6 / 23
6.番外:仲間たち
しおりを挟む
ファイから伝言を預かったカルラは街に居るだろう仲間たちを探していた。
「ん~…あ、居た。また飲みまくってやがるなアイツら…」
とある酒場の裏に舞い降りると同時に人に変身した。羽根の色と同じ赤と金が交じる長髪の美丈夫。
「いちいち人化すんのもめんどくせぇな…」
主であるファイから店など人が多い場所には人化して行けと言われている。魔獣の姿で入ると攻撃されて面倒な事になるからだ。攻撃して来た奴らを殺せば済む話だと言ったら1週間魔力を貰えなくて餓死するところだった。
従魔になると主からの魔力供給も必須になるから魔力を貰えないと死んでしまうのだ。
それからはなるべくファイには逆らわないように気をつけている。
伝言を伝える為に酒臭い酒場へ入って行った。
酒場の奥の方に三人の男がテーブルいっぱいに酒瓶を広げ呑み明かしていた。
「おい。お前らは酒を呑みにくるしかやる事はねえのか?」
「お…カルラじゃん。ファイは一緒じゃねえのか?」
こいつはこのパーティーのタンクをしているコーガ。
虎族の体躯がデカい男だ。力自慢の男だったが、ファイに負けてからファイに勝つまで着いてくといってパーティーに入った男。未だに勝てていない可哀想な奴だ。
「…ファイに番が出来た。その番と先に戻るってよ」
「はっ!?ファイに!?どんな子!?可愛い!?」
「…お前手ぇ出したら殺されるぞ?我もめっちゃ牽制されたぞ」
「出すわけないじゃ~ん。興味があるだけ!!」
「う~ん…ちっこいガキだったなぁ。だが、銀髪で美しい顔してた。そんで魔力は相当良さそう…一度は食うてみたい魔力だな」
「へぇ~カルラがそこまで言う程の魔力かぁ…もっと興味わいちゃったなぁ…」
この男は国一番と言われているエルフの魔術師のサイール。滅多に外に顔を出さない引きこもりエルフと違って里から降りて人の街に来た変わり者。真面目そうな顔して中身はめちゃくちゃチャラい奴。頭のネジ1本は確実に取れてるイカれた奴だ。魔術にしか興味がない。
「何それ何それ!!めっちゃ気になる!!僕たちも戻ろうよ!!何なら途中合流しちゃおうよ!!」
こいつはパーティーの斥候を務める元孤児の黒猫のルトラ。可愛らしい女の姿をしているがれっきとした男。斥候とは言っているがほぼ暗殺者だ。身を潜め獲物をこっそり殺すことが得意な奴。偵察暗殺何でもこなす。ファイに助けられた事でファイを崇拝していると言っていい程に懐いている。身体が小さい事に悩んでいたらしいが最近は便利だとよく女装までしている…。
「伝言はしたからな。我は戻る。臭くてかなわん…」
「あ…!カルラ!ファイに伝言!追いかけるからよろしく言っといて!」
「…了解」
「番ちゃんにお土産持ってく?甘いの好きかなぁ?僕のお気に入りのお菓子買っていこうかなぁ」
「買うなら酒だろ。酒1択!」
「それコーガが呑みたいだけじゃん?魔術書とかどう?」
「それこそサイールしか欲しがらないでしょ?」
こんな我が強い奴らが集まったパーティーは滅多にないだろう。それが戦闘になると綺麗な連携で負け知らず。面白い奴らだ。
さて、我は一足先にファイの元へもどるとするか…。
帰りに魔獣を狩りながら帰ろう。暇だし。
「ん~…あ、居た。また飲みまくってやがるなアイツら…」
とある酒場の裏に舞い降りると同時に人に変身した。羽根の色と同じ赤と金が交じる長髪の美丈夫。
「いちいち人化すんのもめんどくせぇな…」
主であるファイから店など人が多い場所には人化して行けと言われている。魔獣の姿で入ると攻撃されて面倒な事になるからだ。攻撃して来た奴らを殺せば済む話だと言ったら1週間魔力を貰えなくて餓死するところだった。
従魔になると主からの魔力供給も必須になるから魔力を貰えないと死んでしまうのだ。
それからはなるべくファイには逆らわないように気をつけている。
伝言を伝える為に酒臭い酒場へ入って行った。
酒場の奥の方に三人の男がテーブルいっぱいに酒瓶を広げ呑み明かしていた。
「おい。お前らは酒を呑みにくるしかやる事はねえのか?」
「お…カルラじゃん。ファイは一緒じゃねえのか?」
こいつはこのパーティーのタンクをしているコーガ。
虎族の体躯がデカい男だ。力自慢の男だったが、ファイに負けてからファイに勝つまで着いてくといってパーティーに入った男。未だに勝てていない可哀想な奴だ。
「…ファイに番が出来た。その番と先に戻るってよ」
「はっ!?ファイに!?どんな子!?可愛い!?」
「…お前手ぇ出したら殺されるぞ?我もめっちゃ牽制されたぞ」
「出すわけないじゃ~ん。興味があるだけ!!」
「う~ん…ちっこいガキだったなぁ。だが、銀髪で美しい顔してた。そんで魔力は相当良さそう…一度は食うてみたい魔力だな」
「へぇ~カルラがそこまで言う程の魔力かぁ…もっと興味わいちゃったなぁ…」
この男は国一番と言われているエルフの魔術師のサイール。滅多に外に顔を出さない引きこもりエルフと違って里から降りて人の街に来た変わり者。真面目そうな顔して中身はめちゃくちゃチャラい奴。頭のネジ1本は確実に取れてるイカれた奴だ。魔術にしか興味がない。
「何それ何それ!!めっちゃ気になる!!僕たちも戻ろうよ!!何なら途中合流しちゃおうよ!!」
こいつはパーティーの斥候を務める元孤児の黒猫のルトラ。可愛らしい女の姿をしているがれっきとした男。斥候とは言っているがほぼ暗殺者だ。身を潜め獲物をこっそり殺すことが得意な奴。偵察暗殺何でもこなす。ファイに助けられた事でファイを崇拝していると言っていい程に懐いている。身体が小さい事に悩んでいたらしいが最近は便利だとよく女装までしている…。
「伝言はしたからな。我は戻る。臭くてかなわん…」
「あ…!カルラ!ファイに伝言!追いかけるからよろしく言っといて!」
「…了解」
「番ちゃんにお土産持ってく?甘いの好きかなぁ?僕のお気に入りのお菓子買っていこうかなぁ」
「買うなら酒だろ。酒1択!」
「それコーガが呑みたいだけじゃん?魔術書とかどう?」
「それこそサイールしか欲しがらないでしょ?」
こんな我が強い奴らが集まったパーティーは滅多にないだろう。それが戦闘になると綺麗な連携で負け知らず。面白い奴らだ。
さて、我は一足先にファイの元へもどるとするか…。
帰りに魔獣を狩りながら帰ろう。暇だし。
311
あなたにおすすめの小説
【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~
蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。
転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。
戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。
マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。
皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた!
しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった!
ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。
皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。
婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。
零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。
鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。
ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。
「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、
「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。
互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。
他にも幼馴染み達の一抹の寂寥を切り取った短篇や、
両想いなのに攻めの鈍感さで拗れる二人の恋を含む全四篇。
フッと笑えて、ギュッと胸が詰まる。
丁寧に読みたい、大人のためのファンタジーBL。
他サイトでも公開しております。
平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
月・木更新
第13回BL大賞エントリーしています。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる