異世界無宿

ゆきねる

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第十六章 犯罪組織を追え

第二百二十五話 悪足掻き

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マスタングで子供達の居る建物に到着すると、敵はフラウリアの防御魔法に手こずっているようだった。

防御に徹する者を倒すのは、思う以上に難しいものである。

イズミはショットガンに弾を込めると、ベリアと一緒にマスタングから降りる。

「マスタング、暴れて良し!」

「かしこまりました」

イズミの指示を聞いたマスタングは早速猛スピードで走り出し、敵の移動手段である馬車へ向かって行った。

ショットガンを構え直したイズミは、防御魔法を突破しようとする敵を見つけると、胸部に目掛けて撃ち込んだ。

ベリアは屋根に飛び乗り、風魔法で敵の動きを封じると、ククリナイフを胸元に突き刺す。
更にククリナイフに魔力を注ぎ込んで炎魔法を発動させると、敵の全身が炎に包まれて絶命した。

炎に包まれた敵はベリアの風魔法で遠くへ飛ばされ、建物に火は燃え移らない。

「ふぃ~、まだ居るのかよ」

ベリアはククリナイフを構え直すと、音も無く移動を再開する。


敵が3人がかりでフラウリアの防御魔法を突破しようと、一点突破をすべく炎魔法を作り出していた。

「何してるんだ?」

イズミがわざと声をかけると敵の視線がイズミに向き集中が途切れ、次の瞬間にはショットガンの散弾が敵の身体をズタズタにしていった。

「…ポンプ式は連射が下手になったか?練習しないと駄目だな」

そう呟きながらショルダーバッグからシェルを取り出し弾を込める。

まだ敵を全滅や撤退させた訳では無いので、集中力を切らさぬように呼吸を整えメガネで索敵をした。

「ベリアはそっちは此処で何人倒した?」

「1人だけど」

マスタングがスキャンした時、敵は6人と言っていた。
それだとまだ2人残っている計算になる。
しかし、探しているが見つからない。

「後2人いるはずなのだが…」

「血の臭いで分かりにくいが、確かにまだ居るはずだな」

暫し索敵をするが、2人して見つけられないのは可笑しい。
逃げたのかと考えるが、此処での失敗は敵としても痛手のはずだ。

そう判断し索敵を再開すると、ベリアから魔法通信が来た。

「イズミ、背後にオーガだ!」

その声に振り返ると、猛スピードで突進を仕掛けてくるオーガの姿が見えた。

突進を避ける事は出来たが、体勢を崩してしまい攻撃が遅れてしまう。
オーガはその規格外な力でフラウリアの防御魔法を破壊しようとするが、ギリギリで防御魔法が勝っている状態だった。

イズミはショットガンをオーガに連射し、弾切れと同時にマグナムを抜いて全弾撃ち込んだ。
ベリアも加勢しオーガの左腕を斬り落とすまでは出来たのだが、まだ動きが止まらない。

イズミはショルダーバッグからスラッグ弾を取り出すと、ショットガンに込める。

「これで仕留めきれるか?」

オーガの生命力に不安を抱きつつ、心臓を狙いスラッグ弾を撃った。
オーガはうめき声を上げて動きが止まるが、まだ生きている。
次は頭を狙い撃ち込んだ。

遂にオーガは地面に倒れ込むが、まだ死んではいないようだ。
凄まじい生命力である。

念の為にマグナムとショットガンに弾込めをしておき、オーガへゆっくりと近付いて止めを刺そうとした時、オーガの腕が動きイズミを突き飛ばした。

「っ!?」

吹っ飛んだイズミが何とか立ち上がると、オーガはベリアが炎魔法で仕留めていた。

「すまん、油断した」

車とぶつかった時の衝撃とはこの様な物なのかと思ったが、アドレナリンの効果なのか何とか動けている。

ショットガンはオーガの一撃でグニャリと曲がり、使い物にならない状態だった。

ドウン!

そんな音と共にオーガの肉体が爆発し、遂にフラウリアの防御魔法に穴が開いてしまう。

爆発したオーガの中から、男が現れて建物に侵入する。
傷む身体でマグナムを構え、男に向け1発撃ち込んだ。
男もイズミに向けて何かを投げる動作をする。

「あぁっ!」

マグナムは命中はしたが致命傷にはなっていないようで、イズミの視界から居なくなってしまった。
ベリアが急いで追いかける。

マグナムを構え直そうとした時、マグナムの銃身が短くなっている事に気が付いた。
男の攻撃がマグナムの発砲後にマグナムへ当たり、銃身を両断していたのだ。

「…マジかよ」

イズミは悲鳴を上げる身体にムチを打ち、建物へと歩き出した。
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