帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月

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5章:獣王国(解決編)

episode 60 絶品ローストビーフのお味は…?

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 目の前に置かれたローストビーフは、想像をはるかに超える美しさだった。ツヤのある赤身肉は、丁寧に盛り付けられた野菜たちに囲まれ、まるで絵画のよう。湯気と共に立ち上る香りは、食欲をこれでもかと刺激する。
 僕とエリーナは、思わずゴクリと喉を鳴らした。
 
「すごい…」
 
 エリーナが感嘆の声を漏らす。僕も全く同感だ。これまでの不安が嘘のように消え去り、目の前の料理に釘付けになった。
 
「本当に、このお店は当たりですね!」
 
 エリーナが目を輝かせながらフォークを手に取る。僕もそれに倣い、一切れ口に運んだ。
 とろけるような柔らかさ。肉汁が口いっぱいに広がり、噛むたびに豊かな風味が押し寄せる。特製のソースは、肉の旨みを最大限に引き出し、舌の上で至福のハーモニーを奏でた。
 
「おいしい……!」
 
 思わず声に出してしまう。エリーナも同じように、感動した表情で大きく頷いた。
 
「これ、本当にトロトロですね!私の勘、間違ってなかった!」
 
 満面の笑みでローストビーフを頬張るエリーナを見ていると、僕の胸の中にも温かいものが広がっていく。初めてのデートでこんな素敵な体験ができるなんて、本当に幸せだ。
 僕たちは無言でローストビーフを食べ進めた。時折、お互いの顔を見合わせ、その美味しさを分かち合う。ガランとしていた店内は、僕たちの幸せなため息と、料理を味わう音で満たされていった。
 お婆さんも、僕たちの様子を見て満足そうに微笑んでいる。その笑顔は、どこか自信に満ちていて、この店の料理に対する誇りを感じさせた。
 食べ終わる頃には、僕たちのお皿はすっかり空になっていた。しかし、心の中は満腹感と、この素晴らしい出会いへの感謝でいっぱいだった。
 
「ごちそうさまでした!」
「本当に美味しかったです!ありがとうございました!」
 
 僕とエリーナは、深々と頭を下げた。お婆さんは嬉しそうに目を細めている。
 
「どういたしまして。また来ておくれ」
 
 僕たちは笑顔で店を出た。外に出ると、夕日が街並みをオレンジ色に染めていた。
 
「ねぇ、ノル」
 
 エリーナが僕の袖を軽く引く。
 
「こんなに美味しいローストビーフ、初めて食べました。今日のデート、本当に楽しいです」
 
 その言葉に、僕の顔はきっと赤くなっただろう。でも、嬉しさがそれを上回った。
 
「僕もだよ、エリーナ。本当に、ありがとう」
 
 繋いだ手に、ぎゅっと力を込める。ローストビーフの余韻と、エリーナの笑顔。初めてのデートは、最高の形で幕を開けた。次は何をして彼女を喜ばせようか。僕の心は、期待でいっぱいだった。
 
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