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第二十二章 一斉捜査
第三百三十六話 援護依頼
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試食会の翌朝。
イズミはマスタングの隣でコーヒーを作っている。
「マスタング、昨日話したストップウォッチを見せてくれ」
「かしこまりました」
マスタングはグローブボックスを開けると、手巻き式のストップウォッチが入っていた。
ボタンが1つだけのモデルで、白い文字盤に分と秒と1/10秒の針と表示がそれぞれ独立して存在している。
試しに10回程巻いてからボタンを押して使用してみる。
チチチ…
扇状に動く1/10秒の針が忙しく左右に動き、秒針も併せて動く。
もう一度ボタンを押すと針が止まり、もう一度押すとリセットされた。
正常に稼働している。
イズミは改めて巻いてからポケットに仕舞い、作っていたコーヒーを飲む。
「コーヒー豆、探さないとな」
そう呟きながら飲み終えると、屋敷へと歩き出して食堂へと向かった。
イズミが従者の1人に声を掛けて食堂に入ると、料理長が気付いて近付いて来た。
「どうなさいました?」
「砂時計を確認したいのですが、お時間はありますか」
料理長は部下に砂時計を用意させると、イズミはポケットから取り出したストップウォッチをテーブルに置き、使い捨ての紙と炭を借りる。
「では、私の声掛けで同時に砂時計を動かして下さい」
合図を出して全ての砂時計を動かすのに併せて、ストップウォッチを運転させる。
小さな砂時計の前に立ち、砂が落ちきるのを確認すると紙に時間を書き込んでゆく。
「…思った以上に精密だな」
砂時計は小さい物から1分、3分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分と揃っていたのだ。
それも殆どストップウォッチと大差無い精度だった。
確認した結果を料理長に伝え、レシピに書いてある数字とこの世界の数字の微妙な違いを整合させる。
それを終えたイズミは屋敷から馬車置き場へと向かっていると、偶然出会したアヤに呼び止められた。
「イズミ様、グラント公爵から書類が届きましたよ」
「内容はどんなでしたか?」
「公爵側の責任者は御子息のウィレム様で決定したようですね」
「そうですか…何を聞かれる事やら」
ため息をついたイズミだったが、気を取り直してアヤの執務室へと足を運んだ。
アヤの執務室に入ると、早速アヤが書類を読み上げてくれた。
聞く限り大半の内容は事実確認であり、事実であればその詳細についても質問内容に書かれているようだ。
「…こんな質問に答えた所で、何になるのですかね?」
「質問に答えた内容から、イズミ様の人物像を少しでも固める意味合いもあるかと。それと取引が可能な相手であるか、見極める事にも使えます」
「見極めですか」
「他領地の貴族もどうにかしてイズミ様との直接取引をしたいが為に、事実確認をした情報を元に秘密裏に行動を起こす事も有りえますね」
何個もある質問にイズミが答え、アヤがその内容を紙に書いてゆく。
「病を治せるのか、長距離移動の方法、魔物との戦闘術、答えを知っても活用出来ないだろうに」
「だからこそイズミ様と取引して、得られる物が無いかを探っているのですよ」
今回はなるべく丁寧に回答し、今後の動きを予測しながら打ち合わせを終わらせる。
そんな時だった。
「…イズミさん、聞こえる?ソフィアよ」
久し振りの魔法通信が来たので、アヤに断りを入れてから返事をする。
「ご無沙汰してます、何でしょうか?」
「やっとこの前受け取った資料を確認し終えたのよ。膨大な量で大変だったわ」
「実りはありましたか」
「それはもう沢山…そこで、イズミに頼みたい事があるのよ」
ソフィアは魔法通信でも言い難い事があるのか、少し間を開けてから言った。
「貴方が今ラミア族の賓客としてヒュミトールに居るのも知った上での事なのだけど…私の仕事の援護、いえサポートを頼めないかしら?規模が大き過ぎて、どう頑張っても戦力不足なのよ」
「サポートですか」
「詳しくは直接会って話したいのだけれど」
「場所の指定は」
「近々ヒュミトールに行く予定があるから、その時にグラテミア様の屋敷で。勿論私からグラテミア様に話を付けるわ」
「分かりました。ではそれで」
魔法通信を切ったイズミは、目を閉じて静かにため息をついた。
イズミはマスタングの隣でコーヒーを作っている。
「マスタング、昨日話したストップウォッチを見せてくれ」
「かしこまりました」
マスタングはグローブボックスを開けると、手巻き式のストップウォッチが入っていた。
ボタンが1つだけのモデルで、白い文字盤に分と秒と1/10秒の針と表示がそれぞれ独立して存在している。
試しに10回程巻いてからボタンを押して使用してみる。
チチチ…
扇状に動く1/10秒の針が忙しく左右に動き、秒針も併せて動く。
もう一度ボタンを押すと針が止まり、もう一度押すとリセットされた。
正常に稼働している。
イズミは改めて巻いてからポケットに仕舞い、作っていたコーヒーを飲む。
「コーヒー豆、探さないとな」
そう呟きながら飲み終えると、屋敷へと歩き出して食堂へと向かった。
イズミが従者の1人に声を掛けて食堂に入ると、料理長が気付いて近付いて来た。
「どうなさいました?」
「砂時計を確認したいのですが、お時間はありますか」
料理長は部下に砂時計を用意させると、イズミはポケットから取り出したストップウォッチをテーブルに置き、使い捨ての紙と炭を借りる。
「では、私の声掛けで同時に砂時計を動かして下さい」
合図を出して全ての砂時計を動かすのに併せて、ストップウォッチを運転させる。
小さな砂時計の前に立ち、砂が落ちきるのを確認すると紙に時間を書き込んでゆく。
「…思った以上に精密だな」
砂時計は小さい物から1分、3分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分と揃っていたのだ。
それも殆どストップウォッチと大差無い精度だった。
確認した結果を料理長に伝え、レシピに書いてある数字とこの世界の数字の微妙な違いを整合させる。
それを終えたイズミは屋敷から馬車置き場へと向かっていると、偶然出会したアヤに呼び止められた。
「イズミ様、グラント公爵から書類が届きましたよ」
「内容はどんなでしたか?」
「公爵側の責任者は御子息のウィレム様で決定したようですね」
「そうですか…何を聞かれる事やら」
ため息をついたイズミだったが、気を取り直してアヤの執務室へと足を運んだ。
アヤの執務室に入ると、早速アヤが書類を読み上げてくれた。
聞く限り大半の内容は事実確認であり、事実であればその詳細についても質問内容に書かれているようだ。
「…こんな質問に答えた所で、何になるのですかね?」
「質問に答えた内容から、イズミ様の人物像を少しでも固める意味合いもあるかと。それと取引が可能な相手であるか、見極める事にも使えます」
「見極めですか」
「他領地の貴族もどうにかしてイズミ様との直接取引をしたいが為に、事実確認をした情報を元に秘密裏に行動を起こす事も有りえますね」
何個もある質問にイズミが答え、アヤがその内容を紙に書いてゆく。
「病を治せるのか、長距離移動の方法、魔物との戦闘術、答えを知っても活用出来ないだろうに」
「だからこそイズミ様と取引して、得られる物が無いかを探っているのですよ」
今回はなるべく丁寧に回答し、今後の動きを予測しながら打ち合わせを終わらせる。
そんな時だった。
「…イズミさん、聞こえる?ソフィアよ」
久し振りの魔法通信が来たので、アヤに断りを入れてから返事をする。
「ご無沙汰してます、何でしょうか?」
「やっとこの前受け取った資料を確認し終えたのよ。膨大な量で大変だったわ」
「実りはありましたか」
「それはもう沢山…そこで、イズミに頼みたい事があるのよ」
ソフィアは魔法通信でも言い難い事があるのか、少し間を開けてから言った。
「貴方が今ラミア族の賓客としてヒュミトールに居るのも知った上での事なのだけど…私の仕事の援護、いえサポートを頼めないかしら?規模が大き過ぎて、どう頑張っても戦力不足なのよ」
「サポートですか」
「詳しくは直接会って話したいのだけれど」
「場所の指定は」
「近々ヒュミトールに行く予定があるから、その時にグラテミア様の屋敷で。勿論私からグラテミア様に話を付けるわ」
「分かりました。ではそれで」
魔法通信を切ったイズミは、目を閉じて静かにため息をついた。
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