138 / 151
アレクサンテリ視点
48.皇后として発表するための下準備
しおりを挟む
レイシーが朝食のときに質問してきた。
「青い蔦模様の刺繍ならば、探せば他にもあったのではないですか? アレクサンテリ陛下がわたくしの刺繍した青い蔦模様を見て、セシルと重ねたのはどうしてだったのですか?」
「セシルはわたしの衣装の刺繍の玉留めを必ず表にしてくれていた。その玉留めも、デザイン的になっていて、玉留めだということが一目では分からないようになっていた。レイシーが刺繍して店に卸したハンカチの刺繍も、玉留めが表になっていたが、デザイン的になっていて、それが玉留めとはすぐには分からないようになっていた」
確かに帝都から遠く離れていたが、セシルの村では青い蔦模様の刺繍は厄除けになるということで流行っていたし、帝都にそれが流れてくることもなくはなかった。
それでもわたしが母の持ってきた青い蔦模様の刺繍のハンカチに目を留めたのは、違う理由があった。
セシルはわたしのために玉留めの位置を変えてくれていたのだ。
本来ならば裏側にするはずの玉留めを、表にして、星のようなデザインにして刺繍の一部として溶け込ませていた。
セシルが縫物をすると手元を覗き込むわたしに、セシルは教えてくれた。
「縫い終わった最後は玉留めをするの。それが表に見えていない方がきれいだから、本当は裏側に玉留めをするの」
「おねえちゃんは、どうして、表に玉どめをするの?」
「ガーネくんはまだとても小さいでしょう? 裏に玉留めをしたら、ガサガサして気になるかもしれない。ガーネくんのお肌に傷がついたりしないように、表に玉留めをして、それもデザインにしてしまうのよ」
そのときセシルが縫っていたのはわたしのための服だった。青い蔦模様の刺繍を入れて、最後の玉留めを表にして、星のようなデザインの中に隠してしまう。
見事な手法にわたしはセシルの手元から目が離せなかった。
「ぼくのために、玉どめを表にしてくれてるの?」
「そうよ。小さい子の服は着やすいのが一番だからね」
わたしのために玉留めを表にしてくれたセシル。
その気持ちはレイシーにも受け継がれている。
レイシーも同じデザインの玉留めをするので、わたしはレイシーの刺繍したハンカチを見てすぐにセシルとの繋がりを感じたのだ。
「デビュタントのときに運命を感じたと仰いましたが、それはどうだったのですか?」
「レイシーを見て、セシルの面影があると思った。なにより、セシルの声とレイシーの声がとてもよく似ていたのだ」
「わたくしの声とセシルの声は似ていたのですか!?」
ハンカチの出所を追えば、レイシー・ディアンにすぐに辿り着いた。
一瞬、セシルが生きていたのではないかと希望を持ったわたしは落胆しなかったわけではないが、十二歳だったレイシーに興味を持った。
レイシーを呼んですぐにでも確かめたかったのだが、レイシーにはそのときには既に婚約者がいた。婚約者のいる女性を、未婚の皇帝が呼び出すだなんてレイシーの評判に傷がつくかもしれない。
早く会いたいのを必死に我慢して、わたしはレイシーと会える時期を待った。
貴族は十五歳でデビュタントを迎え、皇帝に挨拶をしに来るので、そのときにレイシーに会えると思ったのだ。
ほんの数十秒の邂逅だったが、レイシーの声はセシルの声と全く同じで、セシルの面影があった。
「なにより、レイシーが顔を上げてわたしを見た瞬間、わたしはレイシーに一目で心奪われた。わたしの初恋はセシルだったけれど、二度目の恋はレイシーだったのかもしれない」
あのとき、わたしはレイシーに恋をした。
「わたくしは緊張してアレクサンテリ陛下のお顔もまともに見られませんでした」
「わたしは壇上から降りて、レイシーに駆け寄りたかった。それが許されない立場である自分を恨んだよ」
すぐに駆け寄りたかったが、レイシーには婚約者がいた。その婚約者がレイシーを大事にしていないことも、レイシー以外の女性と付き合っていることも調べがついていたから、入念に手配をして、レイシーの婚約者と浮気相手にお互いが結婚できるようにするのだと吹き込ませて、無事にレイシーと別れさせることができた。
学園の卒業パーティーでレイシーが婚約破棄を言い渡された場面に遭遇して、その場で求婚できたのは幸運としか言えなかった。
思い出していると、レイシーから報告があった。
「アレクサンテリ陛下生誕祭の衣装が完成しました。今日のお茶の時間にでも着てみてください」
「それは楽しみだね、レイシー。玉留めは表にしたの?」
「それは、裏にしました」
玉留めの位置を聞いてみると、レイシーは裏にしたと答えた。残念だったが、皇帝の生誕祭の衣装なので仕方がないだろう。
それでもわたしはつい言ってしまう。
「残念だな。レイシーの玉留めを隠すデザイン好きなのに」
「アレクサンテリ陛下はそう思ってくださっても、生誕祭という公の場で玉留めを表に出しておくことはできません」
「誰も気付かないのに」
「わたくしが嫌なのです」
こういうときにプロ意識を見せてくるレイシーも格好よくて立派なので好きだと思う。
「レイシー、わたしのために衣装を作ってくれてありがとう。わたしはセシルにお願いしたかったんだ。大きくなっても、ずっとずっと衣装を作り続けてほしいと」
セシルに頼んだことは果たされなかった。セシルはわたしを庇って殺されてしまった。そのことをずっとわたしはつらく思っていたけれど、今はセシルの命を受け継いで前を向いて歩こうと思えている。
「セシルの代わりに、わたくしがずっとアレクサンテリ陛下の衣装を作り続けます」
「嬉しいよ、レイシー」
「できれば、華やかな場面のものだけではなくて、普段着も作りたいのですが」
「大変ではない?」
「時間を見つけて少しずつ縫っていけば大丈夫です」
我が儘を言っている自覚があったわたしに、レイシーはさらに普段着まで作ってくれると言ってくれる。
普段からレイシーの作った服を着ていられるというのはどれだけ幸せだろう。
わたしは成人してかなり経っているのでもう身長は伸びないし、体型も気を付ければ変わらないだろう。六歳だった「ガーネ」の衣装を見て、もう着られないことを残念に思ったが、レイシーが一度わたしに服を作ってくれたら、ずっと着ていられることになる。
レイシーが大変でなければわたしはレイシーにぜひお願いしたかった。
「それじゃ、お願いしようかな。わたしは一生レイシーの衣装を着ていられるんだね。幸せ者だ」
「はい、一生、お仕立てします」
一生という言葉が嬉しくて、わたしはレイシーに何度も「ありがとう」とお礼を言った。
皇帝の生誕祭では、わたしはレイシーを皇后にすることを公に発表しようと考えていた。
そのためにしておかなければいけないことがある。
反対派の公爵家や侯爵家を黙らせるのだ。
「シリル、ソフィアとの婚約はどうだ?」
「滞りなく仲を深めております」
「ロセル侯爵家は、レイシーを皇后に迎えることに賛成してくれるな?」
「間違いなく」
シリルに確認すれば、頭を下げて返事をしてくれる。
「ユリウス、ノルデン侯爵家はどうだ?」
「皇帝陛下のお心のままに」
「テオ、グランディ侯爵家は?」
「妃殿下に皇后になっていただきたいと思っております」
皇宮でも力を持っている側近の三人の実家は間違いなくレイシーを皇后にと推してくれている。
「全ての公爵家、侯爵家から文句が出ないようにしたい。シリル、ユリウス、テオ、どんな手を使ってもいい。反対派を黙らせろ」
わたしの命令に、シリルもユリウスもテオも、深く頭を下げて了承した。
わたしの側近たちは有能なのでこれで問題はないだろう。
後は属国の王族や要人たちだが、それに関しては、その国の文官を皇宮に受け入れる代わりに、わたしの妃に関して何も言わないようにと交換条件を出していた。
わたしの結婚後にシリルがソフィアと結婚してディアン伯爵家に婿入りするので、側近から抜けるのも都合がよかった。次の側近に近い地位を手に入れられる文官を皇宮に入れるために、属国が競い始めたのだ。
わたしは属国のどこにも肩入れをしない代わりに、どの属国にも可能性があると匂わせておいた。そのため、属国の王族や要人はわたしがレイシーを皇后に迎えることに関して、わたしの機嫌を取るために歓迎はしても、反対することはないだろう。
レイシーが皇后になる下準備を整えながら、わたしはお茶の時間にはできるだけ執務を抜けてレイシーの元に戻っていた。
「青い蔦模様の刺繍ならば、探せば他にもあったのではないですか? アレクサンテリ陛下がわたくしの刺繍した青い蔦模様を見て、セシルと重ねたのはどうしてだったのですか?」
「セシルはわたしの衣装の刺繍の玉留めを必ず表にしてくれていた。その玉留めも、デザイン的になっていて、玉留めだということが一目では分からないようになっていた。レイシーが刺繍して店に卸したハンカチの刺繍も、玉留めが表になっていたが、デザイン的になっていて、それが玉留めとはすぐには分からないようになっていた」
確かに帝都から遠く離れていたが、セシルの村では青い蔦模様の刺繍は厄除けになるということで流行っていたし、帝都にそれが流れてくることもなくはなかった。
それでもわたしが母の持ってきた青い蔦模様の刺繍のハンカチに目を留めたのは、違う理由があった。
セシルはわたしのために玉留めの位置を変えてくれていたのだ。
本来ならば裏側にするはずの玉留めを、表にして、星のようなデザインにして刺繍の一部として溶け込ませていた。
セシルが縫物をすると手元を覗き込むわたしに、セシルは教えてくれた。
「縫い終わった最後は玉留めをするの。それが表に見えていない方がきれいだから、本当は裏側に玉留めをするの」
「おねえちゃんは、どうして、表に玉どめをするの?」
「ガーネくんはまだとても小さいでしょう? 裏に玉留めをしたら、ガサガサして気になるかもしれない。ガーネくんのお肌に傷がついたりしないように、表に玉留めをして、それもデザインにしてしまうのよ」
そのときセシルが縫っていたのはわたしのための服だった。青い蔦模様の刺繍を入れて、最後の玉留めを表にして、星のようなデザインの中に隠してしまう。
見事な手法にわたしはセシルの手元から目が離せなかった。
「ぼくのために、玉どめを表にしてくれてるの?」
「そうよ。小さい子の服は着やすいのが一番だからね」
わたしのために玉留めを表にしてくれたセシル。
その気持ちはレイシーにも受け継がれている。
レイシーも同じデザインの玉留めをするので、わたしはレイシーの刺繍したハンカチを見てすぐにセシルとの繋がりを感じたのだ。
「デビュタントのときに運命を感じたと仰いましたが、それはどうだったのですか?」
「レイシーを見て、セシルの面影があると思った。なにより、セシルの声とレイシーの声がとてもよく似ていたのだ」
「わたくしの声とセシルの声は似ていたのですか!?」
ハンカチの出所を追えば、レイシー・ディアンにすぐに辿り着いた。
一瞬、セシルが生きていたのではないかと希望を持ったわたしは落胆しなかったわけではないが、十二歳だったレイシーに興味を持った。
レイシーを呼んですぐにでも確かめたかったのだが、レイシーにはそのときには既に婚約者がいた。婚約者のいる女性を、未婚の皇帝が呼び出すだなんてレイシーの評判に傷がつくかもしれない。
早く会いたいのを必死に我慢して、わたしはレイシーと会える時期を待った。
貴族は十五歳でデビュタントを迎え、皇帝に挨拶をしに来るので、そのときにレイシーに会えると思ったのだ。
ほんの数十秒の邂逅だったが、レイシーの声はセシルの声と全く同じで、セシルの面影があった。
「なにより、レイシーが顔を上げてわたしを見た瞬間、わたしはレイシーに一目で心奪われた。わたしの初恋はセシルだったけれど、二度目の恋はレイシーだったのかもしれない」
あのとき、わたしはレイシーに恋をした。
「わたくしは緊張してアレクサンテリ陛下のお顔もまともに見られませんでした」
「わたしは壇上から降りて、レイシーに駆け寄りたかった。それが許されない立場である自分を恨んだよ」
すぐに駆け寄りたかったが、レイシーには婚約者がいた。その婚約者がレイシーを大事にしていないことも、レイシー以外の女性と付き合っていることも調べがついていたから、入念に手配をして、レイシーの婚約者と浮気相手にお互いが結婚できるようにするのだと吹き込ませて、無事にレイシーと別れさせることができた。
学園の卒業パーティーでレイシーが婚約破棄を言い渡された場面に遭遇して、その場で求婚できたのは幸運としか言えなかった。
思い出していると、レイシーから報告があった。
「アレクサンテリ陛下生誕祭の衣装が完成しました。今日のお茶の時間にでも着てみてください」
「それは楽しみだね、レイシー。玉留めは表にしたの?」
「それは、裏にしました」
玉留めの位置を聞いてみると、レイシーは裏にしたと答えた。残念だったが、皇帝の生誕祭の衣装なので仕方がないだろう。
それでもわたしはつい言ってしまう。
「残念だな。レイシーの玉留めを隠すデザイン好きなのに」
「アレクサンテリ陛下はそう思ってくださっても、生誕祭という公の場で玉留めを表に出しておくことはできません」
「誰も気付かないのに」
「わたくしが嫌なのです」
こういうときにプロ意識を見せてくるレイシーも格好よくて立派なので好きだと思う。
「レイシー、わたしのために衣装を作ってくれてありがとう。わたしはセシルにお願いしたかったんだ。大きくなっても、ずっとずっと衣装を作り続けてほしいと」
セシルに頼んだことは果たされなかった。セシルはわたしを庇って殺されてしまった。そのことをずっとわたしはつらく思っていたけれど、今はセシルの命を受け継いで前を向いて歩こうと思えている。
「セシルの代わりに、わたくしがずっとアレクサンテリ陛下の衣装を作り続けます」
「嬉しいよ、レイシー」
「できれば、華やかな場面のものだけではなくて、普段着も作りたいのですが」
「大変ではない?」
「時間を見つけて少しずつ縫っていけば大丈夫です」
我が儘を言っている自覚があったわたしに、レイシーはさらに普段着まで作ってくれると言ってくれる。
普段からレイシーの作った服を着ていられるというのはどれだけ幸せだろう。
わたしは成人してかなり経っているのでもう身長は伸びないし、体型も気を付ければ変わらないだろう。六歳だった「ガーネ」の衣装を見て、もう着られないことを残念に思ったが、レイシーが一度わたしに服を作ってくれたら、ずっと着ていられることになる。
レイシーが大変でなければわたしはレイシーにぜひお願いしたかった。
「それじゃ、お願いしようかな。わたしは一生レイシーの衣装を着ていられるんだね。幸せ者だ」
「はい、一生、お仕立てします」
一生という言葉が嬉しくて、わたしはレイシーに何度も「ありがとう」とお礼を言った。
皇帝の生誕祭では、わたしはレイシーを皇后にすることを公に発表しようと考えていた。
そのためにしておかなければいけないことがある。
反対派の公爵家や侯爵家を黙らせるのだ。
「シリル、ソフィアとの婚約はどうだ?」
「滞りなく仲を深めております」
「ロセル侯爵家は、レイシーを皇后に迎えることに賛成してくれるな?」
「間違いなく」
シリルに確認すれば、頭を下げて返事をしてくれる。
「ユリウス、ノルデン侯爵家はどうだ?」
「皇帝陛下のお心のままに」
「テオ、グランディ侯爵家は?」
「妃殿下に皇后になっていただきたいと思っております」
皇宮でも力を持っている側近の三人の実家は間違いなくレイシーを皇后にと推してくれている。
「全ての公爵家、侯爵家から文句が出ないようにしたい。シリル、ユリウス、テオ、どんな手を使ってもいい。反対派を黙らせろ」
わたしの命令に、シリルもユリウスもテオも、深く頭を下げて了承した。
わたしの側近たちは有能なのでこれで問題はないだろう。
後は属国の王族や要人たちだが、それに関しては、その国の文官を皇宮に受け入れる代わりに、わたしの妃に関して何も言わないようにと交換条件を出していた。
わたしの結婚後にシリルがソフィアと結婚してディアン伯爵家に婿入りするので、側近から抜けるのも都合がよかった。次の側近に近い地位を手に入れられる文官を皇宮に入れるために、属国が競い始めたのだ。
わたしは属国のどこにも肩入れをしない代わりに、どの属国にも可能性があると匂わせておいた。そのため、属国の王族や要人はわたしがレイシーを皇后に迎えることに関して、わたしの機嫌を取るために歓迎はしても、反対することはないだろう。
レイシーが皇后になる下準備を整えながら、わたしはお茶の時間にはできるだけ執務を抜けてレイシーの元に戻っていた。
40
あなたにおすすめの小説
元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
楠ノ木雫
恋愛
貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?
貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。
けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?
※他サイトにも投稿しています。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
悪役令嬢なので最初から愛されないことはわかっていましたが、これはさすがに想定外でした。
ふまさ
恋愛
──こうなることがわかっていれば、はじめから好きになんてならなかったのに。
彩香だったときの思いが、ふと蘇り、フェリシアはくすりと笑ってしまった。
ありがとう、前世の記憶。おかげでわたしは、クライブ殿下を好きにならずにすんだわ。
だからあるのは、呆れと、怒りだけだった。
※『乙女ゲームのヒロインの顔が、わたしから好きな人を奪い続けた幼なじみとそっくりでした』の、ifストーリーです。重なる文章があるため、前作は非公開とさせていただきました。読んでくれたみなさま、ありがとうございました。
枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!
宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。
静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。
……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか?
枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと
忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称)
これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、
――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
婚約破棄された悪役令嬢、手切れ金でもらった不毛の領地を【神の恵み(現代農業知識)】で満たしたら、塩対応だった氷の騎士様が離してくれません
夏見ナイ
恋愛
公爵令嬢アリシアは、王太子から婚約破棄された瞬間、歓喜に打ち震えた。これで退屈な悪役令嬢の役目から解放される!
前世が日本の農学徒だった彼女は、慰謝料として誰もが嫌がる不毛の辺境領地を要求し、念願の農業スローライフをスタートさせる。
土壌改良、品種改良、魔法と知識を融合させた革新的な農法で、荒れ地は次々と黄金の穀倉地帯へ。
当初アリシアを厄介者扱いしていた「氷の騎士」カイ辺境伯も、彼女の作る絶品料理に胃袋を掴まれ、不器用ながらも彼女に惹かれていく。
一方、彼女を追放した王都は深刻な食糧危機に陥り……。
これは、捨てられた令嬢が農業チートで幸せを掴む、甘くて美味しい逆転ざまぁ&領地経営ラブストーリー!
王子様とずっと一緒にいる方法
秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。
そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。
「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」
身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった!
「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」
「王子様と一緒にいられるの!?」
毎日お茶して、一緒にお勉強して。
姉の恋の応援もして。
王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。
でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。
そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……?
「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」
え? ずっと一緒にいられる方法があるの!?
――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。
彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。
※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる