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1.目覚め
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誰にも愛されないのは辛い…寂しい…苦しい……。
でもこれは仕方のないことなんだ……。
愛してもらう資格なんて僕にはないのだから…。
愛してくれる人がいないのなら……僕が居なくなっても悲しむ人はいないって事…だよね…?
父上…僕が生まれてきてごめんなさい…。
兄上…貴方から母上を奪ってごめんなさい。
ごめんなさい…ごめんなさい……ごめんなさい………。
子供が泣いてる……。
親は何処だ……?
蹲って声を押し殺しながら泣いている5歳くらいの男の子の頭を思わず撫でてしまった。
「…っ……お兄さん…誰……?」
「…俺?」
男の子に聞かれて俺は考えてしまった。
俺は誰だ?何故ここにいる?
今まで何をしてた?
男の子に聞かれて初めて自分が何者なのか、何故ここにいるか考えて何もわからないことに気がついた。
「あー…俺もわからん。でもお前を虐める気も一人にする気もないぞ?」
「…一緒に…居てくれるの?」
「うん」
「…へへっ…僕と一緒に居てくれるの嬉しい…。僕いつも一人だからこうやってお喋りしてくれる人居なかったから…。」
それから二人は沢山話をした。
話している間に自分のことも徐々に思い出してきた。
「じゃあお兄さんは事故に遭ってしんじゃったの?」
「そうだな。引かれそうになった子供を庇って死んだ。後悔はしてないけど親より先に死んだのは悪かったな…とは思った。親より先に逝くのは親不孝者とか言われるしなぁ。」
「……意図せず死んじゃったお兄さんはもっと生きてやりたいことあった…?」
「ん~…今色々忘れてるからあれだけどきっとあったんじゃないかなぁ。生きていればどんなに小さな事でもやりたい事ってのは少なからず出来るもんだと思ってるけど…お前にはなかったのか?」
「……あったよ。あったけどね…僕のやりたいことはどう頑張ってもどうにもならない事で…諦めて死んじゃった」
「……諦めなきゃいけなかったのか?」
「やり続けるのに疲れちゃったんだよ。頑張っても頑張ってもどうにもならなくてどんどん心だけが疲弊し続けてもう終わりにしようって所まできちゃった。体は元気でも心が死んじゃったの」
小さく蹲る男の子の頭を撫でてあげた。こんな小さな子が生きることを諦めるなんて相当辛かったのだろう…。
「そんなお兄さんに朗報だよ。僕の体で悪いんだけど転生許可が下りたよ。こちらの世界で生きて好きな事していいよ!」
「は?何だよそれ…。お前の体って…お前はどうすんだよ!」
「…僕は…このまま神様の元に行く予定なの。精神が疲弊し過ぎて次の転生まで時間がかかるんだって…」
「俺は何でお前の体に転生なんだ?」
「……あのね、僕がお兄さんと仲良くなりすぎちゃったから僕の体に魂が引っ張られてるみたい。僕が引っ張ってるようなものだけど、僕はその体に戻れないの。死んだ魂は同じ体に戻れないから……面倒な体だけどお兄さんならなんとかなるんじゃないかな?自由に好きにしちゃっていいよ!」
「……何だよそれ……お前はそれでいいの?」
「うん!」
「…そっか。ならいいや。お前の体貰ってやる」
「ふふっ…次の人生楽しんでね。お兄さんなら僕の体で僕とは全く違った人生歩めるんじゃないかなぁ。あ、あとね神様がお兄さんに加護与えたから上手く使いなさいって」
「それ本人から言わないといけないやつじゃね?」
「ふふっ…今はまだあまり干渉できないみたい。でも教会?にきて祈れば特別に会えるって!!」
「そっか。まぁいいや。……じゃあな。また会えるといいな」
「…うん、またねお兄さん……」
男の子はとても綺麗に笑って手を振ってた。
神様とやらの下で元気になるといいな。
そう思った瞬間目の前が真っ白になって意識が落ちた。
目覚めたら知らない天井が目に入った。
「……あ……」
そして俺は今までの自分とは違う小さな手を見てあの男の子に入ったのだと自覚したと同時に自然と涙が溢れた……。
これはきっと彼の最後の感情……だったのだろう…。
……バイバイ、またね。
でもこれは仕方のないことなんだ……。
愛してもらう資格なんて僕にはないのだから…。
愛してくれる人がいないのなら……僕が居なくなっても悲しむ人はいないって事…だよね…?
父上…僕が生まれてきてごめんなさい…。
兄上…貴方から母上を奪ってごめんなさい。
ごめんなさい…ごめんなさい……ごめんなさい………。
子供が泣いてる……。
親は何処だ……?
蹲って声を押し殺しながら泣いている5歳くらいの男の子の頭を思わず撫でてしまった。
「…っ……お兄さん…誰……?」
「…俺?」
男の子に聞かれて俺は考えてしまった。
俺は誰だ?何故ここにいる?
今まで何をしてた?
男の子に聞かれて初めて自分が何者なのか、何故ここにいるか考えて何もわからないことに気がついた。
「あー…俺もわからん。でもお前を虐める気も一人にする気もないぞ?」
「…一緒に…居てくれるの?」
「うん」
「…へへっ…僕と一緒に居てくれるの嬉しい…。僕いつも一人だからこうやってお喋りしてくれる人居なかったから…。」
それから二人は沢山話をした。
話している間に自分のことも徐々に思い出してきた。
「じゃあお兄さんは事故に遭ってしんじゃったの?」
「そうだな。引かれそうになった子供を庇って死んだ。後悔はしてないけど親より先に死んだのは悪かったな…とは思った。親より先に逝くのは親不孝者とか言われるしなぁ。」
「……意図せず死んじゃったお兄さんはもっと生きてやりたいことあった…?」
「ん~…今色々忘れてるからあれだけどきっとあったんじゃないかなぁ。生きていればどんなに小さな事でもやりたい事ってのは少なからず出来るもんだと思ってるけど…お前にはなかったのか?」
「……あったよ。あったけどね…僕のやりたいことはどう頑張ってもどうにもならない事で…諦めて死んじゃった」
「……諦めなきゃいけなかったのか?」
「やり続けるのに疲れちゃったんだよ。頑張っても頑張ってもどうにもならなくてどんどん心だけが疲弊し続けてもう終わりにしようって所まできちゃった。体は元気でも心が死んじゃったの」
小さく蹲る男の子の頭を撫でてあげた。こんな小さな子が生きることを諦めるなんて相当辛かったのだろう…。
「そんなお兄さんに朗報だよ。僕の体で悪いんだけど転生許可が下りたよ。こちらの世界で生きて好きな事していいよ!」
「は?何だよそれ…。お前の体って…お前はどうすんだよ!」
「…僕は…このまま神様の元に行く予定なの。精神が疲弊し過ぎて次の転生まで時間がかかるんだって…」
「俺は何でお前の体に転生なんだ?」
「……あのね、僕がお兄さんと仲良くなりすぎちゃったから僕の体に魂が引っ張られてるみたい。僕が引っ張ってるようなものだけど、僕はその体に戻れないの。死んだ魂は同じ体に戻れないから……面倒な体だけどお兄さんならなんとかなるんじゃないかな?自由に好きにしちゃっていいよ!」
「……何だよそれ……お前はそれでいいの?」
「うん!」
「…そっか。ならいいや。お前の体貰ってやる」
「ふふっ…次の人生楽しんでね。お兄さんなら僕の体で僕とは全く違った人生歩めるんじゃないかなぁ。あ、あとね神様がお兄さんに加護与えたから上手く使いなさいって」
「それ本人から言わないといけないやつじゃね?」
「ふふっ…今はまだあまり干渉できないみたい。でも教会?にきて祈れば特別に会えるって!!」
「そっか。まぁいいや。……じゃあな。また会えるといいな」
「…うん、またねお兄さん……」
男の子はとても綺麗に笑って手を振ってた。
神様とやらの下で元気になるといいな。
そう思った瞬間目の前が真っ白になって意識が落ちた。
目覚めたら知らない天井が目に入った。
「……あ……」
そして俺は今までの自分とは違う小さな手を見てあの男の子に入ったのだと自覚したと同時に自然と涙が溢れた……。
これはきっと彼の最後の感情……だったのだろう…。
……バイバイ、またね。
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