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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百六十一話 大いなる初動
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敵の奇襲攻撃は収まったが、メガネにはまだ敵の反応が残っている。
「ここからが正念場だぞ」
イズミは左腕の痛みに顔を顰めながら、マグナムとアサルトライフルのリロードをして周囲を見渡した。
冒険者ギルドも光の教会も負傷者は居るものの、ロレッタの治療のお陰で幸いにも死者は出ていない。
左手に腕時計を着けると、戻ってきたベリアにも先程の敵の事を伝えておく。
「とにかくごちゃ混ぜな連中だよ。変な臭いの原因も案外ソレかもしれないな?」
「どう変化したのかは不明だからなんとも…アタイが倒した奴等も、武器以外の手持ちが無くて探れなかった」
「その武器も特殊な代物じゃないし、手詰まりか」
そんな会話をしていると、遠くからマスタングが自動運転で冒険者ギルドの拠点前にまでやって来た。
「マスター、敵が撤退しています。移動先をスキャンしたら多数の反応がありました」
「奇襲攻撃が失敗したから、今度は数に物を言わせて総攻撃とか?」
「敵の数は凡そ1000です」
マスタングの報告を聞いたベリアが、休憩で飲んでいた水を噴いた。
「何でそんなに居るんだよ!?」
「目的が無きゃ集まってないだろ、肝心の目的が分からないが…多分ダンジョンにあるんだろうな」
メガネで確認出来る敵の反応が人間の移動速度とは思えぬ速さで離れてゆく。
イズミはアサルトライフルをショルダーバッグに仕舞い込むと、マスタングの運転席に乗り込み敵の反応が停止する迄モニターを静観する。
「そんなに離れてはいないな…追って夜の内に葬っておいた方が安眠出来そうだ」
「良い装備があります」
動きが止まったのを確認したイズミが呟くと、マスタングからの新装備の提案があった。
モニターの情報が更新されたので確認すると、マスタングから発射出来る武装が表示される。
ミサイルから何らかの液体を噴射し、その後大爆発を起こす映像が流れる。
「所謂、燃料気化爆弾です」
「…」
イズミは言葉に詰まってしまった。
「ナパームじゃ、ないんだな」
「敵はまだ本格的には動いておりません。効率的に無力化するのであれば、我々の武装に適合及び最適化させた燃料気化爆弾が妥当かと…マスター、相手の規模からするに、これは明らかに戦争を仕掛ける為の初動です」
「だとしても、コイツはちょっと過剰と言うか」
「遅かれ早かれ大規模な戦闘は避けられません、敵は既に計画を実行に移していると考えるべきです」
「殺られる前に殺れ、初手で決着をつけるのか」
小さく息を吐いたイズミは、モニターに表示されている実体化ボタンを押した。
「少し気が重いが、散らばられると厄介だ。今が狙い目か」
マスタングの運転を自動から手動に切り替えて貰うと、アクセルを軽く吹かしてV8エンジンの鼓動で心を落ち着かせる。
「イズミ、今度は何をするんだ?」
助手席に乗り込んで来たベリアが、真剣な表情でイズミに聞いてきた。
「今から敵を葬りに行く」
「1000人を一気に相手するのか?流石に無理があるだろ」
「策は練ったよ」
「…分かった、みんなには周囲の警戒を頼んでおく。アタイも付いて行くからな」
ベリアは素早く冒険者ギルドと光の教会に事情を伝えると、マスタングまで戻って来た。
「イズミは何でも1人で抱え込む癖があるよな」
「そうか?」
「そうだ、難しい事を考えてる顔をしてるし。もう少し誰かを頼った方が良い」
「…そうかもな」
地獄へ行くのも玉座を目指すのも、1人が1番早い。
昔読んだ小説にそんな言葉があったような記憶が蘇ってきたが、イズミは言葉にする事はしなかった。
敵の拠点へとマスタングを走らせていると、モニター上にポイントされていた敵の反応に変化があった。
「マスター、敵の魔法反応に異常な変化を検知しました」
「異常な変化ってのは、魔力量が急激に増大したとか?」
「原色系の絵の具を混ぜ合わせたかのような変化です」
ベリアがモニターを操作して敵拠点全体が見えるようにしてくれたが、瞬く間に赤色だったポイントが紫色へと変わってゆく。
「短期間でこの変化は…薬っぽいな。飲むか打つかしてるだろ」
「可能性はあります」
敵に悟られない距離でマスタングを止めると、降りたベリアが風の匂いを確かめる。
「ヴェッ、何だこれ気持ち悪ぃ」
ベリアが吐きそうになっているので、イズミは嗅覚保護のドリンクを渡して飲ませる。
落ち着きを取り戻したベリアは、臭いについて簡単に報告してくれた。
「何と言うか…色んな生物の糞尿とか吐しゃ物とか腐乱した物とか、兎に角そんなのを鍋に入れて煮込んでる感じ」
「聴いてるだけで俺も気分が悪くなってきた」
そんな状態の連中と接近戦をするのは御免被りたいので、さっさとミサイルを撃ち込むとしよう。
「マスター、有効射程圏内に入りました。何時でも撃てます」
「念の為に確認だが、民間人の魔法反応はあるか?」
「精密確認します…確認完了、ゼロです。この地に住まう精霊達や妖精達も避難済みです」
「分かった。撃とう」
ベリアが車内に戻って来たので、マスタングにはミサイルの発射準備を完了させる。
発射ボタンはモニターに表示された。
大きく深呼吸をしたイズミは、無言で発射ボタンを押した。
勢い良く発射された6発のミサイルは綺麗な放物線を描き、敵拠点目掛けて飛んでゆく。
程なくして遠くが夜にも関わらず明るくなり、モニターに表示されていた魔法反応が一斉に消失してゆく。
「全弾正常動作を確認、敵残存戦力は50%を下回りました。もう一度撃ちますか?」
「…敵の秘密を探りたい所だが、撃っておこう」
更に6発のミサイルを発射すると、モニターに表示されていた反応は全て消えた。
「ここからが正念場だぞ」
イズミは左腕の痛みに顔を顰めながら、マグナムとアサルトライフルのリロードをして周囲を見渡した。
冒険者ギルドも光の教会も負傷者は居るものの、ロレッタの治療のお陰で幸いにも死者は出ていない。
左手に腕時計を着けると、戻ってきたベリアにも先程の敵の事を伝えておく。
「とにかくごちゃ混ぜな連中だよ。変な臭いの原因も案外ソレかもしれないな?」
「どう変化したのかは不明だからなんとも…アタイが倒した奴等も、武器以外の手持ちが無くて探れなかった」
「その武器も特殊な代物じゃないし、手詰まりか」
そんな会話をしていると、遠くからマスタングが自動運転で冒険者ギルドの拠点前にまでやって来た。
「マスター、敵が撤退しています。移動先をスキャンしたら多数の反応がありました」
「奇襲攻撃が失敗したから、今度は数に物を言わせて総攻撃とか?」
「敵の数は凡そ1000です」
マスタングの報告を聞いたベリアが、休憩で飲んでいた水を噴いた。
「何でそんなに居るんだよ!?」
「目的が無きゃ集まってないだろ、肝心の目的が分からないが…多分ダンジョンにあるんだろうな」
メガネで確認出来る敵の反応が人間の移動速度とは思えぬ速さで離れてゆく。
イズミはアサルトライフルをショルダーバッグに仕舞い込むと、マスタングの運転席に乗り込み敵の反応が停止する迄モニターを静観する。
「そんなに離れてはいないな…追って夜の内に葬っておいた方が安眠出来そうだ」
「良い装備があります」
動きが止まったのを確認したイズミが呟くと、マスタングからの新装備の提案があった。
モニターの情報が更新されたので確認すると、マスタングから発射出来る武装が表示される。
ミサイルから何らかの液体を噴射し、その後大爆発を起こす映像が流れる。
「所謂、燃料気化爆弾です」
「…」
イズミは言葉に詰まってしまった。
「ナパームじゃ、ないんだな」
「敵はまだ本格的には動いておりません。効率的に無力化するのであれば、我々の武装に適合及び最適化させた燃料気化爆弾が妥当かと…マスター、相手の規模からするに、これは明らかに戦争を仕掛ける為の初動です」
「だとしても、コイツはちょっと過剰と言うか」
「遅かれ早かれ大規模な戦闘は避けられません、敵は既に計画を実行に移していると考えるべきです」
「殺られる前に殺れ、初手で決着をつけるのか」
小さく息を吐いたイズミは、モニターに表示されている実体化ボタンを押した。
「少し気が重いが、散らばられると厄介だ。今が狙い目か」
マスタングの運転を自動から手動に切り替えて貰うと、アクセルを軽く吹かしてV8エンジンの鼓動で心を落ち着かせる。
「イズミ、今度は何をするんだ?」
助手席に乗り込んで来たベリアが、真剣な表情でイズミに聞いてきた。
「今から敵を葬りに行く」
「1000人を一気に相手するのか?流石に無理があるだろ」
「策は練ったよ」
「…分かった、みんなには周囲の警戒を頼んでおく。アタイも付いて行くからな」
ベリアは素早く冒険者ギルドと光の教会に事情を伝えると、マスタングまで戻って来た。
「イズミは何でも1人で抱え込む癖があるよな」
「そうか?」
「そうだ、難しい事を考えてる顔をしてるし。もう少し誰かを頼った方が良い」
「…そうかもな」
地獄へ行くのも玉座を目指すのも、1人が1番早い。
昔読んだ小説にそんな言葉があったような記憶が蘇ってきたが、イズミは言葉にする事はしなかった。
敵の拠点へとマスタングを走らせていると、モニター上にポイントされていた敵の反応に変化があった。
「マスター、敵の魔法反応に異常な変化を検知しました」
「異常な変化ってのは、魔力量が急激に増大したとか?」
「原色系の絵の具を混ぜ合わせたかのような変化です」
ベリアがモニターを操作して敵拠点全体が見えるようにしてくれたが、瞬く間に赤色だったポイントが紫色へと変わってゆく。
「短期間でこの変化は…薬っぽいな。飲むか打つかしてるだろ」
「可能性はあります」
敵に悟られない距離でマスタングを止めると、降りたベリアが風の匂いを確かめる。
「ヴェッ、何だこれ気持ち悪ぃ」
ベリアが吐きそうになっているので、イズミは嗅覚保護のドリンクを渡して飲ませる。
落ち着きを取り戻したベリアは、臭いについて簡単に報告してくれた。
「何と言うか…色んな生物の糞尿とか吐しゃ物とか腐乱した物とか、兎に角そんなのを鍋に入れて煮込んでる感じ」
「聴いてるだけで俺も気分が悪くなってきた」
そんな状態の連中と接近戦をするのは御免被りたいので、さっさとミサイルを撃ち込むとしよう。
「マスター、有効射程圏内に入りました。何時でも撃てます」
「念の為に確認だが、民間人の魔法反応はあるか?」
「精密確認します…確認完了、ゼロです。この地に住まう精霊達や妖精達も避難済みです」
「分かった。撃とう」
ベリアが車内に戻って来たので、マスタングにはミサイルの発射準備を完了させる。
発射ボタンはモニターに表示された。
大きく深呼吸をしたイズミは、無言で発射ボタンを押した。
勢い良く発射された6発のミサイルは綺麗な放物線を描き、敵拠点目掛けて飛んでゆく。
程なくして遠くが夜にも関わらず明るくなり、モニターに表示されていた魔法反応が一斉に消失してゆく。
「全弾正常動作を確認、敵残存戦力は50%を下回りました。もう一度撃ちますか?」
「…敵の秘密を探りたい所だが、撃っておこう」
更に6発のミサイルを発射すると、モニターに表示されていた反応は全て消えた。
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