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第十三章 陰謀の気配
第百七十六話 面倒事に突撃する男
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ハルハンディア共和国へ向かう為、辺境伯領の領地を出て3日目。
イズミとベリアは困っていた。
食料問題でも無ければ、プライバシー問題でも無い。
「アンタ達はハルハンディア共和国に行くんだろ?だったら、コレをアタシと一緒に届けてくれよ」
そう言ってマスタングの後部座席に座っている、一体のハーピーのせいである。
事態は数刻前。
「マスター。2km先で戦闘体勢をとっている反応が多数あります」
マスタングのモニターに映し出されたのは、馬車7台と50人は居るだろう兵士の存在だ。
「コイツらは何と戦闘をするつもりだ?」
イズミはアクセルを踏む足を緩めつつ、馬車や兵士を視認出来る距離まで接近する。
「イズミ…魔族だ。魔族が馬車を襲ってる」
そう言うベリアの尻尾が逆立っている。
警戒モードに入ったのだろう。
「魔族が馬車を襲う理由が分からん」
考え込むイズミを尻目に、ベリアが腕を組んでため息を付いた。
「どうせ強欲な人間が、魔族にちょっかいをかけたのさ」
「だとしたら、人間が悪いな」
関わらないのが得策ではあるが、今日の目的地へ迂回して進むのも微妙な時間帯に入りかけている。
「どうする?」
「少し近付いて様子見だな」
マスタングを徐行にて問題の兵士達へと進ませる。
「マスター、攻撃をしているのはハーピーです。数は5体。そして馬車内に魔族の反応があります。恐らく人間が捕らえた魔族を商品として貴族へ売るつもりなのを、ハーピー達が奪還しようとしているのかと」
マスタングが魔族の反応がある馬車の色を変えて表示する。
「やっぱり、欲に塗れた人間は碌な事をしないな!」
ベリアが武器を準備し始めたので、イズミは一旦落ち着かせる。
「ちょっと待て…俺達が介入する必要があるのか?相手は魔族だし、全滅とかさせそうだし」
「何言ってんだ?国と魔族間の問題だ。下手をすると戦争だな。目の前に戦争の火種になるかもしれない馬鹿が居るんだ。此処でとっちめないとハルハンディアに到着する前に戦争が起きかねないぞ」
「それは不味いな」
イズミは後部座席に置いていたバッグを手に取ると、ショットガンを用意する。
ベリアもナイフを取り出している。
「取り敢えず聞いておくけど…イズミ、どっちに付くんだ?」
「魔族だろ」
マスタングのアクセルを力強く踏み込み、馬車と兵士達が戦闘をするエリアへ走り出した。
それからはあっと言う間だった。
ベリアがナイフに魔法を纏わせ兵士を切り、イズミがショットガンで兵士を無力化する。
有り難かったのは、ベリアが戦闘開始直前にハーピー達へ声掛けをしてくれた事だ。
お陰でイズミ達の戦闘中にハーピーから攻撃をされる事は無かった。
兵士は皆倒れ、馬車に隠れていた商人を引きずり出す。
身なりは整っているが、所々に成金の臭いがする信用ならない男だった。
イズミはあえて商人を殺さず、ベリアに頼んで手足を拘束してからハーピー達へ突き出した。
それと同時に、馬車の積荷を確認する。
「ベリア…多分コレだ」
金貨や銀貨に怪しい粉、宝石を無駄に散りばめた悪趣味な装飾の剣、これまた悪趣味な絵画、持っていると呪われそうな赤黒色の宝石のネックレス。
それらで隠すかのようにして、ソレはあった。
「卵だ」
イズミとベリアで協力して、ハーピー達の元へ卵を持ってゆく。
「お前…名前は?」
「俺はイズミだ。コッチはベリア、旅の仲間だ」
ハーピー達はイズミとベリアの回りを囲むようにして観察をしている。
勿論、敵意は無いと分かって貰う為に武器は仕舞っている。
「旅?…何処へ向かっている?」
ハーピーがイズミに近づき質問をする。
「今はハルハンディア共和国の火山地帯だ。それ以上はまだ決めていない」
「「「「ハルハンディアの火山地帯」」」」
ハーピー達の声が重なった。
嫌な予感が2人の背筋を駆け抜け、イズミとベリアは互いに顔を見合わせた。
イズミとベリアは困っていた。
食料問題でも無ければ、プライバシー問題でも無い。
「アンタ達はハルハンディア共和国に行くんだろ?だったら、コレをアタシと一緒に届けてくれよ」
そう言ってマスタングの後部座席に座っている、一体のハーピーのせいである。
事態は数刻前。
「マスター。2km先で戦闘体勢をとっている反応が多数あります」
マスタングのモニターに映し出されたのは、馬車7台と50人は居るだろう兵士の存在だ。
「コイツらは何と戦闘をするつもりだ?」
イズミはアクセルを踏む足を緩めつつ、馬車や兵士を視認出来る距離まで接近する。
「イズミ…魔族だ。魔族が馬車を襲ってる」
そう言うベリアの尻尾が逆立っている。
警戒モードに入ったのだろう。
「魔族が馬車を襲う理由が分からん」
考え込むイズミを尻目に、ベリアが腕を組んでため息を付いた。
「どうせ強欲な人間が、魔族にちょっかいをかけたのさ」
「だとしたら、人間が悪いな」
関わらないのが得策ではあるが、今日の目的地へ迂回して進むのも微妙な時間帯に入りかけている。
「どうする?」
「少し近付いて様子見だな」
マスタングを徐行にて問題の兵士達へと進ませる。
「マスター、攻撃をしているのはハーピーです。数は5体。そして馬車内に魔族の反応があります。恐らく人間が捕らえた魔族を商品として貴族へ売るつもりなのを、ハーピー達が奪還しようとしているのかと」
マスタングが魔族の反応がある馬車の色を変えて表示する。
「やっぱり、欲に塗れた人間は碌な事をしないな!」
ベリアが武器を準備し始めたので、イズミは一旦落ち着かせる。
「ちょっと待て…俺達が介入する必要があるのか?相手は魔族だし、全滅とかさせそうだし」
「何言ってんだ?国と魔族間の問題だ。下手をすると戦争だな。目の前に戦争の火種になるかもしれない馬鹿が居るんだ。此処でとっちめないとハルハンディアに到着する前に戦争が起きかねないぞ」
「それは不味いな」
イズミは後部座席に置いていたバッグを手に取ると、ショットガンを用意する。
ベリアもナイフを取り出している。
「取り敢えず聞いておくけど…イズミ、どっちに付くんだ?」
「魔族だろ」
マスタングのアクセルを力強く踏み込み、馬車と兵士達が戦闘をするエリアへ走り出した。
それからはあっと言う間だった。
ベリアがナイフに魔法を纏わせ兵士を切り、イズミがショットガンで兵士を無力化する。
有り難かったのは、ベリアが戦闘開始直前にハーピー達へ声掛けをしてくれた事だ。
お陰でイズミ達の戦闘中にハーピーから攻撃をされる事は無かった。
兵士は皆倒れ、馬車に隠れていた商人を引きずり出す。
身なりは整っているが、所々に成金の臭いがする信用ならない男だった。
イズミはあえて商人を殺さず、ベリアに頼んで手足を拘束してからハーピー達へ突き出した。
それと同時に、馬車の積荷を確認する。
「ベリア…多分コレだ」
金貨や銀貨に怪しい粉、宝石を無駄に散りばめた悪趣味な装飾の剣、これまた悪趣味な絵画、持っていると呪われそうな赤黒色の宝石のネックレス。
それらで隠すかのようにして、ソレはあった。
「卵だ」
イズミとベリアで協力して、ハーピー達の元へ卵を持ってゆく。
「お前…名前は?」
「俺はイズミだ。コッチはベリア、旅の仲間だ」
ハーピー達はイズミとベリアの回りを囲むようにして観察をしている。
勿論、敵意は無いと分かって貰う為に武器は仕舞っている。
「旅?…何処へ向かっている?」
ハーピーがイズミに近づき質問をする。
「今はハルハンディア共和国の火山地帯だ。それ以上はまだ決めていない」
「「「「ハルハンディアの火山地帯」」」」
ハーピー達の声が重なった。
嫌な予感が2人の背筋を駆け抜け、イズミとベリアは互いに顔を見合わせた。
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※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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