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第十章 気楽な一人旅
第百二十八話 苦労している男達
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イズミが宿屋の入口までやって来ると、剣士だろう男を2人連れた小綺麗な格好の男が居た。
服装は小綺麗にまとまっているが、身体の線は細く髪の毛はかなり寂しい状態のオーナーだ。
酷くヤツレているようにも見えた。
「…始めまして。私はこのシヘルム町の冒険者ギルドにて副ギルド長をしております、テルートと申します」
ヤツレた顔でも笑顔を作り、しっかりと挨拶をして来たのでイズミも返した。
「イズミだ。只の旅人ですがね…お連れの方は?」
「彼等は隣町のギルドから派遣された、冒険者ギルド本部の方ですよ」
イズミが2人の剣士を見ると、軽く会釈をされた。
この2人も、顔に疲れが見える。
「で、話とは?」
宿屋の主人が大部屋を用意してくれたので、そこに入ってから話を切り出した。
「はい…大きく分けて2つございます」
剣士が持っていた剣を置いて椅子に座ったのを見て、イズミも椅子へと座る。
「1つは冒険者ギルドにて把握している内容に、相違があるかを確認させて頂きたいのです」
冒険者ギルドは既に、カレンから色々と話を聞いている筈だ。
「かなりの戦績でしたので、複数の関係者から確認をして資料をまとめなければならなくなりまして…」
「中心人物からの話を聞きたいのに、居場所が分からなかったと」
イズミが男達の表情に注意しながら、状況の確認をした。
「その通りでございます。王都から魔法通信で指示が来てから、毎日のように報告命令が来ると思えば、領主様からも居場所の特定が遅いと言われまして」
そう話すテルートは余程辛い日々だったのか、遠い目をしながら話を続けた。
「まずはミサンゴ村での賊との戦闘からです…」
イズミはとっくの昔の話し過ぎて忘れかけていた、あの村での戦闘に関しての記憶から、急いで掘り起こす事になった。
「…分かりました。王都へ来たのも、ダンジョンの調査で来ていた侯爵家を送り届ける為だったと」
テルートは冒険者ギルド本部から指示があったのだろう、確認したい事を1から順番に聞いて来た。
質問にはしっかりと受け答えをしているが、使用した武器に関しては具体的に話しはしないでおいた。
「そうだ。それからしばらく王都で過ごしていたんだ」
テルートが取り出した書類に記入をしている。
「ランドール侯爵家の敷地内に拠点を置いていたのに、どうして隣のブロズムナード辺境伯邸に居たのですか?」
「王都の大通りを散策していた時にお会いした。ランドール侯爵家とも知り合いとの事でお邪魔していたんだ」
流石にマスタングで足の治療をしていたとは、簡単には言えないレベルなので口を閉ざしておいた。
「これは噂なのですが、ブロズムナード辺境伯のご令嬢の病が治ったそうです。どうして治ったのか、ご存知ですね?」
テルートの、いや貴族達の聞きたい事だろう事象だからか、幾分か声に強みがあった。
イズミはため息をついて、どう説明すべきか思案していた。
「…上手く説明出来ない。俺が治した訳では無いんだ。俺はサポートをしただけだ」
7回位死にかけたけどな、そう笑いながら答えた。
「…ブロズムナード辺境伯のご令嬢が、魔法適性が追加されたのはご存知ですね。それに関しても教えては戴けませんか」
これは冒険者ギルドが知りたい事だろう。
ブロズムナード辺境伯の邸宅で鑑定した時も、かなり動揺していたのを見ているから分かる。
「それに関しても、上手く説明出来ないな。そもそも俺にそんな能力は無い」
本当の事である。
自分は普通の人間であり、チート持ちでもなければ勇者でもない。
「まるで、自分以外の者が奇跡を起こしたかのような言い方をしますね」
テルートがイズミを見てから、ボソリと言った。
イズミはニコリと微笑むだけで、その言葉への返事はしなかった。
服装は小綺麗にまとまっているが、身体の線は細く髪の毛はかなり寂しい状態のオーナーだ。
酷くヤツレているようにも見えた。
「…始めまして。私はこのシヘルム町の冒険者ギルドにて副ギルド長をしております、テルートと申します」
ヤツレた顔でも笑顔を作り、しっかりと挨拶をして来たのでイズミも返した。
「イズミだ。只の旅人ですがね…お連れの方は?」
「彼等は隣町のギルドから派遣された、冒険者ギルド本部の方ですよ」
イズミが2人の剣士を見ると、軽く会釈をされた。
この2人も、顔に疲れが見える。
「で、話とは?」
宿屋の主人が大部屋を用意してくれたので、そこに入ってから話を切り出した。
「はい…大きく分けて2つございます」
剣士が持っていた剣を置いて椅子に座ったのを見て、イズミも椅子へと座る。
「1つは冒険者ギルドにて把握している内容に、相違があるかを確認させて頂きたいのです」
冒険者ギルドは既に、カレンから色々と話を聞いている筈だ。
「かなりの戦績でしたので、複数の関係者から確認をして資料をまとめなければならなくなりまして…」
「中心人物からの話を聞きたいのに、居場所が分からなかったと」
イズミが男達の表情に注意しながら、状況の確認をした。
「その通りでございます。王都から魔法通信で指示が来てから、毎日のように報告命令が来ると思えば、領主様からも居場所の特定が遅いと言われまして」
そう話すテルートは余程辛い日々だったのか、遠い目をしながら話を続けた。
「まずはミサンゴ村での賊との戦闘からです…」
イズミはとっくの昔の話し過ぎて忘れかけていた、あの村での戦闘に関しての記憶から、急いで掘り起こす事になった。
「…分かりました。王都へ来たのも、ダンジョンの調査で来ていた侯爵家を送り届ける為だったと」
テルートは冒険者ギルド本部から指示があったのだろう、確認したい事を1から順番に聞いて来た。
質問にはしっかりと受け答えをしているが、使用した武器に関しては具体的に話しはしないでおいた。
「そうだ。それからしばらく王都で過ごしていたんだ」
テルートが取り出した書類に記入をしている。
「ランドール侯爵家の敷地内に拠点を置いていたのに、どうして隣のブロズムナード辺境伯邸に居たのですか?」
「王都の大通りを散策していた時にお会いした。ランドール侯爵家とも知り合いとの事でお邪魔していたんだ」
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「これは噂なのですが、ブロズムナード辺境伯のご令嬢の病が治ったそうです。どうして治ったのか、ご存知ですね?」
テルートの、いや貴族達の聞きたい事だろう事象だからか、幾分か声に強みがあった。
イズミはため息をついて、どう説明すべきか思案していた。
「…上手く説明出来ない。俺が治した訳では無いんだ。俺はサポートをしただけだ」
7回位死にかけたけどな、そう笑いながら答えた。
「…ブロズムナード辺境伯のご令嬢が、魔法適性が追加されたのはご存知ですね。それに関しても教えては戴けませんか」
これは冒険者ギルドが知りたい事だろう。
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「それに関しても、上手く説明出来ないな。そもそも俺にそんな能力は無い」
本当の事である。
自分は普通の人間であり、チート持ちでもなければ勇者でもない。
「まるで、自分以外の者が奇跡を起こしたかのような言い方をしますね」
テルートがイズミを見てから、ボソリと言った。
イズミはニコリと微笑むだけで、その言葉への返事はしなかった。
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