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2.新しい生活
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目覚めた先は天蓋付きベッド。
見回せばかなりいいとこの坊っちゃんだったらしいことがわかる。
ベッドから降りて窓際に歩いていく。
窓に写った姿は彼の顔。
白に近い銀髪にエメラルドの瞳。
だが、あの白い部屋で見たふっくらとした可愛らしい顔と健康そうな小さな体とは違って食事が不十分だったのか少し頬がコケた白い顔にやせ細った体。あの白い部屋で会ったあの子は5歳くらいだと思ってたが現実の体はだいぶ成長した体のようだ。たぶん15.6歳くらいだろうか。現実はそれ程厳しい状態だったのだと彼の体に転生して改めて感じた。
コンコン…
「失礼致します」
ノックと共に入ってきたのはメイド。
「…!!ナサニエル様お目覚めになったのですね?!旦那様にお伝えしてきますっ!」
バタバタと走り去っていった。
メイドがいるような環境なんだここ…。もしかして金持ち?
俺はこの体に入ってから、彼…ナサニエルの記憶を全て引き継いでいた。彼に何があったのか全て何もかも。彼の意識がなくとも彼の体には全て記憶されていたようだった。
家族からだいぶ冷遇されていたナサニエル。
父であるランドルフ・ラージェン公爵、もう一人は長男であるダニエル・ラージェン。
母のソフィアはナサニエルを産んだと同時に天に召された。
父は最愛の妻を亡くした悲しみに耐えられず、兄は母を奪ったと弟を憎み、生まれたばかりのナサニエルに愛情をかけることをしなかった。ナサニエルの所為じゃないのにな…。
物心ついたときには側にはメイドが一人。
家族と会えるのは食事の席でのみ。その食事さえも滅多に時間が合わないけれど。
貴重な食事の時間に頑張って声をかけるが話をしてもらえない。逆に食事中は静かにしろと注意を受けて声を出す事も許されなくなった。
すれ違いざまに挨拶をしても返事を返してはもらえず、睨まれるだけ。
何故自分が話をしてもらえないのか最初は分からなかったから話をしてもらうために一生懸命頑張っていた。
自分の話し方がいけない?声が小さいから?言葉遣いがだめ?何が駄目かわからないから頑張って勉強もした。
まさか自分の存在自体が嫌われ憎まれているとは思いもしなかったナサニエル。
偶々一人で屋敷内を歩いていた時にメイドの立ち話を聞いた。
自分が生まれたせいで母が亡くなり、そのせいで家族に憎まれているのだと……。
父上の自分を見る冷たい目と、兄の怒りの目。
「僕が生まれなければ家族は平和だった。僕が母上を殺してしまった。僕は生まれてはいけなかった……」
これがナサニエルが精神を病んだ原因。
クソだ。
子は親を選べないのに何故生まれたばかりの赤ん坊を悲しみと憎しみの捌け口にされなくてはいけないのだ。
考えればわかるだろうに。
母が死ぬ覚悟をしてどんな思いで産んだのかも…。
ナサニエル…悪いが、こんな家族は家族とは一切思えない。
好きに生きてと言われたら俺はこの家族とは縁を切るの一択だ。
ナサニエル…俺と一緒に自由に世界を生きよう。
カチャリ…
部屋に入ってきたのは家族と言えない父と兄。
「……体調はどうだ?」
…このやせ細った姿を見て何故そんな言葉が出てくるのか甚だ疑問だった。馬鹿なの…?
「大丈夫です。ご迷惑をお掛け致しました」
「…そうか。ならいい。暫く休んで体力を戻しなさい。なんせ10年も寝ていたのだから…」
「……10年……?」
「そうだ。お前はすでに18歳だ。原因不明で寝ていたとはいえ、貴族なのだからこれからの事を考えなくてはならん。お前もよく考えておくように」
…心配なんぞこれっぽっちもしてないならわざわざ来なくてもいいのにと思ってたけどそれを言いたかっただけか。家族の情なぞ一欠片もねぇんだな。
現に兄のダニエルなんか喋りもしない。ただ険しい顔でこちらを見てるだけ。
「はい。承知致しました」
二人が出ていったと同時に重いため息を吐く。
「……めんどい…っていうかナサニエルって18歳なの?この身長で?あの部屋でみたナサニエルは8歳だった?発育不足にも程があるでしょ……マジで最悪だったんだな……」
縁を切ると決めた俺は先ずこの体を健康にすることを最優先にした。
「これから食事は全て部屋で取るからよろしくね?」
「…っかしこまりました。お部屋にお食事をお持ち致します」
メイドにそう言って朝食前の紅茶を頂いた。
うん。美味い。
見回せばかなりいいとこの坊っちゃんだったらしいことがわかる。
ベッドから降りて窓際に歩いていく。
窓に写った姿は彼の顔。
白に近い銀髪にエメラルドの瞳。
だが、あの白い部屋で見たふっくらとした可愛らしい顔と健康そうな小さな体とは違って食事が不十分だったのか少し頬がコケた白い顔にやせ細った体。あの白い部屋で会ったあの子は5歳くらいだと思ってたが現実の体はだいぶ成長した体のようだ。たぶん15.6歳くらいだろうか。現実はそれ程厳しい状態だったのだと彼の体に転生して改めて感じた。
コンコン…
「失礼致します」
ノックと共に入ってきたのはメイド。
「…!!ナサニエル様お目覚めになったのですね?!旦那様にお伝えしてきますっ!」
バタバタと走り去っていった。
メイドがいるような環境なんだここ…。もしかして金持ち?
俺はこの体に入ってから、彼…ナサニエルの記憶を全て引き継いでいた。彼に何があったのか全て何もかも。彼の意識がなくとも彼の体には全て記憶されていたようだった。
家族からだいぶ冷遇されていたナサニエル。
父であるランドルフ・ラージェン公爵、もう一人は長男であるダニエル・ラージェン。
母のソフィアはナサニエルを産んだと同時に天に召された。
父は最愛の妻を亡くした悲しみに耐えられず、兄は母を奪ったと弟を憎み、生まれたばかりのナサニエルに愛情をかけることをしなかった。ナサニエルの所為じゃないのにな…。
物心ついたときには側にはメイドが一人。
家族と会えるのは食事の席でのみ。その食事さえも滅多に時間が合わないけれど。
貴重な食事の時間に頑張って声をかけるが話をしてもらえない。逆に食事中は静かにしろと注意を受けて声を出す事も許されなくなった。
すれ違いざまに挨拶をしても返事を返してはもらえず、睨まれるだけ。
何故自分が話をしてもらえないのか最初は分からなかったから話をしてもらうために一生懸命頑張っていた。
自分の話し方がいけない?声が小さいから?言葉遣いがだめ?何が駄目かわからないから頑張って勉強もした。
まさか自分の存在自体が嫌われ憎まれているとは思いもしなかったナサニエル。
偶々一人で屋敷内を歩いていた時にメイドの立ち話を聞いた。
自分が生まれたせいで母が亡くなり、そのせいで家族に憎まれているのだと……。
父上の自分を見る冷たい目と、兄の怒りの目。
「僕が生まれなければ家族は平和だった。僕が母上を殺してしまった。僕は生まれてはいけなかった……」
これがナサニエルが精神を病んだ原因。
クソだ。
子は親を選べないのに何故生まれたばかりの赤ん坊を悲しみと憎しみの捌け口にされなくてはいけないのだ。
考えればわかるだろうに。
母が死ぬ覚悟をしてどんな思いで産んだのかも…。
ナサニエル…悪いが、こんな家族は家族とは一切思えない。
好きに生きてと言われたら俺はこの家族とは縁を切るの一択だ。
ナサニエル…俺と一緒に自由に世界を生きよう。
カチャリ…
部屋に入ってきたのは家族と言えない父と兄。
「……体調はどうだ?」
…このやせ細った姿を見て何故そんな言葉が出てくるのか甚だ疑問だった。馬鹿なの…?
「大丈夫です。ご迷惑をお掛け致しました」
「…そうか。ならいい。暫く休んで体力を戻しなさい。なんせ10年も寝ていたのだから…」
「……10年……?」
「そうだ。お前はすでに18歳だ。原因不明で寝ていたとはいえ、貴族なのだからこれからの事を考えなくてはならん。お前もよく考えておくように」
…心配なんぞこれっぽっちもしてないならわざわざ来なくてもいいのにと思ってたけどそれを言いたかっただけか。家族の情なぞ一欠片もねぇんだな。
現に兄のダニエルなんか喋りもしない。ただ険しい顔でこちらを見てるだけ。
「はい。承知致しました」
二人が出ていったと同時に重いため息を吐く。
「……めんどい…っていうかナサニエルって18歳なの?この身長で?あの部屋でみたナサニエルは8歳だった?発育不足にも程があるでしょ……マジで最悪だったんだな……」
縁を切ると決めた俺は先ずこの体を健康にすることを最優先にした。
「これから食事は全て部屋で取るからよろしくね?」
「…っかしこまりました。お部屋にお食事をお持ち致します」
メイドにそう言って朝食前の紅茶を頂いた。
うん。美味い。
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