忘れられない君の香

秋月真鳥

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ヴォルフラム(攻め)視点

12.夫夫で過ごす二回目のヒート

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 ヒートの前にはアレクシスは熱っぽくなって、ぼんやりすることが多くなる。食欲も落ちるようなのでヴォルフラムはアレクシスが食べやすいものをできるだけ準備していた。
 ヒートの間でも食べられるヨーグルトにドライフルーツを入れたものは絶対に欠かさないし、料理もスープやシチューを取り入れて水分も多めに摂らせて、ヒートに向けて体調を万全にしてもらう。
 屋敷の采配をしているヴォルフラムは厨房の料理からお茶の時間の菓子の仕入れまでしっかりと把握していた。

 日に日に濃くなるアレクシスのフェロモンにヴォルフラムも当てられそうになるが、ヒートが始まってしまえば寝室から三日間は出られなくなるので、それまでは耐える。

「アレク、いい香りだ。そそられる」
「ヴィー……今のうちに執務を終わらせてしまいますから、待ってくださいね」

 バルテル侯爵家の主人二人がヒート期間中は全く執務ができなくなるので、その分アレクシスはヒート前にできることはやっているようだった。ヴォルフラムも手伝っているが、学園で首席だったというだけあって、アレクシスの判断能力は非常に高い。

「事業の方はこれでわたし不在でも回るはずです。取り引きは全てヒート後に変更させてもらいました」
「フェロモンが濃くなっている」
「ヴィー、あなたのフェロモンも香ってきます」

 オメガのように発情を促すようなものではないが、アルファもフェロモンを発する。
 初めて出会ったときにお互いにいい香りだと思ったのは、まだ第二性であるアルファ性とオメガ性が覚醒していないながらも、潜在的に持っているフェロモンを感じあったからに違いない。
 フェロモンの香りが心地よく感じない相手とは相性が悪い。逆にフェロモンの香りがいい匂いに感じられる相手とは相性がいい。
 第二性が目覚める前からお互いの香りに気付き、それを心地よく思っていたヴォルフラムとアレクシスは運命の番としか言いようがなかった。

 執務を終えて夕食もそこそこに夫夫の寝室に入ると、ぶわりとアレクシスのフェロモンが濃厚に広がる。寝室の中に入るや否や、アレクシスを抱き締めて、アレクシスの肩口に顔を埋めて、ヴォルフラムはアレクシスのフェロモンを胸いっぱいに吸い込む。

「アレク……我慢できない」
「バスルームに……体を清めさせてください」

 まだギリギリ理性の残っているアレクシスがか細い声で言うのに、ヴォルフラムはこくりと喉を鳴らして必死に我慢した。
 夫夫の寝室についているバスルームは大柄な二人がなんとか入れるくらいには広い。
 シャワーでお互いの体を流し、ボディソープを泡立ててアレクシスの体を撫でて洗うと、アレクシスが身をよじる。気付かないふりをして胸を揉んで、乳首を指先でかすめると、アレクシスが震えているのが分かる。

「あっ!? ヴォルフラム、だめですっ!」
「ダメじゃなくて、いのでは?」
「そんなっ! ひぁっ! そこばかり、ダメ!」

 たっぷりと泡を付けた手で胸を撫で擦ると、アレクシスの中心が震えながら兆しているのが分かる。双丘に手をかければ、後孔から愛液が滴っている。

「きれいにしないと」
「ヴォルフラム……あぁっ!?」

 後からアレクシスの背中に抱き着くような形で泡の付いた手で中心を握り、もう片方の手では胸をいじり、唇は首筋を吸い上げると、アレクシスの中心が質量を増す。達する寸前で泡を流し、体を拭いて、ヴォルフラムも体を洗って流し、バスローブを羽織ってベッドに移動すると、アレクシスは完全に力が抜けてベッドに倒れ込んだ。
 ベッドサイドのテーブルの引き出しからチョーカーの鍵を出して、チョーカーを外し、張り型の一番大きなものを取り出したヴォルフラムに、アレクシスがアメジストのような紫の目を見開いている。

「それ……」
「どうやって自分で後ろを拡張したのか、見せてほしい」
「い、嫌です! ヴォルフラム、そういうのは、ちょっと……」
「それなら、おれが手伝ってあげよう」

 アレクシスの脚を開いて折り曲げ、その間に体をねじ込ませると、ヴォルフラムは愛液で濡れたアレクシスの後孔に指を差し込む。ヒートでぬかるんでいるそこは、簡単にヴォルフラムの指を二本飲み込めてしまった。
 二本の指で中のしこりを刺激するように動かすと、アレクシスの中心が弾けて白濁が飛ぶ。快感に打ち震えるアレクシスの中から指を抜いて、ヴォルフラムは張り型を押し付けた。

「ヴォルフラム……」
「アレクが本当に嫌ならしない。でも、おれはアレクの色んな顔が見てみたい」

 真剣に言えば、アレクシスは張り型を持ったヴォルフラムの手に手を重ねた。

「ヴォルフラムも一緒にシてくださいね?」
「もちろんだ」

 恥じらいながらヴォルフラムの手に手を重ねて張り型を受け入れるアレクシスが、ぐちゅぐちゅと濡れた音を立てながら張り型を抜き差しするのに、ヴォルフラムは興奮してくる。

「ダメ……足りないっ! ヴォルフラムがいいっ!」

 張り型では奥まで届かず、太さも満足できるサイズではなく、懇願するようにヴォルフラムの手を握り締めるアレクシスに、ヴォルフラムはもう我慢の限界だった。
 張り型をアレクシスの中から抜いて投げ捨て、アレクシスの後孔に自分の中心を押し当てる。ゆっくりと挿入すると、一番太い部分が入ってしまうと、後はずるずるとアレクシスの奥までヴォルフラムは難なく到達した。
 ヒート中のアレクシスの中は甘く大量のぬめりを帯びてヴォルフラムを受け入れる。

「アレク、好きだ」
「わたしも」
「アレク、愛してる」

 最奥の壁に当たる場所まで突き入れて、息を整えていると、アレクシスが顔を背けながら小さく呟く。

「初めてのとき……」
「アレク、あれは忘れてくれ。嫉妬に狂って酷いことをしてしまった」
「あのとき、もっと奥までヴォルフラムがキて……孕むかと思った……」
「アレク!?」
「あの……あれ、もう一回……」

 してほしい。
 控えめに発せられた声に、ヴォルフラムの理性が切れた。
 こつんと当たっていた壁を抜けるように、先端をもっと奥に押し込んでいく。ぐぽっと壁を抜けた瞬間、アレクシスが喉を反らせて絶頂した。

「あぁぁぁっ! ヴォルフラムっ!」
「アレク! 我慢できない!」

 ぐぽぐぽと奥の壁を突き抜けながら何度も出し入れするヴォルフラムにアレクシスはずっと達していたようだった。
 ヴォルフラムが奥の奥に白濁を注ぎ込むと、アレクシスがくたりとベッドに倒れる。

 一度抜いてアレクシスの頬に手を当てて口付けると、アレクシスは蕩けた目で口付けを受けて舌を絡めてくる。番同士の体液はフェロモンが混じっているので甘く感じられる。

「アレク、大丈夫か?」
「はい……すごかった……」

 ヒート中のオメガの体は快楽に素直で、ヴォルフラムが最初にしたこともアレクシスには気持ちいいものとしか認識されていなかったようだ。

「アレク、お願いがある」
「なんですか?」
「乗ってくれないか?」

 今ならばどんな願いも叶えてくれるのではないだろうか。
 閨ではヴォルフラムが主導権を握ることが多く、アレクシスはヴォルフラムの望むように体を開いてくれるが、アレクシスがヴォルフラムの上に乗ってくれたことはまだない。
 ベッドの上に座ってアレクシスを膝の上に招くと、アレクシスがおずおずとヴォルフラムの中心を手で確かめて、向かい合ったまま後孔に押し当てる。
 ゆっくりと腰を落とすアレクシスに、ヴォルフラムは目の前にある胸に吸い付き、乳首を指で摘まんだ。

「んんっ! ふぁっ!」
「アレク、気持ちいいよ」
「あっ! これ、ど、どうすれば……」
「腰を動かして?」

 胸をいじりながらアレクシスに指示を出せば、アレクシスがゆっくりとヴォルフラムの膝の上で腰を踊らせる。倒れるようなこともなく、ヴォルフラムに重さを感じさせるようなこともないのだから、やはりアレクシスは鍛え上げた体がしっかりとしているし、体力もある。
 アレクシスが腰を振るたびに愛液とヴォルフラムの白濁が太ももを伝って流れ落ち、それがヴォルフラムの興奮を誘う。

「いい光景だ」
「ヴォルフラム、気持ちいいですか?」
「すごく」

 褐色の肌が汗で濡れて艶を増している。
 胸をいじるとアレクシスの中が締まって、ヴォルフラムはアレクシスに追い上げられていた。
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