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第二十六章 梅雨の季節
第四百九十八話 利用方法模索中
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割り当てられた部屋に戻ったイズミはメガネをかけてから蓄音機を取り出すと、マスタングと魔法通信を繋ぎスキャンを頼むと細かな所まで確認をする。
レコードは無く、針も見当たらず、ハンドルも無い。
これは蓄音機ルックスなだけの別物な可能性も非常に高い。
「どうだマスタング、何か分かるか?」
「見た目は我々が元いた世界の蓄音機がベースになっているようが、中身は違うようです」
「と言うと?」
「マスターに分かりが良い表現ですと、ジュークボックスが近いかと」
ジュークボックスも未体験なので、知識は非常に曖昧である。
「ジュークボックスってのは確か、金を入れてレコードを聞く奴だよな。でも銅貨を入れても反応はしなかったって」
「銀貨以上の貨幣が動作条件にあるのかもしれません」
そうなると銀貨や金貨で試してみるしかないだろう。
イズミは布袋を用意し、取り敢えずで金貨と銀貨を10枚ずつ並べると、何も考えずに銀貨から挿入してゆく。
10枚入れてみたものの、特に反応が無い。
「…無反応?」
イズミは続けて金貨を10枚手に持つと、1枚ずつ蓄音機の反応を伺いながら挿入してみたが、遂に反応は確認出来なかった。
「壊れているのか、何かが足りないのか。長期保管品だから魔力が枯渇してるとか、有り得るか?」
「可能性はあります」
イズミはメガネにスキャン結果を表示するように頼むと、日本語訳して表示された。
アイテム名:携帯蓄音機
概要:過去に冒険者がダンジョンにて発見した、ある世界の嗜好品の姿形を模した魔道具。
使用方法:コインを挿入口から入れる
効果:不明
備考:沢山の御利用をお待ちしております
「…コレだけ?」
「はい、コレだけでした」
とても大雑把な使用方法である。
コインを入れたら何が起こるのかが皆目分からない状態で、誰がこの魔道具を沢山利用するだろうか。
「一度、グラテミアさんやフラウリアさんにも見てもらうか」
イズミは蓄音機をショルダーバッグに収納すると、グラテミアに会えないかどうかを屋敷の従者に問い合わせ、1時間後に会える事になった。
「不思議な魔道具ですね」
「興味本位で購入したのですが、何の動作もしなくてですね…」
フラウリアは興味津々に蓄音機を観察しているが、弄れる場所がほとんど無いので直ぐに椅子に座ってしまった。
「古い貨幣を使うのでしょうか?」
「古いと言っても、貨幣の形や大きさに大きな差はありませんよ」
「見る限り壊れているようにも見えませんし、魔力が抜け切っているようにも感じませんが」
「もう少し貨幣を入れてみるしか、調べる術は無いかもしれません」
2人の意見を聞き終えたイズミはショルダーバッグから金貨の入った布袋を取り出すと、テーブルの上で何枚入っているか数えだす。
「何だか、高額なお賽銭をする気分だ」
90枚の金貨を用意したイズミは、神社でお参りをする感覚で蓄音機に向かい二礼二拍手一礼をすると、皆と一緒に魔道具の反応を確かめつつ金貨を1枚ずつ挿入してゆく。
金貨100枚を使った御百度参り。
そんな言葉が浮かんで来たが、口には出さなかった。
金貨を40枚…つまり合計50枚…を入れ終えた所で、蓄音機からジーッと小さな音が聞こえてきた。
しかし以上の反応は確認出来ない。
「やはり壊れている訳では無いようですね」
「まだ分かりませんよ、この音が鳴るだけで終わる可能性もまだ残ってますし」
フラウリアは蓄音機に耳を傾けるが、ジーと鳴る機械音以外は聞き取れないとの事だった。
その後も金貨を挿入し続け、合計で金貨100枚が吸い込まれると遂に新たな反応があった。
音楽のようなものが流れ始めたのだ。
ピアノソロなのか分からないが、落ち着いた旋律が部屋内に響く。
カコンッと音がして引出しが自動で動くと同時に、蓄音機の盤の近くにツマミが出現する。
操作してみると流れている音楽のボリューム操作用のツマミだと分かった。
引出しにはおみくじのように巻かれた紙が入っており、フラウリアが手に取って広げる。
「叔母様、この魔道具の説明みたいなのですが、私には所々が読めないです。ダンジョン…なんちゃら…端末?としか」
フラウリアから紙を受け取ったグラテミアが内容を確認してゆく。
「ふーん…そう言う事。フラウリア、貴方も修行が足りないわね」
「どう言う意味です」
「この紙には、一定の条件を満たした実力者にしか内容が読めないように制限魔法がかかってるのよ」
グラテミアはガラス製のペンをインク壺に浸し、羊皮紙にスラスラと書き始める。
「通常の使い方は簡単、単純ね」
内容はこんな感じだった。
アイテム名:御祈りジュークボックス
貨幣を入れると出所不明の音楽が流れる。
入れる貨幣によって以下の効果が一時的に対象者へ付与される。
銅貨:1枚~
今日の運勢を占う。
挿入する枚数によっての変動は無い。
回数制限あり、1日1回。
銀貨:1枚~
対象者の持つスキルやステータスのブーストを行う。
ブースト率は挿入する枚数で変動する事もあるが、10枚以上は変動しない。
どのスキルやステータスがブーストするかはランダムである。
補足1
挿入する枚数によって効果持続時間の延長サービスがある。
最大10枚で10日間。
金貨:1枚~
対象者に以下の効果をランダムで付与する。
レアアイテムのドロップ率上昇、所有スキルやステータスのブースト、幸運値上昇、特殊エリアの発見率上昇、その他数種。
上昇率は挿入する枚数で変動する事もあるが、10枚以上は変動しない。
補足1
以下の効果付与はダンジョン内でのみ効力を発揮する。
・レアアイテムのドロップ率上昇
・特殊エリアの発見率上昇
補足2
挿入する枚数によって効果持続時間の延長サービスがある。
最大10枚で30日間。
本魔道具に関する補足
1:基本効果は各貨幣につき10枚だが、より多く挿入すると何か良い事があるかもしれない。
2:物理的に破壊しようとすると、罰が当たるかもしれない。
3:蓋を開けると流れる音楽は、本魔道具を最初に起動させた者の記憶から構築されたものである。
完全ランダム再生であり、スキップや連続再生は出来ない。
こんな所らしい。
レコードは無く、針も見当たらず、ハンドルも無い。
これは蓄音機ルックスなだけの別物な可能性も非常に高い。
「どうだマスタング、何か分かるか?」
「見た目は我々が元いた世界の蓄音機がベースになっているようが、中身は違うようです」
「と言うと?」
「マスターに分かりが良い表現ですと、ジュークボックスが近いかと」
ジュークボックスも未体験なので、知識は非常に曖昧である。
「ジュークボックスってのは確か、金を入れてレコードを聞く奴だよな。でも銅貨を入れても反応はしなかったって」
「銀貨以上の貨幣が動作条件にあるのかもしれません」
そうなると銀貨や金貨で試してみるしかないだろう。
イズミは布袋を用意し、取り敢えずで金貨と銀貨を10枚ずつ並べると、何も考えずに銀貨から挿入してゆく。
10枚入れてみたものの、特に反応が無い。
「…無反応?」
イズミは続けて金貨を10枚手に持つと、1枚ずつ蓄音機の反応を伺いながら挿入してみたが、遂に反応は確認出来なかった。
「壊れているのか、何かが足りないのか。長期保管品だから魔力が枯渇してるとか、有り得るか?」
「可能性はあります」
イズミはメガネにスキャン結果を表示するように頼むと、日本語訳して表示された。
アイテム名:携帯蓄音機
概要:過去に冒険者がダンジョンにて発見した、ある世界の嗜好品の姿形を模した魔道具。
使用方法:コインを挿入口から入れる
効果:不明
備考:沢山の御利用をお待ちしております
「…コレだけ?」
「はい、コレだけでした」
とても大雑把な使用方法である。
コインを入れたら何が起こるのかが皆目分からない状態で、誰がこの魔道具を沢山利用するだろうか。
「一度、グラテミアさんやフラウリアさんにも見てもらうか」
イズミは蓄音機をショルダーバッグに収納すると、グラテミアに会えないかどうかを屋敷の従者に問い合わせ、1時間後に会える事になった。
「不思議な魔道具ですね」
「興味本位で購入したのですが、何の動作もしなくてですね…」
フラウリアは興味津々に蓄音機を観察しているが、弄れる場所がほとんど無いので直ぐに椅子に座ってしまった。
「古い貨幣を使うのでしょうか?」
「古いと言っても、貨幣の形や大きさに大きな差はありませんよ」
「見る限り壊れているようにも見えませんし、魔力が抜け切っているようにも感じませんが」
「もう少し貨幣を入れてみるしか、調べる術は無いかもしれません」
2人の意見を聞き終えたイズミはショルダーバッグから金貨の入った布袋を取り出すと、テーブルの上で何枚入っているか数えだす。
「何だか、高額なお賽銭をする気分だ」
90枚の金貨を用意したイズミは、神社でお参りをする感覚で蓄音機に向かい二礼二拍手一礼をすると、皆と一緒に魔道具の反応を確かめつつ金貨を1枚ずつ挿入してゆく。
金貨100枚を使った御百度参り。
そんな言葉が浮かんで来たが、口には出さなかった。
金貨を40枚…つまり合計50枚…を入れ終えた所で、蓄音機からジーッと小さな音が聞こえてきた。
しかし以上の反応は確認出来ない。
「やはり壊れている訳では無いようですね」
「まだ分かりませんよ、この音が鳴るだけで終わる可能性もまだ残ってますし」
フラウリアは蓄音機に耳を傾けるが、ジーと鳴る機械音以外は聞き取れないとの事だった。
その後も金貨を挿入し続け、合計で金貨100枚が吸い込まれると遂に新たな反応があった。
音楽のようなものが流れ始めたのだ。
ピアノソロなのか分からないが、落ち着いた旋律が部屋内に響く。
カコンッと音がして引出しが自動で動くと同時に、蓄音機の盤の近くにツマミが出現する。
操作してみると流れている音楽のボリューム操作用のツマミだと分かった。
引出しにはおみくじのように巻かれた紙が入っており、フラウリアが手に取って広げる。
「叔母様、この魔道具の説明みたいなのですが、私には所々が読めないです。ダンジョン…なんちゃら…端末?としか」
フラウリアから紙を受け取ったグラテミアが内容を確認してゆく。
「ふーん…そう言う事。フラウリア、貴方も修行が足りないわね」
「どう言う意味です」
「この紙には、一定の条件を満たした実力者にしか内容が読めないように制限魔法がかかってるのよ」
グラテミアはガラス製のペンをインク壺に浸し、羊皮紙にスラスラと書き始める。
「通常の使い方は簡単、単純ね」
内容はこんな感じだった。
アイテム名:御祈りジュークボックス
貨幣を入れると出所不明の音楽が流れる。
入れる貨幣によって以下の効果が一時的に対象者へ付与される。
銅貨:1枚~
今日の運勢を占う。
挿入する枚数によっての変動は無い。
回数制限あり、1日1回。
銀貨:1枚~
対象者の持つスキルやステータスのブーストを行う。
ブースト率は挿入する枚数で変動する事もあるが、10枚以上は変動しない。
どのスキルやステータスがブーストするかはランダムである。
補足1
挿入する枚数によって効果持続時間の延長サービスがある。
最大10枚で10日間。
金貨:1枚~
対象者に以下の効果をランダムで付与する。
レアアイテムのドロップ率上昇、所有スキルやステータスのブースト、幸運値上昇、特殊エリアの発見率上昇、その他数種。
上昇率は挿入する枚数で変動する事もあるが、10枚以上は変動しない。
補足1
以下の効果付与はダンジョン内でのみ効力を発揮する。
・レアアイテムのドロップ率上昇
・特殊エリアの発見率上昇
補足2
挿入する枚数によって効果持続時間の延長サービスがある。
最大10枚で30日間。
本魔道具に関する補足
1:基本効果は各貨幣につき10枚だが、より多く挿入すると何か良い事があるかもしれない。
2:物理的に破壊しようとすると、罰が当たるかもしれない。
3:蓋を開けると流れる音楽は、本魔道具を最初に起動させた者の記憶から構築されたものである。
完全ランダム再生であり、スキップや連続再生は出来ない。
こんな所らしい。
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※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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