255 / 624
第十八章 手掛かりを探して
第二百四十七話 次の町に到着
しおりを挟む
ソフィアと別れたイズミが宿屋に戻る前に帽子を受け取りに向かうと、既に店は開店していた。
モーニング営業をしていたらしく、店内には既に客が多く賑わいを見せている。
「いらっしゃい!アンタかい、帽子は出来てるってさ」
店員が副店長を呼び出すと、男が帽子を持って現れた。
「アンタか、完成してるからとりあえず被ってみて欲しい。必要なら微調整しますので」
言われるがままに帽子を被ると、頭を締め付けるような嫌な感じはしなかった。
男がイズミの周りを一周し、状態の確認をした。
「…大丈夫そうだな。少しブカブカする時は、内側に余裕を持たせてある革を使って微調整が出来る」
「分かった」
説明を聞いたイズミはモーニングのパンを2人分持ち帰りで注文し、それを受け取るとベリアの待つ宿屋へと向かった。
「おはようベリア、モーニングのパンを買って来たけど食べるか?」
「おはよう!勿論食べるぞ」
ベリアはパンを受け取るとペロリと食べきってしまう。
相変わらず食事のスピードが早い。
フラウリアは自らの仕事があるとの事で、自らの屋敷へと転移魔法で帰ってしまったので、また気楽な旅の再開である。
「さて、次の町へ出発だな」
「おう、次の町は…割と大きい町だな。特に商人ギルドの規模がデカい」
マスタングに乗り込んだ2人は、モニターで次の目的地を設定する。
「商人ギルドか。俺には縁が無い相手だな」
「イズミの出す道具なら、皆欲しがると思うけど。直ぐに大金持ちになれるぞ?」
「面倒事に巻き込まれる未来しか見えないがな」
町を出てから、マスタングをゆっくりと走らせる。
周りの馬車と大体同じ速度に合わせて、変に目立たないようにしながら移動をする。
数日後。
昼過ぎには次の町が見えて来た。
遠くからでも大きな町である事が分かる。
よく見ると町の中心部には周囲の建物より高い、塔のような建物がある。
「ベリア、そろそろ到着だ」
「うん?思ったより大きな町みたいだな」
二人とも初めての町なので、町の入口にいた門番に宿屋やギルドの場所を教えてもらった。
馬車置き場のある宿屋へ直行し数日分の宿泊で支払いを済ませ、マスタングを駐車してからベリアと共に大通りの商店を見て回る。
「マスター。魔石や素材の在庫数が少なくなっております」
「…魔石はほとんど無いのか。探して来るよ」
散策の前にマスタングから手持ちの素材が少ない事を教えてもらったので、それも合わせて調べておかねばならない。
ベリアが見つけた素材屋に入ると、魔石は売っていなかったが武器や防具用の素材が置かれていた。
店主に確認をすると、ドワーフ族が製造販売している金属の取り扱いもあるらしい。
「ウチはドワーフの工房から素材を卸して貰ってるんだ。どちらかと言うと、町にあるドワーフの武器屋や防具屋が買いきれなかった分を置いてるって感じだけどな」
店主の説明を聞いたイズミはメガネを取り出し、マスタングに金属素材のスキャンをさせる。
「質は良いですが、より良い物を探しましょう」
どうやらマスタングは不満らしい。
店を出て別の素材屋に入ると、今度はしっかりと魔石が売られていた。
マスタングが行う武器や道具の実体化には、割と魔石を使う。
魔石が様々な機能の代用品となっている以上、使わない方が難しいまであるのだ。
「いらっしゃい。魔石をお求めで?」
「あぁ、手持ちが無くなってきたのでね」
魔石にも属性があるらしく、取り敢えず火属性と風属性、そして無属性の魔石を見せてもらう。
「もう少し火山地帯寄りの町なら、より上物もあるかもだけどね」
そう言いつつも、大人の拳サイズの魔石がゴロゴロと出て来た。
「商店ギルドでランク付けされてる魔石で、今出したのがBランクだね。Aランクもあるはあるけど、生憎そんなに量は無いね」
「十分だ」
イズミはAランクとBランクの比率を2:8の割合で購入した。
「これだったら…合わせて金貨2枚だね。銅貨の端数分は切り捨ておくよ」
しっかりと計算した上で、端数を切った価格を提示された。
有り難い事に王国の金貨でも支払いが出来たので、受け取った魔石をショルダーバッグに詰め込んで店を出る。
「イズミ、ちょっと冒険者ギルドに寄っても良いか?」
「あぁ良いぞ」
ベリアが冒険者ギルドの建物を指差して聞いてきたので、直ぐに了承して後をついて行く。
モーニング営業をしていたらしく、店内には既に客が多く賑わいを見せている。
「いらっしゃい!アンタかい、帽子は出来てるってさ」
店員が副店長を呼び出すと、男が帽子を持って現れた。
「アンタか、完成してるからとりあえず被ってみて欲しい。必要なら微調整しますので」
言われるがままに帽子を被ると、頭を締め付けるような嫌な感じはしなかった。
男がイズミの周りを一周し、状態の確認をした。
「…大丈夫そうだな。少しブカブカする時は、内側に余裕を持たせてある革を使って微調整が出来る」
「分かった」
説明を聞いたイズミはモーニングのパンを2人分持ち帰りで注文し、それを受け取るとベリアの待つ宿屋へと向かった。
「おはようベリア、モーニングのパンを買って来たけど食べるか?」
「おはよう!勿論食べるぞ」
ベリアはパンを受け取るとペロリと食べきってしまう。
相変わらず食事のスピードが早い。
フラウリアは自らの仕事があるとの事で、自らの屋敷へと転移魔法で帰ってしまったので、また気楽な旅の再開である。
「さて、次の町へ出発だな」
「おう、次の町は…割と大きい町だな。特に商人ギルドの規模がデカい」
マスタングに乗り込んだ2人は、モニターで次の目的地を設定する。
「商人ギルドか。俺には縁が無い相手だな」
「イズミの出す道具なら、皆欲しがると思うけど。直ぐに大金持ちになれるぞ?」
「面倒事に巻き込まれる未来しか見えないがな」
町を出てから、マスタングをゆっくりと走らせる。
周りの馬車と大体同じ速度に合わせて、変に目立たないようにしながら移動をする。
数日後。
昼過ぎには次の町が見えて来た。
遠くからでも大きな町である事が分かる。
よく見ると町の中心部には周囲の建物より高い、塔のような建物がある。
「ベリア、そろそろ到着だ」
「うん?思ったより大きな町みたいだな」
二人とも初めての町なので、町の入口にいた門番に宿屋やギルドの場所を教えてもらった。
馬車置き場のある宿屋へ直行し数日分の宿泊で支払いを済ませ、マスタングを駐車してからベリアと共に大通りの商店を見て回る。
「マスター。魔石や素材の在庫数が少なくなっております」
「…魔石はほとんど無いのか。探して来るよ」
散策の前にマスタングから手持ちの素材が少ない事を教えてもらったので、それも合わせて調べておかねばならない。
ベリアが見つけた素材屋に入ると、魔石は売っていなかったが武器や防具用の素材が置かれていた。
店主に確認をすると、ドワーフ族が製造販売している金属の取り扱いもあるらしい。
「ウチはドワーフの工房から素材を卸して貰ってるんだ。どちらかと言うと、町にあるドワーフの武器屋や防具屋が買いきれなかった分を置いてるって感じだけどな」
店主の説明を聞いたイズミはメガネを取り出し、マスタングに金属素材のスキャンをさせる。
「質は良いですが、より良い物を探しましょう」
どうやらマスタングは不満らしい。
店を出て別の素材屋に入ると、今度はしっかりと魔石が売られていた。
マスタングが行う武器や道具の実体化には、割と魔石を使う。
魔石が様々な機能の代用品となっている以上、使わない方が難しいまであるのだ。
「いらっしゃい。魔石をお求めで?」
「あぁ、手持ちが無くなってきたのでね」
魔石にも属性があるらしく、取り敢えず火属性と風属性、そして無属性の魔石を見せてもらう。
「もう少し火山地帯寄りの町なら、より上物もあるかもだけどね」
そう言いつつも、大人の拳サイズの魔石がゴロゴロと出て来た。
「商店ギルドでランク付けされてる魔石で、今出したのがBランクだね。Aランクもあるはあるけど、生憎そんなに量は無いね」
「十分だ」
イズミはAランクとBランクの比率を2:8の割合で購入した。
「これだったら…合わせて金貨2枚だね。銅貨の端数分は切り捨ておくよ」
しっかりと計算した上で、端数を切った価格を提示された。
有り難い事に王国の金貨でも支払いが出来たので、受け取った魔石をショルダーバッグに詰め込んで店を出る。
「イズミ、ちょっと冒険者ギルドに寄っても良いか?」
「あぁ良いぞ」
ベリアが冒険者ギルドの建物を指差して聞いてきたので、直ぐに了承して後をついて行く。
31
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~
めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。
しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。
そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。
その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。
(スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)
不死身のボッカ
暁丸
ファンタジー
逓信(ていしん)ギルドに所属する甲殻人ボッカ。歩荷(ぼっか=運搬人)だからボッカと素性を隠す特急便の運搬人。
小柄な身体に見合わぬ怪力、疾風のスピードと疲れ知らずのスタミナで、野を越え山越え荷物を運ぶ。
逓信ギルドの運搬人になったのは、危険な迷宮には入りたく無いから。面倒と危険を避けてすんなり仕事を終わらせたいのに、時にギルド支部長に命じられ行きたくも無い魔獣狩りの運搬人として駆り出される。
割とチートな身体能力を持ちながら、戦闘能力はからっきしで過剰な期待はされたく無い。こんな殺伐とした異世界生活なんかとっとと終わらせて眠るように死にたいと願う、そんな<不死身の歩荷>のお話。
※種族名とか用語は前作と共通にしてますが、別の世界の物語です。世界観も若干違います。
※「歩荷」とは一般的にいう「ポーター」のことですが、長距離運送も兼任しています。
※作者が設定厨なので、時々本筋に関係ない解説回が入ります。
※第16回ファンタジー小説大賞にエントリーしてみました。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる