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まだ始まったばかり
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「じゃあ今日も頼むよレムネア」
「はい、ケースケさま」
最近俺たちが毎晩畑へ出てやっていること。
それはレムネアに『地面があったかくなる魔法』を掛けてもらうことだった。
ビニールシートを被せた畑は今、絶賛熱消毒中。
これは太陽熱を使って土の温度を上げて、有害な病原菌や雑草の種を殺すための作業だ。
夜でも温度を高く保ちやすくするため、これは彼女が申し出たことだった。
「それも生活魔法なんだな。変な魔法があるもんだ」
「変と仰いますが、冒険者の間ではかなり重宝されている魔法なんですよ?」
「地面の温度を上げる魔法が?」
はい、としゃがんだレムネアは地面の様子を見ながら頷いた。
なんだろう、異世界でも熱による土壌消毒の技術があるのかな。
「いいえ違います。単純な話ですよ。冬の旅路で地面が温かかったら、眠りやすいと思いませんか?」
「ああ、そういう」
そっか。旅といえば宿に泊まる、なんて思い込んでた俺だ。
でもあちらでの旅は、いつもベッドにありつけるとは限らないのだろう。
「そうですね。ただ、野宿は当然ですが、宿でも使いますよ」
「宿でも?」
「街道沿いの安宿は、相部屋で床に雑魚寝とか普通なので」
「そうなのか。それは想像してなかった」
安宿だから、隙間風なども酷いことが多いとのこと。
仕方ないっちゃー仕方ないんだろうけど、それで金を取るのかぁ。うーん。
現代の便利さに慣れているとありえなく思えてしまうな。
「とまあ。寒い季節にこの、地面の温度をちょっぴり上げる魔法を使って差し上げると、皆さん喜んでくださいましたねぇ」
どこか遠い顔で語るレムネアだった。
なにを考えているのかな、昔のことでも思い出しているのだろうか。
俺がそう思ってると、どうやらそんな俺の視線に気がついたらしい彼女が、ちょっと恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
「ケースケさまが仰ってくれた通りですね」
「え?」
「今にして思えば、私、そこそこ人さまのお役に立ててた気がします」
おっと。まさか彼女がそんなことを言うなんて。
俺は思わず頷いた。
「そうだよ、絶対そう。あれだけ魔法が使えて、なんの役にも立ててないなんてこと、ありえないはずだよ」
「……そうですね。なんというか、やっとそう思えてきた気がします」
「良いことだと思うぞ。たぶんそれが正しい認識だよ」
俺もレムネアの横にしゃがみこんで、そう言った。
足元の地面がホカホカだ。
この魔法を、彼女には熱消毒している地面全体に掛けて貰っている。少し移動しては魔法を掛け、少し移動してはまた魔法を掛け、だ。
こんな手間なことを手伝ってくれる女の子が、人の役に立っていないなんてありえない。
「むしろ、なんでレムネアはそんなに自分を役立たずだと思い込んでいたのさ」
「…………」
彼女はしばらく黙り込むと、しゃがんだまま空を見上げた。
俺も見上げる。
あれがデネブアルタイルベガ、って言うのはなんだったっけか。
夏の大三角形くらいは俺でもわかる。
田舎だから、空は綺麗だ。星もよく見えるから、アルタイルとベガの間に流れる天の川だって見えてしまう。都会じゃちょっと信じられないくらいの、満天の星空だった。
「少し、歩きませんか」
レムネアは俺の袖を引っ張って、そう言った。
構わないけど、と答えて俺たちは畑を後にする。
虫の声がうるさいくらいの夏の夜道を、少ない街灯沿いに俺たちは歩いた。
「ご承知の通り、私は『攻撃系統』の魔法が使えません。これは私たちの世界の呪文使いにとっては恥ずべきことなんです」
「どうしてそうなるんだ? 別に攻撃魔法が使えなくたって、生活魔法だって立派なものだったじゃないか」
「求められる職責がそうだから、と言うべきですかね。大型の魔物は、だいたい呪文使いの攻撃魔法で倒します。私たちの世界に於いて、攻撃魔法は選ばれし者だけが使える最大の矛だったのです」
ふうん、と俺はなんの気もない相槌を打った。
魔物もおらず、命の危険を感じることの少ない現代の日本に住んでいると、ピンとこない話だ。
ただ、レムネアの世界に於いて呪文使いは矛として期待されていたということは理解できた。
「そして私も、その矛として期待された身でした。――だけど」
自分は呪われ子だった、と彼女は言った。
「呪われ子?」
「たまに生まれてしまう、魔法を使えないエルフの子のことをそう言います。私は攻撃魔法が一切使えない、という呪われ子でした」
周囲が期待する仕事を担えなかったのです、とレムネアは笑ってみせた。
その笑いは、俺が初めて彼女に出会った日に見た笑いと同じだった。
諦観が篭った、自嘲気味の笑い。
「お、おい……」
「ごめんなさい。この話をしようとすると、どうしてもこんな顔になってしまうのです」
そう言った彼女は、困ったように両手で頬をさすり。
「行く先々でがっかりされ続けてしまいましたからね。なかなかこの顔ばかりはどうにもなりません」
少しぎこちなく、でもどうにか両手で笑顔へと変えていった。
「なので、こちらの世界に来てケースケさまに自分の魔法を認めてもらえた時は、本当に嬉しかったのですよ?」
雑草を抜いた魔法のことだな。
あれは本当にビックリした。月明かりの下、幻想的な見た目も相まって今でも印象に残っている。
そりゃあ、あんなの認めない方がありえない。
実際凄い魔法だしな。
察するに、彼女の世界では『攻撃魔法』の重要度が高すぎて、他の魔法が不当に軽く見られているのだろう。そういう世界なのだろう、としか思いようがない。
「こっちの世界には魔法がないっていうのもあるけれど、レムネアの魔法は俺にとって痒いところに手が届く魔法ばかりだったからな」
「みたいですね。おかげさまで、こちらの世界に来て遣り甲斐というモノをとても感じております」
フンス、と鼻息荒く両こぶしを握ってみせたレムネアだった。
やる気に満ちた顔が眩しくて、微笑ましい。
「そういう顔してる方が、似合ってるぞ」
「……やっと、そういう言葉が素直に嬉しく感じられるようになってきました」
美津音ちゃんたちと遊んでいるとき、レムネアはああやって楽しそうにしてた。
たぶんこの顔が、彼女のデフォルトなんだ。彼女本来の顔なんだ。
人の心を癒す顔。
人の心に元気をくれる顔。
俺も頑張らなくちゃな、と思わせてくれる顔。
「レムネアが手伝ってくれているお陰で、俺は毎日が楽しいよ」
「私も、今の毎日が楽しいです!」
気がつけば、周囲にホタルが舞っていた。
ホタル川が近くにある。
俺は懐中電灯を川の方へと向けて、少しそちらに近づいていく。
「……なんですか、このフワフワした小さな光は」
「このあいだリッコが案内してくれただろう、ホタル川のホタルだよ。夜に光るんだ」
「え、これが!?」
暗闇の中、レムネアのびっくりした雰囲気が伝わってくる。
「もっと、ビリビリーとか、バチバチー、みたいなのかと思ってました」
「レムネアの世界の夜光虫、怖すぎない?」
「だから言いましたよね、怖いですよ」
ビリビリバチバチ、ってもうそれ雷撃とかそんな感じじゃん。
異世界怖い、怖すぎる。
「子供たちも、そんな怖いものをわざわざ見に行こうなんて言わないよ」
「確かに!」
言われて気がついたとばかりのレムネアに、俺は笑った。
しばらく腹を抱えていると、彼女は「むー」と不満げに俺の方を見た。
「笑いすぎです。ケースケさま」
「悪い悪い。でもレムネアの世界の常識と、こっちの常識がいかにも違いすぎて」
「……そうですね。ここは、遠い世界です。私がいた世界とは比べようもないくらい平和で、文明の発達した世界」
その声が少し寂しげに感じられて、俺は思わず彼女の方を見た。
「レムネアは……やっぱり元の世界に帰りたかったりするのか?」
「まったく未練がないかと言えば、嘘になります」
そういって俯く。
「でもですね、私はこちらの世界にきて、お友達が増えました。美津音ちゃん、リッコちゃん、ナギサちゃん、レイジさん。野崎夫妻に、ご近所の皆さん」
「ああ」
みんな、俺たちに良くしてくれる。
俺たちは今、新しい人間関係を構築中だ。そしてそれは。
「それに、ケースケさま」
「うん」
俺たち二人にしても、同じこと。
まだ一ヶ月ほど前に出会ったばかりなのだ。
「俺は、レムネアがこっちの世界に迷い込んでくれて、嬉しく思ってるよ。この一ヶ月、本当に刺激的だった。そしてこれからも、おまえと一緒に楽しんでいけたらなって思ってる」
「……そう言って貰えるのは、本当に嬉しいです」
ホタルが舞っている。
ざぁざぁと流れる川の音が、無言になった俺たちの耳を満たす。
たった一ヶ月、されど一ヶ月。
一緒に暮らしたという縁が、俺たちを結び付けていた。
「苦も楽も、これから二人で味わいつくそうぜ? なーに、農業なんかやってたら、すぐに大変な目にも合うさ」
苗作りしたものを畑に植えて、虫から病気から作物を守り、日々を暮らしていく。
楽なことばかりなんてありえない。
大変なときもくる。だけどそのときにレムネアが隣にいてくれると、俺は嬉しい。
「いいですね。苦も、楽も」
レムネアも、笑ってくれたのであった。
俺たちの生活は、まだまだ始まったばかり――。
「はい、ケースケさま」
最近俺たちが毎晩畑へ出てやっていること。
それはレムネアに『地面があったかくなる魔法』を掛けてもらうことだった。
ビニールシートを被せた畑は今、絶賛熱消毒中。
これは太陽熱を使って土の温度を上げて、有害な病原菌や雑草の種を殺すための作業だ。
夜でも温度を高く保ちやすくするため、これは彼女が申し出たことだった。
「それも生活魔法なんだな。変な魔法があるもんだ」
「変と仰いますが、冒険者の間ではかなり重宝されている魔法なんですよ?」
「地面の温度を上げる魔法が?」
はい、としゃがんだレムネアは地面の様子を見ながら頷いた。
なんだろう、異世界でも熱による土壌消毒の技術があるのかな。
「いいえ違います。単純な話ですよ。冬の旅路で地面が温かかったら、眠りやすいと思いませんか?」
「ああ、そういう」
そっか。旅といえば宿に泊まる、なんて思い込んでた俺だ。
でもあちらでの旅は、いつもベッドにありつけるとは限らないのだろう。
「そうですね。ただ、野宿は当然ですが、宿でも使いますよ」
「宿でも?」
「街道沿いの安宿は、相部屋で床に雑魚寝とか普通なので」
「そうなのか。それは想像してなかった」
安宿だから、隙間風なども酷いことが多いとのこと。
仕方ないっちゃー仕方ないんだろうけど、それで金を取るのかぁ。うーん。
現代の便利さに慣れているとありえなく思えてしまうな。
「とまあ。寒い季節にこの、地面の温度をちょっぴり上げる魔法を使って差し上げると、皆さん喜んでくださいましたねぇ」
どこか遠い顔で語るレムネアだった。
なにを考えているのかな、昔のことでも思い出しているのだろうか。
俺がそう思ってると、どうやらそんな俺の視線に気がついたらしい彼女が、ちょっと恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
「ケースケさまが仰ってくれた通りですね」
「え?」
「今にして思えば、私、そこそこ人さまのお役に立ててた気がします」
おっと。まさか彼女がそんなことを言うなんて。
俺は思わず頷いた。
「そうだよ、絶対そう。あれだけ魔法が使えて、なんの役にも立ててないなんてこと、ありえないはずだよ」
「……そうですね。なんというか、やっとそう思えてきた気がします」
「良いことだと思うぞ。たぶんそれが正しい認識だよ」
俺もレムネアの横にしゃがみこんで、そう言った。
足元の地面がホカホカだ。
この魔法を、彼女には熱消毒している地面全体に掛けて貰っている。少し移動しては魔法を掛け、少し移動してはまた魔法を掛け、だ。
こんな手間なことを手伝ってくれる女の子が、人の役に立っていないなんてありえない。
「むしろ、なんでレムネアはそんなに自分を役立たずだと思い込んでいたのさ」
「…………」
彼女はしばらく黙り込むと、しゃがんだまま空を見上げた。
俺も見上げる。
あれがデネブアルタイルベガ、って言うのはなんだったっけか。
夏の大三角形くらいは俺でもわかる。
田舎だから、空は綺麗だ。星もよく見えるから、アルタイルとベガの間に流れる天の川だって見えてしまう。都会じゃちょっと信じられないくらいの、満天の星空だった。
「少し、歩きませんか」
レムネアは俺の袖を引っ張って、そう言った。
構わないけど、と答えて俺たちは畑を後にする。
虫の声がうるさいくらいの夏の夜道を、少ない街灯沿いに俺たちは歩いた。
「ご承知の通り、私は『攻撃系統』の魔法が使えません。これは私たちの世界の呪文使いにとっては恥ずべきことなんです」
「どうしてそうなるんだ? 別に攻撃魔法が使えなくたって、生活魔法だって立派なものだったじゃないか」
「求められる職責がそうだから、と言うべきですかね。大型の魔物は、だいたい呪文使いの攻撃魔法で倒します。私たちの世界に於いて、攻撃魔法は選ばれし者だけが使える最大の矛だったのです」
ふうん、と俺はなんの気もない相槌を打った。
魔物もおらず、命の危険を感じることの少ない現代の日本に住んでいると、ピンとこない話だ。
ただ、レムネアの世界に於いて呪文使いは矛として期待されていたということは理解できた。
「そして私も、その矛として期待された身でした。――だけど」
自分は呪われ子だった、と彼女は言った。
「呪われ子?」
「たまに生まれてしまう、魔法を使えないエルフの子のことをそう言います。私は攻撃魔法が一切使えない、という呪われ子でした」
周囲が期待する仕事を担えなかったのです、とレムネアは笑ってみせた。
その笑いは、俺が初めて彼女に出会った日に見た笑いと同じだった。
諦観が篭った、自嘲気味の笑い。
「お、おい……」
「ごめんなさい。この話をしようとすると、どうしてもこんな顔になってしまうのです」
そう言った彼女は、困ったように両手で頬をさすり。
「行く先々でがっかりされ続けてしまいましたからね。なかなかこの顔ばかりはどうにもなりません」
少しぎこちなく、でもどうにか両手で笑顔へと変えていった。
「なので、こちらの世界に来てケースケさまに自分の魔法を認めてもらえた時は、本当に嬉しかったのですよ?」
雑草を抜いた魔法のことだな。
あれは本当にビックリした。月明かりの下、幻想的な見た目も相まって今でも印象に残っている。
そりゃあ、あんなの認めない方がありえない。
実際凄い魔法だしな。
察するに、彼女の世界では『攻撃魔法』の重要度が高すぎて、他の魔法が不当に軽く見られているのだろう。そういう世界なのだろう、としか思いようがない。
「こっちの世界には魔法がないっていうのもあるけれど、レムネアの魔法は俺にとって痒いところに手が届く魔法ばかりだったからな」
「みたいですね。おかげさまで、こちらの世界に来て遣り甲斐というモノをとても感じております」
フンス、と鼻息荒く両こぶしを握ってみせたレムネアだった。
やる気に満ちた顔が眩しくて、微笑ましい。
「そういう顔してる方が、似合ってるぞ」
「……やっと、そういう言葉が素直に嬉しく感じられるようになってきました」
美津音ちゃんたちと遊んでいるとき、レムネアはああやって楽しそうにしてた。
たぶんこの顔が、彼女のデフォルトなんだ。彼女本来の顔なんだ。
人の心を癒す顔。
人の心に元気をくれる顔。
俺も頑張らなくちゃな、と思わせてくれる顔。
「レムネアが手伝ってくれているお陰で、俺は毎日が楽しいよ」
「私も、今の毎日が楽しいです!」
気がつけば、周囲にホタルが舞っていた。
ホタル川が近くにある。
俺は懐中電灯を川の方へと向けて、少しそちらに近づいていく。
「……なんですか、このフワフワした小さな光は」
「このあいだリッコが案内してくれただろう、ホタル川のホタルだよ。夜に光るんだ」
「え、これが!?」
暗闇の中、レムネアのびっくりした雰囲気が伝わってくる。
「もっと、ビリビリーとか、バチバチー、みたいなのかと思ってました」
「レムネアの世界の夜光虫、怖すぎない?」
「だから言いましたよね、怖いですよ」
ビリビリバチバチ、ってもうそれ雷撃とかそんな感じじゃん。
異世界怖い、怖すぎる。
「子供たちも、そんな怖いものをわざわざ見に行こうなんて言わないよ」
「確かに!」
言われて気がついたとばかりのレムネアに、俺は笑った。
しばらく腹を抱えていると、彼女は「むー」と不満げに俺の方を見た。
「笑いすぎです。ケースケさま」
「悪い悪い。でもレムネアの世界の常識と、こっちの常識がいかにも違いすぎて」
「……そうですね。ここは、遠い世界です。私がいた世界とは比べようもないくらい平和で、文明の発達した世界」
その声が少し寂しげに感じられて、俺は思わず彼女の方を見た。
「レムネアは……やっぱり元の世界に帰りたかったりするのか?」
「まったく未練がないかと言えば、嘘になります」
そういって俯く。
「でもですね、私はこちらの世界にきて、お友達が増えました。美津音ちゃん、リッコちゃん、ナギサちゃん、レイジさん。野崎夫妻に、ご近所の皆さん」
「ああ」
みんな、俺たちに良くしてくれる。
俺たちは今、新しい人間関係を構築中だ。そしてそれは。
「それに、ケースケさま」
「うん」
俺たち二人にしても、同じこと。
まだ一ヶ月ほど前に出会ったばかりなのだ。
「俺は、レムネアがこっちの世界に迷い込んでくれて、嬉しく思ってるよ。この一ヶ月、本当に刺激的だった。そしてこれからも、おまえと一緒に楽しんでいけたらなって思ってる」
「……そう言って貰えるのは、本当に嬉しいです」
ホタルが舞っている。
ざぁざぁと流れる川の音が、無言になった俺たちの耳を満たす。
たった一ヶ月、されど一ヶ月。
一緒に暮らしたという縁が、俺たちを結び付けていた。
「苦も楽も、これから二人で味わいつくそうぜ? なーに、農業なんかやってたら、すぐに大変な目にも合うさ」
苗作りしたものを畑に植えて、虫から病気から作物を守り、日々を暮らしていく。
楽なことばかりなんてありえない。
大変なときもくる。だけどそのときにレムネアが隣にいてくれると、俺は嬉しい。
「いいですね。苦も、楽も」
レムネアも、笑ってくれたのであった。
俺たちの生活は、まだまだ始まったばかり――。
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