋が忘れ去られていなかったことは大きな一歩だよ!人類にとっては小さい一歩でもリリア史にとっては大きな一歩!」リリアは喜ぶ。
「ねぇ、リアルゴールドは宣伝のために主催してるんでしょ。王国側も招待客が来ているのに勇者リリアは呼ばれていないって結局公認勇者としては完全に空気だよね」ペコがアリスに耳打ちする。
「ペコ、人は真実を知らない方が幸せな事も多いのよ」アリスが微笑む。
「あまり厳しくつっこまないでいてあげましょう」コトロも振り返って声を落とす。
オフェリアは苦笑いをしながら聞いている。
「わぁ、フカフカのベッドにゃん!良い部屋ニャン」
「良い絵が飾ってあるピョン!どこのお城ピョン?」
「あぁ!ニャン子ずるい、リリアがベッド一番乗りよ。思ったより部屋は小さいけどベッドが気持ち良いから許してあげちゃう!」
この三人ははしゃいでいる。
コトロが見まわすと大きくは無いが、しゃんとしたそれなりの良い部屋だ。
「リリアには十分過ぎる部屋ですよね」コトロが呟く

流浪人、孤児が多い冒険者ギルドは年が僅差になった家族のようなものだ。
リリアにしたら普段味わえないような気分を皆にも味わって欲しいのだろう。
名の通ったギルドで主戦力のペコとアリスでもなかなか立派な部屋に泊って貴族の呼ばれるようなイベントに顔をだせることはない。コトロだって同じだ。
どちらかというとサービス業専門のご奉仕種族と見られがちなネーコとラビ達は街中で平穏な暮らしが出来るだけでも幸せだと思っている。
そして、リリアの遠い親戚のオフェリア。
勇者の子孫だがリリア以上に特技を持ち合わせず、ペコやアリスの様にギルド内で重宝される存在でもない、本当に本物の影に隠れて冒険者生活をしているオフェリア。
埃まみれになり時には肥溜め掃除等を手伝って畑守をし、夜中はあくびをしながら倉庫番としてネズミを追い払っている生活。
「リリアが招待するから絶対ルーダリアの収穫祭に来て! リリアより」
オフェリアはリリアから招待の手紙を受け取った。

「さぁ、皆!イベントまでくつろごう!食べ物、飲み物頼み放題!やっほー!」リリアは到着してさっそく誰よりもくつろいでいる。
そこにキャシィがやってきた。


「リリア殿、先ほどご到着と連絡がありましたので確認にきました」
あいかわらず真面目そうなキャシィ。
「キャシィ、お久しぶり、今日もあなたに神のご加護がありますように。早速だけど、葡萄酒と白桃果実水を樽で持ってきちゃっていいよ、それからとりあえず何かお腹を満たせる物をご注文」リリアはベッドに寝転び涅槃像姿で注文している。
「リリア殿、伝えておきますが… 私の仕事はメイドではありません。スケジュールの確認に来ました。今よろしいでしょうか?」キャシィが言う。
「えぇ、先に食べ物じゃないかなぁ… 人間空腹だとイライラするものだよ、食べて穏やかに過ごしたい。まぁどうせ聞かされることなら聞いとくわよ。リリアちゃんは嫌な事を先に終わらせるタイプなの」涅槃像勇者の発言。
「… では、ここにスケジュール表を置いておきますが… 今日の夕方から緑の広場でリリアモデルの宣伝活動がございます。それまでにはこの建物のロビーに集合してください。今日はその後、リアルゴールドとハンズマンの主催するパーティーがあります。どなたも出席自由です。魔法使い様もドレスコードとなっており、法衣服でのご来場はご遠慮ください。貴族階級以下はペット、使い魔等のお連れは禁じております。明日、リリア殿は一日中、中央広場で4回の宣伝活動とデモがございます。明日も夜はリアルゴールドのパーティーがございますのでご出席は自由です」キャシィがキビキビとした口調で言う。
「はぁぃ!OKよ!了解よ!明日は3回デモ?4回だっけ?ちょっと一部聞き逃したけどスケジュール表みるから大丈夫」リリアはメッチャ適当に返事している。

で、
「キャシィ、ちょっとリリアちゃんには不満があるのよ、不満のふを表明よ」リリアがキャシィに不満のふを表明している。
「… 不満のふ?… どういった事でしょうか?」キャシィ。
「良い部屋だけどちょっと小さいのとベッドも豪華だけど一つしかないよね。この人数では寝れないじゃない。部屋は良いとしてベッドを増えしてよ」リリアは寝っ転がって足をパタパタさせながら言う。
「… 私はメイドではないので… どなたかに言いますが、ベッドをここにもう一つ運び込むのは無理だと思ってください」
キャシィはそういうと面倒を押し付けられないうちにといった感じでささっと帰っていった。
「果物と飲み物よろしくねー!」完全にVIP気分のリリアがキャシィの後ろ姿に言う。

「ちょっと贅沢過ぎますよ、リリア。これだけの待遇で… 別に雑魚寝でよいですよ」コトロが少し心配している。
「大丈夫だよ、言うだけ言ってみた方が得だよね」リリアはあっけらかんと言う。
「リリたん、不満のふってなんニャン?」ネーコ。
「あぁ、あれね。この前偉い政治の人がね、遺憾の意を表明って言ってたの。たぶん、い・か・んって増えて行って3回までチャンスあげるって意味だと思うよ。だからリリアも不満のふから始まってまだ怒りのレベル1的な感じだよ。んまでいったらアウト、怒り爆発モード!大暴れしてやるの」リリアはうっふっふと笑っている。

「…………」常識的な一同…

「リリたん、さすがニャン、勉強になるニャン」
「リリたんはいろんな事知る機会が多いピョン」
「あたしね、人にセカンドチャンスを与えるタイプよ。こう見えても慈悲深いからサードチャンスまで与えるからね」
リリアはそういうとドヤ顔で昼寝に入りだした。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』

segakiyui
ファンタジー
出戻り姫と噂に高いシャルンは、5回目の婚儀を迎える。 今度の相手はカースウェル王国のレダン王。剣技に優れ、温厚誠実な王は結婚相手としては申し分ないはず。けれど、この結婚には決して成立されてはならない理由があった……。 辛い過去を乗り越え、シャルンは新たな世界へ踏み出す。 世界を滅ぼす龍を右手に、愛しいレダンに守られながら。 『花咲』と龍を巡るラブストーリー、再開。毎月第2、4火曜日連載。8月は8/26に。 第1話 出戻り姫と腹黒王 第2話 砂糖菓子姫とケダモノ王 第3話 花咲姫と奔流王

断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜

白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。  私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。  けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?  関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。  竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。 『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』 ❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。 *乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。 *表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。 *いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。 *他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...