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アレクサンテリ視点
35.セシルの思いを超えて
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ディアン子爵家を見送った後、わたしたちは釣りに行った。
釣りではレイシーは大きな石の下にいたミミズを素手で捕まえて釣り針につけて、テオに驚かれていたし、わたしができないところはレイシーがしてくれた。
釣りの後で、テオから午後から天気が崩れると聞いて、わたしたちは別荘に戻って、昼食を食べてゆっくりと過ごした。
わたしには皇帝しか判断できない書類仕事が待っていたが、それも多くはなかったのですぐに片付けることができた。
仕事が終わると、わたしは空虚な気持ちになるのを止められない。
レイシーが来て、わたしの胸に空いていた虚ろな穴は埋まった気がしていたが、まだその痕跡が残っているようだ。
レイシーのところに行けばそれは気にならなくなると分かっていても、わたしはその虚ろな穴と向き合うことを決めた。
わたしは幸せになっていいのか。
その答えがまだ出せていない。
わたしのせいでセシルは死んでしまった。
セシルに償うことも、謝ることもできないし、それをしたところで自己満足でしかないことは分かっている。
セシルへの想いを過去のものへできたとしても、罪悪感が消えたわけではなかった。
セシルは死んでしまったのでもう何も考えることはできないし、何も感じることもない。
わたしだけが生き延びて幸せになろうとしていた。
わたしにできることは何なのか。
セシルが望んだような女性が家庭に閉じ込められず、自由に働ける社会を作ること。
それくらいしかない。
それがセシルへの償いになるとは思っていなかったが、わたしができる唯一のことだった。
レイシーはセシルの記憶の中で何度もわたしを庇う場面を夢に見たという。
レイシーの中にあるセシルの記憶では、わたしを庇ったことはどのように感じられているのだろうか。
それを聞くことが怖い。
いつかはそのことと向き合わなければいけないと分かっていても、わたしはまだ勇気が出なかった。
お茶の時間にお茶室でレイシーを待っていると、レイシーが明るい表情でお茶室に入ってくる。レイシーの笑顔を見ると、わたしの中の空虚な思いが薄れていく気がする。
「お待たせいたしました」
「レイシー、刺繍は進んだ?」
「はい。アレクサンテリ陛下の手袋の刺繍は完成しました」
「完成品を見るのが楽しみだな」
レイシーがわたしの横に座って、侍女に紅茶をカップに注いでもらっていた。紅茶の香りがお茶室の中に漂い、レイシーの存在が光のようにわたしを照らす。
わたしは自然と微笑んでいた。
「アレクサンテリ陛下はあの蔦模様が一番好きなのですか?」
「あの模様はセシルとの思い出が詰まっているからね」
「結婚式の衣装もあの蔦模様がいいですか?」
「いや、それは違う模様でも構わないよ。レイシーが好きな模様を刺繍してくれればいい」
青から銀糸に色を変えた蔦模様を手袋には刺繍してくれていたが、レイシーは新しい図案も使いたいのだろう。それはレイシーがセシルの記憶を超えて、レイシー自身で身に着けた技術になる。
その技術をレイシーが使うことを、わたしは止めることはできない。
あの蔦模様がわたしにとって大事な思い出であっても、レイシーにはそれを超えて生きていってほしい。レイシーはレイシーとして生きてほしい。
セシルに未だ囚われている自覚はあるが、レイシーまでそこに引きずり込むつもりはなかった。
そういえば、ラヴァル夫人が言っていた。
レイシーは美しい黒髪を売るために伸ばしていたのだと。
いつか家計が苦しくなったときに、ソフィアや家族のためにその美しい黒髪を惜しげもなく切って売ろうと思っていたのだ。
腰まである長い黒髪に触れると、レイシーがわたしを見上げる。
「この髪、切って売ってしまおうとしていたとラヴァル夫人に聞いた」
「今は切るつもりはありませんよ。ラヴァル夫人にも、切るときにはアレクサンテリ陛下に相談するようにと言われました」
「女性にとって髪は命というのに、レイシーはそれを簡単に売ってしまえるのだと思うと、レイシーがこれまで育ってきた環境を考えて胸が痛かった」
「今の時代、髪の短い女性もたくさんいますよ。セシルも髪は長くなかったでしょう?」
簡単に言ってしまえるが、レイシーは髪という体の一部を売るのに抵抗がない様子だった。
確かにセシルは肩くらいで髪を切っていた。それは伸ばすと手入れが大変なのと、洗うのに水をたくさん使うからだった。倹約のためにセシルは髪を伸ばせなかったのだ。
「レナン殿はわたくしの髪にそんなに興味がない様子でしたし」
レイシーの口から元婚約者の名前が出て来て、わたしは胸に苦い思いが広がる。
こんなにもレイシーを蔑ろにしていたのだったら、別れさせるだけでなくて、何か罰も与えてやればよかった。
「その名前を聞くのは不愉快だな」
「すみません」
「レイシーが悪いのではない。レイシーを酷く扱った男がいたというのが許せないのだ」
わたしがレナンへの感想を口にすれば、レイシーが思い出したように言う。
「あの方は、わたくしがすることが気に入らなかったようです。首席を取れば『女が首席など』と馬鹿にして、縫物をすれば『貴族なのに貧乏くさい』と蔑んで、家庭菜園で野菜を作っていると知ると『そこまで落ちぶれたくない』と呆れて」
「本当にろくでもない男だったのだな。レイシーは優秀だから妃教育が楽だとラヴァル夫人も言っていた。レイシーの裁縫の腕は本職より上で、わたしはレイシーの作るものを身につけられるのも、レイシーが身に着けているのも、本当に素晴らしいと思っている。家庭菜園で育てたナスとキュウリも、新鮮でとても美味しかった」
「そんな風にアレクサンテリ陛下がわたくしの全てをありのままに認めてくださるところが好きなのです」
「わたしはレイシーの全てを愛しているからね」
「わたくしもアレクサンテリ陛下を愛しています」
レナンのことは不愉快だが、それと比べているおかげでわたしのことを好きと思ってくれるのならば、レナンの言ったことは許せないが、レイシーにそれを見せるつもりはなかった。
レイシーがカップを置いてわたしの手を取ったので、わたしはレイシーの縫物と家庭菜園の世話をする指先に口付ける。
この指が魔法のように美しいものを作り出す。
「レイシーの指は、美しいものを作り出す魔法の指だ」
「アレクサンテリ陛下」
「レイシー、これからもわたしのそばで、美しいものを作り続けてほしい」
「皇后になっても、縫物を続けていいのですか?」
「やめるつもりだったのか?」
「皇后になったら忙しくなるので、できなくなると思っていました」
皇后になったらレイシーを形作っている縫物や家庭菜園などの要素がなくなってしまうと思うと、それはわたしも寂しくなってしまう。
ゆっくりと首を左右に振り、レイシーを安心させるように微笑む。
「皇后になればやらなければいけないことは増えるかもしれないが、できる限りレイシーのしたいこともできるようにしていきたいと思っている。レイシー、皇后になることで何かを諦めたりしないでほしい。レイシーにはしたいことを全てしてほしいと思っている」
「ありがとうございます、アレクサンテリ陛下」
レイシーに気持ちを告げれば、レイシーは微笑んで自分の胸をそっと押さえていた。
「レイシー、セシルのことを聞いてもいいかな?」
「はい、何でも聞いてください」
思い切って話題にすると、レイシーは快く了承してくれる。
わたしは単刀直入に聞くのは難しかったので、遠回しにレイシーに探るように口にする。
「ディアン子爵家の事業は、セシルのことを考えて立ち上げようと思ったのだろうか?」
「最初はそのつもりでした。セシルはお針子になりたかったけれど、なれなかった。セシルのような少女がこの国にはたくさんいると思うといてもたってもいられませんでした」
「今はそれだけではないのかな?」
「はい。セシルの夢を叶えることは、この国の発展にもつながると考えるようになりました。わたくしは皇后になるのです。この国のことを考えなければいけないと思い始めました」
レイシーはセシルへの思いだけで裁縫の工場の事業を立ち上げたわけではなかったようだ。
わたしもセシルへの思いだけでそこに支援をしたつもりはない。
確かにセシルへの気持ちはあったが、それと同時にディアン子爵家を陞爵させたいという気持ちがあったし、何より、女性の社会進出はこの国の課題でもあった。
「レイシーが皇后になってくれることは何よりも心強いよ」
「わたくし、皇后として認められるでしょうか」
不安を口にするレイシーに、わたしは強く頷く。
「認められるに決まっている」
認めないものには、認めさせる。
その思いが強くなった瞬間だった。
釣りではレイシーは大きな石の下にいたミミズを素手で捕まえて釣り針につけて、テオに驚かれていたし、わたしができないところはレイシーがしてくれた。
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わたしには皇帝しか判断できない書類仕事が待っていたが、それも多くはなかったのですぐに片付けることができた。
仕事が終わると、わたしは空虚な気持ちになるのを止められない。
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わたしは幸せになっていいのか。
その答えがまだ出せていない。
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セシルに償うことも、謝ることもできないし、それをしたところで自己満足でしかないことは分かっている。
セシルへの想いを過去のものへできたとしても、罪悪感が消えたわけではなかった。
セシルは死んでしまったのでもう何も考えることはできないし、何も感じることもない。
わたしだけが生き延びて幸せになろうとしていた。
わたしにできることは何なのか。
セシルが望んだような女性が家庭に閉じ込められず、自由に働ける社会を作ること。
それくらいしかない。
それがセシルへの償いになるとは思っていなかったが、わたしができる唯一のことだった。
レイシーはセシルの記憶の中で何度もわたしを庇う場面を夢に見たという。
レイシーの中にあるセシルの記憶では、わたしを庇ったことはどのように感じられているのだろうか。
それを聞くことが怖い。
いつかはそのことと向き合わなければいけないと分かっていても、わたしはまだ勇気が出なかった。
お茶の時間にお茶室でレイシーを待っていると、レイシーが明るい表情でお茶室に入ってくる。レイシーの笑顔を見ると、わたしの中の空虚な思いが薄れていく気がする。
「お待たせいたしました」
「レイシー、刺繍は進んだ?」
「はい。アレクサンテリ陛下の手袋の刺繍は完成しました」
「完成品を見るのが楽しみだな」
レイシーがわたしの横に座って、侍女に紅茶をカップに注いでもらっていた。紅茶の香りがお茶室の中に漂い、レイシーの存在が光のようにわたしを照らす。
わたしは自然と微笑んでいた。
「アレクサンテリ陛下はあの蔦模様が一番好きなのですか?」
「あの模様はセシルとの思い出が詰まっているからね」
「結婚式の衣装もあの蔦模様がいいですか?」
「いや、それは違う模様でも構わないよ。レイシーが好きな模様を刺繍してくれればいい」
青から銀糸に色を変えた蔦模様を手袋には刺繍してくれていたが、レイシーは新しい図案も使いたいのだろう。それはレイシーがセシルの記憶を超えて、レイシー自身で身に着けた技術になる。
その技術をレイシーが使うことを、わたしは止めることはできない。
あの蔦模様がわたしにとって大事な思い出であっても、レイシーにはそれを超えて生きていってほしい。レイシーはレイシーとして生きてほしい。
セシルに未だ囚われている自覚はあるが、レイシーまでそこに引きずり込むつもりはなかった。
そういえば、ラヴァル夫人が言っていた。
レイシーは美しい黒髪を売るために伸ばしていたのだと。
いつか家計が苦しくなったときに、ソフィアや家族のためにその美しい黒髪を惜しげもなく切って売ろうと思っていたのだ。
腰まである長い黒髪に触れると、レイシーがわたしを見上げる。
「この髪、切って売ってしまおうとしていたとラヴァル夫人に聞いた」
「今は切るつもりはありませんよ。ラヴァル夫人にも、切るときにはアレクサンテリ陛下に相談するようにと言われました」
「女性にとって髪は命というのに、レイシーはそれを簡単に売ってしまえるのだと思うと、レイシーがこれまで育ってきた環境を考えて胸が痛かった」
「今の時代、髪の短い女性もたくさんいますよ。セシルも髪は長くなかったでしょう?」
簡単に言ってしまえるが、レイシーは髪という体の一部を売るのに抵抗がない様子だった。
確かにセシルは肩くらいで髪を切っていた。それは伸ばすと手入れが大変なのと、洗うのに水をたくさん使うからだった。倹約のためにセシルは髪を伸ばせなかったのだ。
「レナン殿はわたくしの髪にそんなに興味がない様子でしたし」
レイシーの口から元婚約者の名前が出て来て、わたしは胸に苦い思いが広がる。
こんなにもレイシーを蔑ろにしていたのだったら、別れさせるだけでなくて、何か罰も与えてやればよかった。
「その名前を聞くのは不愉快だな」
「すみません」
「レイシーが悪いのではない。レイシーを酷く扱った男がいたというのが許せないのだ」
わたしがレナンへの感想を口にすれば、レイシーが思い出したように言う。
「あの方は、わたくしがすることが気に入らなかったようです。首席を取れば『女が首席など』と馬鹿にして、縫物をすれば『貴族なのに貧乏くさい』と蔑んで、家庭菜園で野菜を作っていると知ると『そこまで落ちぶれたくない』と呆れて」
「本当にろくでもない男だったのだな。レイシーは優秀だから妃教育が楽だとラヴァル夫人も言っていた。レイシーの裁縫の腕は本職より上で、わたしはレイシーの作るものを身につけられるのも、レイシーが身に着けているのも、本当に素晴らしいと思っている。家庭菜園で育てたナスとキュウリも、新鮮でとても美味しかった」
「そんな風にアレクサンテリ陛下がわたくしの全てをありのままに認めてくださるところが好きなのです」
「わたしはレイシーの全てを愛しているからね」
「わたくしもアレクサンテリ陛下を愛しています」
レナンのことは不愉快だが、それと比べているおかげでわたしのことを好きと思ってくれるのならば、レナンの言ったことは許せないが、レイシーにそれを見せるつもりはなかった。
レイシーがカップを置いてわたしの手を取ったので、わたしはレイシーの縫物と家庭菜園の世話をする指先に口付ける。
この指が魔法のように美しいものを作り出す。
「レイシーの指は、美しいものを作り出す魔法の指だ」
「アレクサンテリ陛下」
「レイシー、これからもわたしのそばで、美しいものを作り続けてほしい」
「皇后になっても、縫物を続けていいのですか?」
「やめるつもりだったのか?」
「皇后になったら忙しくなるので、できなくなると思っていました」
皇后になったらレイシーを形作っている縫物や家庭菜園などの要素がなくなってしまうと思うと、それはわたしも寂しくなってしまう。
ゆっくりと首を左右に振り、レイシーを安心させるように微笑む。
「皇后になればやらなければいけないことは増えるかもしれないが、できる限りレイシーのしたいこともできるようにしていきたいと思っている。レイシー、皇后になることで何かを諦めたりしないでほしい。レイシーにはしたいことを全てしてほしいと思っている」
「ありがとうございます、アレクサンテリ陛下」
レイシーに気持ちを告げれば、レイシーは微笑んで自分の胸をそっと押さえていた。
「レイシー、セシルのことを聞いてもいいかな?」
「はい、何でも聞いてください」
思い切って話題にすると、レイシーは快く了承してくれる。
わたしは単刀直入に聞くのは難しかったので、遠回しにレイシーに探るように口にする。
「ディアン子爵家の事業は、セシルのことを考えて立ち上げようと思ったのだろうか?」
「最初はそのつもりでした。セシルはお針子になりたかったけれど、なれなかった。セシルのような少女がこの国にはたくさんいると思うといてもたってもいられませんでした」
「今はそれだけではないのかな?」
「はい。セシルの夢を叶えることは、この国の発展にもつながると考えるようになりました。わたくしは皇后になるのです。この国のことを考えなければいけないと思い始めました」
レイシーはセシルへの思いだけで裁縫の工場の事業を立ち上げたわけではなかったようだ。
わたしもセシルへの思いだけでそこに支援をしたつもりはない。
確かにセシルへの気持ちはあったが、それと同時にディアン子爵家を陞爵させたいという気持ちがあったし、何より、女性の社会進出はこの国の課題でもあった。
「レイシーが皇后になってくれることは何よりも心強いよ」
「わたくし、皇后として認められるでしょうか」
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