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第十四章 運び屋稼業も楽じゃない
第百九十三話 雨空
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翌日。
朝から曇り空で太陽が見えない。
イズミはルーチンと化したコーヒーを作っているが、他の2人は苦いのは苦手なようで1人でゆっくりと朝のコーヒーを楽しんでいる。
朝食を食べ終えたら、マスタングに乗り込み走り出す。
程無くして、マスタングのルーフやフロントガラスに雨粒が当たり始めた。
今回の旅路では初めての雨である。
次第に強くなる雨脚に道中で馬車が移動を止めていたりするも、マスタングはワイパーを動かして視界を確保しつつ走り続けている。
「雨音が心地良くて寝ちまいそうだ…」
「…私も」
運転しているイズミは今のところ問題無いが、他の2人は睡魔に負けそうになっていた。
「別に寝ても良いぞ?何か問題があれば起こすけど」
そんなやりとりをした数分後には、2人とも寝息を立てている。
雨音は子守唄になるとは良く言ったものである。
腕時計を確認すると、丁度昼時だったので何処か雨宿りが出来そうな場所を探すが、結局見つからなかった。
馬車道の端にゆっくりと停車し、軽く身体を伸ばす。
座りっぱなしと言うのも身体には良くないので、適度に身体を動かしたいが雨では厳しい。
目を閉じて休憩をしていると、遠くにある馬車付近から豪快な音が聞こえて来たので、イズミは思わず身構えてしまった。
「マスタング、何があった?」
「前方の馬車が何者かに襲撃されているようです」
「襲撃者の人数は?」
「1名と1体です」
イズミはショルダーバッグを手に取り、確認の為にマスタングから降りようとすると、グローブボックスが開いた。
「マスター、その服装では身動きが取りにくいかと」
マスタングが実体化したのは、オリーブ色のフィールドジャケットだった。
急いでジャケットを着ると、イズミはフードを被り確認へ向かう。
バッグからショットガンを取り出そうとしていたら、小柄な男が1人こちらへ向かって走っているのが分かった。
「何があった?」
「ヒッ!?」
小柄な男はイズミの声に驚いたと思えば、走っている勢いのままナイフを出してイズミへ突き刺した。
ガキン!
「なっ…」
「危ねぇじゃねぇか!」
幸運にもナイフはショットガンで防げたようで、イズミの身体には届いていなかった。
ショットガンのストックで男の足を払い体勢を崩すと頭を何度も殴り、気を失ったのを確認してショットガンをショルダーバッグへ収納する。
「…油断してたな」
イズミは倒れている男を睨みながらため息をつき、マグナムを取り出し件の馬車へ接近を開始する。
隠れられる場所が少ない道に並ぶ何台もの場所に身体を沿わせながら、何時でもマグナムを撃てるように構えて進む。
雨粒が急に大きくなり、周囲の音が掻き消される。
それでもイズミは一歩ずつ移動を止めない。
視界が悪い状況ながら何とか破壊された馬車の手前までやって来ると、体勢を低く保ちながら周囲の索敵をマスタングに頼んだ。
「マスター。左ポケットにあるメガネをかけて下さい」
イズミはマスタングの指示に従い、左手でメガネを取り出す。
掛けてみると、獣のような何かと戦っている兵士らしき者達の反応が見えた。
「彼奴等は何と戦ってるんだ?」
イズミがメガネを活用して獣をしっかりと確認しようとした瞬間、身体を打ち付けていた雨が止まった事に気付いた。
しかし目の前では雨の中で戦闘をしている者達が見える。
「こんにちは。良い天気ですね」
「…」
イズミは背後から聞こえた挨拶に対して、反応が出来なかった。
いつから背後にいたのかすら分からない。
全く気が付かなかったのだ。
「恵みの雨と言うならば、草木は喜んでいるでしょうね」
イズミはマグナムの引き金から指を離すと、相手の動きを確かめる。
「その武器を捨てる必要は無いよ。私には効かないから」
ゆっくりと振り向くと、大きな葉の傘を持った少女がいた。
ニッコリを笑顔を浮かべているが、その瞳の奥には別の何かがあるように見えた。
朝から曇り空で太陽が見えない。
イズミはルーチンと化したコーヒーを作っているが、他の2人は苦いのは苦手なようで1人でゆっくりと朝のコーヒーを楽しんでいる。
朝食を食べ終えたら、マスタングに乗り込み走り出す。
程無くして、マスタングのルーフやフロントガラスに雨粒が当たり始めた。
今回の旅路では初めての雨である。
次第に強くなる雨脚に道中で馬車が移動を止めていたりするも、マスタングはワイパーを動かして視界を確保しつつ走り続けている。
「雨音が心地良くて寝ちまいそうだ…」
「…私も」
運転しているイズミは今のところ問題無いが、他の2人は睡魔に負けそうになっていた。
「別に寝ても良いぞ?何か問題があれば起こすけど」
そんなやりとりをした数分後には、2人とも寝息を立てている。
雨音は子守唄になるとは良く言ったものである。
腕時計を確認すると、丁度昼時だったので何処か雨宿りが出来そうな場所を探すが、結局見つからなかった。
馬車道の端にゆっくりと停車し、軽く身体を伸ばす。
座りっぱなしと言うのも身体には良くないので、適度に身体を動かしたいが雨では厳しい。
目を閉じて休憩をしていると、遠くにある馬車付近から豪快な音が聞こえて来たので、イズミは思わず身構えてしまった。
「マスタング、何があった?」
「前方の馬車が何者かに襲撃されているようです」
「襲撃者の人数は?」
「1名と1体です」
イズミはショルダーバッグを手に取り、確認の為にマスタングから降りようとすると、グローブボックスが開いた。
「マスター、その服装では身動きが取りにくいかと」
マスタングが実体化したのは、オリーブ色のフィールドジャケットだった。
急いでジャケットを着ると、イズミはフードを被り確認へ向かう。
バッグからショットガンを取り出そうとしていたら、小柄な男が1人こちらへ向かって走っているのが分かった。
「何があった?」
「ヒッ!?」
小柄な男はイズミの声に驚いたと思えば、走っている勢いのままナイフを出してイズミへ突き刺した。
ガキン!
「なっ…」
「危ねぇじゃねぇか!」
幸運にもナイフはショットガンで防げたようで、イズミの身体には届いていなかった。
ショットガンのストックで男の足を払い体勢を崩すと頭を何度も殴り、気を失ったのを確認してショットガンをショルダーバッグへ収納する。
「…油断してたな」
イズミは倒れている男を睨みながらため息をつき、マグナムを取り出し件の馬車へ接近を開始する。
隠れられる場所が少ない道に並ぶ何台もの場所に身体を沿わせながら、何時でもマグナムを撃てるように構えて進む。
雨粒が急に大きくなり、周囲の音が掻き消される。
それでもイズミは一歩ずつ移動を止めない。
視界が悪い状況ながら何とか破壊された馬車の手前までやって来ると、体勢を低く保ちながら周囲の索敵をマスタングに頼んだ。
「マスター。左ポケットにあるメガネをかけて下さい」
イズミはマスタングの指示に従い、左手でメガネを取り出す。
掛けてみると、獣のような何かと戦っている兵士らしき者達の反応が見えた。
「彼奴等は何と戦ってるんだ?」
イズミがメガネを活用して獣をしっかりと確認しようとした瞬間、身体を打ち付けていた雨が止まった事に気付いた。
しかし目の前では雨の中で戦闘をしている者達が見える。
「こんにちは。良い天気ですね」
「…」
イズミは背後から聞こえた挨拶に対して、反応が出来なかった。
いつから背後にいたのかすら分からない。
全く気が付かなかったのだ。
「恵みの雨と言うならば、草木は喜んでいるでしょうね」
イズミはマグナムの引き金から指を離すと、相手の動きを確かめる。
「その武器を捨てる必要は無いよ。私には効かないから」
ゆっくりと振り向くと、大きな葉の傘を持った少女がいた。
ニッコリを笑顔を浮かべているが、その瞳の奥には別の何かがあるように見えた。
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