潔癖王子の唯一無二

秋月真鳥

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潔癖王子編

7.暴かれた真実

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 毎日王子が通っているところを、尾行する大臣の手先は警戒していたが、同じ館に滞在しているものが目撃していたというのは、王子にとっては盲点だった。使用人は本来、主人に口を出さぬもの。存在しないものとして給仕をするが、あの少女の部屋でお茶や食事の用意をしてくれていた使用人が、走り込んできたのを、大臣が止めるのも聞かず、側に寄せた。

「あの方のお部屋に、異国のアルファ女性が押し入りました」

 身分が違うので止めることができなかったが、使用人は使用人なりに、あの少女の世話をして、情が移っていたのだろう。王子との仲を裂こうとする企みに気付いて、いち早く教えに来てくれた。
 替えの手袋も持たずに、長い脚でできるだけ早く駆け付けた離れの要人を滞在させる館の一番北の奥の部屋。扉をこじ開けると、愛しい少女がシャツの前も引き裂かれて開けられ、サロペットパンツのジッパーも半分下げられたあられもない姿で、ドレス姿の体格のいいアルファらしき女性に腰に跨られていた。
 その場所に載っていいのは私だけだ。
 怒りが脳髄を焼き、白い手袋が汚れるのも構わずに、王子は女性の顔面を鷲掴みにして、扉の外に放り出してしまった。
 こじ開けたせいで歪んだ鍵を腕力で真っすぐにして、厳重に鍵をかけると、王子は少女の元に駆け寄る。その時点で、視界に確りと乱れた少女の姿を治めていた。
 平らな胸にぽっちりと赤い小さな胸の尖り、薄い腹に、サロペットパンツの間から覗いている股間のものは、もしかしなくても男性器ではあるまいか。
 ずっと少女が自分のことを『僕』と言っていたし、一言も自分が『女性』であるとも言っていなかったことには気付いてはいたが、そういう趣味なのだろうと流していた。しかし、彼女、改め、彼を見たときの胎の疼きが、全てを物語っていた。

「無事か? 怖かっただろう」
「いやっ! 来ないで! 見ないで!」

 抱き寄せながらも、王子は感動で震えが止まらなかった。
 少女だと思っていたから、自分が抱く方かと考えていたが、そうではない。オメガとして、確かに王子は彼女改め彼を抱きたかったが、それは、彼に乗って、彼を飲み込んで食べてしまいたいという欲に違いなかった。

「出て行って!」
「出て行く必要などない。私はそなたを抱くのだから」
「だく……?」

 初めてが床の上では背骨の浮き出て良そうな身体は痛いだろうし、せっかくなのだからロマンチックにしたい。抱き上げた体は軽く、抵抗しても王子の腕から抜け出すことはできない。
 ベッドの上に丁重に置くと、その細い腰に跨って、王子はジャケットを脱ぎ始めた。シャツのボタンを外し、スラックスを脚から引き抜いて、下着も脱いでしまう。
 濃厚なフェロモンが漏れ始めた王子は、自分が発情期を操れるが故に、オメガだということが発覚したのが遅れたことに、気付いていた。腰の下で真っ赤な顔で震える彼を誘惑したいから、こんなにもフェロモンが出て、発情状態になってしまう。
 発情状態になっても理性が飛ぶどころか、王子は冷静に彼の服を脱がしていた。真っ赤な顔で欲情して中心を勃たせながら、ほろほろと涙を流す彼が愛おしくてならない。

「僕は、アルファで、男です……言えなくて、ごめんなさい……僕を抱いても、赤ちゃんはできません」
「赤ん坊は私が産む。そんなことを気にしていたのか」
「王子様が?」
「アレクだ。もうアレクと呼んでくれても良いだろう?」

 少女と思っていた彼は、男性だっただけではなく、オメガかと思っていたのにアルファだった。喜びで溢れる胸の内を打ち明けたいのに、フェロモンのせいでぼんやりしているのか、何を言われているのか少年は分かっていないようだった。
 きゅっと手で雫の滲んだ中心を根元から掴んで扱き上げると、びくびくと彼の身体が跳ねる。ひんひんと泣き出した彼の頬に口付けると、泣きながら、可愛い告白をされた。

「僕……その、まだで……」

 濡れたことはあるがまだはっきりと達したことがない。その告白が、王子を更に燃え上がらせた。体勢を変えて、よく筋肉の発達した尻を顔の方に向けると、双丘を割ってくぱりと濡れた場所を見せる。

「ここで、そなたの初めてをもらえるのだな」
「王子様……濡れて……? なんで……?」
「触れてくれないのか?」

 自分がオメガだと分かってもらえるように触れて欲しいと願えば、おずおずと華奢な指がぬるりと滑りを帯びた後孔に触れる。くちゅりと濡れた音をさせて入って来た指を、王子は締め付けた。中ではっきりと少年の指の形を感じる。
 躊躇いながらも、探るように動く指が悦くてたまらない。

「あっ! 熱い……中、動いて……」
「ここを埋めてくれるのだろう?」

 腰を動かして華奢な指を抜いて、王子は体勢を変えて再び、顔が見えるように少年の華奢な腰に跨った。そそり立つ中心は、雫を零して、今にも弾けそうに質量を増している。
 これが欲しい。
 王子の欲望は留まることを知らない。
 後孔に切っ先を宛がうと、「ふぇ」と少年の高い泣き声が上がった。

「出るっ! 出ちゃうっ!」
「まだだ。中で受け止めたい」
「ひっ! くるしいっ!」

 根元を握って達するのを堰き止めると、ぼろぼろと涙を流すのがまた可愛い。オメガのフェロモンにアルファは抗うことができない。腰を落としていくと、手を離した瞬間に、どくどくと熱い飛沫が胎に注ぎ込まれた。
 うっとりと胎を撫でて、王子が少年の耳朶を噛んで囁く。

「もっと、孕むまで注いでもらわねば」
「ひんっ! やぁ! イったばかり……ひぁっ!」

 達したばかりでも、フェロモンに溺れている少年の中心はすぐに芯を取り戻す。腰を動かして、締め付けて追い上げていくと、中で再び絶頂を迎えた。熱い飛沫を胎に受けて、王子もうっとりと快楽に身を委ねる。
 涙と洟でぐしゃぐしゃの顔も、流れる汗も、中を濡らす白濁も、全て愛しい。他のものならば到底受け入れがたいことが、この可憐な少年ならば、自ら食べてしまいたいと思うくらいに愛おしくてたまらない。

「もう、むりぃ……」
「私はまだ満足しておらぬ」

 くたりと少年が脱力しても、王子にとっては24年間拗らせて、ようやく出会った運命で、実った初恋である。簡単に終わらせるつもりなどなかった。腰を振り立てると、とくとくと力なく達しているのが分かる。

「もう、でないぃ……ひぁぁ!? あぁんっ!?」
「まだ出ておるぞ?」

 ぐちゅぐちゅと接合部が卑猥な音を立てて、王子が腰を振り立てる。
 力尽きて少年が意識を飛ばすまで、王子はその中心を飲み込んだままで責め立て続けた。
 気絶してしまった少年を抱えてシャワーで軽く体を流し、自分の身体を流すにあたって、王子はせっかく中に注ぎ込まれた白濁を掻き出してしまうのが惜しくなった。軽く表面だけシャワーで流して身体を拭き、全裸のままシーツを替えたベッドに戻る。萎えた少年の中心をくにくにと刺激して、中に飲み込んで、栓のようにして入れたまま、王子は少年を胸の上に乗せて眠りについた。
 翌朝目を覚ました少年が驚愕したのは言うまでもない。

「お、おうじ、さま……あっ!?」
「朝はさすがに元気なようだな」
「ひぁぁっ!? だめっ! あぁ!?」

 締め付けられて朝の生理現象で勃った中心が責め立てられ、呆気なく少年は達してしまう。ぐずぐずと泣いている少年の脇に手を入れて、膝の上に抱き締めると、後孔からとろりと白濁が零れたが、それも気にはならない。
 他の相手ならば発狂してしまうようなことでも、彼にはして欲しいと体が正直に求めてしまう。

「私たちは運命の番なのだよ。王子ではなくアレクと。そして、そなたの名前を」
「運命の……?」
「一目で惹かれ合ったであろう? 私はそなた以外に触ることもできぬ潔癖症なのに、そなたならば、どこに触れられても、キスさえも甘美に感じられる」
「アレク様……僕は、ヨウシア……ずっと、呼んで欲しかった、呼びたかった……僕はヨウシアです」

 裸の胸に縋って泣くヨウシアは、少年だと分かった後でも、変わらず可憐だった。顔中にキスを落として、王子、アレクサンテリはヨウシアの名前を呼ぶ。

「ヨウシア。私の可愛いヨウシア。愛しいヨウシア」
「はい、アレク様」
「結婚してくれるね?」

 甘い囁きに、くしゃりとヨウシアの顔が泣き顔に変わる。

「き、キスを……」
「そうだった、キスをしていなかった。私のヨウシアはキスが好きなのに」

 顎を掬って口付けると、ヨウシアの閉じた瞼から涙が溢れた。
 誓うように何度も口付けていると、ヨウシアはそのままくたりとアレクサンテリの胸に倒れ込んでしまった。
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