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第二十章 火山地帯で小休止
第三百八話 楽しい買い物
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フラウリアの案内で商店街に入ると、大小様々な店が目に入って来た。
魔導具店、衣服店、薬屋もある。
「こちらがこの町で一番の酒屋ですわ」
「…建物の造りが他とは違うような」
「当然です。昔程ではありませんが、お酒は厳重に管理する必要がありますので」
フラウリアが冗談めいた口調ではなく真剣に答えたので、過去に大変な事があったのだろう。
「いらっしゃい…こりゃ珍しい、フラウリアが酒を買いに来るとは」
店の奥からやって来た店員は、フラウリアを見ると興味深げに近付いてきた。
「今日は友人の案内で来たのよ、私が飲めないのは知ってるでしょ?」
「ご友人ですか」
店員はフラウリアと仲が良いのか、冗談を交えつつ店の紹介をしてくれた。
「当店はこの町で作られるほぼ全ての酒と、共和国内で製造される酒の7割は揃う酒屋です。7割と言うのは、種類であり量ではありません」
「圧巻だな」
イズミは店内に並ぶ大量の瓶を見て、思わず言葉が溢れてしまった。
「お客様は、どのようなお酒をお探しなのでしょうか?」
「今回は色々な物を購入したいのです」
そう言うとイズミはショルダーバッグから酒瓶を取り出す。
店員はこの世界で購入したドワーフ酒は分かったようだが、流石にマスタングが実体化させた酒と瓶は分からなかった。
「…此方のお酒は、恐縮ながら見た事がありません」
「遠い異国の酒でして」
僅かに残っていた酒をグラスに注ぎ、店員に試飲してもらう。
「よろしいのですか?」
「勿論。この酒に近い物があれば、それも1つ欲しくてね」
「では失礼して…!?」
一口飲んだ店員が目を見開いたと思えば、全身がプルプルと震え出した。
そう言うタイプなのかと不安になったのでフラウリアを見ると、何時もの事と言わんばかりにため息をついていた。
「これは…少々お待ち下さい。店長!」
グラスを丁寧にテーブルに置くと、一目散に店の奥へと駆け出してしまった。
「…マズったか?」
イズミがそんな不安を吐露ていると、店員がドワーフを連れて戻って来た。
「何じゃ、とんでもない酒を探してる客が来たとは」
「コレを飲んでみてください」
店員に言われるがままにグラスに残った酒を飲むと、ドワーフは立派な顎髭を撫でながら店内の酒を確認し始めた。
「1級品に近いのは無いな…特級品なら同系統の酒はあるが、近いとは言えないか?」
ドワーフが瓶を見ながら持っていた書物と照らし合わせ、1本手に取るとテーブルにまで持って来た。
「かなりこだわって作られた酒と見た。この店にある酒で、アレに近いのはこの酒くらいだ」
瓶に巻かれた紐に付いているプレートと、書物に記載されているプレートを見せてくれた。
なんと書いてあるかは読めないが、プレートに描かれている象形文字のような物が同一なのは分かった。
「共和国の最北端の町で作られている酒で、無色透明な天然氷を溶かして酒に使っている。そう言われてはいるが、本当かは分からん」
瓶の形状は見慣れたワインボトルであり特別感は無いものの、価格はしっかりとしたものだった。
「1本で金貨3枚だな」
「買おう。他にも色々と見たいのだが」
「勿論良いとも、好きに見ていってくれ」
ドワーフは店員の肩を叩き接客をするように促すと、また店の奥へと戻ってしまった。
「当店では1級品及び特級品につきましては、小瓶での販売も致しております…好みの酒と出会うには、この瓶では多過ぎますので」
店員が見本として空の小瓶を見せてくれた。
種類は3種類で50ml程度しか入らなそうなミニチュアサイズと、100mlと200mlくらいのミニサイズだった。
「少量で試せるのは、本当に有り難いですね」
「元々はドワーフ族のお客様向けとして考案されたのですが、今では種族を問わずご利用出来ます。この制度を店で採用してから、売り上げが伸びました」
当たり外れや相性を確かめるのに、初手で700mlはリスクがある。
それが高級であればある程、相性が悪かった時のショックは大きいものだ。
そんな事を考えていると、ベリアがアイテムボックスからメガネを取り出し、店内をゆっくりと歩き始めた。
「ベリア?」
「不思議な風を感じ取ったからさ、ちょっと確認を…この瓶と、コレだな」
進んだ先々で瓶を手に取り確認をしていたベリアが、目的の酒を持って戻って来る。
プレートは金色と銀色…特級と1級品だ。
「この酒がどうしたんだ?」
「多分だけど、ご指定だと思う」
イマイチ確定出来ていないようだが、ベリアは風の女神と出会った時と似た感覚を感じ、メガネを使って調べたようだ。
「この酒の瓶の上で、小さな風が回ってたから…多分」
「なら、一応買っておくか」
イズミ達はその他にも個人的に気になる酒や、店内で販売していたガラス製のグラスを購入した。
「えぇと、合計が金貨38枚と銀貨8枚の…金貨30枚以上のお買い上げなので、銀貨分は端数切りとなります」
今回はイズミとベリアで半々の支払いとして、イズミが責任を持ってショルダーバッグに仕舞った。
「これほどの量を購入なさるのは、何かご入用なのですか?」
収納を終えたイズミ達に向かって、店員がおずおずと聞いてきた。
「ほとんどはお供え物ですよ」
イズミはケロッとした顔で答えると、馬車を呼ぶ為に一足先に店から出たフラウリアと合流した。
魔導具店、衣服店、薬屋もある。
「こちらがこの町で一番の酒屋ですわ」
「…建物の造りが他とは違うような」
「当然です。昔程ではありませんが、お酒は厳重に管理する必要がありますので」
フラウリアが冗談めいた口調ではなく真剣に答えたので、過去に大変な事があったのだろう。
「いらっしゃい…こりゃ珍しい、フラウリアが酒を買いに来るとは」
店の奥からやって来た店員は、フラウリアを見ると興味深げに近付いてきた。
「今日は友人の案内で来たのよ、私が飲めないのは知ってるでしょ?」
「ご友人ですか」
店員はフラウリアと仲が良いのか、冗談を交えつつ店の紹介をしてくれた。
「当店はこの町で作られるほぼ全ての酒と、共和国内で製造される酒の7割は揃う酒屋です。7割と言うのは、種類であり量ではありません」
「圧巻だな」
イズミは店内に並ぶ大量の瓶を見て、思わず言葉が溢れてしまった。
「お客様は、どのようなお酒をお探しなのでしょうか?」
「今回は色々な物を購入したいのです」
そう言うとイズミはショルダーバッグから酒瓶を取り出す。
店員はこの世界で購入したドワーフ酒は分かったようだが、流石にマスタングが実体化させた酒と瓶は分からなかった。
「…此方のお酒は、恐縮ながら見た事がありません」
「遠い異国の酒でして」
僅かに残っていた酒をグラスに注ぎ、店員に試飲してもらう。
「よろしいのですか?」
「勿論。この酒に近い物があれば、それも1つ欲しくてね」
「では失礼して…!?」
一口飲んだ店員が目を見開いたと思えば、全身がプルプルと震え出した。
そう言うタイプなのかと不安になったのでフラウリアを見ると、何時もの事と言わんばかりにため息をついていた。
「これは…少々お待ち下さい。店長!」
グラスを丁寧にテーブルに置くと、一目散に店の奥へと駆け出してしまった。
「…マズったか?」
イズミがそんな不安を吐露ていると、店員がドワーフを連れて戻って来た。
「何じゃ、とんでもない酒を探してる客が来たとは」
「コレを飲んでみてください」
店員に言われるがままにグラスに残った酒を飲むと、ドワーフは立派な顎髭を撫でながら店内の酒を確認し始めた。
「1級品に近いのは無いな…特級品なら同系統の酒はあるが、近いとは言えないか?」
ドワーフが瓶を見ながら持っていた書物と照らし合わせ、1本手に取るとテーブルにまで持って来た。
「かなりこだわって作られた酒と見た。この店にある酒で、アレに近いのはこの酒くらいだ」
瓶に巻かれた紐に付いているプレートと、書物に記載されているプレートを見せてくれた。
なんと書いてあるかは読めないが、プレートに描かれている象形文字のような物が同一なのは分かった。
「共和国の最北端の町で作られている酒で、無色透明な天然氷を溶かして酒に使っている。そう言われてはいるが、本当かは分からん」
瓶の形状は見慣れたワインボトルであり特別感は無いものの、価格はしっかりとしたものだった。
「1本で金貨3枚だな」
「買おう。他にも色々と見たいのだが」
「勿論良いとも、好きに見ていってくれ」
ドワーフは店員の肩を叩き接客をするように促すと、また店の奥へと戻ってしまった。
「当店では1級品及び特級品につきましては、小瓶での販売も致しております…好みの酒と出会うには、この瓶では多過ぎますので」
店員が見本として空の小瓶を見せてくれた。
種類は3種類で50ml程度しか入らなそうなミニチュアサイズと、100mlと200mlくらいのミニサイズだった。
「少量で試せるのは、本当に有り難いですね」
「元々はドワーフ族のお客様向けとして考案されたのですが、今では種族を問わずご利用出来ます。この制度を店で採用してから、売り上げが伸びました」
当たり外れや相性を確かめるのに、初手で700mlはリスクがある。
それが高級であればある程、相性が悪かった時のショックは大きいものだ。
そんな事を考えていると、ベリアがアイテムボックスからメガネを取り出し、店内をゆっくりと歩き始めた。
「ベリア?」
「不思議な風を感じ取ったからさ、ちょっと確認を…この瓶と、コレだな」
進んだ先々で瓶を手に取り確認をしていたベリアが、目的の酒を持って戻って来る。
プレートは金色と銀色…特級と1級品だ。
「この酒がどうしたんだ?」
「多分だけど、ご指定だと思う」
イマイチ確定出来ていないようだが、ベリアは風の女神と出会った時と似た感覚を感じ、メガネを使って調べたようだ。
「この酒の瓶の上で、小さな風が回ってたから…多分」
「なら、一応買っておくか」
イズミ達はその他にも個人的に気になる酒や、店内で販売していたガラス製のグラスを購入した。
「えぇと、合計が金貨38枚と銀貨8枚の…金貨30枚以上のお買い上げなので、銀貨分は端数切りとなります」
今回はイズミとベリアで半々の支払いとして、イズミが責任を持ってショルダーバッグに仕舞った。
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