十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇

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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

七十六話

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 それからもライブは続いていく。

 アンコールで戻ってきた雄介は、舞台上に一人で座り、ギターの調整をした。


「えー、では、新曲です。愛する人の為を思って書きました、『桃色の恋情』」


 全身の血が引く。

 桃澤久留美。

 あいつの為に書いたのか、お前は。

 ふらついた俺の腕を、麗音が掴む。


「しゅん兄ちゃん、外出ようか」

「……うん」


 言われるがまま、俺達は会場を後にした。

-
 ライブ会場の出入口から少し離れた場所。

 自販機で買った水を飲みながら、深呼吸をする。


「……俺、やっぱり来なきゃ良かったかな」


 ぽつりと呟くと、麗音が顔を覗き込む。


「雄介に何かやり返したくて頑張って着いてきたけど、計画とか狂っちまうかも……」

「そんな事ない、今のところ順調だよ」


 麗音が優しく背中を撫でてくれる。

 その温もりで心が満たされる。

 ふと、麗音が腕時計を見た。


「……あと少しか」

「へ?」

「しゅん兄ちゃんごめん!俺トイレ行ってくる!」

「え、待て、麗音!」


 走り去る麗音を見つめながら、俺は一人取り残されてしまった。


「どうしよう……こんな所にいるって雄介に知られたら」


 俺は不安になった。

 しかし、よく考えると俺がライブに来ることを雄介は把握していないはず。

 なぜなら、これは譲り受けたチケットだし、集客の管理はスタッフがしているからだ。

 それに、雄介からすると円満に別れたと思ってるだろうし(友達に戻ろうとか言ってた気がする)、万が一見られてもただ友人として聞きに来たふりをすればいい。

 麗音の復讐が始まるまで……


「はあ……考え過ぎかあ~」

「あれ、俊太郎?」


 そこには、熊井雄介が立っていた。
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