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酒飲み勝負
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笑顔の野崎さんが、レムネアのコップにビールを注ぐ。
彼女はゴクリ、と一口。
その後、口の周りについた泡を舌で舐めとったあとに今度は一気にコップの中身を飲み干す。
「おおおー」「飲め飲め!」「イケるクチねぇ」
周囲の老人方が大騒ぎだ。
ご近所もおばさんも一緒になってレムネアを囲み、楽しそうにヤンヤと手を叩いてる。
野崎のおじいさんが新たな一杯をコップに注ぎながら、感想を訊ねた。
「どうだね日本のビールは。キンキンに冷やしてあるから夏場に美味しいだろう?」
「ビール。やっぱりこれはビールなのですね、エールよりもだいぶ喉越しがくっきり爽快で、驚きました」
「エール?」
と眉をひそめた野崎さんに、バーベキューをひと段落させてやってきたレイジがドヤ顔を見せる。
「知らないんですか野崎さん。俺たちが普段飲んでるのはラガービール。エールってのは昔からある製法のビールのことですよ」
レイジが横で首を傾げた野崎さんに解説する。
香りや苦み、味わいが特徴的で、ぬるい状態で飲むのが美味しいビール。
それがエールだ。
「最近また見直されてきて、日本でも若い酒飲みを中心に流行ってきてるんです」
「ほほーう、さすがレムネアさん。若いだけあって流行に乗っていたんだな」
「いえ、あの別にそういうわけでは……」
彼女の世界ではエールが主だっただけの話なのだろう。
冷蔵技術がまだ発達していない世界ぽかったから、冷やして飲むのが美味しいラガーは、あったとしてもメジャーではなかったに違いない。
「ままま、もう一杯もう一杯」
「ありがとうございます」
野崎さんがおかわりを注ぐと、それもまたすぐに飲み干す。
別に顔が赤くなっている様子もなく、彼女はお酒を水のように飲んでいた。
「凄いね、本当にイケる口だ」
「そうみたいですね。じゃあ野崎さん、あっちも試してもらったらどうですかね?」
「あっち? どっちのことだいレイジくん」
「あれですよ、日本酒。日本酒の冷酒、さっき良いモノを差し入れて頂きましたから」
とレイジが持ち出したのは日本酒の大吟醸だった。
俺はそこまで日本酒に詳しくないけど、なんだか紙に包まれて高そうだぞ。
おう、これはいい! と喜んだ野崎さんがレムネアに新しいコップを渡して日本酒を注ぐ。
レムネアはそれをチビリ。
「あ、果物のような良い香りが鼻に抜けて……」
「吟醸香と言うんじゃよ。フルーティじゃろ」
「なのに飲み口は水みたいにすっきり軽いです」
グイ、とまた飲み直しながら嬉しそうに彼女。
周囲のおじいさんたちもコップに注がれた大吟醸を口づけながら、うんうん、とご機嫌に頷く。
「レムネアさんは酒がよくわかるお人らしいなぁ」「差し入れた甲斐があるというものだよ」「そうそう、このすっきりした後味が良い日本酒の凄いところで……」
酒飲み組がワイワイと楽しそうな横で、三人娘は駄菓子を齧りながら。
「大人ってお酒好きだよね、ナギサ」
「ウチのお父さんも大好きなのよね。まだ中学生なのに私に勧めてきたりして、よくお母さんに怒られてる」
「それはイケないお父さんだなー」
苦笑して、リッコ。
「でもきっと、娘とお酒飲んで話とかしたいんだろうね。大好きなものを共有したいっていう気持ちはわかるな」
「でも中学生だから。ハタチまで待って」
「あはは、ナギサはきっとハタチになったらお父さんにお酒漬けにされちゃうね」
「言い方!」
ナギサが唇を尖らせてリッコを睨む間、美津音ちゃんは駄菓子のうまか棒をモグモグ齧り続けていた。
小学生の彼女にはさすがにまだピンとこない話なのかもしれない。
そんなときだ。
目を放していた酒飲み組から、「おおおおおー」という歓声が上がった。
なんだ?
驚きが混ざったその声に、俺は思わず視線を向けた。
「やるなレムネアちゃん!」
「おいおい、ビール追加だろこれは。レイジ、ちょっと酒屋さんに連絡してくれ」
「いいけど……、本当に大丈夫かいレムネアさん?」
「もちろんです。宴会での飲み合い勝負は戦場の華みたいなもの、受けて立つことにやぶさかではありません」
また「おおおおおー」と歓声。
どうやら誰が一番呑兵衛かの、酒飲み勝負が始まったようだった。
大丈夫なのか?
でもレムネアの顔はまだ全然赤くなってないな。白磁のような白い頬は健在だ。
俺の心配そうな顔に気がついたらしいレムネアが、ちょっとテレたようなハニカミ顔で俯いた。
どういう反応だよそれ、わかんないぞ。
本当に大丈夫なのだろうか。
思わず彼女に近づいて、小声で話しかけてしまう俺だった。
「お、おい……」
「平気ですよ。あっちの世界でも宴会と言えば飲み合い勝負でした、私はいつもそれを見ているだけだったのでむしろ憧れだったんです」
ぼっちだったぽいもんな。
「だから今、すごい嬉しいです。ケースケさんも私を応援していてください」
そう言って微笑まれてしまうと、止めることもできない。
こうして野崎さんやレイジ、もちろんレムネアを含めた五人による大酒飲み勝負が始まったのだった。
五人は立ったまま同時にビールを手にする。
座り込んでしまったり、立っていてもフラついたりしてるようならリタイア。
もちろんもうダメと思ったら自分で負けを宣言してもいい。
「いーっぱいめ!」
ゴクゴク、と五人が一斉にコップのビールを飲み干す。
おばさん、おばあさんのお酌でそれぞれにまたビールが注がれた。
「にーっはいめ!」
庭に響き渡る声で、皆が楽しそうな顔で五人を見ていた。
リッコとナギサもこうしたお祭りごとは好きなのか、むしろキャアキャア言いながら率先して声を出している。美津音ちゃんだけがちょっとついていけてない顔で、リスのようにポリポリとピーナツを齧っていた。
「……なーなはいめ!」
最初の一人がリタイアしたのはそこだった。
フラついたのをリッコが見逃さずに指摘する。まだイケると主張していたおじいさんだったが、ルールであったことと身体を大切にの精神で満場一致のリタイア宣言。
「勝負が始まるとわかってたなら、その前にあんな飲まなかったのに……!」
すごく悔しそうに、他の四人から離れて庭に座り込んだのだった。
次にリタイアしたのは野崎さん。つまり美津音ちゃんのおじいさんだ。
こちらは自分からの負け宣言。
「これ以上飲んだら美津音とナギサちゃんを送れんくなるからな。今日のところは負けといてやるんじゃよ」
みんな負け惜しみを言ってくぞ?
なんだこれ、酒飲みとしての名誉でも掛かってるのか?
奥が深い。
「田舎だと、お酒に強いっていうのはちょっとしたステータスなんですよ」
俺が首を傾げているところに話し掛けてきたのはナギサだった。
へえ、そういうものなのか。
理屈はわからないけど、少なくともこの地域ではステータスなのだそうだ。
まあでも、レムネアがお酒を飲むとなったとき大騒ぎになったもんな。
きっとお酒を飲むのが、娯楽やコミュニケーション手段の一つとして大きく確立しているのだろう。
要は皆、お酒が大好きなのだ。
そんな中でお酒に強いとなれば、確かにちょっとしたステータスにもなろうというものか。
酒屋さんが瓶ビールをケースで届けにきてくれたので俺が対応する。
それからしばらくして三人目のリタイア者が出た。コップ30杯目のことだ。それまで笑っていたのに、ストン、と座り込んでのギブアップ。
近所のおばさんに介抱されていたので、ウチの縁側で横になってもらった。
残るはレイジとレムネア。
一騎打ちだ。
「やるね、だいぶ強いじゃないかレムネアさん」
「レイジさんもなかなかお強いみたいですね」
「でもそろそろあれだろ? 限界が近くなってたりしてるんじゃない?」
「いえいえまだまだ。レイジさんこそ、お顔が赤くなっているみたいですが?」
「ふはは。なんの、こちらもまだまださ」
「それを聞いて安心しました。もう少し一緒にお酒を堪能できそうですね」
レムネアはにっこり。
まだ顔も赤くない。余裕がありそうだ。
レイジは……。んー、あれは瘦せ我慢に入ってる顔だろうな。
小さい頃、カードゲームやってたときによく見た表情だ。あいつ感情隠すの苦手だからな、顔に出る。不利を感じているときの顔、負けそうなときの顔。
ゴクゴク、ゴクゴク。
続く戦い。双方に応援が飛ぶ。がーんばれ、がーんばれ。
「よーんじゅーっぱーい!」
レイジは頑張った。もちろんだーいぶ痩せ我慢してる。絶対してる。
リッコとナギサがニヤニヤ笑っているのは、たぶんそれを見抜いているからだ。おいレイジ、子供にもバレてるぞ。
「レイジくん、頑張るなぁ」
と、野崎さんが俺の横にきた。
けっこうお酒を飲んでたように見えたが、声も姿勢もしゃっきりしている。
「野崎さん。もう大丈夫なんですか?」
「ほどほどで引いておいたからの。もう平気じゃよ」
そうかそうか。それはなにより。
「そういや玄関先を見たのだけど、ジャガイモの芽出しをしているようだね」
「あ、はい」
「ジャガイモで決めたのかい?」
「まずは野崎さんのアドバイス通りに、簡単と言われているものをと思いまして」
「ふむ。まあいいと思うよ、ジャガイモは儲けこそ少ないが安定しているしな」
そうなんだよな。
ジャガイモだけでは正直大して儲からない。
ジャガは手間が少ないのを利用して、他の作物を育てながら片手間にやるのが良いんだろうなと気がついた俺だった。実際にやってみてわかることって、やっぱある。
だから俺は今、ちょっと悩んでいる。
「ジャガイモ植えたとして……実はまだ畑に余裕があるんですよね」
話を促すつもりで、そっと言ってみた。
すると野崎さんはニッと笑い。
「そうじゃな、他の作物にも挑戦してみたらどうかと思うよ。ジャガイモはそんなに手が掛からないしの」
俺の考えお見通しって顔だな。敵わないや。
思わず苦笑してしまいながら、聞き返す。
「なにが良いですかね」
「そうだな、葉物なんかどうじゃろう。儲けなんかで言えばトマトなんか良いのじゃが、季節じゃないしといってビニールハウスは大変だし。練習がてらに葉物にも挑戦してみるのがオススメかの」
「なるほど、葉物……」
白菜、キャベツ、レタスとか、そういった辺りだろうか。
そうだな。白菜はこの辺の土地に合ってて主流らしいと聞いた記憶もあるし、植える季節としても悪くなさそうだ。
そんなことを考えていると。
――わああ、と酒飲み方面から声が上がった。
「も、もう……ギブ、かも」
足元をフラつかせたレイジが、こちらにやってきた。
「お、おい大丈夫か?」
「レ、レムネアさん……とんでもない酒豪じゃないか。どうやったらあんなに、強く、ウプ」
「吐くな吐くな! ウチのトイレ貸すからそこでやってくれ!」
「す、すまない」
よろよろと俺の家の中に入っていくレイジ。
レムネアの方を見ると、皆に囲まれて祝福されていた。
「レムネアおねーちゃんがゆうしょう……です!」
美津音ちゃんがそう言うと、レムネアコールが湧き上がる。
レームネア、レームネア、レームネア。
「皆さん、ありがとうございます!」
そういったレムネアの手に、どこからともなくヒュッと杖が現れて。
「あはは、優勝でーす!」
レムネアが杖を掲げると、ポンポンポンと空に向かって火球が上がり、パーン、と花開いた。
え、あれも生活魔法のウチなのか!? というか皆の前でなにしてくれてんだ、やっぱ酔ってるぞあいつ!
と、俺はレムネアを注意しようとしにいこうと思ったのだが。
「ははは、花火なんか用意しておったか。レムネアさんも楽しんでおったみたいじゃの」
なんのビックリした様子もなく、野崎さんがそう言う。
――ん?
「あはは、レムネアおねーちゃん用意がいー!」
「自前花火で自分を讃えてますね」
リッコとナギサも普通に笑っている。
他の皆も、暗くなってきた空に昇る火球をワイワイにこやかに眺めていた。
「優勝、レムレアちゃん!」「よっ、酒豪!」
レムネアと目が合うと、ニコッと笑ってくる。
そっか、なにか魔法を掛けてあるっぽい。
そういうことなら俺も。
「たーまやー!」
声を張り上げたのだった。
◇◆◇◆
宴も終わり、皆が帰った。
なんだか夢心地なひととき。いま俺はレムネアと二人、庭先で夜の空を見上げていた。
「今日はどうだった?」
「はいケースケさま。皆さんと食べて、飲んで。たっぷり楽しめました」
「よかった、なにせレムネアの初めてな宴会だろ? ぜひとも成功させたかったんだけど、俺もあまり宴会とかには縁がない方だったから少し心配だったんだ」
特に自分たちで主催となると、俺も初めてのことだった。
でもどうやら楽しんで貰えたみたいでなによりだ。
「いきなり魔法の杖を持ち出して花火なんか始めるから、ちょっとびっくりしたよ」
「うふふ。途中で皆さんにちょっとした魔法の暗示を掛けておきましたからね」
ああ、やっぱりそうだったのか。俺は得心した。
「すぐ解けちゃう程度のものですが、最後は派手にしたいなって。私の世界の宴会では、最後酒場に火花や雷撃が飛び交ったり水芸が虹を作ったりもするんですよ?」
「へー、見てみたい光景だな」
「……いつか、ケースケさまには私の世界も見てもらいたいものです」
それは難しいのでしょうけど、と苦笑しながらレムネアは月を眺めた。
彼女はもう元の世界に帰れないかもしれないのだ。だけどもし、互いの世界に行き来ができたなら。
「そのときは、レムネアを招いて宴会させてもらうよ。レムネアにはホント世話になりっきりだ」
「ふふふ、その前に冒険者になって初報酬を得ませんと」
ああそっか、そういう話だったっけ。
そういえば初報酬を貰ったときの恩返しで呼ぶという宴会だった。
冒険者か。なんか生きて帰れる気がしない。
「大丈夫です、私が守りますから」
あれ? レムネアは攻撃魔法が使えないんじゃなかったっけか。
だからコンプレックスを持っていたはずなのに、こんな堂々と俺を守るとか言い切ってる。
不思議に思いちょっと質問した。
「どうやって?」
「生活魔法を使って」
「へえ?」
「この世界にきて、ちょっと考えが変わってきたんです。生活魔法だって、応用を利かせればいくらでも戦闘の役に立つんじゃないかって」
小さなゴーレムを予め数多く作って僕にする。
あんなに数を作るなんて発想がなかったと彼女は言った。
草原の敵なら雑草を抜く魔法を目くらましに使う。
逃げる時間は稼げるし、なんなら隙を突くこともできそうですよねと彼女は言った。
「ここにきて、世界が広がりました。全部ケースケさまのお陰です」
そう言った彼女は俺の頬に、チョンとキスをして。って。
――え? えええ!?
「お、おいレムネア!?」
「ケースケさま、ありがとうございます」
見れば月明かりの下、彼女の顔は真っ赤だった。
テレているわけじゃなさそうだ。ああこれは、今ごろ酔いが回ってる!?
抱きついてくるレムネア。だが。
「……すぅ、すぅ」
俺の身体にもたれ掛かるようにして、彼女は眠り始めた。
俺はしばらく放心。
「なんだよ、しっかり酔っぱらうんじゃないか」
その後、彼女をおんぶして家の中へと入っていったのだった。
俺たちの家の中へ、と。
彼女はゴクリ、と一口。
その後、口の周りについた泡を舌で舐めとったあとに今度は一気にコップの中身を飲み干す。
「おおおー」「飲め飲め!」「イケるクチねぇ」
周囲の老人方が大騒ぎだ。
ご近所もおばさんも一緒になってレムネアを囲み、楽しそうにヤンヤと手を叩いてる。
野崎のおじいさんが新たな一杯をコップに注ぎながら、感想を訊ねた。
「どうだね日本のビールは。キンキンに冷やしてあるから夏場に美味しいだろう?」
「ビール。やっぱりこれはビールなのですね、エールよりもだいぶ喉越しがくっきり爽快で、驚きました」
「エール?」
と眉をひそめた野崎さんに、バーベキューをひと段落させてやってきたレイジがドヤ顔を見せる。
「知らないんですか野崎さん。俺たちが普段飲んでるのはラガービール。エールってのは昔からある製法のビールのことですよ」
レイジが横で首を傾げた野崎さんに解説する。
香りや苦み、味わいが特徴的で、ぬるい状態で飲むのが美味しいビール。
それがエールだ。
「最近また見直されてきて、日本でも若い酒飲みを中心に流行ってきてるんです」
「ほほーう、さすがレムネアさん。若いだけあって流行に乗っていたんだな」
「いえ、あの別にそういうわけでは……」
彼女の世界ではエールが主だっただけの話なのだろう。
冷蔵技術がまだ発達していない世界ぽかったから、冷やして飲むのが美味しいラガーは、あったとしてもメジャーではなかったに違いない。
「ままま、もう一杯もう一杯」
「ありがとうございます」
野崎さんがおかわりを注ぐと、それもまたすぐに飲み干す。
別に顔が赤くなっている様子もなく、彼女はお酒を水のように飲んでいた。
「凄いね、本当にイケる口だ」
「そうみたいですね。じゃあ野崎さん、あっちも試してもらったらどうですかね?」
「あっち? どっちのことだいレイジくん」
「あれですよ、日本酒。日本酒の冷酒、さっき良いモノを差し入れて頂きましたから」
とレイジが持ち出したのは日本酒の大吟醸だった。
俺はそこまで日本酒に詳しくないけど、なんだか紙に包まれて高そうだぞ。
おう、これはいい! と喜んだ野崎さんがレムネアに新しいコップを渡して日本酒を注ぐ。
レムネアはそれをチビリ。
「あ、果物のような良い香りが鼻に抜けて……」
「吟醸香と言うんじゃよ。フルーティじゃろ」
「なのに飲み口は水みたいにすっきり軽いです」
グイ、とまた飲み直しながら嬉しそうに彼女。
周囲のおじいさんたちもコップに注がれた大吟醸を口づけながら、うんうん、とご機嫌に頷く。
「レムネアさんは酒がよくわかるお人らしいなぁ」「差し入れた甲斐があるというものだよ」「そうそう、このすっきりした後味が良い日本酒の凄いところで……」
酒飲み組がワイワイと楽しそうな横で、三人娘は駄菓子を齧りながら。
「大人ってお酒好きだよね、ナギサ」
「ウチのお父さんも大好きなのよね。まだ中学生なのに私に勧めてきたりして、よくお母さんに怒られてる」
「それはイケないお父さんだなー」
苦笑して、リッコ。
「でもきっと、娘とお酒飲んで話とかしたいんだろうね。大好きなものを共有したいっていう気持ちはわかるな」
「でも中学生だから。ハタチまで待って」
「あはは、ナギサはきっとハタチになったらお父さんにお酒漬けにされちゃうね」
「言い方!」
ナギサが唇を尖らせてリッコを睨む間、美津音ちゃんは駄菓子のうまか棒をモグモグ齧り続けていた。
小学生の彼女にはさすがにまだピンとこない話なのかもしれない。
そんなときだ。
目を放していた酒飲み組から、「おおおおおー」という歓声が上がった。
なんだ?
驚きが混ざったその声に、俺は思わず視線を向けた。
「やるなレムネアちゃん!」
「おいおい、ビール追加だろこれは。レイジ、ちょっと酒屋さんに連絡してくれ」
「いいけど……、本当に大丈夫かいレムネアさん?」
「もちろんです。宴会での飲み合い勝負は戦場の華みたいなもの、受けて立つことにやぶさかではありません」
また「おおおおおー」と歓声。
どうやら誰が一番呑兵衛かの、酒飲み勝負が始まったようだった。
大丈夫なのか?
でもレムネアの顔はまだ全然赤くなってないな。白磁のような白い頬は健在だ。
俺の心配そうな顔に気がついたらしいレムネアが、ちょっとテレたようなハニカミ顔で俯いた。
どういう反応だよそれ、わかんないぞ。
本当に大丈夫なのだろうか。
思わず彼女に近づいて、小声で話しかけてしまう俺だった。
「お、おい……」
「平気ですよ。あっちの世界でも宴会と言えば飲み合い勝負でした、私はいつもそれを見ているだけだったのでむしろ憧れだったんです」
ぼっちだったぽいもんな。
「だから今、すごい嬉しいです。ケースケさんも私を応援していてください」
そう言って微笑まれてしまうと、止めることもできない。
こうして野崎さんやレイジ、もちろんレムネアを含めた五人による大酒飲み勝負が始まったのだった。
五人は立ったまま同時にビールを手にする。
座り込んでしまったり、立っていてもフラついたりしてるようならリタイア。
もちろんもうダメと思ったら自分で負けを宣言してもいい。
「いーっぱいめ!」
ゴクゴク、と五人が一斉にコップのビールを飲み干す。
おばさん、おばあさんのお酌でそれぞれにまたビールが注がれた。
「にーっはいめ!」
庭に響き渡る声で、皆が楽しそうな顔で五人を見ていた。
リッコとナギサもこうしたお祭りごとは好きなのか、むしろキャアキャア言いながら率先して声を出している。美津音ちゃんだけがちょっとついていけてない顔で、リスのようにポリポリとピーナツを齧っていた。
「……なーなはいめ!」
最初の一人がリタイアしたのはそこだった。
フラついたのをリッコが見逃さずに指摘する。まだイケると主張していたおじいさんだったが、ルールであったことと身体を大切にの精神で満場一致のリタイア宣言。
「勝負が始まるとわかってたなら、その前にあんな飲まなかったのに……!」
すごく悔しそうに、他の四人から離れて庭に座り込んだのだった。
次にリタイアしたのは野崎さん。つまり美津音ちゃんのおじいさんだ。
こちらは自分からの負け宣言。
「これ以上飲んだら美津音とナギサちゃんを送れんくなるからな。今日のところは負けといてやるんじゃよ」
みんな負け惜しみを言ってくぞ?
なんだこれ、酒飲みとしての名誉でも掛かってるのか?
奥が深い。
「田舎だと、お酒に強いっていうのはちょっとしたステータスなんですよ」
俺が首を傾げているところに話し掛けてきたのはナギサだった。
へえ、そういうものなのか。
理屈はわからないけど、少なくともこの地域ではステータスなのだそうだ。
まあでも、レムネアがお酒を飲むとなったとき大騒ぎになったもんな。
きっとお酒を飲むのが、娯楽やコミュニケーション手段の一つとして大きく確立しているのだろう。
要は皆、お酒が大好きなのだ。
そんな中でお酒に強いとなれば、確かにちょっとしたステータスにもなろうというものか。
酒屋さんが瓶ビールをケースで届けにきてくれたので俺が対応する。
それからしばらくして三人目のリタイア者が出た。コップ30杯目のことだ。それまで笑っていたのに、ストン、と座り込んでのギブアップ。
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残るはレイジとレムネア。
一騎打ちだ。
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「レイジさんもなかなかお強いみたいですね」
「でもそろそろあれだろ? 限界が近くなってたりしてるんじゃない?」
「いえいえまだまだ。レイジさんこそ、お顔が赤くなっているみたいですが?」
「ふはは。なんの、こちらもまだまださ」
「それを聞いて安心しました。もう少し一緒にお酒を堪能できそうですね」
レムネアはにっこり。
まだ顔も赤くない。余裕がありそうだ。
レイジは……。んー、あれは瘦せ我慢に入ってる顔だろうな。
小さい頃、カードゲームやってたときによく見た表情だ。あいつ感情隠すの苦手だからな、顔に出る。不利を感じているときの顔、負けそうなときの顔。
ゴクゴク、ゴクゴク。
続く戦い。双方に応援が飛ぶ。がーんばれ、がーんばれ。
「よーんじゅーっぱーい!」
レイジは頑張った。もちろんだーいぶ痩せ我慢してる。絶対してる。
リッコとナギサがニヤニヤ笑っているのは、たぶんそれを見抜いているからだ。おいレイジ、子供にもバレてるぞ。
「レイジくん、頑張るなぁ」
と、野崎さんが俺の横にきた。
けっこうお酒を飲んでたように見えたが、声も姿勢もしゃっきりしている。
「野崎さん。もう大丈夫なんですか?」
「ほどほどで引いておいたからの。もう平気じゃよ」
そうかそうか。それはなにより。
「そういや玄関先を見たのだけど、ジャガイモの芽出しをしているようだね」
「あ、はい」
「ジャガイモで決めたのかい?」
「まずは野崎さんのアドバイス通りに、簡単と言われているものをと思いまして」
「ふむ。まあいいと思うよ、ジャガイモは儲けこそ少ないが安定しているしな」
そうなんだよな。
ジャガイモだけでは正直大して儲からない。
ジャガは手間が少ないのを利用して、他の作物を育てながら片手間にやるのが良いんだろうなと気がついた俺だった。実際にやってみてわかることって、やっぱある。
だから俺は今、ちょっと悩んでいる。
「ジャガイモ植えたとして……実はまだ畑に余裕があるんですよね」
話を促すつもりで、そっと言ってみた。
すると野崎さんはニッと笑い。
「そうじゃな、他の作物にも挑戦してみたらどうかと思うよ。ジャガイモはそんなに手が掛からないしの」
俺の考えお見通しって顔だな。敵わないや。
思わず苦笑してしまいながら、聞き返す。
「なにが良いですかね」
「そうだな、葉物なんかどうじゃろう。儲けなんかで言えばトマトなんか良いのじゃが、季節じゃないしといってビニールハウスは大変だし。練習がてらに葉物にも挑戦してみるのがオススメかの」
「なるほど、葉物……」
白菜、キャベツ、レタスとか、そういった辺りだろうか。
そうだな。白菜はこの辺の土地に合ってて主流らしいと聞いた記憶もあるし、植える季節としても悪くなさそうだ。
そんなことを考えていると。
――わああ、と酒飲み方面から声が上がった。
「も、もう……ギブ、かも」
足元をフラつかせたレイジが、こちらにやってきた。
「お、おい大丈夫か?」
「レ、レムネアさん……とんでもない酒豪じゃないか。どうやったらあんなに、強く、ウプ」
「吐くな吐くな! ウチのトイレ貸すからそこでやってくれ!」
「す、すまない」
よろよろと俺の家の中に入っていくレイジ。
レムネアの方を見ると、皆に囲まれて祝福されていた。
「レムネアおねーちゃんがゆうしょう……です!」
美津音ちゃんがそう言うと、レムネアコールが湧き上がる。
レームネア、レームネア、レームネア。
「皆さん、ありがとうございます!」
そういったレムネアの手に、どこからともなくヒュッと杖が現れて。
「あはは、優勝でーす!」
レムネアが杖を掲げると、ポンポンポンと空に向かって火球が上がり、パーン、と花開いた。
え、あれも生活魔法のウチなのか!? というか皆の前でなにしてくれてんだ、やっぱ酔ってるぞあいつ!
と、俺はレムネアを注意しようとしにいこうと思ったのだが。
「ははは、花火なんか用意しておったか。レムネアさんも楽しんでおったみたいじゃの」
なんのビックリした様子もなく、野崎さんがそう言う。
――ん?
「あはは、レムネアおねーちゃん用意がいー!」
「自前花火で自分を讃えてますね」
リッコとナギサも普通に笑っている。
他の皆も、暗くなってきた空に昇る火球をワイワイにこやかに眺めていた。
「優勝、レムレアちゃん!」「よっ、酒豪!」
レムネアと目が合うと、ニコッと笑ってくる。
そっか、なにか魔法を掛けてあるっぽい。
そういうことなら俺も。
「たーまやー!」
声を張り上げたのだった。
◇◆◇◆
宴も終わり、皆が帰った。
なんだか夢心地なひととき。いま俺はレムネアと二人、庭先で夜の空を見上げていた。
「今日はどうだった?」
「はいケースケさま。皆さんと食べて、飲んで。たっぷり楽しめました」
「よかった、なにせレムネアの初めてな宴会だろ? ぜひとも成功させたかったんだけど、俺もあまり宴会とかには縁がない方だったから少し心配だったんだ」
特に自分たちで主催となると、俺も初めてのことだった。
でもどうやら楽しんで貰えたみたいでなによりだ。
「いきなり魔法の杖を持ち出して花火なんか始めるから、ちょっとびっくりしたよ」
「うふふ。途中で皆さんにちょっとした魔法の暗示を掛けておきましたからね」
ああ、やっぱりそうだったのか。俺は得心した。
「すぐ解けちゃう程度のものですが、最後は派手にしたいなって。私の世界の宴会では、最後酒場に火花や雷撃が飛び交ったり水芸が虹を作ったりもするんですよ?」
「へー、見てみたい光景だな」
「……いつか、ケースケさまには私の世界も見てもらいたいものです」
それは難しいのでしょうけど、と苦笑しながらレムネアは月を眺めた。
彼女はもう元の世界に帰れないかもしれないのだ。だけどもし、互いの世界に行き来ができたなら。
「そのときは、レムネアを招いて宴会させてもらうよ。レムネアにはホント世話になりっきりだ」
「ふふふ、その前に冒険者になって初報酬を得ませんと」
ああそっか、そういう話だったっけ。
そういえば初報酬を貰ったときの恩返しで呼ぶという宴会だった。
冒険者か。なんか生きて帰れる気がしない。
「大丈夫です、私が守りますから」
あれ? レムネアは攻撃魔法が使えないんじゃなかったっけか。
だからコンプレックスを持っていたはずなのに、こんな堂々と俺を守るとか言い切ってる。
不思議に思いちょっと質問した。
「どうやって?」
「生活魔法を使って」
「へえ?」
「この世界にきて、ちょっと考えが変わってきたんです。生活魔法だって、応用を利かせればいくらでも戦闘の役に立つんじゃないかって」
小さなゴーレムを予め数多く作って僕にする。
あんなに数を作るなんて発想がなかったと彼女は言った。
草原の敵なら雑草を抜く魔法を目くらましに使う。
逃げる時間は稼げるし、なんなら隙を突くこともできそうですよねと彼女は言った。
「ここにきて、世界が広がりました。全部ケースケさまのお陰です」
そう言った彼女は俺の頬に、チョンとキスをして。って。
――え? えええ!?
「お、おいレムネア!?」
「ケースケさま、ありがとうございます」
見れば月明かりの下、彼女の顔は真っ赤だった。
テレているわけじゃなさそうだ。ああこれは、今ごろ酔いが回ってる!?
抱きついてくるレムネア。だが。
「……すぅ、すぅ」
俺の身体にもたれ掛かるようにして、彼女は眠り始めた。
俺はしばらく放心。
「なんだよ、しっかり酔っぱらうんじゃないか」
その後、彼女をおんぶして家の中へと入っていったのだった。
俺たちの家の中へ、と。
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精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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旧版を基に再編集しています。
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